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荒木 賢志*; 鈴木 渓*; Gubler, P.; 岡 眞
Physics Letters B, 780, p.48 - 53, 2018/05
被引用回数:3 パーセンタイル:28.98(Astronomy & Astrophysics)本論文ではcクォークとc反クォークからなるチャーモニウムの基底状態と励起状態の有限温度における振る舞いを調べる。そのためには以前我々の研究グループによって開発された複素Borel和則を最大エントロピーと組み合わせた解析を行う。その結果、チャーモニウムの基底状態と励起状態の融解温度の算出に成功した。QCDによるチャーモニウムの励起状態の算出はこの論文では初めて成功した結果である。
渡邊 和仁; 中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; 宇藤 裕康; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 浅野 史朗*; 浅野 和仁*
Proceedings of 26th IEEE Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2015), 6 Pages, 2016/06
水冷却方式の核融合原型炉において、真空容器外でブランケット冷却配管が破断した場合、高温・高圧の蒸気が建屋区画内に放出されるため、加圧により放射性物質が建屋区画外に放散される可能性がある。そこで、本研究ではこの事象(真空容器外冷却材喪失事象)に対し、3つの閉じ込め障壁案を提案した。これらの案に対して事故解析コードである「MELCOR」の核融合向け改良版を使用した熱水力解析を実施し、各案が成立する条件を明らかにした。
中村 誠; 飛田 健次; Gulden, W.*; 渡邊 和仁*; 染谷 洋二; 谷川 尚; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(9-10), p.2028 - 2032, 2014/10
被引用回数:13 パーセンタイル:70.4(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故を受けて、日本国内の核融合研究コミュニティにおいて、核融合炉の安全性に対する関心が高まっている。そこで幅広いアプローチ原型炉設計活動(BA-DDA)では、核融合炉の安全性研究に着手した。本論文は、BA-DDAで行っている核融合原型炉安全性研究の進展について報告するものである。まず本研究での安全確保の考え方を明確化し、事故時の放射性物質放出に対する敷地境界での公衆被ばく線量の目標値を設定した。次に、核融合原型炉が内包する放射性物質とエネルギーの量の評価を行った。ここでの原型炉は、我が国で開発しているブランケット工学技術(水冷却、固体ペブル増殖ブランケット)に基づくものとする。さらに、マスター・ロジック・ダイアグラム法と機能FMEA法を用いて原型炉で考えられる事故シナリオの分析を行った。分析したシナリオのうち、とりわけ重要な事故事象を選定した。
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; Gulden, W.*; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 渡邊 和仁*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 9, p.1405139_1 - 1405139_11, 2014/10
水冷却核融合原型炉の安全性研究における重要側面について報告する。水冷却原型炉の内的ハザード(つまり放射性物質のインベントリ、これらを可動化するエネルギー、事故の起因事象と事故シナリオ)の分析を行った。第一壁/ブランケット冷却ループのエンタルピー、崩壊熱、ベリリウム-水蒸気反応で発生しうる化学反応エネルギーにとりわけ留意する必要があることを指摘した。第一壁/ブランケット冷却ループの真空容器外破断を定量的に解析した。この事象に対する核融合炉建屋の健全性について議論した。
坂本 宜照; 飛田 健次; 荒木 政則
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.375 - 380, 2010/08
