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前田 茂貴; 内藤 裕之; 曽我 知則; 青山 卓史
Nuclear Data Sheets, 118, p.494 - 497, 2014/04
被引用回数:4 パーセンタイル:31.60(Physics, Nuclear)高速炉での発熱の空間分布の評価では、すべての
線放出成分を考慮する必要がある。しかし、アクチニド核種の遅発
線の生成収率等のデータはJENDLやENDFのような汎用核データライブラリには格納されていない。すべての
線生成を考慮するため、JENDL-3.2及びJENDL-4.0に遅発
線データを追加した。この修正版のJENDL3.2及びJENDL4.0を用いて、MATXSLIB形式の多群ライブラリを作成した。高速実験炉「常陽」を対象に、固定線源の輸送問題において本ライブラリを適用したところ、
線束が遅発
線を考慮しない場合に比べて40%増加することが確認できた。また、この計算値の検証として、計測線付実験装置により得られた測定値と比較したところ、3-12%でよい一致を示した。
前田 茂貴; 伊藤 主税; 関根 隆; 青山 卓史
Journal of Power and Energy Systems (Internet), 6(2), p.184 - 196, 2012/06
高速実験炉「常陽」の炉心設計・炉心管理高度化のためのJUPITER標準解析手法の検証を、MK-III性能試験及び定格運転サイクルにおける炉物理試験結果を用いて実施した。解析結果と実験値との比は、5%以内とよく一致した。この比較を通じて、JUPITER標準解析手法の「常陽」MK-III炉心における計算精度を確認した。本研究の結果、制御棒価値をはじめとする核特性の設計裕度が合理化できる。これにより、燃料交換体数を節約した効率的な炉心設計・炉心管理が実施でき、節約した燃料により多くの照射試験を実施できる見通しを得た。
青山 卓史; 石川 高史; 伊藤 主税; 岩田 圭弘; 原野 英樹*
Transactions of the American Nuclear Society, 106(1), p.611 - 613, 2012/06
レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いた破損燃料位置検出(FFDL)システムの「もんじゅ」への適用性及びRIMSシステムの「もんじゅ」への設置について検討した。「もんじゅ」用FFDL条件におけるKr及びXeタグガス分析誤差を評価した結果、信頼度68%でタグガスを識別可能であり、RIMSが「もんじゅ」のFFDLに適用できることを確認した。また、設計したRIMS装置は、1次アルゴンガス系統などに接続可能であり、既存のFFDL装置と併設できる。
伊藤 主税; 荒木 義雄; 内藤 裕之; 岩田 圭弘; 青山 卓史
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles (FR 2009) (CD-ROM), 12 Pages, 2012/00
高速炉プラントの安全性向上を目指して、レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いた破損燃料位置検出及びNa漏えい検知技術の高度化に関する研究を進めている。破損燃料位置検出技術の開発では、燃料ピン中に封入されたガスによって燃料集合体を識別するタギング法にRIMSを適用し、カバーガスAr中にわずかに存在するXe及びKrの同位体比を測定する装置を開発して、「常陽」で実施した炉内クリープ破断試験に本装置を適用して破断した試料から放出されたタグガスを分析し、試料を同定した。また、大型化する高速炉の実用化を念頭に、現行のNa漏えい検出器より2桁検出感度を高めることを目標として、エアロダイナミックレンズを用いてNaエアロゾルをビーム形状に収束させて連続的に導入し、レーザアブレーションによりNaエアロゾルを原子化し、RIMSによりNa同位体を検出する装置を開発した。本研究により高速炉プラントの安全性を一層向上させ、高速増殖炉サイクルの実現に寄与していく。
中村 勤也*; 尾形 孝成*; 菊地 啓修; 岩井 孝; 中島 邦久; 加藤 徹也*; 荒井 康夫; 魚住 浩一*; 土方 孝敏*; 小山 正史*; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 10(4), p.245 - 256, 2011/12
「常陽」での照射試験を目的として、金属ウラン,ウラン-プルトニウム合金及び金属ジルコニウムを原料に、U-20Pu-10Zr燃料スラグを射出鋳造法により製造した。いずれの燃料スラグも表面は滑らかであり、合金組成,密度,長さ,直径,不純物濃度も製造仕様を満足した。製造した燃料スラグを、熱ボンド材,熱遮へい体及び要素反射体とともに下部端栓付被覆管に充填してTIG溶接を行い、ナトリウムボンド型金属燃料要素6本を組み立てた。これらの燃料要素は、今後B型照射燃料集合体に組み立てられた後、「常陽」に装荷されて国内で初めてとなる金属燃料の照射試験が実施される予定である。
中村 勤也*; 尾形 孝成*; 菊地 啓修; 岩井 孝; 中島 邦久; 加藤 徹也*; 荒井 康夫; 小山 正史*; 板垣 亘; 曽我 知則; et al.
