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論文

$$N Omega$$ interaction; Meson exchanges, inelastic channels, and quasibound state

関原 隆泰; 神谷 有輝*; 兵藤 哲雄*

Physical Review C, 98(1), p.015205_1 - 015205_20, 2018/07

 被引用回数:28 パーセンタイル:87.95(Physics, Nuclear)

Based on a baryon-baryon interaction model with meson exchanges, we investigate the origin of the strong attraction in the $$N Omega (^{5}S_{2})$$ interaction, which was indicated by recent lattice QCD simulations. The long-range part of the potential is constructed by the conventional mechanisms, the exchanges of the $$eta$$ meson and of the correlated two mesons in the scalar-isoscalar channel, denoted by "$$sigma$$" in the literature. The short-range part is represented by the contact interaction. With the present model parameters fit to reproduce the scattering length of the HAL QCD result of the nearly physical quark masses, we obtain the $$N Omega (^{5}S_{2})$$ quasibound state with its eigenenergy $$2611.3 - 0.7 i$$ MeV.

論文

Exotic hadrons from heavy ion collisions

Cho, S.*; 兵藤 哲雄*; 慈道 大介*; Ko, C. M.*; Lee, S. H.*; 前田 沙織*; 宮原 建太*; 森田 健司*; Nielsen, M.*; 大西 明*; et al.

Progress in Particle and Nuclear Physics, 95, p.279 - 322, 2017/07

AA2016-0538.pdf:0.74MB

 被引用回数:113 パーセンタイル:89.92(Physics, Nuclear)

RHICやLHCでの検出器の性能向上により、高エネルギー重イオン衝突において基底状態だけでなく励起状態のハドロンも測定できるようになった。そこで、重イオン衝突はハドロン分子状態やマルチクォーク状態などのエキゾチックハドロンの新しい手法となる。エキゾチックハドロンの構造は量子色力学の基本的性質と関連しているので、これらを研究することはハドロン物理の最も精力的な話題の一つである。本レビューでは、重イオン衝突で測定できるようなエキゾチックハドロン候補の幾つかに対して、現在の理解をまとめる。

論文

Two-body wave functions, compositeness, and the internal structure of dynamically generated resonances

関原 隆泰; 兵藤 哲雄*; 慈道 大介*; 山縣(関原) 淳子*; 安井 繁宏*

Proceedings of Science (Internet), 281, p.289_1 - 289_8, 2017/05

In this contribution, I introduce the physical meaning of the compositeness, its expression, and theoretical evaluation in effective models. In particular, we show that the two-body wave function of the bound state corresponds to the residue of the scattering amplitude at the bound state pole, which means that solving the Lippmann-Schwinger equation at the bound state pole is equivalent to evaluating the two-body wave function of the bound state. Then, we evaluate the compositeness for the so-called dynamically generated resonances in the chiral unitary approach, such as $$Lambda (1405)$$, $$N (1535)$$, and $$N (1650)$$, and investigate their internal structure in terms of the hadronic molecular components.

論文

Theoretical study of the $$Xi(1620)$$ and $$Xi(1690)$$ resonances in $$Xi_c to pi+MB$$ decays

宮原 建太*; 兵藤 哲雄*; 岡 眞; Nieves, J.*; Oset, E.*

Physical Review C, 95(3), p.035212_1 - 035212_12, 2017/03

 被引用回数:42 パーセンタイル:93.41(Physics, Nuclear)

$$Xi_c$$$$pi^+$$とメソンーバリオン状態へ弱崩壊する過程をストレンジネス$$-2$$のバリオンのスペクトルの観点で解析した。

論文

Research progress at the Slow Positron Facility in the Institute of Materials Structure Science, KEK

兵頭 俊夫*; 和田 健*; 望月 出海*; 木村 正雄*; 峠 暢一*; 設楽 哲夫*; 深谷 有喜; 前川 雅樹*; 河裾 厚男*; 飯田 進平*; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012003_1 - 012003_8, 2017/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:71.24(Physics, Multidisciplinary)

