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末岡 茂; 小林 侑生*; 福田 将眞; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 佐野 直美*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*
Tectonophysics, 828, p.229231_1 - 229231_17, 2022/04
被引用回数:1 パーセンタイル:20.65(Geochemistry & Geophysics)島弧衝突帯における山地形成史の解明を目的に、中部日本の南部フォッサマグナ地域に低温領域の熱年代学を適用し、冷却・削剥史を推定した。
小林 侑生*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (33), p.25 - 27, 2020/10
本州弧と伊豆弧の衝突帯である南部フォッサマグナ地域を対象に、熱年代学の手法を用いて山地の隆起・削剥史を検討した。筑波山,足尾山地,奥秩父のアパタイトFT年代は、伊豆弧の衝突以前の冷却・削剥や岩体形成を反映した古い値を示したが、関東山地のアパタイトFT年代や、より閉鎖温度が低いアパタイト(U-Th)/He年代では衝突開始以降の新しい年代値が得られた。アパタイトFTデータに基づいた熱史逆解析の結果、関東山地の北部から中部と身延山地では約1Ma、奥秩父と関東山地の南部では約4-5Maの急冷イベントが認定された。これらの時期は伊豆ブロックと丹沢ブロックの衝突時期とそれぞれ一致しており、伊豆弧の衝突イベントによる本地域の山地形成への影響が示唆される。
梶田 侑弥*; 福田 将眞; 末岡 茂; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B. P.*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (33), p.28 - 30, 2020/10
東北日本弧前弧域に分布する北上山地を対象に、熱年代学的手法を用いて山地の熱史・削剥史を検討した。北上山地を東西に横断する方向にアパタイトのFT法および(U-Th-Sm)/He法を実施した結果、既報年代と併せると、FT年代では東側から西側にかけて系統的に若い年代の傾向を示すのに対し、(U-Th-Sm)/He法では西縁で最も古い年代が検出され、以東ではほぼ一様な年代を示した。今後はより詳細に北上山地の熱史の傾向を議論するため、火山フロントの位置がほぼ現在の位置にあったとされる、1千万年以降の年代が期待できる熱年代学的手法の適用を予定している。
梶田 侑弥*; 福田 将眞*; 末岡 茂; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (32), p.6 - 7, 2019/12
太平洋プレートと北米プレート間の沈み込み帯に形成された島弧である東北日本弧の前弧域(阿武隈山地・北上山地)を対象として、アパタイトフィッション・トラック法を用いて隆起・削剥史を検討した。試料は、各山地を横断する方向にそれぞれ6地点と5地点で採取した。阿武隈山地では2地点で年代値が得られ、46.16.9Maと73.926.7Maと、先行研究と調和的な結果となった。北上山地では、同じく2地点で年代が得られ、66.810.4Maと65.810.4Maとなった。この2つの年代は先行研究より有意に若いが、両者の研究地域間には早池峰構造帯東縁断層が分布しており、年代差との関係は今後の検討課題である。
小林 侑生*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (32), p.8 - 11, 2019/12
本州弧と伊豆弧の衝突帯である南部フォッサマグナ地域の山地において、山地の隆起・削剥史の解明のためにアパタイトフィッション・トラック(AFT)解析を実施した。南部フォッサマグナ地域から離れた筑波山, 足尾山地, 奥秩父では、岩体の形成年代に近いAFT年代が得られたのに対して、身延山地や関東山地では、岩体形成年代より有意に若いAFT年代が得られた。AFT長データを用いた熱史逆解析の結果によると、関東山地北部中央部と身延山地では約1Ma、関東山地南部と奥秩父では45Ma頃の急冷イベントが推定されたが、これらは伊豆ブロックと丹沢ブロックの衝突時期とそれぞれ一致する。各ブロックの衝突と本地域の山地形成の関係については今後の検討課題である。
末岡 茂; 郁芳 隋徹*; 長谷部 徳子*; 村上 雅紀*; 山田 隆二*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 田上 高広*
Journal of Asian Earth Sciences; X (Internet), 2, p.100011_1 - 100011_11, 2019/11
ジルコンフィッション・トラック(ZFT)熱年代により、茂住祐延断層沿いの熱異常検出を試みた。ZFT年代は110-73Ma、ZFT長は7.1-9.0mを示し、これらを基にした熱史逆解析の結果から、約60Maと30-15Maの再加熱イベントが認定された。前者は約65Maの神岡鉱床の形成に伴う熱水活動を反映していると考えられる。後者は日本海拡大時の火成活動起原の加熱で、高温流体の滞留が介在している可能性が高い。
