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論文

Real-time tracer dispersion simulations in Oklahoma City using the locally mesh-refined lattice Boltzmann method

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

Boundary-Layer Meteorology, 179(2), p.187 - 208, 2021/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:89.67(Meteorology & Atmospheric Sciences)

汚染物質の拡散解析手法CityLBMは、GPUスーパーコンピュータ上において、適合細分化格子(AMR)法を適用する事で、数kmの解析領域の実時間解析が可能である。本論文では、CityLBMの検証としてオクラホマ市で実施された野外拡散実験(JU2003)に対する解析を実施した。計算条件として、Weather Research and Forecasting(WRF)モデルを用いた風況条件および、建物と植生を考慮した地表面データをCityLBMに与えることで、JU2003の実験条件を再現した。さらにアンサンブル計算の実施により、乱流の不確実性を軽減した。汚染物質の時間平均濃度および最大値を実験測定値と比較した結果、アンサンブル計算により解析精度を向上すると共に、2m解像度・4km四方の解析では、24個の計測値に対して70%の高い割合でFactor2を満たす事を確認した。

論文

木構造に基づく細分化格子LBMにおける領域分割法の改善

長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 6 Pages, 2021/05

Forest-of-octreesに基づく局所格子細分化法(LMR)を導入した格子ボルツマン法(LBM)に基づく空力解析コードに対し、挿し木法による領域分割の改善手法を提案した。従来の空間充填曲線に基づく領域分割法は、適合格子細分化法(AMR)やLMRで広く用いられているものの、GPUスパコン向けに実装された本空力解析コードにおいては袖領域通信が増大し計算のボトルネックとなるうることが確認された。本研究で提案する挿し木法は、粗い等間隔格子状の領域分割と細かい空間充填曲線に基づく分割のハイブリッドによる手法である。挿し木法により、領域分割の局所性と幾何形状が改善しており、通信量が従来の空間充填曲線に基づく手法に比べて3分の1に削減された。8GPU並列による性能検証では、コード全体で1.23倍の高速化が確認された。また、強スケーリングにおいてさらに性能の改善が見られ、128GPUの強スケーリングにおいては、従来手法に比べて1.82倍の高速化を示し、2207MLUPS (mega-lattice update per second)の計算性能を達成した。

論文

ブロック型適合細分化格子でのPoisson解法の混合精度演算による高速化

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 3 Pages, 2021/05

本研究では、二相流体解析コードJUPITER-AMRに対して、圧力ポアソン方程式に対する混合精度前処理手法を開発した。マルチグリッド前処理手法として、3段のVサイクルの幾何学的MG法およびキャッシュを再利用したSOR(CR-SOR)法を適用した。原子力工学問題での性能測定として、バンドル体系に対する多相流体解析を実施した。計算速度として、単精度演算を適用する事で、倍精度演算の75%へと削減すると共に、強スケーリング性能においては、32台から96台のGPUを利用する事で1.88倍を実現した。

論文

機械学習による細分化格子に基づく二次元定常流予測

朝比 祐一; 畑山 そら*; 下川辺 隆史*; 小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 4 Pages, 2021/05

多重解像度の定常流流れ場を符合付き距離関数から予測するConvolutional Neural networkモデルを開発した。高解像度の画像生成を可能とするネットワークPix2PixHDをパッチ化された高解像度データに適用することで、通常のPix2PixHDよりメモリ使用量を削減しつつ、高解像度流れ場の予測が可能であることを示した。

論文

GPU acceleration of multigrid preconditioned conjugate gradient solver on block-structured Cartesian grid

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 山下 晋; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

Proceedings of International Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region (HPC Asia 2021) (Internet), p.120 - 128, 2021/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01

本研究では、二相流体解析コードJUPITERに対して、マルチグリッド前処理付き共役勾配(MG-CG)法を開発した。MG法は、3段のVサイクルMG法に基づいて構築し、各段に対して、RB-SOR法およびGPUのキャッシュを再利用したCR-SORを開発・適用した。性能測定として、バンドル体系に対する気液二相流体解析を行った。RB-SOR法およびCR-SOR法を適用したMG-CG法では、MG法を適用しないPCG法と比較して、収束までの反復回数を15%と9%以下に削減するとともに、3.1倍, 5.9倍の計算速度が達成された。以上の結果から、本研究で開発したMG-CG法は、GPUを用いたスーパーコンピュータ上にて、効率的に大規模な二相流体解析が可能であることが示された。