本論文では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)低速陽電子実験施設(SPF)で得られた最近の成果を報告する。全反射高速陽電子回折(TRHEPD)実験では、ルチル型TiO$$_{2}$$(110)($$1times2$$)表面、Cu(111)およびCo(0001)基板上のグラフェン、Al(111)基板上のゲルマネンの構造を明らかにした。ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)ステーションでは、Ps$$^{-}$$の共鳴状態の観測に成功した。ポジトロニウム飛行時間測定(Ps-TOF)ステーションでは、ポジトロニウムの生成効率の増大とポジトロニウム生成・放出過程におけるエネルギー損失を観測した。陽電子ビームラインにパルスストレッチングセクションが導入され、陽電子ビームのパルス幅が1.2$$mu$$sから20msまで可変になった。

論文

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法によるルチル型TiO$$_{2}$$(110)(1$$times$$2)表面の構造決定

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 前川 雅樹*; 河裾 厚男*; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 兵頭 俊夫*

表面科学, 37(9), p.451 - 456, 2016/09

本論文では、30年間構造が確定しなかった、触媒の担体として知られるルチル型の二酸化チタン表面の構造解析について報告する。全反射高速陽電子回折(TRHEPD)を用いて、陽電子の回折スポット強度の視射角依存性の測定および、動力学的回折理論に基づく強度解析を行った。その結果、最近Wangらが理論的に提唱した構造モデルを用いると実験結果をよく説明できることがわかった。

論文

Structure determination of the rutile-TiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2) surface using total-reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 兵頭 俊夫*

Physical Chemistry Chemical Physics, 18(10), p.7085 - 7092, 2016/03

 被引用回数:23 パーセンタイル:68.82(Chemistry, Physical)

本研究では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、30年来議論が続くルチル型の二酸化チタン表面の原子配置を決定した。陽電子の反射強度の入射角依存性を測定し、様々な構造モデルを仮定した計算結果との比較を行った。構造解析の結果、OnishiとIwasawaが提唱した構造モデルに最表面の酸素原子の非対称性を取り入れることにより、実験結果をよく説明できることがわかった。

論文

Brightness enhancement of a linac-based intense positron beam for total-reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

前川 雅樹; 和田 健*; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 望月 出海*; 設楽 哲夫*; 兵頭 俊夫*

European Physical Journal D, 68(6), p.165_1 - 165_6, 2014/06

 被引用回数:19 パーセンタイル:67.20(Optics)

The brightness of a linac-based intense positron beam was enhanced for reflection high-energy positron diffraction (RHEPD) measurements. It gave more than 60 times intensified diffraction pattern from a Si(111)-7$$times$$7 reconstructed surface compared to a previous result with a $$^{22}$$Na-based positron beam. An improved signal-to-noise ratio in the obtained pattern due to the intensified beam allowed to observe clear fractional-order spots in the higher Laue-zones, those had not been observed previously.

論文

Total reflection high-energy positron diffraction; An Ideal diffraction technique for surface structure analysis

深谷 有喜; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 望月 出海*; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 兵頭 俊夫*

Applied Physics Express, 7(5), p.056601_1 - 056601_4, 2014/05

 被引用回数:20 パーセンタイル:60.85(Physics, Applied)

本研究では、全反射条件下におけるSi(111)-$$7times7$$再構成表面からの反射高速陽電子回折(RHEPD)パターンが、結晶内部のバルク原子からの寄与を含まないことを報告する。このことは、バルク原子を含む通常の試料の測定においても、最表面原子の情報のみを反映した回折パターンを観測可能であることを意味する。

論文

Total reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 前川 雅樹; 望月 出海*; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 河裾 厚男

Journal of Physics; Conference Series, 505(1), p.012001_1 - 012001_5, 2014/04

 被引用回数:9 パーセンタイル:92.95(Physics, Applied)

反射高速陽電子回折(RHEPD)は1992年に提唱され、1998年に初めて実証された。それ以来、RHEPDは表面科学の分野へ多くの寄与を果たしている。最近、原子力機構のRHEPD装置を高エネルギー加速器研究機構低速陽電子実験施設に移設し、輝度増強した高強度陽電子ビームラインへの接続を行った。この陽電子ビームの高強度化により、鮮明なRHEPDパターンが得られるようになった。Si(111)-$$7times7$$表面をテスト試料として用い、RHEPDパターンの観測を行った。陽電子のエネルギーは10kVに設定した。このエネルギーでは、全反射の臨界角は2$$^{circ}$$となる。全反射条件下の視射角1.3$$^{circ}$$で観測したRHEPDパターンは、計算結果と非常によく一致することが分かった。全反射したRHEPDパターンは、本質的に付着原子と表面第一層の原子だけで決定できることも分かった。この手法により、最表面から内部へ向かった表面近傍の構造解析が可能である。我々はこの手法を全反射陽電子回折法と呼ぶ。

論文

Increase in the beam intensity of the linac-based slow positron beam and its application at the Slow Positron Facility, KEK

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 設楽 哲夫*; 満汐 孝治*; 立花 隆行*; 長嶋 泰之*; 深谷 有喜; et al.