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/12
電力中央研究所と原子力機構の共同研究の下で、国内では初めてとなる照射試験用のNaボンド型U-Pu-Zr金属燃料要素を製造した。高速実験炉「常陽」での照射試験は、被覆管最高温度が873K以上の条件における燃料挙動とステンレス鋼被覆管の内面腐食の評価を目的としている。燃料要素1本あたり200mmのU-20wt%-10wt%Zr金属燃料スラグは、U金属,U-Pu合金及びZr金属を原料に用いて、射出鋳造法により製造した。この金属燃料スラグを、ボンドNa及び熱遮へい体や要素反射体などの部材とともに被覆管に挿入したうえで、上下端栓を溶接することにより燃料要素を組立てた。引続きNaボンディングにより、ボンド材のNaを、金属燃料スラグと被覆管の空隙に充填した。製造した6本の金属燃料要素は、検査により製造仕様を満足していることを確認した後、「常陽」の照射装置組立検査施設に運搬された。
前田 茂貴; 伊藤 主税; 関根 隆; 青山 卓史
Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 10 Pages, 2011/10
高速実験炉「常陽」の炉心設計・炉心管理高度化のためのJUPITER標準解析手法の検証を、MK-III性能試験及び定格運転サイクルにおける炉物理試験結果を用いて実施した。解析結果と実験値との比は、5%以内とよく一致した。この比較を通じて、JUPITER標準解析手法の「常陽」MK-III炉心における計算精度を確認した。本研究の結果、制御棒価値をはじめとする核特性の設計裕度が合理化できる。これにより、燃料交換体数を節約した効率的な炉心設計・炉心管理が実施でき、節約した燃料により多くの照射試験が実施可能となる。
伊藤 主税; 伊東 秀明; 石田 公一; 青山 卓史
JAEA-Technology 2011-007, 56 Pages, 2011/06
高速実験炉「常陽」1次冷却系機器・配管内の放射性腐食生成物(CP)の付着状況とその推移を把握するため、MK-III炉心への移行に伴う冷却系改造工事後のMK-III炉心第2サイクル運転終了後に、1次冷却系機器・配管表面の線量率分布及び
線スペクトルを測定した。その結果、全体的なCP付着傾向はこれまでと大きく異なることはなく、運転時の温度が低下したコールドレグのうち主中間熱交換器から主循環ポンプまでの領域において若干付着しやすくなっている傾向が見られた。
前田 茂貴; 山本 雅也; 曽我 知則; 関根 隆; 青山 卓史
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(4), p.693 - 700, 2011/04
高速実験炉「常陽」では、運転用燃料に比べて核物質量の少ない照射試験用集合体を多く装荷しつつ、運転用燃料の利用効率を向上できるようにするため、炉心燃料の高燃焼度に関する炉心改造を計画している。改善方策として、(1)径方向反射体要素の材質をステンレス鋼からジルコニウム合金に変更することで、中性子反射効率を高め、(2)性能試験及びその後の運用実績に基づき、制御棒価値の設計余裕を合理化することにより制御棒の本数を削減し、炉心の平均燃焼度を増加できることを核計算により確認した。これらの方策により、運転用燃料の利用効率改善と「常陽」の照射能力を向上させることができる。
伊東 秀明; 前田 茂貴; 内藤 裕之; 秋山 陽一; 宮本 一幸; 芦田 貴志; 野口 好一; 伊藤 主税; 青山 卓史
JAEA-Technology 2010-049, 129 Pages, 2011/03
