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谷村 嘉彦; 藤井 克年; 堤 正博; 吉澤 道夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.388 - 391, 2014/04
放射線標準施設棟(FRS)では、加速器を利用した単色中性子校正場を開発した。8keVから19MeVの範囲で、ISO 8529-1及びJIS Z4521等の国内外の規格に準拠したエネルギー点の校正場が利用可能である。校正場において、中性子フルエンスを以下に精度よく決定するかが最も重要な項目である。そこで、ロングカウンタを校正場に設置して、中性子発生量をモニタリングできるシステムを構築した。本発表では、中性子モニタの種類とその概要、中性子フルエンスの決定法などについて報告する。
山田 克典; 藤井 克年; 神田 浩志; 東 大輔; 小林 稔明; 中川 雅博; 深見 智代; 吉田 圭佑; 上野 有美; 中嶌 純也; et al.
JAEA-Review 2013-033, 51 Pages, 2013/12
平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故以降、放射線防護・放射線管理にかかわるさまざまな基準が策定された。インターネット等を通じて、これらの基準を調査した結果、下記13項目があげられた。(1)ヨウ素剤の服用基準値、(2)避難住民等に対するスクリーニングレベル、(3)避難区域、屋内退避等、(4)食品規制値(暫定規制値、基準値)、(5)放射線業務従事者の緊急時被ばく限度、(6)水浴場開設の判断基準、(7)学校・校庭の利用の判断基準、(8)作付基準、(9)飼料の暫定許容値、(10)堆肥の暫定許容値、(11)船舶、コンテナ等の除染基準、(12)廃棄物の取扱、処分等、(13)除染作業にかかわる基準。これらの基準の根拠を調査・整理し、今後の放射線防護、放射線管理の課題を検討した。
中川 雅博; 野嶋 峻; 藤井 克年; 宍戸 宣仁; 酒井 俊也; 梅原 隆; 清水 勇
保健物理, 47(3), p.189 - 193, 2012/10
内部被ばくを防護する手段として防塵マスク等の呼吸用保護具の着用がある。呼吸用保護具の一種として、電動ファン付呼吸用保護具があるが、近年では、着用時の呼吸を補助し、バッテリーやフィルタの消耗を抑える呼吸追随型電動ファン付全面マスクが開発されている。本試験では、呼吸追随型電動ファン付全面マスクについて、マンテスト装置を用いて防護性能試験を行い、ファンのない全面マスクと比較するとともに放射線作業において使用する際の着用基準となる防護係数の算出を行った。測定終了後にはマスク着用時の作業者の負担に関するアンケート調査を行った。試験の結果、呼吸追随型電動ファン付全面マスクはファンのない全面マスクと比較して安定した防護性能を維持でき、着用基準として防護係数2000以上の設定が可能であることが確認できた。また、アンケート調査により着用時の作業者の負担軽減が確認できた。
清水 滋; 藤井 克年; 川崎 朋克
JAEA-Technology 2010-005, 72 Pages, 2010/06
国内規格JIS Z 4511では、国内での放射線防護用測定器の性能試験に用いるX線標準場の設定条件が示されている。日本原子力研究所放射線標準施設棟の軟X線照射装置を用いて、この設定条件に準拠した線質指標0.6, 0.7, 0.8, 0.9の4つのシリーズの軟X線領域における二次標準場を整備した。内容は、X線管電圧6kVから100kVの軟X線領域において、X線場の線質設定,各線量単位のX線スペクトル,空気カーマから線量当量への換算係数等を評価した。これにより、精度の良い線量当量基準量,幅広い試験エネルギー点及び幅広い線量率の供給が可能となり、これらの詳細なデータを明らかにした。
古渡 意彦; 藤井 克年; 堤 正博; Kim, B.-H.*; Lee, K.-C.*; 吉澤 道夫; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(Suppl.5), p.217 - 220, 2008/06
