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論文

PSTEP: Project for solar-terrestrial environment prediction

草野 完也*; 一本 潔*; 石井 守*; 三好 由純*; 余田 成男*; 秋吉 英治*; 浅井 歩*; 海老原 祐輔*; 藤原 均*; 後藤 忠徳*; et al.

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.159_1 - 159_29, 2021/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:51.19(Geosciences, Multidisciplinary)

PSTEPとは、2015年4月から2020年3月まで日本国内の太陽・地球惑星圏に携わる研究者が協力して実施した科研費新学術領域研究である。この研究枠組みから500以上の査読付き論文が発表され、様々なセミナーやサマースクールが実施された。本論文では、その成果をまとめて報告する。

論文

Multipole interactions of $$Gamma_3$$ non-Kramers doublet systems on cubic lattices

久保 勝規; 堀田 貴嗣*

Journal of Physics; Conference Series, 969(1), p.012096_1 - 012096_6, 2018/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:82.15(Physics, Applied)

In this study, we investigate the multipole interactions between $$f^2$$ ions with the $$Gamma_3$$ crystalline electric field ground state. We construct the $$Gamma_3$$ doublet state of the electrons with the total angular momentum $$j=5/2$$. To derive the multipole interactions, we apply the second-order perturbation theory with respect to the intersite hopping. We obtain a quadrupole interaction for a simple cubic lattice, an octupole interaction for a bcc lattice, and both quadrupole and octupole interactions for an fcc lattice. To discuss general tendencies of the multipole interactions, we compare the present results with those for the $$Gamma_8$$ quartet systems of $$f^1$$ ions.

論文

Influence of lattice structure on multipole interactions in $$Gamma_3$$ non-Kramers doublet systems

久保 勝規; 堀田 貴嗣*

Physical Review B, 95(5), p.054425_1 - 054425_6, 2017/02

 被引用回数:27 パーセンタイル:76.04(Materials Science, Multidisciplinary)

We study the multipole interactions between $$f^2$$ ions with the $$Gamma_3$$ non-Kramers doublet ground state under a cubic crystalline electric field. We construct the $$Gamma_3$$ doublet state of the electrons with the total angular momentum $$j=5/2$$. By applying the second-order perturbation theory with respect to the intersite hopping, we derive the multipole interactions. We obtain a quadrupole interaction for a simple cubic lattice, an octupole interaction for a bcc lattice, and both quadrupole and octupole interactions for an fcc lattice. We also discuss general tendencies of the multipole interactions depending on the lattice structure by comparing the results with those for the $$Gamma_8$$ quartet systems of $$f^1$$ ions.

論文

Exotic Kondo effects in electron-phonon systems

堀田 貴嗣

Physica B; Condensed Matter, 403(5-9), p.1371 - 1372, 2008/04

 被引用回数:9 パーセンタイル:40.55(Physics, Condensed Matter)

動的ヤーンテラー不純物と結合する電子系において、時計回り・反時計回りの幾何学的自由度を持つヤーンテラー回転モードの角運動量が電子の軌道モーメントによって遮蔽され、非磁性の起源を持つカイラル近藤効果が生じることを見いだした。一方、局所光学フォノンと結合する電子系においては、近藤効果が増強される現象を見いだした。フォノンによって媒介される有効引力相互作用によってクーロン斥力が実効的に弱められるため、斥力と引力がちょうど打ち消しあうあたりで近藤温度が上昇する。これらの現象を、充填スクッテルダイト化合物や分子性量子ドットにおいて実験的に観測されている奇妙な近藤効果と関連づけて議論する。

論文

Multipole as $$f$$-electron spin-charge density in filled skutterudites

堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 77(Suppl.A), p.96 - 101, 2008/00

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.99(Physics, Multidisciplinary)

