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雨宮 邦招*; 越川 博; 八巻 徹也; 前川 康成; 蔀 洋司*; 沼田 孝之*; 木下 健一*; 田辺 稔*; 福田 大治*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 356-357, p.154 - 159, 2015/08
被引用回数:10 パーセンタイル:61.82(Instruments & Instrumentation)広帯域波長の極低反射率材料は光エネルギー管理の分野で様々な応用が期待できるが、極低反射率を持つ素材は、機械的に壊れやすいことが問題であった。そこで本研究では、CR-39基板上へのイオントラックエッチング、その後のダイヤモンドライクカーボンコートによる微細加工技術により、新しい硬質表面光吸収体を開発した。この新規光吸収層についてスペクトルの反射率を評価したところ、400-1400nmの波長域で2%と低い反射率を示した。機械特性の評価では、エアブローやテープ剥離試験による影響がなく、機械的に硬いことが確認された。
松本 吉弘; 圓谷 志郎; 小出 明広*; 大伴 真名歩; Avramov, P.; 楢本 洋*; 雨宮 健太*; 藤川 高志*; 境 誠司
Journal of Materials Chemistry C, 1(35), p.5533 - 5537, 2013/09
被引用回数:33 パーセンタイル:76.53(Materials Science, Multidisciplinary)The spin-electronic structures across the interface between single-layer graphene and a Ni(111) thin film are explored by employing the depth-resolved X-ray absorption and magnetic circular dichroism spectroscopy with the atomic layer resolution. The depth-resolved Ni L-edge analysis clarifies that the Ni atomic layers adjacent to the interface show a transition of the spin orientation to the perpendicular one in contrast with the in-plane one in the bulk region. The C K-edge analysis reveals the intensifying of the spin-orbital interactions induced by the -d hybridization at the interface as well as out-of-plane spin polarization at the
band region of graphene. The present study indicates the importance of the interface design at the atomic layer level for graphene-based spintronics.
Belitz, H. J.*; Althausen, B.*; 上原 和也; 雨宮 宏*
JAEA-Research 2009-048, 21 Pages, 2010/01
本プローブはトカマク周辺プラズマ(SOL)の正イオンの温度を測定するために開発されたものである。周辺プラズマではイオン温度は通常電子温度より高いのでプローブ前面のプリシースを考慮する必要がなくイオンはプローブに熱速度で到来すると考えてよい。プローブは円筒型で軸は磁場に平行に置くものとする。重要なパラメータはプローブの長さLと半径aの比L/aと半径と(/4)
(
:イオンの平均ラーマ半径)の比
である。円筒の側面,端面へのイオン電流強度は二重積分で表され
の大きい場合には解析的な表式で表される。2本の異なる長さの円筒電極を磁場に平行に置く時互いの電流差から
が得られそこからイオン温度が決定される。終わりにJFT-2MとTextorトカマクへの幾つかの適用例について示す。
都筑 和泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; Bakhtiari, M.*; 小川 宏明; 栗田 源一; 武智 学; 河西 敏; 佐藤 正泰; 川島 寿人; et al.