論文

格子ボルツマン法のアンサンブル計算に基づく汚染物質拡散解析

長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏

第34回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2020/12

都市風況および汚染物質拡散解析を行うため、局所細分化格子ボルツマン法を用いた実時間アンサンブル計算コードを開発した。開発したコードを、産業技術総合研究所による風洞実験、およびオクラホマシティでの野外拡散実験JU2003と比較した。風洞実験に対する検証では、風況は実験とよく一致するとともに、トレーサ物質の濃度は、環境アセスメントガイドラインで示されている評価指標であるFACTOR2に対し、61.2%の正答率を達成した。野外拡散実験JU2003においては、風速の瞬時値は実験とよく一致したが、風向は最大で100$$^{circ}$$のずれがあった。一方で、トレーサ物質濃度の平均値は、全時間区間においてFACTOR2を満たした。以上の結果より本コードは環境アセスメントに対して十分な精度を持つことを示した。

論文

ブロック型適合細分化格子でのPoisson解法のGPU・CPU・ARMプロセッサに対する性能測定

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

第34回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2020/12

本研究では、二相流体解析コードJUPITERにおいて、圧力ポアソン方程式に対するマルチグリッド前提共役勾配(MG-CG)ソルバーを開発した。プログラムの開発言語として、C++およびCUDAを用いることで、様々なコンピュータプラットフォームに対応した。CG解法の主な計算カーネルは、GPU, CPU、およびARM上において、ルーフライン性能の0.4$$sim$$0.75と妥当な性能を達成した。一方で、SpMVカーネルでは、ARM上において、大幅な性能劣化が確認された。その原因を調査したところ、SpMVカーネル内にて関数呼び出しを行うことで、コンパイラの最適化が働かないことが確認された。

論文

Interactive in-situ steering and visualization of GPU-accelerated simulations using particle-based volume rendering

河村 拓馬; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏

Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.187 - 192, 2020/10

汚染物質の大気拡散予測の実現に向けて、GPUスーパーコンピュータ(スパコン)向けに最適化された適合格子細分化(AMR)による流体シミュレーションが開発されており、その結果の対話的な可視化や計算パラメータのステアリング技術が必要とされている。本研究では、これまでに開発してきた構造格子向けの粒子ベースIn-situ可視化手法をAMR向けに拡張し、ファイルを介したIn-situ制御機構を利用して計算パラメータのIn-Situステアリングを可能にした。開発した手法をGPUプラットフォーム上で動作する都市部でのプルーム分散シミュレーションに結合し、膨大なパラメータスキャン無しにヒューマンインザループにより汚染源探索が可能なことを示した。

論文

Ensemble wind simulations using a mesh-refined lattice Boltzmann method on GPU-accelerated systems

長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏

Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.236 - 242, 2020/10

都市域の風況および汚染物質拡散は建造物や植生に強く影響されるため、従来のメソスケールモデルで記述することは困難である。この問題を解決するため、細分化格子ボルツマン法(LBM)を用いたGPUベースのCFDコードの開発を進めており、現在、数メートル解像度の汚染物質拡散のリアルタイム解析を実現している。しかし、このような高解像度のシミュレーションでは流れは極めて強い乱流状態にあり、計算結果は様々な計算条件の影響で大きく変化する。本研究では、このようなカオス状態のシミュレーションにおいて計算の信頼性を向上させるため、アンサンブル計算を実装し、不確かさの統計的評価を可能とした。開発したコードを用いてオクラホマシティにおける野外拡散実験JU2003の検証計算を行った。結果として、風況が実験とよく一致するとともに、トレーサガス濃度の平均値がアンサンブル計算と実験値の間でFactor2の条件(計算値と実験値の比が1/2から2倍の間にあること)を満たすことを確認した。

論文

Unusual redox behavior of ruthenocene confined in the micropores of activated carbon

糸井 弘行*; Ninomiya, Takeru*; 長谷川 英之*; Maki, Shintaro*; Sakakibara, Akihiro*; 鈴木 隆太郎*; 笠井 湧斗*; 岩田 博之*; 松村 大樹; 大和田 真生*; et al.