European Physical Journal D, 66(2), p.37 - 40, 2012/02

 被引用回数:41 パーセンタイル:85.25(Optics)

本論文では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。はじめに、低速陽電子ビームを生成するためのコンバータ・モデレータアッセンブリの改良を行った。具体的には、コンバータ・モデレータのフレームをタンタルで作製し、モデレータ内部ではタングステン薄膜を井桁状に2セット組み、2段に配置した。この改良により、低速陽電子のビーム強度が以前のものに比べて一桁増大するに至った。この高強度陽電子ビームを用いて、二つの新たな研究が進展した。一つは、ポジトロニウム負イオンの光脱離実験を行い、レーザーによるポジトロニウムの中性化に成功した。二つ目は、反射高速陽電子回折(RHEPD)装置を開発し、これまでの線源法に比べて5-10倍の反射強度を得ることに成功した。今後、両実験のさらなる発展が見込まれる。

口頭

Introduction to the slow positron facility at KEK

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 満汐 孝治*; 寺部 宏基*; 飯田 進平*; 長嶋 泰之*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)低速陽電子実験施設(SPF)では、専用LINAC(55MeV)を用い、高強度のパルス低速陽電子ビームを供している。陽電子はTaコンバーターに打ち込まれた高エネルギー電子の制動放射による対生成により発生する。Taコンバーターから放出された陽電子はW薄膜内で熱化し、それらの一部が負の仕事関数により薄膜表面から再放出される。得られた単色陽電子は35keVまでの任意のエネルギーに加速され、低速陽電子ビームとして実験ステーションに磁場輸送される。現在、ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)の光脱離、ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)、反射高速陽電子回折(RHEPD)の3つの実験ステーションが稼働中である。Ps$$^{-}$$実験ステーションでは、静電加速されたPs$$^{-}$$の光脱離によりエネルギー可変のPsビームを発生させる。Ps-TOF実験では、Ps放出を通して表面状態に関する情報を与える。RHEPDは反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である。電子の場合とは対照的に、陽電子の結晶ポテンシャルが正であるため、視射角がある臨界角より小さいとき、陽電子は物質表面で全反射する。陽電子ビームを高輝度化するために、100nm厚のW薄膜を持つ透過型のリモデレーターを導入した。その結果、Si(111)-$$7times7$$超構造からの鮮明な分数次スポットの観測に成功した。

口頭

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法によるTiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2)表面の構造解析

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 前川 雅樹; 河裾 厚男

no journal, , 

ルチル型TiO$$_{2}$$(110)単結晶表面は、金属酸化物の触媒反応過程を調べる際の標準物質として扱われ、最も広く研究されている。また原子スケールで均一平坦な表面を容易に得られるため、触媒活性を持つナノ粒子の担体として用いられ、触媒反応を、表面科学的手法を駆使して原子・分子レベルから規定して解明する研究が進められている。一方で、その最安定面である(1$$times$$1)表面を超高真空下でアニールすると(1$$times$$2)周期構造が現れる。その表面原子配置については、走査型トンネル顕微鏡、低速電子線回折、表面X線回折実験、第一原理計算などから多数の構造モデルが提案されており、20年来の研究にも拘らず、未だ決着していない。そこで本研究は、最表面の構造解析に特化した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、TiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2)表面の構造決定を試みた。これまで提案されている構造モデル(Missing-Row(MR), Added-Row(AR), Ti$$_{2}$$O, Ti$$_{2}$$O$$_{3}$$)に対して計算したロッキング曲線と、実験から取得したロッキング曲線を比較した。MR, AR, Ti$$_{2}$$Oモデルは実験結果を再現できず、Ti$$_{2}$$O$$_{3}$$モデルのみ結果を上手く再現でき、R因子も最小値となった。構造解析の結果は、大西らが提唱したTi$$_{2}$$O$$_{3}$$モデルを支持する。