Nuclear Fusion, 46(11), p.966 - 971, 2006/11
被引用回数:16 パーセンタイル:47.35(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、発電実証炉のブランケット構造材の有力候補である低放射化フェライト鋼のプラズマへの適用性を調べる「先進材料プラズマ試験」を段階的に進めてきた。核融合原型炉では壁安定化効果を利用して規格化ベータ3.55.5程度のプラズマを生成することが想定されているため、フェライト鋼のような強磁性体壁をプラズマに近づけた時のMHD安定化への影響を評価することは応用上重要である。そこで、壁とプラズマとの距離を変え、安定化効果を調べる実験を行った。まずプラズマの位置,圧力をより正確に評価するための平衡計算コードの改良を行った。改良後のコードを実験と比較し、良い一致が見られた。そのうえでプラズマを壁に近づける実験を行い、プラズマ小半径で規格化した壁との距離が1.3程度の範囲までフェライト鋼壁と高規格化ベータプラズマが共存し得ることを実証した。また、壁との距離以外の条件が共通しているデータセットを抽出し、壁に近い配位の方が(1)
限界が上昇する、(2)コラプスに至る時定数が長くなるなど、壁安定化効果の存在を示唆するデータが得られた。
上原 和也; 都筑 和泰; 雨宮 宏*; 永島 芳彦*; 星野 克道; 定本 嘉郎*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 45(24), p.L630 - L633, 2006/07
被引用回数:3 パーセンタイル:12.69(Physics, Applied)トカマクの磁気面位置を検知したデータが示される。バイアス電圧をかけられた段差のある2つのダブルプローブで、磁気面位置を移動させた時に、2つのダブルプローブの電流の差を読み取るとセパラトリックスの位置で変化が生じる。この値から、セパラトリックスの位置が推定され、磁気面コードとの違いを評価した。この値は同じプローブで測定した浮遊電位の揺動の相関とも比較され良い一致を示した。同時に、このプローブでイオン温度を測定した。
河西 敏*; 神谷 健作; 篠原 孝司; 川島 寿人; 小川 宏明; 上原 和也; 三浦 幸俊; 岡野 文範; 鈴木 貞明; 星野 克道; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.225 - 240, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:23.75(Nuclear Science & Technology)約30台の計測装置から構成されているJFT-2Mの計測診断システムは、プラズマ生成,制御,平衡,安定性,閉込め,NBIやRF(LH, ICRF, ECH)による加熱,RFによる電流駆動の研究に使用されてきた。このうち、運動シュタルク効果を利用した偏光計,荷電交換反応分光器,重イオンビームプローブ,飛行時間測定法による中性粒子測定器等は、Hモード,高リサイクリング定常(HRS)Hモードの閉込め改善機構の解明や運転領域の探求に貢献した。赤外テレビカメラ,損失イオンプローブは、リップル損失粒子による壁への熱負荷,主プラズマからの損失するイオンに関する研究でそれぞれ重要な役割を果たした。この論文は、これらの計測機器についてレビューしたものである。
川島 寿人; 仙石 盛夫; 上原 和也; 玉井 広史; 荘司 昭朗*; 小川 宏明; 柴田 孝俊; 山本 正弘*; 三浦 幸俊; 草間 義紀; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.168 - 186, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:23.75(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mトカマクでは、SOL/ダイバータプラズマの物理を理解し、熱・粒子を能動的に制御するための実験研究を進めてきた。1984年のJFT-2M実験開始後10年間は開ダイバータ形状で、ダイバータプラズマの内外非対称性,熱・粒子の輸送,ELM中のSOL電流特性等が明らかとなり物理的理解を進めた。局所排気,境界摂動磁場印加,ダイバータバイアス,周辺加熱などの先進的手法を取り入れ、熱・粒子を能動的に制御できることを実証した。ダイバータでの熱・粒子独立制御性向上を目指し、1995年に熱・粒子束流を考慮しながらダイバータ開口部を狭める閉ダイバータ化を実施した。ダイバータ部から主プラズマ周辺への中性粒子の逆流を抑える遮蔽効果が有効に機能し、主プラズマの高閉じ込め状態を劣化させることなく、ダイバータ板熱負荷を低減するための強力ガスパフが可能となり、n=4