Journal of Physical Chemistry C, 124(28), p.15205 - 15215, 2020/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:65.14(Chemistry, Physical)

We demonstrate reversible charge/discharge in ruthenocene, RuCp$$_{2}$$ (Cp = $$eta^5$$-C$$_{5}$$H$$_{5}$$), using activated carbon (AC) as a support. Upon subsequent electrochemical oxidation using an aqueous H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ electrolyte, the clusters are disassembled and the RuCp$$_{2}$$ molecules are finely dispersed in the micropores. The resulting RuCp$$_{2}$$ has a large contact area with conductive carbon surfaces, thereby realizing rapid charge transfer at the contact interface. Consequently, rapid charge storage occurs via the reversible redox reaction of the supported RuCp$$_{2}$$ in aqueous H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ without dimerization or disproportionation reactions, which is confirmed by X-ray absorption spectroscopy. Since hybridization can produce different properties of the host and guest materials, their infinite combinations would have the possibility to yield properties far surpassing those of existing materials.

論文

局所細分化格子ボルツマン法を用いたアンサンブル風況解析

長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 25, 4 Pages, 2020/06

都市部における風況と汚染物質拡散のアンサンブル計算を行うため、局所細分化格子ボルツマン法を用いたGPUペースのCFDコードを開発した。本コードはPascalまたはVolta世代のGPUアーキテクチャ向けに最適化されており、数km四方の計算領域・数m解像度の格子において実時間で風況解析を行うことができる。開発したコードを用いて、オクラホマシティで行われたフィールド実験JU(Joint Urban)2003の再現計算を行った。計算では、風況は実験値とよく一致し、また、トレーサ濃度のアンサンブルの平均値および最大値がFactor2(計算値と実験値の比が1/2倍$$sim$$2倍)の条件を満たすことを確認した。

論文

自転車競技の集団走行に対する大規模空力解析

青木 尊之*; 長谷川 雄太

自動車技術, 74(4), p.18 - 23, 2020/04

LESに基づくCFD計算を用いて自転車競技の空力解析を行った。単独での走行および2$$sim$$4人の集団走行では、算出された抗力は風洞実験と良く一致した。競合する2集団の走行について、集団内の選手の配置を複数検討した。72人の選手の集団走行として、GPUスーパコンピュータで22.3億格子を用いた大規模空力解析を実施した。

論文

Development of a prototype GEM TPC with a gating grid for an H-dibaryon search experiment at J-PARC

佐甲 博之; 杉村 仁志; Ahn, J. K.*; Han, Y.*; 長谷川 勝一; Hwang, S. H.*; 市川 裕大; 今井 憲一; 木内 隆太*; 小沢 恭一郎; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 763, p.65 - 81, 2014/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:44.02(Instruments & Instrumentation)

J-PARCのHダイバリオン探索実験のためGEMとゲーティンググリッドを使用したTPC試験器を開発した。性能評価のため、実験室試験とビーム試験を、Ar-CH$$_{4}$$とAr-CF$$_{4}$$にて行った。検出効率は5$$times$$10$$^{5}$$ cps/cm$$^{2}$$までのビームレートにおいて98%、3$$times$$10$$^{6}$$ cps/cm$$^{2}$$のレートにおいて90%であった。ドリフト長5-20cmにおける水平位置分解能測定値0.19-0.49mmに基づき、本実験の磁場1Tにおける位置分解能は0.3mm以下と見積った。ゲインが1.6$$times$$10$$^{4}$$の時、イオンバックフローの割合は5%と測定され、さらにGEMの電圧調整により3%まで抑えられた。ビームレート5$$times$$10$$^{5}$$cps/cm$$^{2}$$においてゲート使用時のバックフロー2.7$$times$$10$$^{8}$$s$$^{-1}$$cm$$^{-1}$$による位置歪みは$$pm$$0.2mm以下になった。一方、ゲート開の場合のバックフロー1.3$$times$$10$$^{9}$$s$$^{-1}$$cm$$^{-1}$$に対応する位置歪みは$$pm$$2mmであった。本実験における位置歪みは要求値の$$pm$$1mmよりも小さい0.3$$pm$$0.2mmと評価された。本実験における荷電粒子のエネルギーロスより平均30倍高い環境下で本実験と同程度の期間、GEMを連続動作させることができた。

論文

Development of a GEM-TPC for H-dibaryon search experiment at J-PARC

佐甲 博之; Ahn, J. K.*; Baek, K. H.*; Bassalleck, B.*; Fujioka, H.*; Guo, L.*; 長谷川 勝一; Hicks, K.*; Honda, R.*; Hwang, S. H.*; et al.

