Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
柴田 崇統*; 杉村 高志*; 池上 清*; 高木 昭*; 佐藤 将春*; 内藤 富士雄*; 大越 清紀; 長谷川 和男
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011009_1 - 011009_6, 2021/03
茨城ホウ素中性子捕捉治療(iBNCT)計画におけるリニアック大強度化の一環として、イオン源からのビーム生成においてduty factor 10%(パルス幅1msかつ繰返し周波数100Hz)以上を保ち、ピークビーム電流をこれまでの30mAから60mAに引き上げることが課題である。さらに医療応用上、ビーム大強度化とともに、ビーム波形の安定性(ピーク電流の揺らぎ、shotごとの波形再現性)が重要である。本研究では、六ホウ化ランタン(LaB6)フィラメントを使用したアーク放電型のイオン源を構築し、イオン源からピーク電流値53mA、ピーク電流の揺らぎ0.5mA以内のビーム引き出しを達成した。さらに、パルス幅を200sから1msに伸ばすためのアーク電源を開発し、アーク電流・電圧100A・80-120V、および900sのプラズマ生成に成功した。この長パルスアークプラズマを生成するための、新たなアークパルス電源では、DC300Vと比較的高圧の直流電源と定電圧CV回路を組み合わせることで、医療応用において重要な省スペース化とともに実現した。
長谷川 琢磨*; 中田 弘太郎*; 富岡 祐一*; 後藤 和幸*; 柏谷 公希*; 濱 克宏; 岩月 輝希; 國丸 貴紀*; 武田 匡樹
Geochimica et Cosmochimica Acta, 192, p.166 - 185, 2016/11
被引用回数:10 パーセンタイル:38.79(Geochemistry & Geophysics)岐阜県東濃地域に分布する花崗岩中の地下水について、He法およびC法を利用した年代測定を行った。6本の深度1000m級のボーリング孔を利用して合計30区間から地下水試料を採取した。地下水の流動経路に沿って、He濃度は増加し、C濃度は減少する傾向があり、両者から推定される年代値には線形相関が認められた。このような複数の指標を利用して年代測定を行うことにより、信頼性の高い年代値が取得できると考えられる。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy and Microanalysis, 20(Suppl.3), p.684 - 685, 2014/08
電子プローブアナライザ(EMPA)としてX線エネルギー範囲が公称50210eVの新しい波長分散型軟X線発光分光計(SXES)を開発した。このEPMA-SXESは2枚の不等間隔溝回折格子を用いた平面結像型分光器で、従来の波長分散型分光器では困難であったパラレル計測が可能であり、そのエネルギー分解はAl-L端で約0.2eVと、光電子分光器や電子エネルギー損失分光器と比して同程度である。これらの特長から様々なバルク試料の化学結合状態について有意義な情報を得ることができる。本研究では、このEPMA-SXESを用いた実試料の測定を行い、リチウムイオン電池の負極及び金属リチウムからのLi-K発光スペクトルの比較、結合と結合に起因するキッシュ黒鉛からのC-K発光スペクトルの結晶方位依存性、3種類の希土類フッ化物(LaF, CeF, NdF)からのLa, Ce, NdのN発光スペクトルの比較について報告する。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
JAEA-Conf 2013-001, p.77 - 80, 2013/09
検出可能なエネルギー範囲を従来の60-1200eVから50-4000eVに拡張したTEM, EPMA/SEM向けの電子顕微鏡用軟X線発光分光(SXES)装置を開発してきた。電子顕微鏡への価電子分光法の導入は、物質科学だけでなく広く基礎科学に貢献する、EELSとEDSでは得ることのできない結合電子の有益な情報を提供する。50eVと4000eVまで検出エネルギーを広げるために、新しいラミナー型不等間隔溝(VLS)回折格子JS50XL(格子定数:1200lines/mm)とJS4000(同:2400lines/mm)をそれぞれ設計製作した。JS50XLとJS4000はAuと2000-3800eVの広いエネルギー領域をカバーするW/BCの新しい多層膜構造を持つ軟X線多層膜をそれぞれ蒸着した。JS50XLのエネルギー分解能は49.5eVのフェルミ端で0.2eVであった。また、金属リチウムのLi-Kの発光スペクトルにおいて鋭いフェルミ端を見ることができる。JS4000では3.8keVのTe-La発光で高いエネルギー分解能が確認され、全値半幅は27eVであった。このように、二つの新しいVLS回折格子の開発により検出エネルギー範囲の拡張に成功した。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 寺内 正己*; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
