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山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; et al.
Journal of Applied Physics, 121(3), p.035303_1 - 035303_9, 2017/01
被引用回数:77 パーセンタイル:92.43(Physics, Applied)GaNは高耐圧、大電流、低損失の次世代パワーデバイス材料として注目されている。GaN表面の酸化処理技術には、表面パッシベーション技術や、アイソレーション技術、ゲート絶縁膜技術などがあり、デバイス特性向上のための重要な要素技術となっている。そのため、GaN表面の熱酸化処理はこれまで詳細な検討が行われてきている。しかし、その酸化物形成過程は十分解明されていない。例えば、これまで厚いGaN酸化物の形成については多くの報告があるが、初期酸化過程については少ない。また、X線光電子分光(XPS)分析は、そのGaN表面の初期酸化過程の評価によく利用されているが、Ga-NやGa-O結合成分の正確な特定には至っていない。さらに、形成されたGaN酸化物の構造特性評価も十分な検討は行われていない。本研究では、GaN表面の熱酸化過程をXPS、分光エリプソメトリ(SE)、原子間力顕微鏡(AFM)、X線回折(XRD)測定を用いて評価した。特に、異なる転位密度を有するエピGaN層の酸化物形成過程について調べた。本実験には、Si基板上および自立GaN基板上にエピ成長した2種類のGaN試料を用いた。GaN/SiとGaN/GaN試料の転位密度は108と105cm-2台になるとそれぞれ見積もられている。両試料は大気圧O雰囲気中において700
1000
Cの温度範囲で30分間熱酸化した。800
C以下の熱酸化では、表面近傍に存在する欠陥の酸化によると考えられる厚さ1nm以下の薄い酸化層が形成された。この酸化層の膜厚は酸化温度とは無関係にほとんど変化していなかったことから、酸化が飽和傾向にあると考えられた。また、GaN/Siで観察された転位部では微小な酸化物結晶の形成が確認されており、転位部において優先的に酸化が進行することがわかった。900
C以上の更なる酸化温度の増加では、
-と
- Ga
O
結晶粒が両エピGaN層上にエピタキシャリに成長した。GaN/Siでは、転位部で顕著にGa
O
結晶が成長したため、荒れた表面形状が観察された。一方、GaN/GaNでもGa
O
微結晶粒が観察領域全面に渡って形成されたが、比較的平坦な表面形状が維持されていることがわかった。
淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Applied Physics Express, 9(10), p.101002_1 - 101002_4, 2016/10
被引用回数:43 パーセンタイル:83.58(Physics, Applied)熱安定性, 信頼性および界面特性の観点でALGaN/GaN上のAlONゲート絶縁物の優れた物理的および電気的特性が、AlON堆積後のアニールによって得られた。アルミナへの窒素混入によって絶縁物/AlGaN界面におけるインターミキシングを抑えるとともにAlO
膜中の電気的な欠陥の数を減少させることが示された。結果として、電荷注入に対する安定性をもたらすとともに界面欠陥密度を1.2
10
cm
eV
に抑えた高品質AlON/AlGaN/GaN金属-絶縁物-半導体キャパシターを得ることができた。絶縁物への窒素取り込みの重要性を実験結果から議論した。
野崎 幹人*; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 9(10), p.105801_1 - 105801_4, 2016/10
被引用回数:7 パーセンタイル:31.34(Physics, Applied)n型GaNエピ層とTiベース電極間の界面反応は、放射光X線光電子分光によって調べた。金属的Gaと薄膜TiN合金が、Alキャッピング層を堆積した界面において室温でも形成された。積層Ti/AlとTiのみの電極の比較から、反応性Ti下地層を形成する酸素捕捉元素としてAlキャッピング層が本質的に機能することが示された。アニール中金属的中間層の成長が観測された。低温プロセスを伴うn型GaN低抵抗オーミック接触を達成するための指針を議論する。
淺原 亮平*; 秀島 伊織*; 岡 博*; 箕浦 佑也*; 小川 真吾*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Letters, 106(23), p.233503_1 - 233503_4, 2015/06
被引用回数:19 パーセンタイル:63.24(Physics, Applied)サブnmの換算酸化膜厚を有する高性能金属/high-/Geゲートスタック構造とその界面特性の改善を酸化アルミニウム中間層を使った界面反応制御によって実現した。物理および電気的な複合評価によってAlOx界面層の諸特性やプラズマ酸化などの詳細な関係を明らかにした。
山田 高寛*; 吉越 章隆; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
高性能GaN MOSデバイスの実現には、高品質な絶縁膜/GaN界面の形成が不可欠である。自然酸化膜の存在やプロセス中の界面層の成長などを考慮するとGaN表面の酸化の制御は重要である。本研究では、熱酸化したGaN表面の酸化物形成過程について評価した。
野崎 幹人*; 吉越 章隆; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
Ti単層およびAl/Ti積層構造をn-GaN上に形成し、放射光光電子分光分析によりTi/GaN接合界面の構造変化を調べた。Alキャップ層は酸素バリア層として働くだけでなく、Ti中の酸素を取り込むことで界面反応を促進し、室温においてもTi/GaN界面構造を顕著に変化させることを明らかにした。
伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 細井 卓治*; 志村 考功*
no journal, ,