Journal of Instrumentation (Internet), 9(4), p.C04009_1 - C04009_10, 2014/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:19.01(Instruments & Instrumentation)

($$K^+$$,$$K^-$$)反応によるHダイバリオン探索実験(J-PARC E42)のためのTPCの開発を行っている。TPCにおいてHが2個の$$pi^{-}$$と2個の$$p$$に崩壊する事象を測定する。TPCのドリフト体積は50cm直径、55cmドリフト長を持つ8角柱構造をしておりAr-CH$$_4$$ガスを使用する。増幅部には3層のGEMを使用する。荷電粒子の運動量測定のためTPCにはドリフト電場と平行に鉛直方向の1Tの双極磁場を超伝導ヘルムホルツ型磁石によりかける。H崩壊のアクセプタンスを最大にするためダイアモンド標的がTPC内部の筒状の穴に設置される。さらに、超高レートの$$K^-$$ビームをTPCに直接照射するため陽イオンフィードバックを極力抑制必要がある。このためTPCにGEMとgating gridを採用した。

論文

Search for $$^6_{Lambda}$$H hypernucleus by the $$^{6}$$Li($$pi^-,K^+$$) reaction at $$p_pi$$- = 1.2 GeV/$$c$$

杉村 仁志; 今井 憲一; 佐甲 博之; 佐藤 進; 木内 隆太; 市川 裕大; Hwang, S. H.*; 長谷川 勝一; 谷田 聖; J-PARC E10 Collaboration*

Physics Letters B, 729, p.39 - 44, 2014/02

 被引用回数:28 パーセンタイル:88.67(Astronomy & Astrophysics)

J-PARCにおいて大強度$$pi$$中間子ビームを用いた中性子過剰$$Lambda$$ハイパー核$$^6_Lambda$$Hを探索する実験を行った。$$5times10^6$$/sの強度の$$pi$$中間子ビームを利用し、累積照射量として2.1$$times10^{12}$$に達した。質量欠損分布を利用して、ハイパー核の質量スペクトルを確認したところ、$$Lambda$$$$Sigma$$粒子の準自由生成過程のスペクトルが確認された。一方、ハイパー核が生成されたことを示すシグナルを確認することはできず、上限値として1.2nb/srを与えた。

論文

Assembly study for JT-60SA tokamak

柴沼 清; 新井 貴; 長谷川 浩一; 星 亮; 神谷 宏治; 川島 寿人; 久保 博孝; 正木 圭; 佐伯 寿; 櫻井 真治; et al.

Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.705 - 710, 2013/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:59.64(Nuclear Science & Technology)

The JT-60SA project is conducted under the BA satellite tokamak programme by EU and Japan, and the Japanese national programme. The project mission is to contribute to early realization of fusion energy by supporting ITER and by complementing ITER with resolving key physics and engineering issues for DEMO reactors. In this paper, the assembly of major tokamak components such as VV and TFC is mainly described. An assembly frame (with the dedicated cranes), which is located around the tokamak, is adopted to carry out the assembly of major tokamak components in the torus hall independently of the facility cranes for preparations such as pre-assembly in the assembly hall. The assembly frame also provides assembly tools and jigs to support temporarily the components as well as to adjust the components in final positions.

論文

J-PARC E27 experiment to search for a nuclear Kaon bound state $$K^-pp$$

今井 憲一; 市川 裕大; 長谷川 勝一; 佐甲 博之; 佐藤 進; 木内 隆太*; 細見 健二; 杉村 仁志; 他36名*

Few-Body Systems, 54(7-10), p.1191 - 1194, 2013/08

 被引用回数:10 パーセンタイル:59.95(Physics, Multidisciplinary)

$$d(pi^{+}, K^+)$$反応を用いてJ-PARCのK1.8ビームラインで$$K^-pp$$束縛状態の探索を行っている(J-PARC E27実験)。この実験では、エネルギー分解能約2MeV/c$$^2$$の制度で、$$K^-pp$$束縛状態の束縛エネルギー及び崩壊幅をミッシングマス分光により求められる。また、準自由過程のハイペロン生成のバックグラウンドを除去するために、飛程検出器を用いて$$K^-pp$$の崩壊から生じる2つの陽子の検出も同時に行った。2012年6月に本実験のデータ収集を行い、初めて$$d(pi^{+}, K^+)$$反応のミッシングマススペクトルを取得することに成功した。

