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田中 伸幸; 八巻 徹也*; 浅野 雅春*; 寺井 隆幸*
Journal of Membrane Science, 587, p.117171_1 - 117171_9, 2019/10
被引用回数:10 パーセンタイル:35.04(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスでは、HI-I-H
O (HIx)溶液のHI濃縮のため、イオン交換膜を用いた電解電気透析法(EED)が適用されている。本報では、濃縮に伴う溶液濃度の変化が膜のH
透過性能に対して与える影響について、導電率(
)及び輸率(
)の2つの指標を用いて、Nafion212及び放射線グラフト膜に対して実験的及び理論的に評価した。EEDの数理モデルに基づく理論解析から、
及び
はH
及びI
イオンの膜に対する含有量及び膜中の拡散係数により決まることが示される。また、実験結果から、イオン含有量に対するHIx溶液濃度依存性は十分小さいことが示され、イオンの拡散係数に対する溶液濃度依存性が
及び
の濃度依存性に対する支配因子となることが明らかとなった。加えて、本報では膜中のH
及びI
の拡散機構について考察し、各イオンの拡散に対して、I
及びH
Oが強く関与していることが示唆された。これは、膜に対するI
及びH
Oの親和性を制御することで、H
透過性能を制御可能であることを示すものである。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; et al.
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 40(4), p.359 - 362, 2015/12
ナノ構造制御したアニオン交換膜を作製するため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に塩化ビニルベンジルモノマーのイオン飛跡グラフト重合を行った。低フルエンスの照射の下でグラフト率をできる限り高めるため、グラフト重合における反応媒質の影響を検討した。反応媒質として純水(HO)とイソプロピルアルコール(
PrOH)の混合液を用いた場合、560MeV
Xeビームによるグラフト率は、H
O/
PrOH比の増大とともに高くなり、H
Oのみのとき最大となった。この結果は、いわゆるゲル効果に類似した現象を考えれば理解できる。すなわち、グラフト鎖は貧溶媒の存在下で反応媒質に不溶となって凝集し、他の鎖との再結合(言い換えれば停止反応)が抑制されることに起因すると考えられる。
三島 聡子*; 浅野 雅春
高分子論文集, 71(8), p.352 - 360, 2014/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Polymer Science)線により多孔性ポリスチレン粒子(PSD)粒子表面にフタル酸ジアリル(FDA)を含む1-アリル-2-チオ尿素(ATU)を固定化した。ATU(FDA)固定化PSD粒子中のATU固定化量が増加すると亜鉛の吸着量も増加することが分かった。また、ATUによる亜鉛吸着能はpHにより大きく変化し、最大効力はpH5-7の範囲で発揮された。pH7では、ATUを固定していないPSD粒子に比べて亜鉛吸着量が2.64倍になった。この亜鉛吸着量の増加が、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ジラム)の分解を抑え、結果的にATU(FDA)固定化PSD粒子へのジラム吸着能を向上させたと結論した。さらに、ATU(FDA)固定化PSD粒子は繰り返し使用しても、そのジラム吸着能と回収能を維持することができた。したがって、これらの結果から、ジラム分析の簡便で迅速な固相吸着法が確立できたと結論した。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 小貫 薫
Journal of Membrane Science, 456, p.31 - 41, 2014/04
被引用回数:2 パーセンタイル:8.37(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの水素製造熱効率向上にはプロセス流体であるヨウ化水素酸の濃縮操作が肝要であり、ヨウ化水素濃縮を行う電解電気透析器に用いるイオン交換膜の性能が所要濃縮エネルギーを左右する。イオン交換膜を最適設計する上で重要な、膜のヨウ化水素-ヨウ素-水(HIx)溶液への浸漬時における各成分の膜内含有量を実験的に測定した。選択性や導電率の異なる開発中の放射線グラフト膜および市販膜を用いて、各成分の親和性を評価しHIx溶液各成分の吸収機構を調べた。その結果、イオン交換膜とヨウ素の親和性の差異がその他の成分含有量に影響し、ヨウ素との親和性が強いほど、ヨウ化水素や水の含有量が増加することが示唆された。このことから、イオン交換膜とヨウ素の親和性を調整することにより、イオン交換膜性能を最適化できる可能性を示した。
Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成
Advanced Materials Research, 881-883, p.1157 - 1160, 2014/01