「常陽」では、計測線付実験装置の試料部が変形して原子炉容器内の炉内燃料貯蔵ラックから突き出て炉心上部の機器等と干渉しており、「常陽」を再起動するためには、炉心上部機構(UCS)を交換することが不可欠である。そのためには、30余年の使用期間中に放射化し、線量率が数百Gy/hに達するUCSを炉容器内から取り出すための大型キャスクの製作が必要である。炉心から約1.5m上方のUCSの中性子照射量の計算精度を考慮して約1桁の設計裕度を見込むと、キャスクの総重量が取扱いクレーンの最大荷重100トンを超過する約160トンとなり、設備改造や復旧経費の増加が予想された。このため、海外でも実施例の少ない炉容器内の線量率を実測して計算誤差にかかわる設計余裕を低減することによりキャスク遮へい厚さを削減することとした。実機で想定される広域の線量率をカバーし、約200
Cの高温環境に耐える
線量率測定装置を製作し、
Co校正照射施設で
線検出器の校正曲線及び温度特性を確認した。炉容器内の他の構造物や集合体の放射線の混成場を考慮して評価するため、UCSと検出器の相対位置やナトリウムの液位を変えた条件で詳細な線量率分布を測定し、解析値で内挿することによりC/E:1.1
2.4に評価精度を高めた。上記の結果を反映することによりUCS交換キャスクの遮へい厚さを削減でき、総重量を100トン未満とできる見通しが得られたことから、設備改造を要することなくUCS交換が可能となった。
前田 茂貴; 内藤 裕之; 伊藤 主税; 青山 卓史
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.182 - 185, 2011/02
ナトリウム冷却型高速炉の炉内構造物の放射化量評価、及び原子炉容器内の観察に供するファイバースコープの放射線劣化評価に資するため、冷却材ナトリウムをドレンした状態で、「常陽」原子炉容器内の線量率分布を測定評価した。実機で想定される広域の線量率をカバーし、約200
Cの高温環境に耐える
線量率測定装置を製作し、
Co校正照射施設で
線検出器の校正曲線及び温度特性を確認した。測定の結果、原子炉容器内の主要構造物の線源強度と
線量率分布を把握できた。実測した
線量率を点減衰核積分法計算コードQAD-CGGP2による計算値と比較した結果、C/E:1.3
2.7が得られ、放射化計算及び遮へい計算の精度を確認した。
前田 茂貴; 伊藤 主税; 青山 卓史; 前田 幸基; 茶谷 恵治
Transactions of the American Nuclear Society, 103(1), p.581 - 582, 2010/11
高速実験炉「常陽」は、日本で最初に建設された高速炉である。1977年の初臨界以来、順調に運転を続け、設計,建設,約30年間の運転実績は、ナトリウム冷却型高速増殖炉の技術的知見の蓄積・向上、安全性及び信頼性を示すことができた。また、1982年には照射試験用のMK-II炉心に改造され、さらに2003年には照射能力を向上させるため、より高性能なMK-III炉心への改造が行われ、MA含有MOX燃料,ODS鋼被覆管燃料等の高速増殖炉の燃料・材料開発のための高速中性子照射場として利用されてきた。これらの技術的知見・データ保存の一環でMK-II炉心の炉心・燃料管理に関する諸データを炉心特性データベースとして公開し、OECD/NEAにも登録した。今後も高速増殖炉開発に貢献するべく、多くのデータを公開する予定である。また、現在は炉内干渉物対策で停止中であるが、再起動後には高速炉のみならず基礎・基盤的な研究用途への利用拡大を図り、世界で数少ない高速中性子照射炉及びプラント技術の実証の場として貢献していく予定である。
川崎 弘嗣; 青山 卓史; 佐久間 祐一
電気協会報, (1030), p.12 - 17, 2010/10
日本のエネルギー需給はほとんどが輸入に頼っていること、温室効果ガスの削減目標の提示など、エネルギー・環境問題の対応が迫られている中で、原子力の果たす役割は大きい。原子力機構の取組んでいるFBRサイクルシステムの開発は、エネルギー安定供給や温室効果ガスの問題を同時に解決できる発電システムであり、持続可能なエネルギーシステムといえる。これまで高速実験炉「常陽」や高速増殖原型炉「もんじゅ」の設計,建設,運転を通してFBR実用化に向けた研究開発を着実に進めている。本年5月には「もんじゅ」の運転が再開された。そこで、高速増殖炉の開発意義や「常陽」,「もんじゅ」、そして実用化研究開発(FaCTプロジェクト)の現状について紹介する。