田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:18 パーセンタイル:74.14(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa + Pb, Ti + Pb, Ca + Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。Ca + Pb及びTi + Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方Ca + Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 122(8), p.6787 - 6810, 2017/08
複数の熱年代学的手法とthermo-kinematicモデリングを用いて赤石山脈の削剥史を検討した。熱年代は東に向かって系統的に若返り、赤石山脈北部は東縁に分布する糸魚川-静岡構造線の活動によって隆起した可能性が示唆された。Thermo-kinematicモデリングによって詳細な検討を加えた結果、糸魚川-静岡構造線の変位速度が5-10mm/yr、傾斜が27-45度、デコルマ深度が20-25kmのとき、熱年代測定結果と既存の地形・地球物理データを矛盾なく説明できることが確認できた。隆起速度と削剥速度は約4mm/yrと推定された。一方、赤石山脈南部は、先行研究による少数の熱年代データは北部と異なる値を示しているほか、地形・地質構造等の違いを考慮すると、北部とは別の時期・メカニズムによって隆起している可能性がある。
加治 大哉*; 森田 浩介*; 森本 幸司*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 藤田 訓裕*; Gan, Z.*; Geissel, H.*; 長谷部 裕雄*; Hofmann, S.*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 86(3), p.034201_1 - 034201_7, 2017/03
被引用回数:27 パーセンタイル:82.58(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所のガス充填型反跳核分離装置GARISを用いてCa + Cm Lv融合反応を調べた。116番元素Lv, Lvと思われる核反応生成物に起因するアルファ線と自発核分裂の崩壊連鎖が7事象観測された。崩壊連鎖中に観測された原子核の性質は過去の報告値とよく一致したが、1つの崩壊連鎖で一部矛盾が観測された。これはCnの新しい自発核分裂分岐比の存在、あるいは新同位体Lv生成の可能性を示唆するものと思われる。
末岡 茂; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二
フィッション・トラックニュースレター, (27), p.17 - 19, 2014/12
地殻変動の長期予測を行う上で、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、近畿の逆断層卓越地域と中部の横ずれ断層卓越地域の構造境界に分布する養老-鈴鹿-布引山地について、アパタイトフィッション・トラック法(AFT法)を用いて、隆起・削剥史の解明を行った。AFT年代測定の結果、47-30Maという年代が得られ、鈴鹿山脈の中部から南部で最も若く、南北に向かって古くなる傾向が認められた。AFT年代とAFT長を基にした熱履歴解析の結果、これらの年代差は最近数100万年間の山地の隆起に伴う削剥量の違いを反映していると解釈できる。古琵琶湖や東海湖といった沈降域が南から北へと発達したのに対し、隆起域はより複雑な発達過程をたどったことが示唆される。
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10
被引用回数:167 パーセンタイル:97.31(Physics, Multidisciplinary)113番元素である113をBi標的にZnビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知であるDb及びLrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が113, Rg (Z=111), Mt (Z=109), Bh (Z=107), Db (Z=105)及びLr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。
小林 進悟*; 長谷部 信行*; 細島 岳大*; 石崎 健士*; 岩松 和弘*; 三村 光輝*; 宮地 孝*; 宮島 光弘*; Pushkin, K.*; 手塚 千幹*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(10A), p.7894 - 7900, 2006/10