口頭

KEK低速陽電子実験施設のビームライン整備と最近の成果

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年度春に、日本原子力研究開発機構の河裾グループの協力を得て、反射高速陽電子回折用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。磁場で輸送した15keVの低速陽電子ビームを非磁場領域に解放した後、10kVに印加した厚さ100nmのタングステン薄膜に磁気レンズを用いて収束し、数段からなる引き出し電極と磁気レンズを用いてアース電位の試料に導く。輝度増強ユニット導入前と比べて、ビームのエネルギー広がりが1桁以上狭くなるとともに、反射強度が約4倍向上した。また、これまで使用できなかったポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定装置を、東京理科大学長嶋グループの協力を得て再整備し、同装置を用いる共同利用の募集を開始した。2012年度秋より3課題のPs-TOF測定装置を用いた共同利用が開始された。2009年度まで行われていた透過型陽電子顕微鏡実験で用いた輝度増強チャンバーを生かし、東京大学物性研究所高橋グループ及び千葉大学藤浪グループの協力を得て、低速陽電子回折実験装置の開発を開始した。最近予備実験として、このビームライン分岐におけるビーム試験と、輝度増強ユニットの動作試験を行った。以上の施設の整備状況について報告するとともに、最近の共同利用の成果の紹介を行う。

口頭

KEK低速陽電子実験施設における陽電子回折実験計画

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 高橋 敏男*; 藤浪 真紀*; 和田 健*; 望月 出海*; 設楽 哲夫*; 河裾 厚男; 前川 雅樹; 白澤 徹郎*

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所低速陽電子実験施設の専用ライナックで生成したエネルギー可変低速陽電子ビームは、1-10ns可変幅(短パルスモード)あるいは1$$mu$$s(ロングパルスモード)幅のパルス状のビームで、かつ0.1-35keVの可変エネルギーで輸送するという特徴がある。強度は前者で$$5times10^{7}$$/s程度、後者で$$5times10^{6}$$/s程度である。ロングパルスモードの高強度を生かした反射高速陽電子回折(RHEPD)が既に開始されている。平成24年度より5年間の予定で科研費基盤(S)「高輝度・高強度陽電子ビーム回折法の開発と表面研究への応用」(研究代表者:兵頭俊夫)が採択された。これによって、RHEPDをさらに推進するとともに、新たに低速陽電子回折(LEPD)のステーションも製作して研究を開始する。陽電子に対しては物質の結晶ポテンシャルが正であるために、RHEPDにおいてたとえばSiの表面に10keVの陽電子を表面すれすれの角で入射すると、視射角$$theta<2^{circ}$$で全反射が起きる。その結果、この領域では回折強度が電子に比べて2桁近く大きく、この領域のすぐ外でもかなり大きい。このため、$$^{22}$$Na線源を用いたRHEPDでも他の手段では得られない表面構造の情報を与えてきていた。ビーム強度が上がったことによって、試料の方位調整がリアルタイムでできるようになり測定時間も格段に短くなった。さらに、再減速による輝度増強が可能になるので、ますます有用な情報が得られると期待される。

口頭

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)による表面構造解析

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 望月 出海*; 前川 雅樹; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 河裾 厚男

no journal, , 

反射高速陽電子回折(RHEPD)は、反射高速電子線回折(RHEED)の陽電子版である。RHEPDは、通常の実験の視射角の範囲で全反射するという、RHEEDにはない際立った特徴をもっている。そのために、バルクの結晶の構造解析にX線回折が果たしている役割を表面構造解析について担うようになる可能性をもっている。これまで、原子力機構の世界唯一の装置で研究が行われ、いくつかの表面構造の決定に重要な役割を果たしてきた。最近、原子力機構の装置を$$^{22}$$Naビームから切り離し、KEK低速陽電子実験施設の専用リニアックで生成した高輝度・高強度陽電子ビームに接続した。その結果、ビームの質が向上し、例えばSi(111)-$$7times7$$再構成表面の多くの分数次スポットが見えるようになった。我々は、このように大幅に質が向上した今、RHEPDを全反射高速陽電子回折(Total Reflection High-Energy Positron Diffraction: TRHEPD)と呼ぶことにした。TRHEPDは、全反射条件で最表面のみの原子配置の情報を得て、次に次第に視射角を増加させながら測定することにより、上から順に表面に隠された部分の原子配置の詳細を知ることができるユニークな手法である。ここでは、TRHEPDの基本的特徴、および、Pt/Ge(001)表面、銀(111)表面上のシリセンの構造、TiO$$_{2}$$(110)-$$1times2$$のTRHEPDによる構造決定の結果を紹介する。