一般に、$$f$$電子はスピン・軌道相互作用が強く、スピン・軌道複合自由度、すなわち「多極子」が$$f$$電子系化合物では活性化することはつとに知られていたが、近年の実験技術の急速な進歩により、高い対称性を持つ充填スクッテルダイト構造物質において多極子秩序現象がしばしば観測されるようになってきた。多極子秩序を理解するために、これまで現象論に基づく理論が展開され、実際に幾つかの実験結果が説明されてきたが、その一方で、多極子自由度の微視的側面を明らかにすることが求められていた。そこで本発表では、まず多極子の定義を議論する。ここでは、古典電磁気学における電荷分布ポテンシャルの多重極展開の観点から、多極子が一体のスピン・電荷密度演算子として自然に定義されることを示す。さらに具体的に計算を進めるために、7軌道アンダーソン模型を考え、数値繰り込み群法によって解析する。そして、充填スクッテルダイト化合物の可能な多極子状態について議論をする。

論文

Antiferro-quadrupole state of orbital-degenerate Kondo lattice model with $$f^{2}$$ configuration

大西 弘明; 堀田 貴嗣*

Journal of the Physical Society of Japan, 77(Suppl.A), p.199 - 201, 2008/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.6(Physics, Multidisciplinary)

To clarify a key role of $$f$$ orbitals in the emergence of antiferro-quadrupole structure of PrPb$$_{3}$$, we investigate the ground-state property of an orbital-degenerate Kondo lattice model by numerical diagonalization techniques. By analyzing an orbital correlation function, it is found that an antiferro-orbital state is favored by the so-called double-exchange mechanism which is characteristic of multi-orbital systems. We will report detailed results of correlation functions and discuss its possible relevance to antiferro-quadrupole structure in PrPb$$_{3}$$.

論文

Multipoles in $$delta$$-Pu

堀田 貴嗣

Journal of Alloys and Compounds, 444-445, p.162 - 167, 2007/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.09(Chemistry, Physical)

$$f$$電子化合物の磁性と超伝導の微視的理論を発展させるために、$$j$$-$$j$$結合描像に基づいて$$f$$電子模型を構築することを提案してきた。このモデルを用いて、UMGa$$_5$$やNpMGa$$_5$$のスピン・軌道構造を説明してきた。最近では、NpO$$_2$$の八極子秩序が微視的観点から理解できることを示している。アクチノイド化合物に対するこのような$$j$$-$$j$$結合描像モデルの成功を受けて、PuやPuMGa$$_5$$の磁性と超伝導の理解を試みる。特に、PuMGa$$_5$$の超伝導や$$delta$$-Puの磁性の消失に関する$$5f$$電子軌道の役割に注目し、スピン・軌道複合自由度としての「多極子」を議論する。

論文

Enhanced Kondo effect in an electron system dynamically coupled with local optical phonon

堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 76(8), p.084702_1 - 084702_8, 2007/08

 被引用回数:24 パーセンタイル:72.7(Physics, Multidisciplinary)

アンダーソン・ホルスタイン模型を数値繰り込み群法によって解析し、局所光学フォノンと結合する伝導電子系の近藤効果を調べた。クーロン斥力を$$U_{rm ee}$$、フォノン媒介引力を$$U_{rm ph}$$とすると、$$U_{rm ee}>U_{rm ph}$$の場合はスピン自由度に関する通常の近藤効果が現れ、$$U_{rm ph}$$の増加とともに近藤温度$$T_{rm K}$$は上昇する。一方、$$U_{rm ee}<U_{rm ph}$$の場合は電荷自由度に関する近藤効果が生じ、$$U_{rm ph}$$の増加とともに$$T_{rm K}$$は減少する。つまり、$$U_{rm ee}=U_{rm ph}$$において$$T_{rm K}$$は最大になる。そこで、$$U_{rm ee}=U_{rm ph}$$における近藤的振舞いを詳細に調べた結果、系はフォノンの衣をまとった電子、すなわちポーラロンのアンダーソンモデルでよく記述されることがわかった。ポーラロンアンダーソンモデルとオリジナルのアンダーソン・ホルスタインモデルに対する計算結果を比較することにより、斥力引力競合領域における近藤現象を議論する。

論文

Multipole state of heavy lanthanide filled skutterudites

堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 76(8), p.083705_1 - 083705_5, 2007/08