JAEA-Conf 2013-001, p.13 - 15, 2013/09
軟X線発光分光器における分析エネルギー範囲を拡張するため、50から200eVの低エネルギー用としてラミナー型不等間隔溝(VLS)回折格子JS50XL、2000から4000eVの高エネルギー用として多層膜VLS回折格子JS4000を新たに開発した。また、電池材料, 鋼及び合金, 電子デバイスなどのさまざまな分野に対応できる発光スペクトル計測のための商用アプリケーションソフトウェアも併せて開発した。講演では、JS50XL及びJS4000を同時に搭載可能な分光器を装着した商用機EPMAの概要と、リチウムイオン電池の充電状態によるLi-Kスペクトルの空間的, 時間的化学状態変化や、CdSe, ZnTe, InPからのKeV領域スペクトルの計測結果などについて述べる。この開発は、科学技術振興機構の産学共同シーズイノベーション化事業(育成ステージ)の共同開発のプロジェクトの一つ(ナノスケール軟X線発光分析システムの開発)として行われた。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
Proceedings of SPIE, Vol.8848, p.884812_1 - 884812_14, 2013/09
被引用回数:7 パーセンタイル:94.03(Optics)産学における共同研究として、汎用電子顕微鏡に搭載することが可能な軟X線平面結像型分光器を開発した。本分光器の主な特徴は2つである。一つは、50200eV, 155350eV, 3002200eV, 20004000eVのそれぞれの領域に最適化した専用の不等間隔溝ホログラフィック回折格子を共通の分光器に搭載できるようにし、分光器ではなく回折格子の切り替えのみにより、504000eVの幅広いエネルギー領域をカバーできるようにしたことである。もう一つは、新たに考案した広帯域型W/BC多層膜を用いて一定入射角でも20004000eV領域の全域に渡って実用的な回折効率(約1%)を得られるようにしたことである。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy and Microanalysis, 19(Suppl.2), p.1258 - 1259, 2013/08
軟X線発光分光学に資するために電子顕微鏡用に新開発の回折格子を搭載した分散型分光器(WD-SXES)を製作した。汎用電子プローブX線マイクロアナライザー(JEOL JXA-8100)用に2種類の回折格子とCCDを搭載したWD-SXESでは50-210eVのエネルギー範囲を測定できる。この分光器のエネルギー分解幅は約0.3eVで、これまでの分子累積膜(LB膜)を分散素子として用いる場合より、約1桁高いエネルギー分解が得られる。例えば、AlB合金のフェルミ端はバルクのAlに対して1.5eV高いエネルギーにあることが観測される。また、バルクのAlとAlB合金がミクロンオーダーの空間領域に混在する試料に対してエネルギー範囲72-73.5eVと73.5-75eVとの2つをマッピングした場合、エネルギー差がわずか1.5eVであるのにもかかわらずコントラストが反転し、それぞれの物質の分布をサブミクロンの空間分解で測定できた。このように、この装置は化学状態のマッピングに高い可能性を持つといえる。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy, 62(3), p.391 - 395, 2013/06
被引用回数:11 パーセンタイル:59.48(Microscopy)電子顕微鏡における回折格子分光器の使用エネルギーの上限を拡張を狙って、新しい多層膜蒸着不等間隔溝回折格子、JS4000を製作し、試験した。回折格子は斜入射角1.35度で2-3.8keVの領域を測定できるように設計した。新しい多層膜構造を用いることにより同一の光学系の配置を用いて1.5keVから4keVの軟X線発光スペクトルの同時取得が可能となったことを示す。Te-L(3.8keV)発光線の半値全幅は27eVであった。エネルギー分散型X線分光器では分解できないSn-L(3444eV)とIn-L(3487eV)のピークが分離できた。
今園 孝志; 小池 雅人; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; 寺内 正己*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 425(15), p.152008_1 - 152008_4, 2013/03
被引用回数:3 パーセンタイル:79.51(Instruments & Instrumentation)24keVをカバーする多層膜回折格子と多層膜凹面鏡を搭載した平面結像型軟X線分光器の開発を行っている。機械的駆動による波長走査が不要な分光器を開発することを目指し、当該エネルギー領域全域に渡る反射率を一定入射角でも均一的に高めることができるWとBCからなる新しい膜構造の多層膜を発明し、それを多層膜回折格子及び多層膜凹面鏡として応用した。ラミナ型不等間隔溝ホログラフィック回折格子(有効格子定数: 1/2400mm)及び凹面基板(曲率半径5000mm)上にイオンビームスパッタリング法により広帯域多層膜を作製し、放射光を用いて入射角88.65における絶対回折効率及び88.00における反射率を評価(平均値)した結果、2.13.8keV領域の全域でそれぞれ3%超及び4%超であった。これら2つの多層膜光学素子を組合せた分光器のスループットは、従来の金単層膜回折格子及び反射鏡のそれに比して25000倍以上高感度となることがわかった。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