口頭

Recent developments and results of the KEK slow positron facility

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設で得られた最近の成果について報告する。本施設では、専用ライナック(55MeV)を有しており、高強度のパルス低速陽電子ビーム(5$$times$$10$$^{7}$$ e$$^{+}$$/s: ロングパルスモード)を共同利用に供している。低速陽電子ビームは、高圧(35kVまで)に印加された発生部で生成され、磁場を用いて接地されたビームラインを輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験(ポジトロニウム負イオン分光,ポジトロニウム飛行時間測定,反射高速陽電子回折(RHEPD))が進行中である。今回、RHEPDの最新の成果について取り上げる。陽電子における結晶ポテンシャルは、電子の場合とは逆のプラスであり、陽電子は、低視射角入射で全反射を起こす。最近、Si(111)-7$$times$$7表面におけるRHEPD実験を行い、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。

口頭

KEK低速陽電子ビームの高強度・高輝度化とその応用

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 祐樹*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 諏訪田 剛*; 古川 和朗*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

本講演では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。本施設では、2010年夏に、低速陽電子ビーム生成のためのコンバータ・モデレータユニットを改造し、ビーム強度が一桁増大した。増大したビーム強度を生かして、ポジトロニウム負イオンの分光実験、反射高速陽電子回折(RHEPD)実験、ポジトロニウム飛行時間測定実験を展開してきた。2012年春には、RHEPD実験用に新たにタングステンモデレータを用いた透過型輝度増強ユニットを導入し、質・強度ともに大幅に向上した平行ビームを生成することに成功した。この高強度・高輝度陽電子ビームを用いて、Si(111)-7$$times$$7表面からのRHEPDパターンを測定したところ、従来の$$^{22}$$Na線源を用いたビームでは捉えることができなかった、表面超構造に由来する高次の回折スポットを観測することに成功した。

口頭

TRHEPD rocking curve analyses of Pt/Ge(001) and TiO$$_{2}$$(110) surfaces

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 朝倉 清高*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 設楽 哲夫*; 兵頭 俊夫*

no journal, , 

最近、高エネルギー加速器研究機構低速陽電子実験施設において、電子線形加速器ベースの高強度陽電子ビームを用いた新たな全反射高速陽電子回折(TRHEPD)装置を開発した。本研究では、この装置を用い、Ge(001)表面上に形成したPt原子吸着誘起ナノワイヤーの原子配置を調べた。動力学的回折理論に基づく回折強度解析から、理論的に提唱されていた構造モデルのうちの一つがナノワイヤーの基底構造であることを確かめた。我々は同様にして、ルチル型TiO$$_{2}$$(110)表面の原子配置も調べた。この表面の構造は、1100K以上の加熱により、($$1times1$$)から($$1times2$$)構造へその周期性が変化することが知られている。走査型トンネル顕微鏡、低速電子回折、表面X線回折、第一原理計算などを用い、様々な構造モデルが提唱されているが、現状では統一的な見解には至っていない。この問題を解決するために、我々はTRHEPDロッキング曲線を測定し、最表面の原子配置を決定した。

口頭

The New experiment stations at KEK Slow Positron Facility

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 設楽 哲夫*; 満汐 孝治*; 立花 隆行*; 長嶋 泰之*; et al.

no journal, , 

本講演では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。本実験施設は、専用LINAC(55MeV)を有し、高強度のパルス低速陽電子ビームを供している。エネルギー可変(最大35keV)である低速陽電子ビームは、グランド電位のビームラインを磁場輸送され、コンパクトな分岐ユニットを用いて実験ホールに振り分けられる。現在、約100台のコイル電源を制御するために、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を用いたパソコンによる一括操作システムを導入中である。ビームラインの真空度は、1-5$$times$$10$$^{-8}$$ Paである。本実験施設は、KEKの放射光共同利用実験審査委員会(PF-PAC)の承認を受けたユーザーに開放されている。最近、低速陽電子の発生部であるコンバータ/モデレータアセンブリを改良し、ビーム強度が一桁(ロングパルスモードで$$5times10^{7}$$ e$$^{+}$$/sec)増大した。この増強された低速陽電子ビームを用いて、ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)の光脱離、反射高速陽電子回折(RHEPD)、ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)の3つの実験が現在進行中である。

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