 被引用回数:13 パーセンタイル:95.82(Physics, Multidisciplinary)

7軌道アンダーソンモデルに基づいて、重ランタノイドイオンを含む充填スクッテルダイト化合物の多極子物性を微視的観点から議論する。Gdの場合、教科書的なLS結合描像から単純に期待されるものとは異なり、メインの双極子モーメントに加えて、四極子モーメントの影響が基底状態に現れることを見いだした。Hoの場合には、八極子モーメントに支配されるエキゾチック磁性状態が現れる。TbとTmに対しては、低温では顕著な多極子モーメントは期待されないが、Dy, Er, Ybの場合は、双極子及び高次の磁気多極子モーメントが支配的になる。このような多極子状態を、現時点で判明している幾つかの実験事実と比較する。

論文

Effect of Hund's rule coupling on SU(4) spin-orbital system

大西 弘明; 堀田 貴嗣

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.790 - 792, 2007/03

二重縮退した軌道自由度のあるスピン軌道結合系において、同種の軌道間の電子ホッピングを考慮し、フント結合を無視した場合、スピンと軌道の自由度に対して高いSU(4)対称性が実現する。しかし、より現実的にはフント結合のために対称性が低下する効果が考えられる。そこで本研究では、SU(4)ハバード模型にフント結合を考慮して、クォーターフィリングの場合の強結合極限での有効スピン軌道模型を導出し、密度行列繰り込み群法によって解析を行った。スピン相関$$S(q)$$と軌道相関$$T(q)$$の振舞いを調べたところ、まず、フント結合がゼロの場合には$$S(q)$$$$T(q)$$の両者は一致して$$q$$=$$pi/2$$にピークを持つのに対して、そこからフント結合を大きくしていくと、$$S(q$$=$$pi/2)$$$$T(q$$=$$pi)$$の相関が増強され、$$T(q)$$のピーク位置が$$q$$=$$pi$$へと変化することがわかった。

論文

Superconductivity in f-electron systems controlled by crystalline electric fields

久保 勝規; 堀田 貴嗣

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.572 - 574, 2007/03

CeTIn$$_5$$(T=Co, Rh, and Ir)の超伝導をコントロールするパラメータとその機構を解明するために、$$j$$-$$j$$結合描像に基づいた軌道縮退のある$$f$$電子モデルに対して揺らぎ交換近似を適用した。本研究では、全角運動量$$j=5/2$$の状態すべてを考慮する。これらの状態は正方晶の結晶場のもとで1つの$$Gamma_6$$二重項と2つの$$Gamma_7$$二重項にわかれる。結晶場パラメータを適当に選ぶことによって、結晶場分裂の大きさを固定したまま$$Gamma_7$$の波動関数を変化させることができる。結晶場分裂の大きさを一定にする限りフェルミ面はほとんど変化しないが、基底状態は$$Gamma_7$$の波動関数に依存して、常磁性,反強磁性,超伝導状態に変化する。よって、フェルミ面の形状やキャリアー密度のほかに、軌道自由度のある系では結晶場の波動関数も超伝導の出現をコントロールする重要な要素になることがわかった。この理論によってCeTIn$$_5$$の超伝導転移温度の変化が自然に説明できることも紹介する。

論文

Microscopic aspects of multipole properties of filled skutterudites

堀田 貴嗣

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part2), p.1691 - 1697, 2007/03

$$f$$電子系物質の多極子現象に対する理論を構築するために、$$j$$-$$j$$結合描像に基づく微視的$$f$$電子模型を提案してきた。これまで、このモデルに基づいて、充填スクッテルダイト化合物の磁性や超伝導を微視的観点から議論してきた。特に、多極子をスピンと軌道の複合自由度と捉えることにより、多極子に関連した物理量を計算することが可能になる。しかし、多極子揺らぎの効果に関する微視的研究はまだはじまったばかりである。このような研究が、$$f$$電子系における「多極子物理」の新しいパラダイムを切り拓くことを期待している。本発表では、次の3つの事柄を議論する。(1)充填スクッテルダイトの低温物性を明らかにするための最適な多極子感受率の概念,(2)充填スクッテルダイトに特徴的な$$T_{rm h}$$群の結晶場ポテンシャルを$$j$$-$$j$$結合描像において効果的に取り入れる方法,(3)充填スクッテルダイトの多極子物性に対する動的ヤーンテラー効果

