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太田 祐貴*; 末木 啓介*; 笹 公和*; 高橋 努*; 松中 哲也*; 松村 万寿美*; 戸崎 裕貴*; 本多 真紀*; 細谷 青児*; 高野 健太*; et al.
JAEA-Conf 2018-002, p.99 - 102, 2019/02
福島第一原子力発電所事故により放出された放射性核種に長寿命のCl(半減期: 30.1万年)がある。Clは放射性廃棄物の処理の際に土壌中における高い移動能と相まって重要な核種である。しかし、土壌中では無機塩素(Clinorg)が有機塩素(Clorg)に変換・保持されることで、その移動の機構は不明である。本研究では、汚染地域の無機Clの深度分布を得ることでClの動態を検討し、事故によるCl汚染の程度を検討した。また、5cm表土に含まれるClについても検討した。2017年における深度分布では、Cl濃度は表層で最も高くなり、深度とともに緩やかに減少した。一方で、Cl/Clはほぼ一定(平均値: 3.240.55 (10))の値を示した。事故前のCl/Clと比べるとCl/Clの増加を示し、事故由来のClは土壌3.6g/cm(=5cm深)より深く移動していることが分かった。
松中 哲也*; 笹 公和*; 高橋 努*; 細谷 青児*; 松村 万寿美*; 佐藤 志彦; Shen, H.*; 末木 啓介*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 439, p.64 - 69, 2019/01
被引用回数:2 パーセンタイル:23.19(Instruments & Instrumentation)炭素14による環境影響を評価するため、東海原子力発電所周辺で採取した松の切り株から加速器質量分析を使用して炭素14の量を測定した。1959年から2013年までの間において232-403Bq/kgCが確認され、1959-1965年および2011-2013年はバックグラウンドレベルだった。1966-2010年の間は東海原子力発電所および東海再処理工場の公開されている運転履歴にマッチした。一方、これらの炭素14から受ける放射線量は1年あたり3.9Sv以下であり、影響は十分無視できるレベルである。
松中 哲也*; 笹 公和*; 高橋 努*; 細谷 青児*; 松村 万寿美*; 末木 啓介*; 佐藤 志彦
第19回AMSシンポジウム・2016年度「樹木年輪」研究会共同開催シンポジウム報告集, p.76 - 79, 2017/06
原子力施設の稼働に伴い放出するC放出量を松の木の年輪に含まれるCを測定することで評価した。結果、(1)東海原子力施設周辺における1967-2010年単年輪内のC濃度は、北半球バックグラウンドに比べ2.6-70Bq kgC高かった。(2)単年輪内の余剰C濃度は、2つの原子力発電所からのC放出量変動の影響を受けて、稼働開始時期と終了時期におよそ応答して増加傾向と減少傾向を示した。(3)再処理施設からのC放出量が比較的多かった3つの時期(1980年, 1985年, 1992年付近)に余剰C濃度の増大が認められた。(4)主として東海原子力施設に由来すると考えられる単年輪内余剰Cは、食物摂取による実効線量に換算すると最大で3.9Sv yr程度であった。
瓜生 満; 山崎 敏彦; 坂口 忍; 細谷 寿*; 篠原 孝治; 中山 一彦; 近藤 俊成*
PNC TN8410 98-011, 15 Pages, 1997/12
東海再処理施設のユーティリティ施設(再UC施設)建家に、積層ゴム及び鉛ダンパーからなる免震装置を用いた免震構造を採用する予定である。本報告では、耐震重要度の高い原子力施設に適用される従来の耐震構造用の基準地震動(大崎の手法)に加え、本建家の固有周期(等価固有周期で約3秒)を包含する免震構造用の基準地震動(各種のやや長周期地震動評価手法)に対する建物の動的解析法を示した。
瓜生 満; 寺田 修司; 中山 一彦; 細谷 寿*; 篠原 孝治; 山崎 敏彦; 近藤 俊成*
PNC TN8410 97-286, 41 Pages, 1997/09
東海再処理施設のユーティリティ施設建家に、免震霞構造を採用することとなった。同施設は、耐震重要度分類がAsクラスであり本報告では、このような耐震重要度の高い再処理施設建家に免震構造を採用した場合、機器・配管類への入力加速度の低減が図れ従来の耐震構造と同等な安全性が確保できる等耐震安全性を十分な裕度、信頼性をもって確保できることを示した。本施設建家は下部基礎版、免震層、上部構造から構成され、免震層には建家荷重の支持と固有周期の延伸を目的とした積層ゴム及び地震エネルギーの吸収を目的としたダンパーを配置している。なお、施設建家は、従来の耐震重要度の高い建物と同様、十分安定な地盤である新第三紀中新世の砂質頁岩(多賀層)に直接支持させることとしている。建物の動的解析に用いる設計用人力地震動については、「免震構造設計用人力地震動策定報告書」で示したものを用いることとし建家の耐震フロー、免震装置の設計フロー等を提示し、かつそのフローの中で用いるべき設計上の許容限界を示している。このことより、構造物全体が終局状態に至るまでの安全裕度を定量的に設定可能となったことが特筆される。
瓜生 満; 寺田 修司; 中山 一彦; 細谷 寿*; 篠原 孝治; 山崎 敏彦; 近藤 俊成*
PNC TN8410 97-124, 155 Pages, 1997/05
従来の原子力施設建家は、いわゆる剛構造と呼ばれる耐震構造を採用しており、その設計用入力地震動の策定手法(大崎の手法と呼ばれる)は確立されたものであり、多くの実績を有している。これら剛構造建家の固有周期は0.10.5秒程度の短周期側にあるが、免震構造建家の固有周期は大地震時には24秒程度のやや長周期側にある。したがって、原子力施設建家に免震構造を採用する場合、やや長周期地震動を適切に評価する必要があり、その評価手法には様々なものが提案されているものの、いまだ確立されたものはない状況であった。また、検討対象とすべき地震そのものも、やや長周期という観点から表面波の影響等、遠距離の大地震を加える必要があり、さらに多角的な評価検討が必要であった。ここでは東海事業所の再処理施設建家に、積層ゴム及び鉛ダンパーからなる免震装置を用いた免震構造を採用する際に策定した免震構造設計用入力地震動の評価手法について報告する。なお、本報告で示した免震設計用入力地震動は、東海事業所における第三紀層地盤立地の免震施設建家に適用されるものである。
太田 祐貴*; 末木 啓介*; 笹 公和*; 高橋 努*; 松中 哲也*; 松村 万寿美*; 戸崎 裕貴*; 細谷 青児*; 高野 健太*; 落合 悠太*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により、莫大な量の放射性核種が環境中に放出された。Cl(半減期: 30.1万年)もまた放出が疑われる核種である。しかし、汚染地域の土壌中に含まれるClを報告する研究は三宅ら(2015)の1件だけである。さらなる研究によりClの放出量と他の放射性核種の放出挙動との関係を評価することが求められる。そこで本研究では、筑波大学加速器質量分析(AMS)装置を用いて得たCl/ClからCl蓄積量(Bq/m)の算出を行い、放出量の大きいCsやClと同じハロゲンであるIとの比較検討を行った。