被引用回数:1 パーセンタイル:51.49(Engineering, Chemical)電気透析では、イオン交換膜と電力を利用してイオン性物質を分離できるため、陽極及び陰極の間に、陰イオンのみを透過させる陰イオン交換膜と陽イオンのみを透過させる陽イオン交換膜を交互に配置し、原水を流すことで、イオン性物質が除去できる。電気透析の最も重要な構成部材であるイオン交換膜は、主として化学的な方法で作製されているが、特性などはほとんど明らかにされておらず、十分に実用的なものが得られているとは言い難い。そこで、我々は、高分子フィルムを基材として、放射線グラフト重合を利用することで、様々な陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を作製し、電気透析用イオン交換膜としての必要性能を評価した。更に、セシウムイオン水溶液を模擬溶液及び電極液とする、模擬溶液を用いてセシウムイオン分離効果を評価した。その結果、作製したグラフト型イオン交換膜のイオン性物質の除去速度はイオン交換容量の増加とともに速くなる一方、イオン性物質の最大除去率はイオン交換容量の減少とともに増加することが分かった。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 箱田 照幸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Severin, D.*; Seidl, T.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 314, p.77 - 81, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:25.78(Instruments & Instrumentation)本研究では、より速く効率的にポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜を作製することを目指し、ドイツ重イオン研究所(GSI)における"その場"かつ"オンライン"分析によって、潜在飛跡内に存在する化学種の構造や反応性を調べた。その結果、照射と同時に生成したラジカルを介して、PVDF鎖中及び切断末端の不飽和結合が主に生成することがわかった。このような飛跡内の生成物にのみ作用しエッチングを加速するための改質過程、いわゆる前処理の方法を検討した。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; 勝村 庸介*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 314, p.95 - 98, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:25.78(Instruments & Instrumentation)フッ素系高分子の一種であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなるイオン穿孔膜の形成挙動に関する研究において、コンダクトメトリー時の測定セルへの印加電圧が及ぼす影響を検討した。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、セル電圧を高く維持することによって大きく加速されるという興味深い現象を見いだした。この現象については、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。
越川 博; 吉村 公男; Sinnananchi, W.; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 山本 和矢*; 山口 進*; 田中 裕久*; 前川 康成
Macromolecular Chemistry and Physics, 214(15), p.1756 - 1762, 2013/08
被引用回数:17 パーセンタイル:47.90(Polymer Science)貴金属フリー液体燃料電池用自動車に適用できるアニオン伝導電解質膜(AEM)の開発において、電解質膜の耐熱性や高い含水率に起因する燃料透過が問題になっている。そこで、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合膜(ETFE)にクロロメチルスチレン(CMS)を放射線グラフト重合後、グラフト鎖をトリメチルアミンにより4級化することでAEMを作製し、含水性,安定性に及ぼす電解質膜の対アニオンの効果を調べた。4級化によって得られた塩化物塩の膜(塩化物膜)は、炭酸水素ナトリウム水溶液に浸漬することで重炭酸膜に変換した。また、1M KOH水溶液でアニオン交換後、窒素ガスで飽和させた水で洗浄することで、重炭酸化物塩の生成なしに水酸化物膜に変換できた。塩化物膜及び重炭酸膜に対して、水酸化物膜は4倍の伝導率及び2倍の含水率を示した。また、熱分析測定より、水酸化物膜が他の二つの膜よりも安定であることがわかった。以上の結果から、水酸化物膜の水酸化アルキルアンモニウムが化学的に不安定であること、安定化するために高い含水率を示すことを明らかにした。
Park, J.*; 高山 俊雄*; 浅野 雅春; 前川 康成; 工藤 一秋*; 高山 俊雄*
Polymer, 54(17), p.4570 - 4577, 2013/08
被引用回数:6 パーセンタイル:18.36(Polymer Science)芳香族ポリベンズイミダゾール(PBI)膜に匹敵する耐熱性と機械特性を示す脂環式PBI(ChPBI)への放射線グラフト重合及びその後のスルホン化処理によりグラフト型ポリベンズイミダゾール電解質膜(sPBI)を作製した。ChPBIは、-1,4-cyclohexanedicarboxylic acidと3,3'-diaminobenzidineの縮合反応より合成した。合成したChPBIは塩化リチウム含有のジメチル酢酸溶液から製膜することで結晶性を示し、
線の照射によりグラフト重合の開始種となる長寿命ラジカルが生成することがわかった。得られた結晶性ChPBI膜を220kGy照射後スチレン/1-プロピルアルコール(50/50)中でのグラフト重合とスルホン化処理により、イオン交換容量が2.1