論文

Relativistic band-structure calculations for electronic properties of actinide dioxides

眞榮平 孝裕*; 堀田 貴嗣

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.754 - 756, 2007/03

 被引用回数:17 パーセンタイル:59.31(Materials Science, Multidisciplinary)

局所密度近似に基づく相対論的線形増強平面波法を用いて、二酸化アクチノイドAnO$$_2$$(An=Th, U, Np, Pu)のエネルギーバンド構造を調べた。フェルミエネルギー近傍において、アクチノイドイオンの5f電子と酸素イオンの2p電子が混成して主要なバンドを形成しているが、その5f電子状態は、局所的な結晶場スキームと矛盾する場合があることを見いだした。5f電子の結晶場状態に着目しながら、局所密度近似を二酸化アクチノイドに適用する場合の問題点を議論する。

論文

Multipole susceptibility of multiorbital Anderson model coupled with Jahn-Teller phonons

堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 76(3), p.034713_1 - 034713_11, 2007/03

 被引用回数:16 パーセンタイル:64.44(Physics, Multidisciplinary)

Sm系充填スクッテルダイト化合物の多極子状態を明らかにするために、ヤーンテラーフォノンと動的に結合する多軌道アンダーソンモデルの多極子感受率を数値繰り込み群法によって調べた。多極子状態を決定するために、多極子感受率を最適化する新しい手法を考案した。まず、電子格子相互作用を単純に無視して考えると、$$Gamma_{67}^-$$四重項が基底状態の場合は2u対称性の八極子揺らぎが、$$Gamma_{5}^-$$二重項が基底状態の場合は、4u対称性の磁気的な揺らぎが低温において支配的になることを見いだした。次に、軌道縮退のある$$f$$電子とヤーンテラーフォノンの結合を考慮すると、4u対称性の磁気モーメントと5u対称性の八極子モーメントが混ざった状態が現れ、同時に、3g対称性の四極子モーメントの揺らぎも顕著になることを見いだした。以上の結果に基づいて、実際のSm系充填スクッテルダイト化合物の低温の電子状態を議論する。

論文

Kondo effect in an electron system with dynamical Jahn-Teller impurity

堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 76(2), p.023705_1 - 023705_5, 2007/02

 被引用回数:32 パーセンタイル:77.94(Physics, Multidisciplinary)

ヤーンテラーフォノンと動的に結合するアンダーソン模型における近藤効果を調べた。電子の擬スピン(軌道)モーメントとフォノンの回転モーメントの和である全角運動量を伝導電子が遮蔽することによって近藤効果が起こることが明らかになった。すなわち、フォノン自由度が一重項基底状態の形成に本質的な寄与をする。動的ヤーンテラーフォノンによる近藤現象の特徴的温度(近藤温度)は、非断熱領域においてヤーンテラーアンダーソン模型から導出された異方的交換相互作用を持つ$$s$$-$$d$$モデルによってよく説明される。

論文

Spin-orbital gap of multiorbital antiferromagnet with geometrical frustration

大西 弘明; 堀田 貴嗣

Physical Review B, 75(1), p.014410_1 - 014410_8, 2007/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

ジグザグ鎖上の$$e_{rm g}$$軌道ハバード模型の低エネルギー状態を、密度行列繰り込み群法を用いて解析し、多軌道系におけるスピンギャップ形成を議論する。まず、二軌道が縮退していて軌道自由度が活性な場合には、自発的に完全分極した軌道状態を取り、その軌道の異方性のため、スピンフラストレーションが解消される。そして、弱結合した反強磁性ジグザグスピン鎖と同様にスピンギャップが抑制されることがわかった。一方、結晶場効果として二軌道間のレベル分裂を考慮すると、軌道モーメントは分極したまま、レベル分裂に応じてその向きが徐々に変化することがわかった。とりわけ、レベル分裂が大きい場合にはスピンフラストレーションが有効となり、スピン一重項基底状態とスピン三重項励起状態の間にエネルギーギャップが存在する。これは、単一軌道系であればいわゆるスピンギャップであるが、今の場合、スピンと軌道の多体相関のため、スピン状態の変化は必然的に軌道状態の変化を伴うので、このスピン励起エネルギーギャップは「スピン軌道ギャップ」として解釈される。