被引用回数:13 パーセンタイル:44.82(Physics, Applied)高圧のキセノンとキセノン水素混合ガス中での電子の特性エネルギーの測定を行い、その値を初めて取得した。測定結果から、特性エネルギーの非線形成分の密度効果は、1MPaまでは15%以下であることを断定できる。また、高圧キセノン中に水素を混合することで電子の特性エネルギーを減少させることができることがわかり、このことを利用すれば、キセノンガスを用いた放射線撮像装置の解像度劣化要因である電子の拡散を抑えることができる。
中山 富佐雄*; 榎戸 裕二*; 吉田 英一; 松本 寿之; 長谷部 慎一
JNC TN9420 2005-001, 115 Pages, 2005/03
ナトリウム冷却型高速炉(FBR)プラントの廃止措置などにおいては、放射院ナトリウムが付着・残留する原子炉容器、中間熱交換器及びコールドトラップ等の大型機器類が発生することになる。また、原子炉から抜き取った数百トン以上の放射性ナトリウムについては、貯蔵あるいは処理・廃棄するために安定した物質に転換(不動態化処理)し、取り扱い時における危険性を排除する必要がある。このため、化学的に活性な大量放射性ナトリウム及び大型機器類残留ナトリウムを安全に、かつ経済的に洗浄・処理処分する技術開発が今後必須となる。本報告書は、先行して進められている海外の高速炉、原子力施設等で実施あるいは計画されている放射性ナトリウムの処理技術等に関して調査を行ったものである。調査は、一次及び二次冷却材にナトリウムを使用し、現在廃止措置を進めている海外高速炉を対象に、ナトリウム中に含まれる放射性核種、大量ナトリウムの転換技術や再利用技術、付着・残留ナトリウムの洗浄処理技術、及びこれらの処理廃液を含む処分技術などについて実施した。これらの調査結果は、今後の放射性ナトリウムの洗浄・処理処分技術開発を進める上で有効な知見として活用できるものと考えられる。
浅山 泰; 長谷部 慎一; 和田 雄作
PNC TN9410 94-307, 43 Pages, 1994/11
高速炉の大型化に伴い、溶接部の使用範囲を拡大することにより建設コストの大幅な低減が期待できる。このような観点から、著者らは高速炉構造材料について溶接部のクリープ疲労評価法の開発を進めてきた。著者らは、これまでに溶接部のクリープ疲労強度の力学的な支配因子である母材・熱影響部・溶接金属の力学的特性の相対差に起因する応力・ひずみ集中について解析的評価モデルを開発した。一方、同強度の冶金学的な支配因子である高温長時間使用に起因する溶接金属の材質劣化による強度低下に関しては、現状では理論モデルによる定量的な検討例は皆無である。そこで著者らは、溶接金属の微視構造に基づく理論モデル(材料微視構造モデル)の開発を開始した。本モデルでは、溶接金属のクリープ疲労き裂が、フェライトあるいは相近傍から発生・成長することに着目し、この近傍の応力・ひずみ集中とこれに起因するクリープ疲労損傷の集中に基づきクリープ疲労き裂の発生を評価する。本報では、308系溶接金属について基礎的な解析を行った。これにより以下の知見を得た。(1)材料微視構造モデルは溶接金属のクリープ疲労破損形態を再現することができる。(2)材料微視構造モデルは1000時間程度のクリープ疲労強度を精度良く評価することができる。(3)材料微視構造モデルは、モデルの最適化を行うことにより、長時間クリープ疲労強度も精度良く評価することが期待できる。さらに、材料微視構造モデルに必要な最適化項目を明らかにした。
渡士 克己; 青砥 紀身; 青木 昌典; 小峯 龍司; 伊藤 卓志; 長谷部 慎一; 加藤 章一; 小井 衛; 和田 雄作
PNC TN9410 93-142, 120 Pages, 1993/06
「高速炉構造用316」(略称316FR)は、クリープ疲労強度の向上を目指して、従来高速炉に用いられてきたSUS316の化学成分をベースに開発した高速炉の構造材料である。本報は、これまでに実施してきた研究開発結果を、316FRの材料強度基準(案)並びに特性の説明として取りまとめたものである。本報に示す材料強度基準(案)は、「高速原型炉高温構造設計指針材料強度基準等」に規定された全項目を含むとともに、書式についても整合性を有している。また、「高速原型炉第1種機器の高温構造設計指針」に規定される項目のうち、鋼種毎に定められる「1次及び2次応力に関する緩和クリープ損傷係数」並びに「ピーク応力に関する緩和クリープ損傷係数」も、本材料強度基準等(案)に含まれる。
平石 剛大*; 岡本 征晃*; 梶田 信*; 長谷部 優*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 仲野 友英
no journal, ,
He I線強度比を用いて電子温度・密度を高速で計測する方法を開発した。その手法を初めてJT-60トカマクプラズマに対して適用した結果を報告する。主プラズマ周辺部で発生したモードによる熱・粒子の吐き出しに伴い、ダイバータプラズマの電子温度が減少し、少し遅れて密度が増加する様子が観測された。この電子温度と密度の波形は、ダイバータ板に熱・粒子パルスが到達し、中性粒子が放出され、それが電離される際にプラズマがエネルギーを失い、また電離によってプラズマ密度が上昇した、と解釈される。
高戸 直之; 花谷 純次*; 加藤 恭平*; 水野 貴敏*; 畑山 明聖*; 戸張 博之; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 谷口 正樹; 長谷部 美恵子; et al.