最近のトカマク実験は、1を超える等価エネルギー増倍率を達成するなど、高い核融合性能を得ている。さらに、ITERではエネルギー増倍率10の核燃焼実験を予定し、自己加熱による燃焼プラズマの物理基盤確立を目指している。一方で、原型炉では定常運転の必要性から、高い核融合性能だけでなく熱粒子制御を含めて総合性能を高める必要がある。ここで、総合性能の指標として規格化した7要素(閉じ込め性能,プラズマ圧力,自発電流割合,非誘導電流駆動割合,燃料純度,放射損失割合,プラズマ密度)を導入する。本発表では、これまでのトカマク実験で達成された総合性能を7要素を評価基準として整理し、原型炉に向けた重要課題について議論を行う。
荒木 政則; 林 君夫; 飛田 健次; 西谷 健夫; 谷川 博康; 野澤 貴史; 山西 敏彦; 中道 勝; 星野 毅; 小関 隆久; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 86(4), p.231 - 239, 2010/04
ITER計画を支援するとともに、核融合エネルギーの早期実現に向けての活動を行う幅広いアプローチ(BA)活動は、この目的のためにITERの建設期間中にさまざまな研究開発を行う日欧の共同事業である。ここでは、国際核融合エネルギー研究センター事業の活動の概要について説明するとともに、現在の進捗状況及び今後の計画・展望について述べる。
Khan, A.*; 山口 真史*; 大下 祥雄*; Dharmarasu, N.*; 荒木 健次*; 阿部 孝夫*; 伊藤 久義; 大島 武; 今泉 充*; 松田 純夫*
Journal of Applied Physics, 90(3), p.1170 - 1178, 2001/08
被引用回数:54 パーセンタイル:86.47(Physics, Applied)ボロン(B),ガリウム(Ga),酸素(O)炭素(C)濃度の含有量を変化させたシリコン(Si)に1MeV電子線,10MeV陽子線照射を行い、発生する欠陥をDLTS測定、キャパシタンス測定により分析した。この結果、照射によりEv-0.36eVに格子間Cと格子間Oの複合欠陥(Ci-Oi)に起因する準位が発生すること、Ec-0.18eVに格子間BとOiの複合欠陥(Bi-Oi)が生成されることが明らかになった。また、GaドープSiではCi-Oiの発生が抑制されることを見出した。Ci-Oiは再結合中心として働くことから、この抑制はSi太陽電池の耐放射線性向上につながると考えられる。また、GaドープSiではEv+0.18eVに新たな準位が形成され、この準位は350での熱処理で消失することが判明した。
栗山 正明; 秋野 昇; 荒木 政則; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; 国枝 俊介; et al.
Fusion Engineering and Design, 26, p.445 - 453, 1995/00
被引用回数:43 パーセンタイル:95.65(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでの高密度電流駆動実験の駆動装置として負イオン源を使用した高エネルギーNBI装置が建設されようとしているが、本報告は、この負イオンNBI装置の建設について述べたものである。負イオンNBI装置は、ビームエネルギー500keVで10MWの中性ビームを10秒間入射するもので、世界で最初の負イオン源を使用した高エネルギーNBI装置となるものである。このNBI装置は、全長24mのビームライン、大電流の負イオンを生成/引出すための負イオン生成/引出し電源、500kV/64Aの出力を有する加速電源及び制御系等から構成される。水冷却系、液体ヘリウム/液体窒素の冷媒循環系、補助真空排気系などの設備は、既設JT-60NBIのものを共用する。講演では、本NBI装置の設計及び建設の現状について発表する。
鈴木 哲; 秋場 真人; 荒木 政則; 佐藤 和義; 横山 堅二; 大楽 正幸
Journal of Nuclear Materials, 212-215(1), p.1365 - 1369, 1994/09
次期核融合装置用ダイバータ板開発の一環として、サドル型ダイバータ模擬試験体を開発し、加熱実験を行った。本報告は定常熱負荷20MW/mにおける熱サイクル実験及び有限要素解析によるダイバータ模擬試験体の寿命評価に関するものである。熱サイクル実験では、電子ビームによる定常熱負荷を1000サイクルにわたって与えたが、試験体には除熱性能の劣化は観察されず、実験後のSEM観察においても繰返し熱負荷による損傷は認められなかった。この実験を模擬した弾塑性熱応力解析を実施した結果、本試験体は20MW/mの熱負荷に対し、60000回以上の疲労寿命を有すると判断され、ITERのCDAにおけるダイバータ板の設計熱負荷・設計寿命に対して十分な性能を持つことが確認された。
牛草 健吉; 今井 剛; 池田 佳隆; 坂本 慶司; F.X.Soeldner*; 高瀬 雄一*; 辻 俊二; 清水 勝宏; 内藤 磨; 上原 和也; et al.
