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論文

$$N Omega$$ interaction; Meson exchanges, inelastic channels, and quasibound state

関原 隆泰; 神谷 有輝*; 兵藤 哲雄*

Physical Review C, 98(1), p.015205_1 - 015205_20, 2018/07

 被引用回数:28 パーセンタイル:88.07(Physics, Nuclear)

Based on a baryon-baryon interaction model with meson exchanges, we investigate the origin of the strong attraction in the $$N Omega (^{5}S_{2})$$ interaction, which was indicated by recent lattice QCD simulations. The long-range part of the potential is constructed by the conventional mechanisms, the exchanges of the $$eta$$ meson and of the correlated two mesons in the scalar-isoscalar channel, denoted by "$$sigma$$" in the literature. The short-range part is represented by the contact interaction. With the present model parameters fit to reproduce the scattering length of the HAL QCD result of the nearly physical quark masses, we obtain the $$N Omega (^{5}S_{2})$$ quasibound state with its eigenenergy $$2611.3 - 0.7 i$$ MeV.

論文

Exotic hadrons from heavy ion collisions

Cho, S.*; 兵藤 哲雄*; 慈道 大介*; Ko, C. M.*; Lee, S. H.*; 前田 沙織*; 宮原 建太*; 森田 健司*; Nielsen, M.*; 大西 明*; et al.

Progress in Particle and Nuclear Physics, 95, p.279 - 322, 2017/07

AA2016-0538.pdf:0.74MB

 被引用回数:113 パーセンタイル:89.92(Physics, Nuclear)

RHICやLHCでの検出器の性能向上により、高エネルギー重イオン衝突において基底状態だけでなく励起状態のハドロンも測定できるようになった。そこで、重イオン衝突はハドロン分子状態やマルチクォーク状態などのエキゾチックハドロンの新しい手法となる。エキゾチックハドロンの構造は量子色力学の基本的性質と関連しているので、これらを研究することはハドロン物理の最も精力的な話題の一つである。本レビューでは、重イオン衝突で測定できるようなエキゾチックハドロン候補の幾つかに対して、現在の理解をまとめる。

論文

Two-body wave functions, compositeness, and the internal structure of dynamically generated resonances

関原 隆泰; 兵藤 哲雄*; 慈道 大介*; 山縣(関原) 淳子*; 安井 繁宏*

Proceedings of Science (Internet), 281, p.289_1 - 289_8, 2017/05

In this contribution, I introduce the physical meaning of the compositeness, its expression, and theoretical evaluation in effective models. In particular, we show that the two-body wave function of the bound state corresponds to the residue of the scattering amplitude at the bound state pole, which means that solving the Lippmann-Schwinger equation at the bound state pole is equivalent to evaluating the two-body wave function of the bound state. Then, we evaluate the compositeness for the so-called dynamically generated resonances in the chiral unitary approach, such as $$Lambda (1405)$$, $$N (1535)$$, and $$N (1650)$$, and investigate their internal structure in terms of the hadronic molecular components.

論文

Theoretical study of the $$Xi(1620)$$ and $$Xi(1690)$$ resonances in $$Xi_c to pi+MB$$ decays

宮原 建太*; 兵藤 哲雄*; 岡 眞; Nieves, J.*; Oset, E.*

Physical Review C, 95(3), p.035212_1 - 035212_12, 2017/03

 被引用回数:42 パーセンタイル:93.41(Physics, Nuclear)

$$Xi_c$$$$pi^+$$とメソンーバリオン状態へ弱崩壊する過程をストレンジネス$$-2$$のバリオンのスペクトルの観点で解析した。

論文

Research progress at the Slow Positron Facility in the Institute of Materials Structure Science, KEK

兵頭 俊夫*; 和田 健*; 望月 出海*; 木村 正雄*; 峠 暢一*; 設楽 哲夫*; 深谷 有喜; 前川 雅樹*; 河裾 厚男*; 飯田 進平*; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012003_1 - 012003_8, 2017/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:71.73(Physics, Multidisciplinary)

本論文では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)低速陽電子実験施設(SPF)で得られた最近の成果を報告する。全反射高速陽電子回折(TRHEPD)実験では、ルチル型TiO$$_{2}$$(110)($$1times2$$)表面、Cu(111)およびCo(0001)基板上のグラフェン、Al(111)基板上のゲルマネンの構造を明らかにした。ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)ステーションでは、Ps$$^{-}$$の共鳴状態の観測に成功した。ポジトロニウム飛行時間測定(Ps-TOF)ステーションでは、ポジトロニウムの生成効率の増大とポジトロニウム生成・放出過程におけるエネルギー損失を観測した。陽電子ビームラインにパルスストレッチングセクションが導入され、陽電子ビームのパルス幅が1.2$$mu$$sから20msまで可変になった。