10
m
, T
=4eVまでの低温高密度ダイバータプラズマを実現することができた。また、高閉じ込めモード中、周辺プラズマにおいて特有の揺動が現れることがわかり、閉じ込めとの関係が示唆された。本論文はこれらの成果のレビューである。
都筑 和泰*; 木村 晴行; 草間 義紀; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 上原 和也; 栗田 源一; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.197 - 208, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:59.42(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケット構造材の有力候補である。しかし、強磁性体であるため、プラズマの生成,制御,閉じ込め,安定性等に悪影響を与えることが懸念されていた。また、酸素不純物の吸蔵量が大きいことから、プラズマ中に不純物を放出することも懸念された。JFT-2Mでは段階的にフェライト鋼を導入して適合性試験を進めた。その最終段階では、真空容器内壁の全面にフェライト鋼を設置して実験を行った。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であり、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。また、高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも原型炉の運転領域に相当する規格化ベータ3.5程度のプラズマが生成できることを実証した。壁に近づけると不安定性の成長速度が遅くなることを示し、フェライト鋼壁が非磁性導体壁と同様の壁安定化効果を持つことを示した。低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されなかった。以上のように、フェライト鋼の原型炉への適用に対し見通しを与える結果が得られた。
雨宮 宏*; 上原 和也
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(1A), p.247 - 249, 2006/01
被引用回数:4 パーセンタイル:16.78(Physics, Applied)トカマクの磁気面は磁気プローブの信号をもとにして平衡コードを用いた計算で推定されるが、その絶対位置については不明である。これを求めるために径方向に段差のついた2組のダブルプローブシステムに正負のバイアスをかけ、プラズマを動かしてプローブがセパラトリックス表面を横切った時に、ダブルプローブのイオン飽和電流値の増加が現われることに注目して、これを差動増幅器で精密に測定して評価した。さらに、得られる電流値はイオン温度の情報を有していることも示した。
雨宮 宏*; 和田 元*; 豊田 浩孝*; 中村 圭二*; 安藤 晃*; 上原 和也; 小山 孝一郎*; 酒井 道*; 橘 邦英*
プラズマ・核融合学会誌, 81(7), p.482 - 525, 2005/07
プラズマ核融合学会からの依頼原稿である。幅広い専門分野にわたる学会誌読者のために核融合プラズマでのプローブ測定の実際を解説した。第1章では、シングルプローブにおけるプローブ特性から電子温度と密度を決定する手順と電子エネルギー分布関数の測定法及びイオン温度の測定について静電エネルギー分析器,イオン感受プローブを取り上げて解説した。第2章ではダブルプローブにおけるイオン温度とフローの測定法を非対称プローブと回転対称プローブを取り上げて解説した。原研のトカマクのJFT-2, JFT-2a及びJFT-2Mで得られたデータを紹介してプローブ測定の実際を解説した。
都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:44.45(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
上原 和也; 福本 亮介*; 津島 晴*; 雨宮 宏*
Journal of the Physical Society of Japan, 72(11), p.2804 - 2810, 2003/11