論文

Effects of chemical composition and dose on microstructure evolution and hardening of neutron-irradiated reactor pressure vessel steels

武内 伴照; 蔵本 明*; 亀田 純*; 外山 健*; 永井 康介*; 長谷川 雅幸*; 大久保 忠勝*; 義家 敏正*; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄

Journal of Nuclear Materials, 402(2-3), p.93 - 101, 2010/07

 被引用回数:50 パーセンタイル:96.05(Materials Science, Multidisciplinary)

中性子照射した原子炉圧力容器鋼でのミクロ組織変化と硬化との関係を、3次元アトムプローブ,陽電子消滅,ビッカース硬度測定を用いて調べた。試料には不純物濃度を変じた2種のA533B-1鋼を用い、材料試験炉(JMTR)において照射速度はほぼ一定に揃えつつ照射量を大きく変じた(0.32$$sim$$9.9$$times$$10$$^{19}$$n cm$$^{-2}$$(E$$>$$1MeV))加速照射を行った。その結果、低照射量領域における急激な硬化はおもにマトリックス損傷の形成によるものであり、中照射量$$sim$$高照射量領域における緩やかな硬化は、不純物濃度の高い鋼材中では銅富裕クラスター(CRCs)、低い鋼材ではSi-Mn-Ni富裕クラスター(MNSCs)の形成によるものであることがわかった。ラッセルブラウンモデルにより見積もられた、CRCs及びMNSCsが転位の運動を阻害する強さはほぼ同じであった。また、最も高い照射量において、不純物濃度の高い鋼材においてもMNSCsが形成することが示された。

論文

Recent advances and issues in development of silicon carbide composites for fusion applications

野澤 貴史; 檜木 達也*; 長谷川 晃*; 香山 晃*; 加藤 雄大*; Snead, L. L.*; Henager Jr., C. H.*; Hegeman, J. B. J.*

Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.622 - 627, 2009/04

 被引用回数:108 パーセンタイル:99.36(Materials Science, Multidisciplinary)

先進SiC/SiC複合材料は核融合炉材料としてこれまで開発が進められている。近年において耐照射特性に優れる複合材料の開発に成功し、今もなおさらなる材料特性の改善を目指した研究が継続して行われている。一通りの複合材料の設計と基本用件の実証が終了し、SiC/SiC複合材料の開発は徐々に実用化を見据えた材料特性データベースの整備に移行している。主要な評価項目として、(1)照射下クリープやヘリウム/水素同時照射効果を含む重照射効果,(2)腐食・浸食挙動,(3)ヘリウムや水素以外の核変換物質の影響,(4)接合部特性などが挙げられる。また、SiC/SiC複合材料のFCI応用においては照射下の電気伝導率の変化が重要な課題である。本論文はSiC/SiC複合材料研究の最近の進捗状況を総括するとともに、材料データベース構築のために必要となる評価技術の標準化に関する国際協力の進展を解説する。

論文

Effects of neutron-irradiation-induced intergranular phosphorus segregation and hardening on embrittlement in reactor pressure vessel steels

西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀; Anderegg, J. W.*; 永井 康介*; 外山 健*; 長谷川 雅幸*; 亀田 純*

Acta Materialia, 56(16), p.4510 - 4521, 2008/09

 被引用回数:54 パーセンタイル:91.23(Materials Science, Multidisciplinary)

中性子照射した原子炉圧力容器鋼で、粒界のリン偏析と照射硬化が延性脆性遷移温度(DBTT)に及ぼす影響を、オージェ電子分光分析,局所電極型アトムプローブ、及び陽電子消滅法による組織分析を用いながら検討した。中性子照射により粒界のリン偏析が誘起されることを示した。また、材料中のリン含有率が高くなると照射硬化が大きくなることを示した。これは、照射によって生成した空孔によって安定化されたリン集合体によるものであることを明らかにした。粒界のリン濃度及び照射硬化とDBTTの関係、並びに破面観察から、中性子照射によって粒界におけるリンの脆化能が小さくなる現象を見いだし、脆化の主要因は照射硬化によることを示した。

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