論文

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法によるルチル型TiO$$_{2}$$(110)(1$$times$$2)表面の構造決定

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 前川 雅樹*; 河裾 厚男*; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 兵頭 俊夫*

表面科学, 37(9), p.451 - 456, 2016/09

本論文では、30年間構造が確定しなかった、触媒の担体として知られるルチル型の二酸化チタン表面の構造解析について報告する。全反射高速陽電子回折(TRHEPD)を用いて、陽電子の回折スポット強度の視射角依存性の測定および、動力学的回折理論に基づく強度解析を行った。その結果、最近Wangらが理論的に提唱した構造モデルを用いると実験結果をよく説明できることがわかった。

論文

Structure determination of the rutile-TiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2) surface using total-reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 兵頭 俊夫*

Physical Chemistry Chemical Physics, 18(10), p.7085 - 7092, 2016/03

 被引用回数:23 パーセンタイル:68.03(Chemistry, Physical)

本研究では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、30年来議論が続くルチル型の二酸化チタン表面の原子配置を決定した。陽電子の反射強度の入射角依存性を測定し、様々な構造モデルを仮定した計算結果との比較を行った。構造解析の結果、OnishiとIwasawaが提唱した構造モデルに最表面の酸素原子の非対称性を取り入れることにより、実験結果をよく説明できることがわかった。

論文

Brightness enhancement of a linac-based intense positron beam for total-reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

前川 雅樹; 和田 健*; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 望月 出海*; 設楽 哲夫*; 兵頭 俊夫*

European Physical Journal D, 68(6), p.165_1 - 165_6, 2014/06

 被引用回数:19 パーセンタイル:67.61(Optics)

The brightness of a linac-based intense positron beam was enhanced for reflection high-energy positron diffraction (RHEPD) measurements. It gave more than 60 times intensified diffraction pattern from a Si(111)-7$$times$$7 reconstructed surface compared to a previous result with a $$^{22}$$Na-based positron beam. An improved signal-to-noise ratio in the obtained pattern due to the intensified beam allowed to observe clear fractional-order spots in the higher Laue-zones, those had not been observed previously.

論文

Total reflection high-energy positron diffraction; An Ideal diffraction technique for surface structure analysis

深谷 有喜; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 望月 出海*; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 兵頭 俊夫*

Applied Physics Express, 7(5), p.056601_1 - 056601_4, 2014/05

 被引用回数:20 パーセンタイル:61.29(Physics, Applied)

本研究では、全反射条件下におけるSi(111)-$$7times7$$再構成表面からの反射高速陽電子回折(RHEPD)パターンが、結晶内部のバルク原子からの寄与を含まないことを報告する。このことは、バルク原子を含む通常の試料の測定においても、最表面原子の情報のみを反映した回折パターンを観測可能であることを意味する。

論文

Total reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 前川 雅樹; 望月 出海*; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 河裾 厚男

Journal of Physics; Conference Series, 505(1), p.012001_1 - 012001_5, 2014/04

 被引用回数:9 パーセンタイル:93.11(Physics, Applied)

反射高速陽電子回折(RHEPD)は1992年に提唱され、1998年に初めて実証された。それ以来、RHEPDは表面科学の分野へ多くの寄与を果たしている。最近、原子力機構のRHEPD装置を高エネルギー加速器研究機構低速陽電子実験施設に移設し、輝度増強した高強度陽電子ビームラインへの接続を行った。この陽電子ビームの高強度化により、鮮明なRHEPDパターンが得られるようになった。Si(111)-$$7times7$$表面をテスト試料として用い、RHEPDパターンの観測を行った。陽電子のエネルギーは10kVに設定した。このエネルギーでは、全反射の臨界角は2$$^{circ}$$となる。全反射条件下の視射角1.3$$^{circ}$$で観測したRHEPDパターンは、計算結果と非常によく一致することが分かった。全反射したRHEPDパターンは、本質的に付着原子と表面第一層の原子だけで決定できることも分かった。この手法により、最表面から内部へ向かった表面近傍の構造解析が可能である。我々はこの手法を全反射陽電子回折法と呼ぶ。

論文

Increase in the beam intensity of the linac-based slow positron beam and its application at the Slow Positron Facility, KEK

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 設楽 哲夫*; 満汐 孝治*; 立花 隆行*; 長嶋 泰之*; 深谷 有喜; et al.