2.9mmol/gのsPBI膜が調製できた。sPBI膜は10
10
S/cmと従来のPBI膜よりも高いプロトン伝導度を示した。走査電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析(SEM-EDX分析)より、sPBI膜中の1
m径のグラフトドメインの形成が高イオン導電性に重要であることがわかった。このsPBI膜は、120
C熱水中で600時間後においてもプロトン伝導度の減少を起こさないことから、これまで作製したグラフト型電解質膜よりも耐熱性に優れていることを明らかにした。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; 勝村 庸介*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 38(1), p.105 - 108, 2013/03
450MeV Xeイオンを照射したポリフッ化ビニリデン膜(25
m厚)に対し、エッチング剤に80
Cの9mol dm
水酸化カリウム水溶液を用いて、コンダクトメトリー分析を行った。分析時に1.0Vの交流電圧を印加したとき、孔径168
20nmのイオン穿孔膜が得られた。それに対し、電圧を全く印加しない通常の化学エッチングではその3分の2程度の孔径であった。コンダクトメトリー分析における電圧印加によって、孔径制御の自由度が高くなることが期待される。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 小貫 薫
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
高温ガス炉の熱利用法の一つである熱化学水素製造法ISプロセスでは、ヨウ化水素(HI-I-H
O溶液)環境においてイオン交換膜を用いた電解電気透析法によるヨウ化水素濃縮を行う。エネルギー効率向上を目指した運転条件の最適化のため、ヨウ化水素濃縮時におけるイオン交換膜の膜性能である輸率及び導電率のヨウ素濃度依存性について検討した。放射線グラフト膜を用いた実験結果からヨウ素濃度増加とともに、輸率は増加し、導電率は減少することがわかった。また、Nernst-Planck理論をもとにしたEEDモデルから、これらの傾向は膜中のI
イオンの拡散係数の変化により説明できることが明らかとなった。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 寺井 隆幸*; 小貫 薫
Journal of Membrane Science, 411-412, p.99 - 108, 2012/09
被引用回数:15 パーセンタイル:44.38(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスのエネルギー効率向上のため、イオン交換膜を用いた電解電気透析法によるヨウ化水素濃縮において、イオン交換膜性能の温度依存性について検討した。膜中のイオン輸送に関する理論等を考慮することで、膜性能を表す輸率,セル電圧,水の透過量の温度依存性を定式化した。また、放射線グラフト膜及び市販膜を用いた実験結果をよく再現できることから、その妥当性を確認した。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 37(2), p.223 - 226, 2012/06
化学的,熱的に安定なフッ素系高分子、特にポリフッ化ビニリデンからなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、コンダクトメトリーによって穿孔形成過程を解析し、照射イオン種や測定セルへの印加電圧が及ぼす影響を調べたので報告する。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、高いLETを有する重イオンビームを照射するとともに、セル電圧を高く維持することによって大きく加速されるという興味深い現象を見いだした。
澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.409 - 413, 2011/09
固体高分子型燃料電池において、電解質膜の水輸送特性は発電効率に多大な影響を及ぼす。具体的には、水の輸送量が多い電解質膜を用いた場合、アノード側の水が膜中を透過してカソード側に滞留してしまい(フラッディング)、燃料ガスの供給を阻害するので発電効率が低下すると言われる。そこで本研究では、高分子電解質膜の水輸送特性を調べるため、同位体トレーサーを用いた手法により、膜内の水の自己拡散係数Dwを求めた。電解質膜は、架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を基材とする放射線グラフト法によって作製した。得られた電解質膜で2室型のガラスセルを挟み、各室をトリチウム水(HTO)と純水で満たし、下流側のHTO濃度を経時測定することでDwを算出した。架橋PTFE電解質膜のDwは、イオン交換容量(IEC)が小さいほど低下し、IEC=1.2meq/gの膜では2.010
m
/sとなった。この値は、従来膜NafionにおけるDw=4.9
10
m
/sと比較して4割に過ぎない。水透過を抑制する低Dwの架橋PTFE電解質膜は、フラッディングを回避できる燃料電池膜として有望である。
越川 博; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 山口 進*; 山本 和矢*; 朝澤 浩一郎*; 山田 浩次*; 田中 裕久*