Nuclear Fusion, 29(2), p.265 - 276, 1989/02
被引用回数:17 パーセンタイル:58.82(Physics, Fluids & Plasmas)線平均電子密度3.510mで20HWのNB加熱プラズマに、6MWまでのLHWを加えた結果、NB加熱時と同じ加熱効率でプラズマ蓄積エネルギーの上昇が見られた。この時、電子、イオン温度の上昇に加え、NBの入射エネルギー以上の高速イオンが生成されている。同じ密度領域のLH単独加熱では著しく高速電子が発生するのに対し、複合加熱時には高速電子の発生が抑制されている。
牛草 健吉; 今井 剛; 池田 佳隆; 坂本 慶司; F.X.Soldner*; 高瀬 雄一*; 辻 俊二; 清水 勝宏; 内藤 磨; 上原 和也; et al.
JAERI-M 88-115, 28 Pages, 1988/06
20MWの中性粒子ビーム(NB)で加熱された、線平均電子密度3.510mのプラズマに6MWまでの低域混成波を入射した結果、NB単独時と同じインクリメンタルエネルギー閉じ込め時間でプラズマの蓄積エネルギーが増大した。この時、電子温度、イオン温度の上昇とともに低域混成波が入射されたビームイオンを加速するのが観測された。同じ密度領域での低域混成波単独加熱時には、著しい高速電子の発生があるのに対し、複合加熱時には高速電子の発生が抑制される。複合加熱時の低域混成波の加熱高率は電子密度の上昇とともに減少するが、Ray軌跡解析の結果、この依存性は近接条件によるものと推定される。ビームイオンの寄与を考慮した波の減衰の評価の結果、複合加熱時には波が電子に吸収される前にビームイオンに吸収されることが示された。
飛田 健次; 西尾 敏; 西谷 健夫; 小関 隆久; 荒木 政則; 岡野 邦彦*; 日渡 良爾*; 小川 雄一*
no journal, ,
原型炉設計活動の最初の3年間はワークショップ形式で日欧間の意見交換を行う計画である。これまでにワークショップを2回開催し(第1回:2007年7月,第2回:2008年1月)、原型炉の定義,開発計画上の役割・要件などの基本的考え方,原型炉の物理及び炉工学の課題に関する意見交換を行った。ワークショップでの議論をとおし、特定の原型炉概念に依存しない物理・炉工学の共通設計課題として、(1)ダイバータ,(2)保守,(3)超伝導コイル,(4)電流駆動(定常運転)などが指摘された。ダイバータについては中性子重照射環境下で利用可能なF82H等の構造材料による高熱流除去、保守については工学的成立性があり高稼働率を見通しうる保守方式、超伝導コイルについては高磁場(16T)の必要性、電流駆動については電流分布制御性・効率を見据えた駆動方式の選定が中心的な課題である。
坂本 宜照; 荒木 政則; 飛田 健次; Lorenzo, S.*; Maisonnier, D.*
no journal, ,
幅広いアプローチ活動(BA)における国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)事業では、核融合エネルギーの早期実現を目指し、原型炉設計活動を推進している。第1段階の活動では、原型炉設計のための共通基盤を確立することを目的として、おもにワークショップ形式で日欧の開発戦略,原型炉要件,設計課題などの議論を行ってきた。日欧間では、原型炉概念に隔たりがあるが、設計課題等の技術的内容の大部分において共通認識を持っていることを確認した。これらの成果をもとに第2段階の活動として、日欧共同作業を開始する予定である。本発表では、これまでの活動状況を中心に報告するとともに、今後の設計活動に対する取り組みと課題について概観する。
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; 荒木 隆夫*; 渡邊 和仁*; 橘高 大悟*; 石井 響子*; 松宮 壽人*
no journal, ,
冷却材が全量かつ瞬時に喪失した場合におけるトカマク原型炉の安全上の特徴について、最近の知見を報告する。冷却水が瞬時に全量喪失し、かつ外部電源の供給も無く、能動的な除熱は何も行えないという極端な状況を仮定し、核融合炉熱水力過渡解析コードMELCOR-fusを用いて、炉内機器の温度変化を解析した。冷却材全量瞬時喪失のように極端な事象でも、原型炉の炉内機器や真空容器(放射性物質に対する閉じ込め障壁)の温度は融点に達しないことが分かった。