European Physical Journal D, 66(2), p.37 - 40, 2012/02

 被引用回数:41 パーセンタイル:85.54(Optics)

本論文では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。はじめに、低速陽電子ビームを生成するためのコンバータ・モデレータアッセンブリの改良を行った。具体的には、コンバータ・モデレータのフレームをタンタルで作製し、モデレータ内部ではタングステン薄膜を井桁状に2セット組み、2段に配置した。この改良により、低速陽電子のビーム強度が以前のものに比べて一桁増大するに至った。この高強度陽電子ビームを用いて、二つの新たな研究が進展した。一つは、ポジトロニウム負イオンの光脱離実験を行い、レーザーによるポジトロニウムの中性化に成功した。二つ目は、反射高速陽電子回折(RHEPD)装置を開発し、これまでの線源法に比べて5-10倍の反射強度を得ることに成功した。今後、両実験のさらなる発展が見込まれる。

口頭

KEK低速陽電子実験施設の現状; 新ビームライン分岐と実験ステーションの再配置

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの大強度低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年春に、日本原子力研究開発機構の協力を得て、反射高速陽電子回折(RHEPD)用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。これにより、$$^{22}$$Naベースの陽電子ビームと比較して、ビームの輝度が約3600倍上がり、ビーム強度は約60倍向上した。この輝度増強ビームを用いてSi(111)-7$$times$$7表面におけるRHEPD実験を行ない、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。近年成果が上がっている上記RHEPD実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、地下1階部分の多数のコイル用電源を実験と干渉しないスペースへ移動して、より広い実験スペースを確保した。ロングパルスモードを使用するRHEPD実験は地下1階で、ショートパルスモードを使用するポジトロニウム負イオン実験とポジトロニウム飛行時間測定実験を地上1階で行うよう、ステーションの再配置を行った。

口頭

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法によるTiO$$_{2}$$(110)表面構造解析

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 前川 雅樹; 河裾 厚男

no journal, , 

ルチル型TiO$$_{2}$$(110)単結晶表面は、金属酸化物の触媒反応過程を調べるうえでの標準物質として知られ、最も広く研究されている表面の一つである。最安定面である(1$$times$$1)表面を超高真空下でアニールすると(1$$times$$2)周期構造が現れる。走査型トンネル顕微鏡、低速電子線回折、表面X線回折実験、第一原理計算などを用いた研究から多数の構造モデルが提案されているものの、その表面原子配置は未だに決定していない。そこで本研究は、最表面の構造解析に特化した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、TiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2)表面の構造決定を試みた。これまで提案されている様々な構造モデルを用いてロッキング曲線を計算したところ、Ti$$_{2}$$O$$_{3}$$モデルのみが実験結果を再現でき、R因子も最小値(1.5%)となった。したがって、この構造解析の結果は、大西らが提唱したTi$$_{2}$$O$$_{3}$$モデルを支持できる。

口頭

低速陽電子ビームパルスストレッチングセクション建設

和田 健*; 前川 雅樹; 望月 出海*; 設楽 哲夫*; 兵頭 俊夫*

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、リニアックベースの大強度低速陽電子パルスビームを共同利用に供してきた。しかし一般的な陽電子消滅測定に用いる場合、現行のパルス時間構造では一パルスあたりの陽電子数が多いため、パイルアップの問題により効率の良い測定ができなかった。そこでパルス幅を4桁広げるためのストレッチセクションの建設を行っている。本施設でのパルスストレッチは、ペニングトラップ型を基本にしている。本施設の特徴である試料の接地電池接続を確保するためには、ビームエネルギーを5keV以上に保ったまま行う必要があり、蓄積電極の電圧を全体的に昇圧できる構造にすることでこれを実現している。現在までに蓄積部の電極をビームラインダクトに挿入する作業は完了しており、高周波電源の構築を進めている。

