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小川 修一*; 高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 盛谷 浩右*; 水野 善之*
電気学会論文誌,C, 127(2), p.140 - 145, 2007/02
酸素分子が室温のTi(0001)-11表面に吸着するときの初期吸着確率を並進運動エネルギーの関数としてリアルタイム光電子分光法で測定した。O 1s光電子スペクトルは三つの成分(A, B, C)でよくフィッティングできた。成分Aの結合エネルギーは528.8eVであり、成分BとCはそれからそれぞれ+0.7eV, +1.6eVシフトしている。酸素ビームを照射していくと成分AとCがおもに現れて、成分Bは潜在時間を置いて後に現れてくる。これは二種類の化学吸着状態が初期に形成されることを意味している。初期吸着確率の入射エネルギー依存性は成分AとCで大きく異なることがわかった。すなわち、成分Cの初期吸着確率は入射エネルギーとともに単調に減少し、0.5eV以上ではほぼ一定であるが、成分Aのそれは0.5eVまで急激に減少し、その後、緩やかに増加して再び減少し、0.9eVと1.8eVで極大を示した。成分AとCで観察された初期吸着確率の入射エネルギー依存性は物理吸着状態を経た解離吸着や直接的な解離吸着と解釈された。
小川 修一*; 高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*
真空, 49(12), p.775 - 779, 2006/12
Ti(0001)-11表面を超音速窒素分子ビームで窒化し、リアルタイム光電子分光法で吸着反応ダイナミクスを調べた。調べたすべての窒素供給量において、N1s内殻準位の光電子スペクトルは二つの化学シフトした成分から成り立ち、その結合エネルギーは396.9と396.6eVである。その二つの成分で初期吸着確率はともに入射エネルギーに対して減少傾向を示した。ただし、0.3eVと1.5eVに極小がみられた。そのような入射エネルギー依存性は二つの成分の化学結合状態が類似していることを表している。0.3eV以下では物理吸着状態を経由した吸着過程、0.3eV以上では活性化吸着がおもに起こると考えられる。
小川 修一*; 高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 水野 善之*; 頓田 英機*; 本間 禎一*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 盛谷 浩右; 鉢上 隼介
JAERI-Tech 2004-046, 25 Pages, 2004/06
Ti(0001)表面の初期酸化過程を調べるために、SPring-8のBL23SUに設置されている表面化学実験ステーションの表面化学反応分析装置を用いて、酸素分子の初期吸着係数の並進運動エネルギー依存性を調べた。その結果、酸素分子の並進運動エネルギーが増加すると初期吸着係数は単調に低下していくことが明らかとなった。また初期吸着係数の酸素分子ビーム入射角度依存性を調べた。その結果、初期吸着係数は分子ビームの入射角度に依存せず一定であることがわかった。以上のことからTi(0001)表面への酸素分子の解離吸着過程はTrapping-mediated dissociative adsorption機構で進行すると結論される。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 盛谷 浩右; 小川 修一*; 水野 善之*; 頓田 英機*; 本間 禎一*
真空, 47(6), p.457 - 461, 2004/06
Ti(0001)表面の酸化反応を400C, 3.710Paの反応条件のもとで放射光を用いてその場リアルタイム光電子分光観察した。酸素の吸着曲線は45-85Lで一旦台形状になるが、その後増加した。この再増加はTiの酸化状態がTiOからTiOに変化することに伴って起こる。結局、酸素の吸着曲線の特異的な変化はTiの酸化状態の変化に対応していることがわかった。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*; 頓田 英樹*; 本間 禎一*
表面科学, 24(8), p.500 - 508, 2003/08
Ti(0001)表面の酸素分子による初期酸化過程の温度依存性を低エネルギー電子回折(LEED)とリアルタイム光電子分光で解析した。LEEDから酸化膜がエピタキシャル成長することが明らかとなった。酸素の光電子分光から酸素の拡散が温度によって促進され、400Cで7nmにもなることが明らかになった。Tiの光電子分光から表面近傍ではTiOが主であるが界面ではTiOやTiOも存在することが明らかになった。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 山内 康弘*; 水野 善之*; 頓田 英樹*; 本間 禎一*