AIP Conference Proceedings 1465, p.33 - 37, 2012/07
被引用回数:5 パーセンタイル:84.86(Physics, Applied)We have developed a compact wavelength-dispersive soft X-ray emission (SXE) spectrometer for TEM's. SXE spectroscopy combined with transmission electron microscopy (TEM-SXES) should be a hopeful method to reveal physical properties and electronic structures of identified small specimen areas of various compounds. It is necessary to develop a new SXES instrument that works in an energy range of 2-4 keV, in which it is of importance to simultaneously detect and analyze SXE spectra for materials science and industry. For this purpose, we have invented a novel layer structure that enables to uniformly enhance the reflectivity in a few keV energy range at a fixed angle of incidence. The multilayer structure that consisted of W and BC was fabricated on the surface of a newly designed holographic laminar-type varied-line-spacing master grating (MLG). Its performance test was carried out at BL-11B, Photon Factory, KEK. As a result, it was revealed that the new MLG was effective to uniformly enhance the diffraction efficiency and worked practically in this energy region.
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
Applied Optics, 51(13), p.2351 - 2360, 2012/05
被引用回数:12 パーセンタイル:52.47(Optics)電子顕微鏡に搭載するための汎用軟X線平面結像型分光器用ラミナ型及びブレーズ型ホログラフィック不等間隔溝球面回折格子を設計・作製・評価した。放射光を用いて実施した入射角86.00におけるラミナ型マスター及びレプリカ回折格子の絶対回折効率は50200eV領域で5%超を示す一方、ブレーズド型の場合は8%超であった。それぞれの最大回折効率は、22%, 2627%であった。レーザープラズマ光源を用いた分解能実験により、すべての回折格子の分解能がLiの発光スペクトルのエネルギー(約55eV)で700以上であることがわかった。また、透過型電顕に搭載した分光器を用いて金属Liのスペクトルを高い分解能で計測することに成功した。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
Memoirs of the SR Center Ritsumeikan University, (14), p.131 - 144, 2012/05
汎用電子顕微鏡に搭載することが可能な504000eV領域をカバーする波長分散型軟X線平面結像分光器の研究開発を行っている。当該領域を四分割(50200eV、155-350eV、300-2200eV、2000-4000eV)し、一つの共通する分光器に搭載できるようそれぞれ最適化したホログラフィック不等間隔溝球面回折格子の設計,製作,評価を行った。リチウム発光スペクトル計測を目的とする50200eV領域の低エネルギー側をカバーする回折格子(溝形状:ラミナ型とブレーズド型)は、全エネルギー領域においてラミナ型で5%超、ブレーズド型で8%超の絶対回折効率であることが放射光による評価の結果明らかになるとともに、Li-スペクトル近傍のレーザープラズマ光源を用いた分解能評価の結果、ラミナ型及びブレーズド型ともに700超であることがわかった。この回折格子を透過型電顕に搭載した分光器を用いて金属Liのスペクトルを高分解能計測することに成功した。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Proceedings of Microscopy and Microanalysis 2011 (Internet), 2 Pages, 2011/08