被引用回数:1 パーセンタイル:9.91(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構(JAEA)と韓国原子力研究所(KAERI)では、ISOで推奨されている直径30cmの重水球でCfを覆った線源(以下「重水減速Cf線源」という。)を整備し、おもに実作業環境で利用される中性子線量計のための中性子校正場として構築している。それぞれの機関が整備した重水減速Cf線源を用いる中性子校正場の信頼性の向上を目的として、双方の機関の中性子校正場の特性を測定し、相互比較を行った。注目した中性子校正場の特性は、重水減速Cf線源から散乱せずに直接測定点に到達する成分の中性子スペクトル及びフルエンス、並びに測定点で評価される散乱成分である。測定はJAEAで整備された多減速材付中性子スペクトロメータを双方の校正場に持ち込んで実施した。測定点に直接到達する中性子スペクトルの比較では、数十keVから数MeV程度のエネルギー領域で、KAERIで整備された中性子校正場のスペクトルはJAEAのものより大きくなった。これは双方の機関で整備された重水減速Cf線源の構造の違いを反映した差異であると考えられる。本研究は、JAEA-KAERI研究協力計画に基づき行われた研究の成果である。
古渡 意彦; 藤井 克年; 高橋 聖; 吉澤 道夫; 清水 滋; 川崎 克也; 山口 恭弘
Radiation Protection Dosimetry, 126(1-4), p.138 - 144, 2007/08
被引用回数:5 パーセンタイル:36.73(Environmental Sciences)一般的に利用される中性子用の個人線量計は、線用の線量計と比較してエネルギー応答特性が悪い。そのため中性子線量計は、線量に関して適切な校正がなされないと、作業環境で使用した場合、真の線量に対して大きく異なる値を指示する場合がある。この差異を小さくするには、実際の作業環境場の中性子スペクトルに近い中性子校正場で中性子線量計を校正するのが有効である。放射線標準施設棟では種々の中性子線量計に対して実際の作業環境場に近い中性子スペクトルによって得られる校正定数を提供する目的で、Cf中性子線源を重水で満たされたステンレス球(30cm)の中心に配置して得られる中性子校正場(以下「重水減速場」という)を整備した。本研究では重水減速場の重要な特性(ステンレス球表面から校正点に直接到達する一次線の中性子フルエンス率,中性子エネルギースペクトル,線量換算係数,線量当量率、及び散乱成分の照射距離に対する変化)を計算シミュレーションと多減速材付中性子スペクトロメータによる実測により評価した。一連の計算シミュレーションと実験で、中性子フルエンス率とスペクトルを実測する際の室内散乱成分の補正手法の有効性について議論した。加えて個人線量計のための校正場として利用する場合の、最適な照射距離についての評価も行った。
藤井 克年; 古渡 意彦; 川崎 克也
保健物理, 41(3), p.175 - 179, 2006/09
日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所放射線標準施設棟は、1980年6月の竣工以来、放射線測定器の(X)線,線,中性子線に関する性能試験及び校正に国内外で広く利用されてきた。近年の大型加速器の研究開発によって、これまでより広範囲なエネルギーの中性子や、高エネルギー線に対する線量評価法や放射線防護のための計測技術の確立が求められてきた。そこで、放射線標準施設棟の付帯施設として中性子標準校正棟を2000年6月に増設した。中性子標準校正棟では、最大4MVのイオンを加速できるファン・デ・グラーフ型加速装置を設置し、中性子や高エネルギー線の計測技術や線量評価法に関する研究・技術開発を推進するとともに、これらの照射装備を用いた放射線測定器の性能試験及び校正を行っている。本報では加速器の設置から運用までの状況について、校正場のトレーサビリティ,施設共用計画などを含めて紹介する。
藤井 克年; 川崎 克也; 古渡 意彦; 谷村 嘉彦; 梶本 与一; 清水 滋
JAEA-Testing 2006-005, 146 Pages, 2006/08
日本原子力研究所(現在、日本原子力研究開発機構)は、平成12年6月に最大4MVでイオンを加速できるファン・デ・グラーフ型加速装置を放射線標準施設棟に設置し、単色中性子及び高エネルギー線の照射設備の整備を開始した。その後、本設備を利用して中性子及び高エネルギー線の計測技術や線量評価法に関する研究・技術開発を推進するとともに、放射線測定器の性能試験及び校正を行っている。本マニュアルは、この加速器の使用方法,運転手順,メンテナンス作業及び周辺機器の操作等を収録したものである。本マニュアルの内容を作業者が履行することで、加速器の誤操作の防止及び性能の維持を図り、さらに放射線障害の防止及び作業の安全管理の徹底が図られると考える。本マニュアルは、加速器の運転操作及びメンテナンス作業を初めて行う者を利用対象者とするために、経験が浅い者にも理解しやすい内容とした。