被引用回数:4 パーセンタイル:34.01(Physics, Multidisciplinary)静電プローブによる強磁場中のイオン温度の有力な測定法であるイオンセンシティブプローブの性能を拡張する目的でイオンセンシティブプローブの電子障壁の有限幅を考慮した粒子シミュレーションを行った。電子障壁の高さhに対するイオン電流の依存性を計算して、実験的に得られるイオン電流-h特性からより正確にイオン温度を評価できることが示された。hがリモート制御できるような改造型のイオンセンシティブプローブをJFT-2Mのプラズマに適用し、オーミック加熱時及びL/H遷移時のイオン温度を測定することに成功した。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:73.33(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
上原 和也; 津島 晴*; 雨宮 宏*; 川島 寿人; 星野 克道
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 42(2A), p.657 - 662, 2003/02
被引用回数:4 パーセンタイル:19.89(Physics, Applied)JFT-2Mトカマクのダイバータプラズマに対して静電プローブを用いて電子エネルギー分布関数を測定した。従来、静電プローブによる分布関数の測定はプローブ関数の二次微分で行われるが、一次微分による測定例は少なく、トカマクプラズマに対しては初めてである。電子エネルギー分布関数をプローブ電流の一次微分で測定するには、空間電位付近までプローブ電圧を印加して、かつ十分な電子飽和電流を得ることが必須の条件になるが、トカマクプラズマのような強い磁場中ではこの条件はなかなか満たされない。そこで磁場が非常に小さい値を保っているセパラトリックス付近のプラズマに着目して静電プローブ測定を行い、電子エネルギー分布関数を成功裏に測定した。プローブ電流の、一次微分は回路微分で行った。JFT-2Mのオーミックプラズマに対して密度依存の実験を行い、電子エネルギー分布関数とバルクの電子温度がどのように変化するかを測定した。さらに電子サイクロトロン加熱プラズマに対しても電子エネルギー分布関数を測定した。
上原 和也; 前田 満; 津島 晴*; 雨宮 宏*
Journal of the Physical Society of Japan, 72(1), p.94 - 100, 2003/01
被引用回数:2 パーセンタイル:21.22(Physics, Multidisciplinary)周辺プラズマの輸送モデルについての研究の集大成である。トカマクの周辺プラズマにおける磁気面に垂直な輸送が、粒子保存則及びエネルギー保存則を用いて評価される。従来のモデルに電離と荷電変換による損失項を加えさらに温度勾配による輸送への寄与を含めて精密化した。シースポテンシャルで加速される粒子束を含んだ、連続長についての詳細な考察もAppendixに含めた。得られた表式により、JFT-2Mの静電プローブで測定されている実験値を代入して、輸送係数を評価した。
上原 和也; 前田 満; 津島 晴*; 雨宮 宏*
Contributions to Plasma Physics (CD-ROM), 42(2-4), p.384 - 388, 2002/04
実験的に得られているトカマク周辺のプラズマパラメーターから電子及びイオンの粒子拡散係数D,D
や熱拡散係数
,
を求めるためのスクレイプオフ層の輸送モデルをさらに発展させ、より精密なものにした。粒子保存の式とエネルギー保存の式が解かれ、今まで無視していた電離と荷電交換損失によるソース項も正確に取り入れた。D
と
(j=e,i)は磁力線に沿った結合長L,イオン温度T
,電子温度T
,密度と温度勾配の減衰長
,
,
それにマッハ数Mの関数として表現される。JFT-2Mの静電プローブ類でこれらのデータは得られているので、D
や
が正確に求められる。評価の一例として、JFT-2Mで得られているT
/T
=2
6,M=0.06
0.2のパラメーターでは
D
D
D
という結果が得られた。ただし、D
と
は測定点におけるボーム拡散係数と新古典論に基づく拡散係数である。
千々松 正和*; 根山 敦史*; 石原 義尚*; 雨宮 清*; 塩崎 功*; 岩田 浩*; 佐川 寛*
JNC TJ8400 2002-004, 83 Pages, 2002/02