論文

Effective crystalline electric field potential in a $$j$$-$$j$$ coupling scheme

堀田 貴嗣; 播磨 尚朝

Journal of the Physical Society of Japan, 75(12), p.124711_1 - 124711_5, 2006/12

 被引用回数:31 パーセンタイル:77.59(Physics, Multidisciplinary)

$$j$$-$$j$$結合描像に基づく$$f$$電子モデルに結晶場ポテンシャルの効果を有効的に取り入れるための系統的手法を、スピン・軌道相互作用$$lambda$$の逆数に関する摂動展開によって開発した。$$lambda$$が無限大の極限における結晶場項やクーロン相互作用に加えて、$$1/lambda$$のオーダーの補正項を正しく考慮することにより、$$LS$$結合描像の結晶場スキームが$$j$$-$$j$$結合描像でも定量的に正しく再現されるようになる。このような修正$$j$$-$$j$$結合描像の応用例として、$$T_{rm h}$$群の対称性を持つ充填スクッテルダイトの結晶場スキームを議論する。

論文

Stripe charge ordering in triangular-lattice systems

大西 弘明; 堀田 貴嗣

AIP Conference Proceedings 850, p.1075 - 1076, 2006/09

最近、三角格子コバルト酸化物の超伝導が見いだされ、その特異な性質が注目を集めている。また、関連物質では磁気相転移が観測されているが、そうした多彩な振る舞いの起源として、三角格子上での$$t_{rm 2g}$$軌道自由度の効果が盛んに議論されている。本講演では、三角格子上の$$t_{rm 2g}$$軌道縮退ハバード模型の基底状態を、電子密度5.5の場合について、厳密対角化法によって解析した結果を報告する。まず、非磁性相では、三軌道のうち一軌道あるいは二軌道が完全に占有され、軌道自由度が部分的に抑制されることがわかった。また、隣接サイト間クーロン相互作用によって電荷秩序状態が安定化されるが、そこでは直線状に電化が整列したいわゆる電荷ストライプ構造を取ることがわかった。

論文

Multipole correlations in low-dimensional $$f$$-electron systems

大西 弘明; 堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.266 - 269, 2006/08

最近、NpO$$_{2}$$の八極子秩序の可能性が理論と実験の両面から議論されるなど、$$f$$電子系における多極子自由度に起因する電子物性が注目を集めている。本研究では、$$j$$-$$j$$結合描像に基づく多体$$f$$電子模型を、密度行列繰り込み群法によって数値的に調べる。講演では、結晶場ポテンシャルや$$f$$電子数を変化させた場合の詳細な解析結果を報告し、$$f$$電子系における多極子相関を議論する。

論文

Orbital-controlled superconductivity in $$f$$-electron systems

久保 勝規; 堀田 貴嗣

Journal of the Physical Society of Japan, 75(8), p.083702_1 - 083702_5, 2006/08

 被引用回数:19 パーセンタイル:67.26(Physics, Multidisciplinary)

われわれは、軌道自由度によって制御される超伝導という新しい機構を提案し、その典型例としてCe$$M$$In$$_5$$($$M=$$Co, Rh, and Ir)を取り上げる。われわれはCe$$M$$In$$_5$$に対する多軌道モデルに対して、揺らぎ交換近似を適用する。そして、たとえフェルミ面の形状が変わらない場合であっても、フェルミ面近傍の電子を構成する軌道状態に応じて、基底状態が常磁性状態,反強磁性状態,超伝導状態と変わることを見いだした。実験で得られた結晶場軌道状態を注意深く解析した結果、この描像はCe$$M$$In$$_5$$の低温の性質をよく説明することがわかった。

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