本研究では次世代パワーデバイス材料として期待されているn-GaN層上にTiおよびAl/Tiを蒸着し、加熱による界面反応について放射光光電子分光分析を行った。Si(111)上にn-GaN層をエピタキシャル成長した基板にTi層またはAl/Ti層をスパッタ成膜した。これらの試料についてSPring-8 BL23SUの表面化学実験ステーションでGa3d光電子スペクトルを室温で測定した。Al/Ti積層試料では金属Gaが見られるものの、Ti単層試料では見られないことから、Ti上へのAl積層がコンタクト界面構造を顕著に変化させることが示唆された。さらにAl/Ti積層試料を超高真空中で600Cまで加熱すると、400
C以上で金属Gaが増大し、界面反応がさらに進行することが分かった。
淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
GaNは次世代パワーデバイス材料として期待されている。一方、我々はこれまでにAlO
中に窒素を添加したAlON膜をゲート絶縁膜とすることで電荷トラップを低減し、電子注入耐性に優れたSiC MOSデバイスを実現している。本研究では、AlON膜をAlGaN/GaN基板上にスパッタ成膜し、放射光光電子分光法による耐熱性評価を行うと共に、AlON/AlGaN/GaN MOSキャパシタを作製し、界面電気特性の評価を行った。3nmのAlONまたはAl
O
膜を成膜した試料について、SPring-8 BL23SUにてGa 3d, Ga 2p, N 1s, Al 2pスペクトルを取得した結果、Al
O
膜では800度の熱処理を行うと、表面側にGaやAl原子が拡散していることがわかった。一方、AlON膜の場合は、800度の熱処理前後でスペクトルにほとんど変化がなく、優れた耐熱性を有することがわかった。また、800度の熱処理が施されたキャパシタの界面準位密度を測定した結果、AlON/AlGaN界面の界面準位密度はAl
O
/AlGaN界面の約1/5低い値を示し、界面特性に優れることがわかった。これらの結果は、AlON膜がAlGaN/GaN MOS-HEMTのゲート絶縁膜としての可能性を示すものである。
山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
GaNは、次世代パワーデバイス材料として期待されている。本研究では、GaNの熱酸化による酸化物形成過程を放射光光電子分光および原子間力顕微鏡(AFM)により評価した。シリコン(111)上にn-GaN層をエピタキシャル成長した基板をHCl溶液により洗浄した後、大気圧のO雰囲気下において700-900度の処理温度で30分間熱酸化した。これらの試料をSPring-8 BL23SUの表面化学反応解析装置に導入し、室温でGa 3d, O 1s, N 1sスペクトルを取得した。なお、GaN基板ピーク(20eV)により、結合エネルギーの較正、ピーク強度の規格化を行った。700度で熱酸化した試料では、HCl洗浄後の試料と比べてO 1s/N 1s強度比がわずかに増加しており、GaN表面が酸化されていることがわかった。しかし、酸化温度を800度と高温にしてもO 1s/N 1s強度比の変化は確認されなかったが、AFM観察からは欠陥と思われる位置で粒状の酸化物で形成されていることがわかった。一方、800度以上の熱酸化では、欠陥からの優先的な酸化物の形成によりO 1s/N 1s強度比が著しく増加すると共に、表面ラフネスも増大しており、酸化反応が急激に進行したことがわかった。
山田 高寛*; 吉越 章隆; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; et al.
no journal, ,
高性能GaNパワーデバイスの実現には、リーク電流を抑制するための絶縁ゲート構造が不可欠であるため、絶縁膜/GaN界面の特性改善が必要である。AlO
など様々な絶縁膜が検討される中、成膜中のGa酸化物界面層の形成やGaN表面の熱酸化によるGa
O
層の形成など、GaN酸化物との界面において良好な界面特性が得られることが報告されている。一方、GaN表面の自然酸化膜除去やプロセス中の酸化抑制が重要であるといった報告もあり、GaN酸化の更なる理解と制御が求められている。これまで我々は、Si基板上に成長したn-GaN層(GaN/Si)の熱酸化を行い、ピット状の欠陥(転位)での優先的な酸化物形成による特異な初期酸化過程を明らかにしてきた。本研究では、GaN/Siより欠陥密度の低いGaN基板(自立GaN)の熱酸化を行い、熱酸化過程のさらなる検討を行った。自立GaNの熱酸化は、欠陥密度が低いため、900
C以上の高温から微細な粒状酸化物が形成され、さらなる高温では表面荒れをともなった酸化物成長が進行することが明らかとなった。
野崎 幹人*; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
GaNはSiC以上の絶縁破壊電界強度(3.0MV/cm)を有し、AlGaN/GaNヘテロ構造界面に高密度かつ高移動度の2次元電子ガスが形成されることから、次世代パワーデバイス材料として期待されている。高性能GaNパワーデバイスの実現には、GaNあるいはAlGaN/GaNに対するオーミックコンタクト形成技術が重要となる。n-GaNに対しては、Al/Ti積層電極を堆積し加熱処理を行うことによるオーミックコンタクト形成が一般的に用いられており、コンタクト界面でのTiN形成が報告されているが、界面反応について十分な理解はされていない。本研究では、n-GaN層上にTiおよびAl/Tiを蒸着し、加熱処理を行った際の界面反応について、放射光光電子分光分析を行った。シリコン(111)上にn-GaN層をエピタキシャル成長した基板をHCl溶液により洗浄した後、Ti層(4nm)またはAl/Ti層(各2nm)をスパッタ成膜した。これらの試料をSPring-8 BL23SUの表面化学反応解析装置(SUREAC 2000)に導入し、室温でGa 3dスペクトルを取得した。なお、GaN基板ピーク(20eV)により、結合エネルギーの較正、ピーク強度の規格化を行った。Al/Ti積層試料では、17.6eV付近に金属状態のGa起因のピーク(Ga(metal))が見られる一方、Ti単層試料ではこのようなピークはほとんど見られないことから、Ti上へのAl積層がコンタクト界面構造を顕著に変化させることが示唆された。さらにAl/Ti積層試料を超高真空中で600度まで加熱しながらGa 3dスペクトルを取得したところ、400度以上でGa(metal)ピークの増大が確認でき、界面反応がさらに進行したことがわかった。