高エネルギー分解の軟X線分光は化合物の化学結合状態の有用な情報を与える。寺内らは最近透過型電子顕微鏡(TEM)に搭載する軟X線発光分光器(SXES)を開発し、Al-L発光スペクトルにおいて0.2eVのエネルギー分解を得た。この分光器のエネルギー範囲は60-1200eVである。この結果をさらに広いエネルギー領域に拡張し、特にLi-K発光スペクトルを検出するため、新たに50-200eVで高エネルギー分解を与える収差補正型回折格子を開発している。具体的にはLi-K(55eV), Al-L(70eV), Si-L(100eV), B-K(180eV)などと、C-K(279eV), N-K(392eV), O-K(525eV)などの高次光に対応する。この分光器はTEMだけでなくEPMAにも装着可能である。さらに、EPMAに装着したSXESではX線強度がプローブ電流に比例することを見いだした。このことはトレース物質の解析に非常に有用である。Li-K, Be-K, B-Kの場合、検出限界は数十ppmと評価された。応用例としてはボロントレース解析法が新規に開発された物質の定量的な評価法として有望である。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
Microscopy and Microanalysis, 17(Suppl.2), p.604 - 605, 2011/07
透過型電子顕微鏡(TEM)用の軟X線発光分光(SXES)装置を開発している。顕微鏡と組合せたSXESは各種の物質から成り立つ同一の微小領域の物理的性質や化学結合状態を示すものとして期待されている。これまでのTEM用のSXES装置は当初60-1200eVを検出できる(拡張版は2000eVまで)。物質科学への応用にはさらなる広領域化が必要である。そこで50-3800eVをカバーする電子顕微鏡用の新しいSXES装置開発を開始した。高エネルギーへの拡張では、金蒸着では2.2keVのM吸収端以上では著しく反射率が低下するため、新たに軟X線多層膜を蒸着した回折格子を開発した。主な仕様は格子定数:2400本/mm、蒸着物質:WとBC、膜周期:約5.6nm、膜周期数:20、斜入射角:1.35度である。このSXESをJEM2010型TEMに搭載した。検出器は背面照射型CCDを使用した。測定の結果、高強度のTe-L(3769eV) and L(4030eV)だけでなく、4つの微小な構造(Ll,L,L,L)が確認できた。このほか、Pt-M(2050eV)、Pd-M(2839eV)、In-L(3287eV)が観測され、新しい多層膜回折格子が2-4keVの領域で機能することを確認した。
寺内 正己*; 佐藤 庸平*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; et al.
no journal, ,
TEM用軟X線発光分光(SXES)装置(測定範囲は拡張仕様で60-2000eV)をより広く材料への応用に対応するため、測定領域を50-3800eVへ拡張するとともに解析ソフトも含めた「ナノスケール軟X線発光分光システムの開発」(科学技術振興機構-産学共同シーズイノベーション化事業:平成20-平成23)を行っている。今回は、高エネルギー側をこれまでの約2keVから約4keVまで拡張する新たな回折格子の試作とその実験結果を報告する。最近メモリーデバイス等に使われるTeやSeの分析が要望されているが、3.7keVのTe-L発光を従来のAu蒸着の回折格子では測定不可能である。今回、回折格子基板の上に多層膜(WとBCを交互に20周期程度)を形成し、それにより2-4keVの範囲をカバーする回折格子の開発を試みた。検出器には画素サイズが12ミクロンの軟X線用CCDカメラを用いた。現在、マスター回折格子(溝を形成したガラス基板)に多層膜を形成した物を用い、Te単結晶から、L1(4030eV)の測定に成功している。さらに、同じ設定でPt-M(2050eV), Pd-M(2839eV), In-L(3287eV)も測定できており、2-4keV領域をカバーできることが確認された。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
no journal, ,