高橋 聖; 藤井 克年; 谷村 嘉彦; 清水 滋; 梶本 与一; 古渡 意彦; 吉澤 道夫; 山本 英明
第18回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.110 - 113, 2005/11
原研東海放射線標準施設棟のペレトロン加速器は放射線測定器の校正及び特性試験のための単色中性子照射場と高エネルギー線照射場の整備,運用を目的として、平成12年に設置された。現在までにLi, Dターゲットを用いた4種類のエネルギーの単色中性子照射場を整備し、現在T, Sc, Fターゲットを用いた照射場を開発中である。本研究会では平成15, 16年度の加速器の運転・整備状況,当該年度に整備したScターゲットの共鳴エネルギーにビームエネルギーを微調節する電圧昇圧装置及びTターゲットから放出されるトリチウム量をモニタする質量分析装置の性能等について報告する。
谷村 嘉彦; 吉澤 道夫; 三枝 純; 藤井 克年; 清水 滋; 吉田 真; 柴田 泰成*; 瓜谷 章*; 工藤 勝久*
Radiation Protection Dosimetry, 110(1-4), p.85 - 89, 2004/09
被引用回数:19 パーセンタイル:74.89(Environmental Sciences)日本原子力研究所放射線標準施設棟では4MVペレトロン型加速器を利用した単色中性子校正場を開発している。中性子スペクトルの評価を行い、中性子フルエンスに関するトレーサビリティを確立することにより144keV,565keV,5.0MeVの中性子校正場が構築された。
清水 滋; 藤井 克年; 梶本 与一; 川崎 朋克; 山本 英明
第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.32 - 35, 2004/02
原研東海の放射線標準施設では、平成12年7月に放射線測定器の校正用としてファン・デ・グラーフ型加速器(NEC社製Model 4UH-HC)を設置し、8keV20MeVのエネルギー範囲における単色中性子照射場及び6MeVの高エネルギー線照射場の整備を段階的に進めている。本加速器は、最大加速電圧4MV,最大イオン電流50A,加速イオンが陽子・重陽子のシングルエンド・ペレトロン加速器で、デュオプラズマトロン正イオン源を用いた連続照射とパルス化装置によるパルス照射(1.5nsec FWHM)が可能である。本加速器は平成13年度より運転を開始し、パルス運転のテスト,エネルギー校正,モニタ検出器の実験,p-Li,d-Dターゲットによる二次標準照射場の構築,散乱線測定等に使用してきた。本講演では、加速器施設の概要,運転状況,整備状況等について報告する。
清水 滋; Zhang, Q.; 梶本 与一; 川崎 朋克; 藤井 克年
JAERI-Tech 2003-095, 52 Pages, 2004/01
国際標準化機構の国際規格ISO4037-1では、放射線防護用測定器の性能試験に用いるX線基準場が設定され、世界的に適用している。原研の現行のX線基準場は、国内の利用を前提として構築されているため国内規格に適合しているが、上記国際規格とは異なっている。このため、国際的な性能試験に対応させるため、国際規格に準拠したNarrow series, Wide series及びHigh air-kerma seriesのX線基準場を、原研放射線標準施設棟の中硬X線照射装置を用いて整備した。本論文では、整備したX線場の線質設定,各線量単位のX線スペクトル等の評価を行うとともに、上記国際規格の線質やX線スペクトルとの比較を行った。この結果、原研のX線基準場の線質は、国際規格の線質とよく一致していることが確認でき、これにより放射線防護用測定器の広範囲な性能試験を国際規格に基づいて実施できることになった。
佐藤 達彦; 藤井 克年; 村山 卓; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 佐藤 行雄*; 相馬 信行*; 藤崎 登*; 原 聡*; 相川 行雄*; et al.