口頭

反射高速陽電子回折(RHEPD)から全反射陽電子回折(TRPD)へ

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 望月 出海*; 前川 雅樹; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 河裾 厚男

no journal, , 

反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である反射高速陽電子回折(RHEPD)は、最初の実証実験以来、10年以上にわたって原子力機構先端基礎研究センター高崎の世界唯一の装置で研究が行われ、いくつかの表面構造の決定に重要な役割を果たしてきた。放射性同位元素Na-22を陽電子源とし、ビーム強度が試料方位調整をリアルタイムで行うことができないほど弱かったにもかかわらず、成果が出ていたのは、陽電子と表面原子の相互作用が単純であるため動力学的理論と実験との一致がよいこと、および、ある臨界角以下の視射角で入射すると全反射が起きるためである。最近、そのRHEPD装置をNa-22ビームラインから切り離し、高エネルギー加速器研究機構低速陽電子実験施設の、高輝度高強度陽電子ビームに接続した。これにより、回折強度が60倍以上になり、陽電子ビームによる試料方位の調整がリアルタイムでPC画面を見ながら行うことができ、測定時間が大幅に短縮され、かつ、MCPの暗電流に対するS/N比が向上するなどの画期的な変化が起きた。ここでは、この高性能化した世界唯一の装置を用いて、Si(111)-$$7times7$$表面に対して全反射臨界角以下の視射角で入射したビームは、最表面に露出した原子配列のみによる回折図形(全反射陽電子回折、TRPD)を表すことを示し、さらに、この手法の今後の展望を述べる。

口頭

KEK低速陽電子実験施設のビームライン整備と最近の成果

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年度春に、日本原子力研究開発機構の河裾グループの協力を得て、反射高速陽電子回折用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。磁場で輸送した15keVの低速陽電子ビームを非磁場領域に解放した後、10kVに印加した厚さ100nmのタングステン薄膜に磁気レンズを用いて収束し、数段からなる引き出し電極と磁気レンズを用いてアース電位の試料に導く。輝度増強ユニット導入前と比べて、ビームのエネルギー広がりが1桁以上狭くなるとともに、反射強度が約4倍向上した。また、これまで使用できなかったポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定装置を、東京理科大学長嶋グループの協力を得て再整備し、同装置を用いる共同利用の募集を開始した。2012年度秋より3課題のPs-TOF測定装置を用いた共同利用が開始された。2009年度まで行われていた透過型陽電子顕微鏡実験で用いた輝度増強チャンバーを生かし、東京大学物性研究所高橋グループ及び千葉大学藤浪グループの協力を得て、低速陽電子回折実験装置の開発を開始した。最近予備実験として、このビームライン分岐におけるビーム試験と、輝度増強ユニットの動作試験を行った。以上の施設の整備状況について報告するとともに、最近の共同利用の成果の紹介を行う。

口頭

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 前川 雅樹; 望月 出海*; 和田 健*; 設楽 哲夫*; 一宮 彪彦*; 河裾 厚男

no journal, , 

反射高速電子線回折(RHEED)の陽電子版である反射高速陽電子回折(RHEPD)は、固体表面及び近表面の原子配置を知るための理想的な手段になる可能性を秘めている。最初の実証実験以来10年以上にわたって、原子力機構先端基礎研究センター高崎の世界唯一の装置で研究が行われ、いくつかの表面構造の決定に重要な役割を果たしてきた。最近、原子力機構の装置を$$^{22}$$Naビームから切り離し、KEKの低速陽電子実験施設の、透過型輝度増強をおこなった高強度陽電子ビームに接続した。その結果、ビームの質が向上し、たとえばSi(111)-7$$times$$7再構成表面の多くの分数次スポットが見えるようになった。RHEPDは全反射条件のデータを含むことが多いので、このように大幅に質が向上した今、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)と呼ぶことを提唱する。TRHEPDは、全反射条件で最表面のみの原子配置の情報を得て、次に次第に視射角を増加させながら測定することにより、上から順に表面に隠された部分の原子配置の詳細を知ることができるユニークな手法である。本講演では、陽電子回折の表面敏感性、輝度増強、RHEPDロッキング曲線、全反射の機構、全反射臨界角以下の視射角入射で表面原子のみからの回折パターンが得られることを述べる。