Applied Surface Science, 216(1-4), p.395 - 401, 2003/06
被引用回数:19 パーセンタイル:64.2(Chemistry, Physical)SPring-8の原研軟X線ビームラインBL23SUに設置した「表面反応分析装置」を用いてTi(0001)表面のO分子による酸化素過程を放射光による光電子分光法で実時間その場観察した。また、東北大学において反射高速電子線回折(RHEED)とオージェ電子分光(AES)によっても実時間その場観察を行った。酸素分圧を210 Torrから810Torrの範囲とし、表面温度を473Kまたは673Kとした。光電子分光観察ではTi-2pとO-1s光電子スペクトルの時間発展を観察することで、清浄Ti表面がTiO変化する様子が観察された。また、RHEED-AES測定においては反射電子線強度とO-KLLオージェ電子強度が時間に依存した振動構造を示した。これらの実験結果から酸化されたTi(0001)表面の粗さの変化は表面の金属層の消失ばかりでなく、酸化結合状態の変化にも関係していることが明らかとなった。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*; 頓田 英樹*; 本間 禎一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 200, p.376 - 381, 2003/01
被引用回数:10 パーセンタイル:56.43(Instruments & Instrumentation)Tiは耐食性,耐熱性に優れた性質から今日広く使われている。Ti表面は活性であるため酸化による不動態化が必要であるが、Ti酸化膜の形成過程についてはよく理解されていない。本研究では極薄膜のTi酸化膜の形成過程における化学結合状態を調べることを目的としてTi(0001)表面の初期酸化過程を放射光を用いた時間分解光電子分光でその場観察した。実験には原研ビームラインBL23SUの表面反応分析装置を用いた。Ti-2p,O-1sの光電子スペクトルをそれぞれ40eV,10eVの広い範囲にわたって短時間で計測して時間発展を観察することに成功した。酸化の初期においては最表面Tiの酸化に伴い内殻準位のエネルギーがシフトしたTiの成分が減少し、酸化の進行に伴って再び最表面にTi層が出現するとともに酸化が再び進行することがわかった。
小川 修一*; 高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*
no journal, ,
Ti(0001)表面の超音速窒素分子ビームによる窒化反応をリアルタイム光電子分光法で解析した。窒素の吸着曲線と窒化状態の基板温度依存性を調べた。超音速窒素分子ビームの運動エネルギーは0.03eVから1.99eVとした。基板温度は27C, 200C, 400Cとした。放射光のエネルギーを668eVとした。N1s光電子スペクトルを26秒間隔で連続的に測定した。27Cと200CではN1s光電子ピークは二つの成分からなり、400Cでは三つの成分から構成されることが明らかとなった。
小川 修一*; 高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*
no journal, ,
Ti表面での窒素吸着反応ダイナミクスを明らかにするために、超音速窒素分子ビームを用いたTi(0001)表面窒化過程を光電子分光でリアルタイム観察し、窒素分子の吸着状態を識別して初期吸着確率の運動エネルギー依存性を調べた。N1 s光電子ピークはふたつの成分から成り立っている。成分ごとの吸着曲線から初期吸着確率の運動エネルギー依存を求めた。ふたつの成分ともほぼ同様の依存性を示した。0.3eV以下では物理吸着状態を経由した解離吸着が主であり、0.3eV以上では直接解離吸着が主となることがわかった。
高桑 雄二*; 小川 修一*; 大平 雅之*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*; 山内 康弘*; 本間 禎一*
no journal, ,
Ti(0001)-11清浄表面の酸素分子による酸化過程をXPS, UPS, AES/RHEEDの各種表面分析方法でリアルタイムモニタした。それによって以下の結論を得た。酸化層はTi(0001)表面に構造を持ってエピタキシャル成長する。表面荒さは周期的に変化する。その周期は仕事関数のそれと一致する。低酸化状態(TiO)が酸素の解離吸着に大きな影響を与える。酸化膜は673Kで容易に熱分解する。分解中はTiOからTiOへの還元が起こる。