JAERI-Tech 2002-028, 20 Pages, 2002/03
東京消防庁は、臨界事故等の放射線災害時の救助活動にも適応可能な、放射線遮へい機能を有する特殊災害対策車輌を設計・製作した。しかし、この車輌ボディに用いた複合遮へい体により中性子または線の線量がどの程度減衰されるか(線量減衰率)は、近似法を用いて簡易に評価したのみで、より精度の高い評価が必要とされていた。日本原子力研究所は、東京消防庁からの依頼により、この複合遮へい体の性能に関する詳細な評価を行った。評価は、放射線輸送計算コードMCNP4Bを用いたシミュレーションにより行った。また、車輌の側面及び背面に用いた遮へい体の試験体による線量減衰率の測定を行うことにより、計算結果の信頼性を確認した。この結果、最も厚い遮へい体の場合、中性子線源からの線量を10%程度に、線源からの線量を25%程度に減衰させることが明らかとなった。これは、近似法を用いて簡易に評価した結果とほぼ一致しており、特殊災害対策車は期待されている遮へい性能を有することが明らかとなった。
中川 雅博; 野嶋 峻; 藤井 克年; 宍戸 宣仁; 酒井 俊也; 梅原 隆; 清水 勇
no journal, ,
内部被ばく防護の手段として呼吸用保護具の着用がある。近年では安全性の高い電動ファン付全面マスクが開発されている。今回、電動ファン付全面マスクのうち呼吸連動型について、マンテスト装置を用いて防護性能試験を行い、ファンのない全面マスクと比較するとともに現場で使用するための防護係数を求めた。試験は通常の装着状態の他に、防護性能を低下させる状況を想定し、フィルタに詰まりが発生した状態、マスクと皮膚の間に隙間が生じた状態での漏れ率測定を行った。その結果、呼吸連動型全面マスクは安定した防護性能を維持することが確認できた。また、ファンを停止させた状態での漏れ率がファンのない全面マスクと同等以上であることを確認した。
谷村 嘉彦; 志風 義明; 藤井 克年; 三枝 純; 堤 正博; 原野 英樹*; 松本 哲郎*; 下山 哲矢*
no journal, ,
加速器を用いた14.8MeV単色中性子校正場を、飛行時間法によるエネルギーの測定,ボナー球による中性子フルエンスの評価を行うことにより構築した。
菊地 正光; 梅原 隆; 宍戸 宣仁; 倉持 彰彦; 藤井 克年; 中嶌 純也
no journal, ,
原子力機構原子力科学研究所は、東日本大震災の後、施設の健全性が確認されるまですべての施設の運転を停止した。これら施設の復旧作業時には、福島第一原子力発電所事故により放出され飛来した放射性物質が管理区域の内外で検出される状況であった。今回の日本保健物理学会研究発表会においては、このような状況下で実施した施設放射線管理業務について紹介する。
谷村 嘉彦; 三枝 純; 藤井 克年; 志風 義明; 堤 正博
no journal, ,
日本原子力研究開発機構放射線標準施設棟(FRS)では、4MVシングルエンド型ペレトロン加速器を利用した8keV19MeVの単色中性子校正場を開発・整備している。今年度、新たにSc(p,n)Ti反応で発生する8keV単色中性子を利用した校正場を開発した。本核反応の断面積は複雑な共鳴構造をしている。この共鳴ピークを利用して8keV中性子を発生するが、ピークの幅は非常に狭く、1keV以下の精度でビームエネルギーを決定する必要がある。ところが、ビーム輸送条件を変えることなく、要求される精度でのエネルギー調整を加速器側で行うのは非常に難しい。そこで、ターゲットに最大50kVまでの電圧を印加することにより、微調整を可能とした。これにより、再現性よく8keV中性子を発生する手法を確立した。校正点の中性子フルエンスは、Liガラスシンチレーション検出器(直径5.08cm,厚さ2cm)及びボナー球(中心検出器:5.08cm球形BF比例計数管)で評価した。