伊藤 主税; 岩田 圭弘; 原野 英樹*; 井口 哲夫*; 青山 卓史
Transactions of the American Nuclear Society, 102(1), p.416 - 417, 2010/06
高速炉プラントの安全性向上を目指して、レーザ共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いた破損燃料位置検出技術の高感度化と信頼性向上に関する研究を進めている。本研究では、燃料ピン中に封入されたタグガスによって被覆管が破損した燃料集合体を識別するタギング法にRIMSを適用し、カバーガスAr中にわずかに存在するXe及びKrの同位体比を測定する装置を開発した。この装置を「常陽」で実施した炉内クリープ破断試験に適用して、破断した試料から放出されたタグガスを分析し、試料を同定した。さらに、「常陽」における燃料破損模擬試験にも本装置を適用して、模擬破損ピンから放出されてカバーガスに移行したFPガスの分析に成功し、FPガスの燃焼度推定による被疑破損燃料集合体の絞り込みに適用できる可能性を示した。本研究により高速炉プラントの安全性をより一層向上させ、高速増殖炉サイクルの実現に寄与していく。
中西 繁之*; 細谷 拓三郎; 久保 重信*; 小竹 庄司; 高松 操; 青山 卓史; 碇本 岩男*; 加藤 潤悟*; 島川 佳郎*; 原田 清*
Nuclear Technology, 170(1), p.181 - 188, 2010/04
被引用回数:15 パーセンタイル:66.28(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速増殖炉のための自己作動型炉停止系(SASS)は、異常な過渡変化時のスクラム失敗事象(ATWS)時に冷却材温度の上昇を感知して制御棒を切り離し、重力落下により炉内に挿入する受動的安全機能である。SASSの基本特性を調査するため、既にさまざまな炉外試験を実施し、「常陽」を用いた炉内雰囲気での制御棒の切離し・再結合動作を行う保持安定性実証試験を実施した。また、SASS構成材料への照射影響を確認するため、要素照射試験を実施中である。さらに、JSFRのリファレンス炉心に対するSASSの有効性を確認するため、ATWS事象の安全解析を実施した。その結果、JSFRに信頼性のある受動的炉停止機構を採用できることを確認した。
岩田 圭弘; 伊藤 主税; 青山 卓史*
KEK Proceedings 2010-10, p.52 - 62, 2010/02
高速炉の破損燃料位置検出(FFDL)システムへの適用に向けて、レーザー共鳴イオン化質量分析法(RIMS)を用いたAr中にppt程度含まれる極微量Kr, Xe同位体分析の研究を行っている。Kr, Xeの正確な分析には光電子により生成する非共鳴イオン,
,
を抑制することが必要不可欠であり、(1)除電器とBrewster窓の設置,(2)電極のイオン引き出し孔をスリットに改良の2通りの改善方策を考案した。(1)は光電子生成の発生源となる帯電した塵埃及びレーザーの反射光を除去し、(2)はイオン引き出し孔の形状をレーザー光路に沿ったスリットに改良することでKr, Xe共鳴イオンの信号量を損なわずにAr由来の非共鳴イオンを抑制する手法である。Krの分析において、両者の改善方策により
,
を1-2桁抑制し、
の干渉を低減させて核種濃度
pptの
を検出できた。電極のイオン引き出し孔形状の違いによるKrイオン信号量の低下は見られなかった。今後はFFDLシステムへの適用に向けて、S/N比のさらなる向上とともに、分析精度の向上を目的とした検出効率の改善策についても検討していく。