no journal, ,
プラズマ電極に入射する原子のフラックスを決める主要な要因を数値計算により明らかにするため、水素原子生成・輸送過程の数値解析を行った。モンテカルロ法を用いた3次元水素原子輸送計算を、セシウム添加型JAEA10アンペア負イオン源に適用した。水素原子生成過程として、分子の電子衝突による解離反応のみを考慮し、反応レートに影響を与える電子温度・密度はラングミュアプローブを用いた測定結果を適用した。また反応レートが大きい高速電子成分は、プローブ特性から2温度フィッティングで求めた値を用いた。その結果、高速電子(数十eV程度)は熱緩和した電子(数eV程度)に対して密度が10%程度と低いにもかかわらず、原子生成に対する寄与は40%程度と高いことが明らかとなった。加えて原子のエネルギー緩和過程を含めた解析を行った結果、原子密度が80%程度上昇することが明らかとなった。この高速電子による解離及び原子のエネルギー緩和過程を含めることにより、原子密度は従来の解析結果の約2.5倍まで上昇し、原子による負イオンの表面生成とその空間分布形成過程の理解が深まった。
青柳 吉輝; 常見 祐介*; 長谷部 忠司*
no journal, ,
通常の金属材料は、転位下部組織,結晶方位,結晶粒径あるいは粒形状の異なる単結晶が多数集まって構成されており、種々のスケールにおいて不均質な変形応答を示すことが知られている。特に、変形様式,速度あるいは温度などの条件によって転位下部組織は複雑に形態変化し、それらの履歴の大部分の情報を担っていることが指摘されている。しかしながら、有限要素法をはじめとする結晶塑性論などの連続体ベースのみでの解析では、それらの微視的な不均質変形までを表現することは極めて困難である。同分布の再現の可否は今後マルチスケール塑性解析のためのモデルの妥当性を判断するうえで多くの示唆を与えるものと考えられる。本研究では、場の理論に基づいて転位の幾何学的下部組織形成を表現する不適合度テンソルを考慮したモデルを用い、インデンテーション試験によって発現する幾何学的に必要な転位密度によるバンド状の微細組織の再現を試み、同モデルの有効性を検証した。
千葉 敏; 太田 周也*; 安田 仲宏*; Sihver, L.*; 小平 聡*; 井手口 悠介*; 長谷部 信行*
no journal, ,
本研究は、宇宙線の起源解明のために有益な情報である、宇宙線起源の元素組成の解明を目標としていている。宇宙線(陽子から鉄など重イオン含め)は発生してから、地球に到達するまでに、星間水素と核反応を起こして、さまざまな二次核を生成しており、地球近傍で観測した宇宙線の元素組成に混じっている。このため、宇宙線重イオンと水素の反応断面積(入射核電荷交換断面積)を正確に測定し、二次核の量を差し引けば、宇宙線起源由来の元素組成が求まる。本研究では、CR-39飛跡検出器を用いた高精度測定手法を開発し、数百千MeV/nのFeやMgビームとC, CH標的を用い、断面積測定を行った。
太田 周也*; 安田 仲宏*; Sihver, L.*; 小平 聡*; 井手口 悠介*; 長谷部 信行*
no journal, ,
本研究は、宇宙線の起源解明のために有益な情報である、宇宙線起源の元素組成の解明を目標としている。宇宙線(陽子から鉄など重イオン含め)は発生してから、地球に到達するまでに、星間水素と核反応を起こして、さまざまな二次核を生成しており、地球近傍で観測した宇宙線の元素組成に混じっている。このため、宇宙線重イオンと水素の反応断面積(入射核電荷交換断面積)を正確に測定し、二次核の生成量を差し引けば、宇宙線起源由来の元素組成が求まる。本研究では、CR-39飛跡検出器を用いた高精度測定手法を開発し、100から1000MeV/nucleonのFeやMgビームと,標的を用い、全断面積及び、各元素を生成する断面積(部分断面積)測定を行った。測定した断面積は、エネルギーの重複する範囲で過去の実験データと一致し、本測定方法の有効性が確認できた。また、300MeV/n以下では、本測定が初めてのデータとなったが、モデル計算から15%以上大きい値を示し、従来の断面積計算モデルの改良やさらなる実験データ取得の必要性を示すことができた。