口頭

Introduction to the slow positron facility at KEK

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 満汐 孝治*; 寺部 宏基*; 飯田 進平*; 長嶋 泰之*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)低速陽電子実験施設(SPF)では、専用LINAC(55MeV)を用い、高強度のパルス低速陽電子ビームを供している。陽電子はTaコンバーターに打ち込まれた高エネルギー電子の制動放射による対生成により発生する。Taコンバーターから放出された陽電子はW薄膜内で熱化し、それらの一部が負の仕事関数により薄膜表面から再放出される。得られた単色陽電子は35keVまでの任意のエネルギーに加速され、低速陽電子ビームとして実験ステーションに磁場輸送される。現在、ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)の光脱離、ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)、反射高速陽電子回折(RHEPD)の3つの実験ステーションが稼働中である。Ps$$^{-}$$実験ステーションでは、静電加速されたPs$$^{-}$$の光脱離によりエネルギー可変のPsビームを発生させる。Ps-TOF実験では、Ps放出を通して表面状態に関する情報を与える。RHEPDは反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である。電子の場合とは対照的に、陽電子の結晶ポテンシャルが正であるため、視射角がある臨界角より小さいとき、陽電子は物質表面で全反射する。陽電子ビームを高輝度化するために、100nm厚のW薄膜を持つ透過型のリモデレーターを導入した。その結果、Si(111)-$$7times7$$超構造からの鮮明な分数次スポットの観測に成功した。

口頭

KEK低速陽電子実験施設における陽電子回折実験計画

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 高橋 敏男*; 藤浪 真紀*; 和田 健*; 望月 出海*; 設楽 哲夫*; 河裾 厚男; 前川 雅樹; 白澤 徹郎*

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所低速陽電子実験施設の専用ライナックで生成したエネルギー可変低速陽電子ビームは、1-10ns可変幅(短パルスモード)あるいは1$$mu$$s(ロングパルスモード)幅のパルス状のビームで、かつ0.1-35keVの可変エネルギーで輸送するという特徴がある。強度は前者で$$5times10^{7}$$/s程度、後者で$$5times10^{6}$$/s程度である。ロングパルスモードの高強度を生かした反射高速陽電子回折(RHEPD)が既に開始されている。平成24年度より5年間の予定で科研費基盤(S)「高輝度・高強度陽電子ビーム回折法の開発と表面研究への応用」(研究代表者:兵頭俊夫)が採択された。これによって、RHEPDをさらに推進するとともに、新たに低速陽電子回折(LEPD)のステーションも製作して研究を開始する。陽電子に対しては物質の結晶ポテンシャルが正であるために、RHEPDにおいてたとえばSiの表面に10keVの陽電子を表面すれすれの角で入射すると、視射角$$theta<2^{circ}$$で全反射が起きる。その結果、この領域では回折強度が電子に比べて2桁近く大きく、この領域のすぐ外でもかなり大きい。このため、$$^{22}$$Na線源を用いたRHEPDでも他の手段では得られない表面構造の情報を与えてきていた。ビーム強度が上がったことによって、試料の方位調整がリアルタイムでできるようになり測定時間も格段に短くなった。さらに、再減速による輝度増強が可能になるので、ますます有用な情報が得られると期待される。

口頭

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法によるTiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2)表面の構造解析

望月 出海*; 有賀 寛子*; 深谷 有喜; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 設楽 哲夫*; 朝倉 清高*; 前川 雅樹; 河裾 厚男

no journal, , 

ルチル型TiO$$_{2}$$(110)単結晶表面は、金属酸化物の触媒反応過程を調べる際の標準物質として扱われ、最も広く研究されている。また原子スケールで均一平坦な表面を容易に得られるため、触媒活性を持つナノ粒子の担体として用いられ、触媒反応を、表面科学的手法を駆使して原子・分子レベルから規定して解明する研究が進められている。一方で、その最安定面である(1$$times$$1)表面を超高真空下でアニールすると(1$$times$$2)周期構造が現れる。その表面原子配置については、走査型トンネル顕微鏡、低速電子線回折、表面X線回折実験、第一原理計算などから多数の構造モデルが提案されており、20年来の研究にも拘らず、未だ決着していない。そこで本研究は、最表面の構造解析に特化した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、TiO$$_{2}$$(110)-(1$$times$$2)表面の構造決定を試みた。これまで提案されている構造モデル(Missing-Row(MR), Added-Row(AR), Ti$$_{2}$$O, Ti$$_{2}$$O$$_{3}$$)に対して計算したロッキング曲線と、実験から取得したロッキング曲線を比較した。MR, AR, Ti$$_{2}$$Oモデルは実験結果を再現できず、Ti$$_{2}$$O$$_{3}$$モデルのみ結果を上手く再現でき、R因子も最小値となった。構造解析の結果は、大西らが提唱したTi$$_{2}$$O$$_{3}$$モデルを支持する。

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