大川内 靖; 前田 茂貴; 伊藤 主税; 川原 啓孝; 青山 卓史; 石田 公一
JAEA-Technology 2009-047, 130 Pages, 2009/09
原子力分野の研究・開発・利用にかかわる人材育成を強化する目的で、教育研究活動の支援プログラムを国が推進している。このような背景に鑑み、大学との連携強化を図り、原子力分野の人材育成に貢献するため、高速実験炉「常陽」及び関連施設を用いた実践的研修を行うシステムを整備してきた。本書は、「常陽」の原子炉シミュレータを用いた高速炉物理実験について、その内容をまとめたものである。実習は、「常陽」運転訓練用のフルスコープ原子炉シミュレータを用いて行われ、原子炉の起動から臨界,制御棒校正試験,原子炉の温度や出力変化に伴う反応度係数の測定,高速炉心のフィードバック反応度測定等の各実験を通して、原子炉固有の安全性(自己制御性)を理解するとともに、原子炉の運転操作を体験できるものである。
板垣 亘; 齊藤 隆一; 今泉 和幸; 長井 秋則; 青山 卓史; 前田 幸基
第14回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.435 - 438, 2009/06
ナトリウム冷却型高速炉においては、原子炉容器内を常時Arガスで封じ、気密を維持した状態にあるとともに、高温,高線量下にあることから、原子炉容器内の観察を実施するためには、これらの課題を解決した観察装置の開発が必要である。高速実験炉「常陽」では、燃料集合体頂部までナトリウムレベルを下げ、原子炉容器内にファイバスコープを挿入して、炉内を観察する技術を確立した。この炉内観察を通じて、観察装置の遠隔操作技術や炉内の照明技術,ファイバスコープの放射線照射特性等について知見を得たので、報告する。
石川 宏樹; 高松 操; 川原 啓孝; 三原 隆嗣; 栗坂 健一; 寺野 壽洋; 村上 隆典; 則次 明広; 井関 淳; 齊藤 隆一; et al.
JAEA-Technology 2009-004, 140 Pages, 2009/05
確率論的安全評価(PSA: Probabilistic Safety Assessment)は、原子炉施設の合理的安全規制・安全管理活動の一つであり、日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉のPSA手順標準化のための技術基盤整備を目的に、定格出力運転時における内的事象に対するPSAにかかわる研究を実施している。当該研究の一環として、高速実験炉「常陽」について、レベル1PSAを試行し、出力運転時における内的事象に起因して炉心損傷に至る事故シーケンスの同定及び炉心損傷頻度を定量化した。本研究の結果、「常陽」における全炉心損傷頻度は5.010
/炉年であり、IAEA INSAG-12に記載された炉心損傷頻度の目標値である10
/炉年(既設炉に対して)及び10
/炉年(新設炉に対して)を下回っていることを確認した。
皆藤 威二; 大塚 智史; 井上 賢紀; 浅山 泰; 上羽 智之; 水田 俊治; 鵜飼 重治*; 古川 智弘; 伊藤 主税; 籠田 栄一; et al.
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.294 - 298, 2009/04
被引用回数:32 パーセンタイル:87.57(Materials Science, Multidisciplinary)ODS鋼被覆管のクリープ破断強度に及ぼす中性子照射の影響を調査するために、「常陽」MARICO-2を用いて炉内クリープ破断試験を実施した。MARICO-2では14試料の炉内クリープ破断を検知するとともに、RIMSによりこれまでに6試料の炉内クリープ破断時間を特定することができた。この結果、MARICO-2の照射条件範囲では、ODS鋼被覆管のクリープ破断強度の低下は認められなかった。