荒川 侑人; 藤井 克年; 三村 竜二; 中塩 信行; 小沼 勇; 宍戸 宣仁; 梅原 隆
no journal, ,
再処理特別研究棟における再処理試験に伴い発生した廃液を貯蔵していた、廃液貯槽LV-1の高濃度放射性残渣の回収及び除染作業が実施された。残渣回収作業では集塵器を使用するため、集塵中の放射能濃度上昇による内部被ばくと、残渣を回収した容器からの外部被ばくが懸念され、残渣回収後の除染作業はLV-1内に入り実施するため、身体汚染及び内部被ばく、体幹部と末端部(手足)の外部被ばくが懸念された。このため被ばく低減について検討し、適切な呼吸用保護具の着用、遮蔽、作業時間の管理等で被ばく低減を図ることとした。そのほか、作業場の汚染拡大防止措置として、グリーンハウスによる区画管理を実施した。その結果、個人の最大実効線量は計画の1/8程度に抑えられ、内部被ばくについても作業後の全身カウンタでの測定で有意な値は検出されなかった。実効線量が低く抑えられた理由として、検討した被ばく低減措置が有効であったこと、作業手順を事前に確認及び検討することにより計画より短い時間で作業できたこと、残渣回収によりLV-1内の線量当量率が予測よりも低減されたことがあげられる。また、区画管理を適切に実施したことにより作業場所以外の区画における空気中放射能濃度や表面密度の上昇はなく、汚染が拡大することはなかった。高濃度汚染環境下での作業における放射線管理として、特に被ばく低減措置、汚染管理について検討し、適切な放射線管理を実施することができた。引き続き実施されるLV-1本体の解体作業についても、得られた経験を踏まえて適切な管理を実施する。
梶本 与一; 藤井 克年; 谷村 嘉彦; 安 和寿; 山根 健路; 大倉 毅史; 清水 滋
no journal, ,
日本原子力研究開発機構の放射線標準施設棟では、VDG型加速器を平成12年度に設置し、陽子・重陽子による核反応を利用した複数の単色中性子場を整備・計画している。今回、トリチウムターゲット(ターゲット)を用いた単色中性子場を構築するために実施した、ターゲット(放射能18GBq)を収納缶から取り出してターゲット管に取り付けるターゲット開封作業,ターゲットの放射能分布の確認,ターゲット利用時の管理を、放射線管理の観点から報告する。
藤井 克年; 高橋 照彦; 三枝 純; 宍戸 宣仁; 望月 薫*; 野嶋 峻; 秋山 勇; 清水 勇
no journal, ,
NSRRは反応度事故を模擬したパルス状の出力を発生させる運転を行っている。放射線管理上、このパルス運転時の漏えい線量は中性子サーベイメータ(レムカウンタ)を用いて測定しているが、パルス運転時のように狭い時間範囲に大量の中性子がレムカウンタで検出される場合、測定値は数え落としの補正が必要となる。今回、放射線管理の観点から実用的な補正係数の算出を目的とし、数え落としについて実験的に検証した。検証の方法として、マヒ型モデルを想定したシミュレーション計算値と実験による測定値の比較を行った。シミュレーションに用いた不感時間は、2線源法及び線源-パルサー法により評価した。シミュレーション計算は、実験による測定結果をよく再現しており、本実験のような高計数率の領域においても数え落としをよく評価できた。この結果から、原子炉出力に応じた補正係数の算出が可能となった。