電子顕微鏡と組合せた軟X線発光分光(SXES)は物質の物理的性質だけでなく各種の化合物の特定された微小な試料領域での化学結合状態を明らかにすることができる有望な方法である。電子顕微鏡(透過型電子顕微鏡及び電子線マイクロプローブアナライザー)において50eV-4000eVを対象とする新しいSXES装置の開発を開始した。この領域を4種の収差補正(不等間隔溝: VLS)回折格子によりカバーする。低エネルギー領域への拡張では斜入射角4度、有効刻線密度1200本/MMのVLS回折格子を新しく設計製作した。この回折格子によりエネルギー分解0.3eVでLI-K発光(54eV)を検出することができる。高エネルギー領域への拡張では斜入射角1.35度、有効刻線密度1200本/MMの軟X線多層膜(MLC)VLS回折格子を新しく設計製作した。軟X線多層膜の物質対はWとBCである。この新MLC-VLS回折格子はTE-L(3769eV)とL(4030eV)だけでなくLL, L, L, Lの微細な構造を検出できた。同じ設定でAL-K(1486eV), PT-M(2050eV), PD-M(2839eV), IN-L(3287eV)も観測できた。これは新しく設計製作したMCL回折格子が1.5-4keVの領域で有効に機能していることを示している。
寺内 正己*; 高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
no journal, ,
これまで開発してきた回折格子を用いたTEM-WDS装置(回折格子2つで60-1200eVをカバー)をより広く材料への応用に供するため、測定領域を50-3800eVへ拡張するとともにEPMAへの搭載及び解析ソフト開発も含めた「ナノスケール軟X線発光分光システムの開発」(科学技術振興機構-産学共同シーズイノベーション化事業:平成20年度-平成23年度)を行っている。低エネルギー領域に関しては、新回折格子を搭載したEPMAによるLi-K(54eV)の測定などを昨年報告した。今回はメモリーデバイス等に使われるTeやSeの分析を目的とした高エネルギー領域への拡張を目指し、新たな多層膜構造による広帯域回折格子(1.5-4keV)の試作と、それをTEMに搭載して得た実験結果を報告する。分解能・感度テストとして、透明電極材料であるITO(酸化インジウム(InO)に数%の酸化スズ(SnO)を添加した化合物)の測定をしたところ、In-L1(3487eV)ピークとSn-L(3444eV)ピークを明瞭に分離して測定できることが確認できた。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
no journal, ,
リチウムイオン二次電池や太陽電池材料等(Li, In, Te等)の機能性物質のナノスケール構造評価と化学結合評価を実現する分析システムを構築するために、汎用電子顕微鏡に搭載可能なLi-発光スペクトル(約55eV)からTe-スペクトル(約3800eV)までの領域をカバーする平面結像回折格子分光器の開発を行っている。電子顕微鏡に搭載されている現状の分光結晶や半導体検出器を用いたX線分析器に比して、感度,分解能,検出範囲等の点で優れる平面結像回折格子分光器は有望なX線分析器であると言える。しかし、50-4000eVの領域を一つの回折格子でカバーするのは困難なため、当該領域を四分割(50-200eV, 155-350eV, 300-2200eV, 2000-4000eV)し、各領域に最適化した回折格子を共通の分光器に搭載できるようにした。今回、通常の回折格子では計測困難な2-4keV領域に対応するワイドバンド多層膜回折格子の設計・作製・評価した。放射光を用いた回折効率評価の結果、入射角88.65,入射エネルギー2.1-4.0keVにおける多層膜回折格子の回折効率は、従来の回折格子に比して2keV近傍で数倍、3keVで一千倍の回折効率であり、測定エネルギー域全域に渡り実用的な回折効率を示すワイドバンド多層膜回折格子の開発に成功した。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
no journal, ,
表面が金膜である従来の回折格子を搭載した回折格子分光器では計測できない2-4keV領域に対応するワイドバンド多層膜回折格子分光器の開発を進めている。これを実現するために、当該領域の反射率を一定入射角でも反射率をワイドバンド化できる新しい膜構造の多層膜(WとBCから構成、周期長5.6nm,膜総数40)を考案し、それをホログラフィック露光法により作製されたラミナ型回折格子上に積層させた多層膜回折格子を作製した。高エネルギー加速器研究機構Photon FactoryのBL-11Bにて行った多層膜回折格子の回折効率の評価実験の結果、入射角88.65,入射エネルギー2.1-4.0keVにおける多層膜回折格子の回折効率は、従来の回折格子に比して2keV近傍で数倍、3keVで一千倍の回折効率を示すことがわかった。
高橋 秀之*; 飯田 信雄*; 村野 孝訓*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 河内 哲哉; 今園 孝志; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; et al.
no journal, ,
50-200eVの超軟X線を検出するために新しく設計されたラミナー型不等間隔溝回折格子(JS50XL)を開発し、電子プローブマイクロアナライザーに装着した。金属MgのMg-L(50eV)発光、Li電池のようなLi化合物におけるLi-K(54eV)発光の測定例を示した。さらに較正曲線法を用いて化合物中の微量Bの検出限界として数十ppmを得た。