Proceedings of 12th International Conference on Radiation Curing in Asia (RadTech Asia 2011) (Internet), p.240 - 241, 2011/06
燃料電池用アニオン交換型電解質膜(AEM)をETFE膜へのクロロメチルスチレングラフト重合とトリメチルアミンの四級化反応により作製した。塩化物型のAEMを1M-KOH及び窒素ガスでバブリングした純水で処理することで水酸化物型に置換できる。しかし、水酸化物型はCOが溶存した水で重炭酸化物型に置換される。AEMは対イオンの酸性度が低いと伝導率及び含水率が増加した。グラフト鎖に架橋を導入すると、スチレンスルホン酸グラフト鎖のプロトン交換型電解質膜で効果があったが、AEMでは塩化物型と水酸化物型ともに含水率がわずかに減少しただけだった。この結果から、AEMの水酸化物型で強力に水を吸収する傾向があることが明らかになった。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*
ECS Transactions, 35(24), p.1 - 12, 2011/05
被引用回数:7 パーセンタイル:93.20(Electrochemistry)従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、コンダクトメトリーによって穿孔形成過程を解析し、照射イオン種や測定セルへの印加電圧が及ぼす影響を調べたので報告する。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、高いLETを有する重イオンビームを照射するとともに、セル電圧を高く維持することによって大きく加速されるという興味深い現象を見いだした。後者については、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。
Chen, J.; Li, D.; 越川 博; 浅野 雅春; 前川 康成
Journal of Membrane Science, 362(1-2), p.488 - 494, 2010/10
被引用回数:39 パーセンタイル:74.03(Engineering, Chemical)高導電性と高機械強度を両立するため、スーパーエンプラ芳香族炭化水素高分子であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルムを用い、放射線架橋・グラフト重合、及びスルホン化反応の手法を組合せた技術により高性能な架橋PEEK電解質膜を合成し、その合成条件と燃料電池特性を調べた。その結果、電子線照射により架橋したPEEKフィルムは、グラフト溶液やスルホン化溶液に対して、溶解性が抑制された。また、ジビニルベンゼンを熱グラフトしたことで、その後のスチレン放射線グラフト重合性が大幅に促進した。これは、反応の足場として導入したジビニルベンゼンが、放射線照射により多くのラジカルを生成し、結果的に重合を促進したと考えた。グラフトした架橋PEEKフィルムをスルホン化することで強靭な電解質膜を合成できた。
八巻 徹也; 小林 美咲*; 浅野 雅春; 野村 久美子*; 高木 繁治*; 前川 康成; 吉田 勝*
Proceedings of Sadoway 60 Symposium, p.114 - 120, 2010/06
日本原子力研究開発機構では、独自の量子ビーム技術を駆使して、燃料電池に応用可能な高分子電解質膜の開発を進めている。本講演では、発表者らによるその活動のうち、高エネルギー重イオンビーム照射によるグラフト重合を利用したナノ構造制御電解質膜の開発について報告する。今回は、膜中に形成されるプロトン伝導部のナノ構造や、プロトン伝導度など各種物性を線グラフト電解質膜と比較しながら議論する。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 小貫 薫; 日野 竜太郎
Proceedings of 18th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-18) (CD-ROM), 5 Pages, 2010/05
熱化学水素製造法ISプロセスに対する電解電気透析法(EED)の適用性評価の一環として、原子力機構が開発した放射線グラフト法を用いて作製した高分子電解質膜の高温安定性を検討した。通算100150時間のEED試験(ヨウ化水素酸, 100
C)を行い、セル電圧及びイオン交換容量の変化挙動を調べた結果、製膜に際して架橋処理を行うことが高温安定性向上に有効であることがわかった。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 榎本 一之; 澤田 真一; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*
電気化学および工業物理化学, 78(2), p.146 - 149, 2010/02
被引用回数:7 パーセンタイル:15.42(Electrochemistry)従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、穿孔形成の重要なパラメータであるエネルギー付与の大きさを計算によりあらかじめ予測し、その変化を利用してポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜における孔のサイズ,形状(円柱,円錐状)の制御を試みたので報告する。走査型電子顕微鏡(SEM)観察と電気伝導度解析によるエッチング挙動の基礎的検討の中で、電気伝導度セルに高電圧を印加すると穿孔内のエッチングが加速されるという興味深い現象を見いだした。これは、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。