本研究は、地層処分システムのニアフィールドにおける連成解析を実現させるため、熱-水-応力連成解析コードへの物質移行モデルの追加、数値解析コード開発環境ツールを用いた予備的な連成解析について実施した。(1)熱-水-応力-連成解析コードへの物質移行モデルの追加を目的として、機能要求、解析手法について検討し、オイラリアン・ラグランジアン法(EL法)による物質移行機能追加を基本とした改良計画を提示した。(2)改良計画に基づき、既存の熱-水-応力連成解析コード(THAMES)に物質移行モジュールを追加し、検証計算を行った。(3)高レベル放射性廃棄物人工バリアの緩衝材中における熱-水-応力場の塩の挙動を把握するため、改良した解析コード(THAMES-Transport)を用いて連成解析を行った。解析の結果、緩衝材中の塩の移行挙動や濃縮挙動は表現できたが、今回設定した解析条件の下では、塩の蓄積現象は生じなかった。(4)数値解析コード開発環境ツール(Diffpack)上での連成解析の実現性を確認するため、予備的連成解析システムの設計、製作を行った。本予備的連成解析システムでは、既存の物質移行解析コード(HYDROGEOCHE)、地球化学計算コード(phreeqe60)の連成を対象とした。(5)予備的連成解析システムの正確性を確認することを目的として、開発した連成解析コードと既存の物質移行-地球化学連成解析コード(HYDROGEOCHE)のベンチマーク解析を実施した。(6)THAMESの改良、予備的連成解析システムの製作を通じて課題を摘出し、短期的な開発計画(案)を作成した。
千々松 正和*; 根山 敦史*; 石原 義尚*; 雨宮 清*; 塩崎 功*; 岩田 浩*
JNC TJ8400 2002-003, 155 Pages, 2002/02
本研究は、地層処分システムのニアフィールドにおける連成解析を実現させるため、熱-水-応力連成解析コードへの物質移行モデルの追加、数値解析コード開発環境ツールを用いた予備的な連成解析について実施した。(1)熱-水-応力-連成解析コードへの物質移行モデルの追加を目的として、機能要求、解析手法について検討し、オイラリアン・ラグランジアン法(EL法)による物質移行機能追加を基本とした改良計画を提示した。(2)改良計画に基づき、既存の熱-水-応力連成解析コード(THAMES)に物質移行モジュールを追加し、検証計算を行った。(3)高レベル放射性廃棄物人工バリアの緩衝材中における熱-水-応力場の塩の挙動を把握するため、改良した解析コード(THAMES-Transport)を用いて連成解析を行った。解析の結果、緩衝材中の塩の移行挙動や濃縮挙動は表現できたが、今回設定した解析条件の下では、塩の蓄積現象は生じなかった。(4)数値解析コード開発環境ツール(Diffpack)上での連成解析の実現性を確認するため、予備的連成解析システムの設計、製作を行った。本予備的連成解析システムでは、既存の物質移行解析コード(HYDROGEOCHE)、地球化学計算コード(phreeqe60)の連成を対象とした。(5)予備的連成解析システムの正確性を確認することを目的として、開発した連成解析コードと既存の物質移行-地球化学連成解析コード(HYDROGEOCHE)のベンチマーク解析を実施した。(6)THAMESの改良、予備的連成解析システムの製作を通じて課題を摘出し、短期的な開発計画(案)を作成した。
津島 晴*; 上原 和也; 雨宮 宏*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.2, p.81 - 84, 1999/00
JFT-2Mのスクレイプオフ層では、新型の2つのダブルプローブを用いてイオン温度が測定され、通常のラングミュアプローブにより密度と電子温度を測定しているが、これらの諸量はいずれも指数関数的に減少する結果を得ている。これらの値を用いて、スクレイプオフ層の粒子熱輸送係数を求めた。今回の成果は、従来無視していた、中性粒子によるソース項を正確に取り入れることによって輸送モデルを見直し、粒子・熱輸送係数を修正した。その結果リミター端でのT=80eV,T
=6eVの時の粒子拡散係数D
=0.6~0.7m
/s、電子熱拡散係数
=2.0~2.7m
/s、イオン熱拡散係数
=2.3~2.5m
/sという値が得られた。この値は、ボーム拡散係数の数倍の値となっている。
大伴 真名歩; 松本 吉弘; 圓谷 志郎; Avramov, P.; 楢本 洋*; 雨宮 健太*; 境 誠司
no journal, ,
グラフェンはスピントロニクス材料として有望であるが、グラフェンへのスピン注入には酸化アルミニウム・酸化マグネシウムなどのトンネルバリアの挿入が不可欠である。本研究では酸化アルミニウム・酸化マグネシウムよりも成膜時のダメージが少ないバリア層材料として六方晶窒化ホウ素(h-BN)を提案し、その電子・スピン状態をX線吸収分光・X線吸収磁気円二色性測定により解析した。ホウ素のK吸収端と窒素のK吸収端において解析した結果、それぞれにおいてXMCDシグナルが観測された。多重散乱理論を用いたシミュレーション結果と照らし合わせた結果、窒素原子のみにスピン軌道相互作用を持たせても十分な大きさのXMCDシグナルが得られないことがわかった。これは周辺のNi原子の交換ポテンシャルによる散乱などの効果を考慮に入れなければならないことを示している。