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林 巧; 小林 和容; 山西 敏彦; 一政 祐輔*; 一政 満子*
火力原子力発電, 59(4), p.316 - 321, 2008/04
日本原子力研究開発機構は、核融合炉の安全性の向上をめざし、燃料となるトリチウムが万一建家内に漏れた場合の効率的除去技術の研究をすすめてきた。近年、茨城大学との共同研究の下、高温貴金属触媒酸化を用いた従来技術に替わる新しい方法として、環境中の水素ガスを常温で酸化する微生物を利用してトリチウムを酸化し効率的に除去する技術を開発した。
一政 満子*; 粟ヶ窪 さゆり*; 高橋 美穂*; 田内 広*; 林 巧; 小林 和容; 西 正孝; 一政 祐輔*
Fusion Science and Technology, 48(1), p.759 - 762, 2005/07
被引用回数:7 パーセンタイル:44.26(Nuclear Science & Technology)分子状トリチウム(HT)を酸化して水(HTO)に転換する種々のバクテリアが土壌中に存在し、そのトリチウム酸化活性について研究してきた。一方、重水素とトリチウムを燃料とする核融合炉では雰囲気からのトリチウム除去設備が必要であるが、除去方法としては酸化・除湿の方法が一般的であり、酸化の工程には高温の酸化触媒が現在用いられている。この酸化工程に室温でトリチウムを酸化できるトリチウム酸化バクテリアを用いたバイオリアクターを適用し、トリチウム除去設備の合理化を図ることを構想して研究を行った。試作したバイオリアクターを原研のトリチウム安全性試験装置(CATS)で試験し、空気中トリチウム濃度200Bq/cm,流量100cm
/min,一回通過処理の処理条件で85%の酸化率を得、将来への見通しを得た。
横山 須美; 野口 宏; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Journal of Environmental Radioactivity, 71(3), p.201 - 213, 2004/01
被引用回数:11 パーセンタイル:24.03(Environmental Sciences)核融合施設では、大量のトリチウムを扱うため、周辺の公衆の被ばく線量評価を行ううえでは、施設から放出されたトリチウムの環境中での挙動を調べておく必要がある。特に施設から放出されたトリチウムが土壌に沈着した後、再放出される過程については、あまりデータが得られていないことから明らかにしておく必要がある。本報告書では、特にトリチウム水(HTO)の土壌からの再放出を調べるために、HTOの代わりに重水(HDO)を用いて、土壌に沈着したHTOの再放出過程を模擬した野外実験を行った結果について報告する。実験には、ビニールハウス内でHDOに上面をばく露した土壌(ばく露土壌)及びあらかじめ重水を均一に混合した土壌(重水混合土壌)を用い、土壌を薄く分割して、任意の時間ごとにこれらの土壌水分中HDO濃度の深さ分布の時間変化を調べた。その結果、ばく露土壌及び重水混合土壌の両方の表層土壌水分中重水濃度の低下が著しいものの、ばく露土壌の方が重水混合土壌に比べて、低下割合が大きかった。さらに、交換,蒸発及び拡散過程を考慮した簡易なHTO環境移行モデルを用いて本実験結果の解析を行った結果、モデルは比較的実験結果と良い一致を示すことがわかった。
安藤 麻里子; 天野 光; 柿内 秀樹; 一政 満子*; 一政 祐輔*
Health Physics, 82(6), p.863 - 868, 2002/06
被引用回数:7 パーセンタイル:39.00(Environmental Sciences)トリチウムの環境中での挙動を調べるため、安定同位体である重水を使用して放出実験を行い、稲による重水の取り込みと有機結合型重水素(OBD)の生成及び生成したOBDの収穫までの残留について調べた。結果として、昼のOBD生成が夜間の2-3倍であること、昼の実験で生成されたOBDの方が夜間に生成されたOBDに比較して収穫時まで残留する割合が高いことなどが示された。また、昼夜の差について、生成過程が光合成によるかそのほかの反応によるかによる違いを考慮したモデルを用いて解析を行い、実験値と一致する結果が得られることを確認した。
安藤 麻里子; 天野 光; 一政 満子*; 一政 祐輔*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.427 - 431, 2002/05
環境中に放出されたトリチウムは、植物体中で有機化することにより食物連鎖に組み込まれることになるため、トリチウム水(HTO)から有機結合型トリチウム(OBT)への転換速度を求めることが、被ばく線量評価のために必要である。1994年にカナダで行われたHTガス放出実験の結果より、食用植物に関して、植物体中でのHTOからOBTへの転換速度を求めた。HTガスは、小松菜,二十日大根,ミニトマトが栽培されている11m11mの実験場に、濃度ができるだけ均一になるように調整しながら12日間放出された。植物の葉に関するHTOからOBTへの転換速度は約0.2 (% h
)であったが、若い葉においてはより速くなる傾向が見られた。二十日大根の根、及びミニトマトの実については葉よりも遅く、それぞれ、0.07,0.05 (% h
)の値が得られた。
柿内 秀樹; 天野 光; 一政 満子*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 252(2), p.437 - 439, 2002/05
被引用回数:6 パーセンタイル:39.00(Chemistry, Analytical)微生物による核種の吸脱着及び取り込みが起こるのか評価するため、Cs,Sr,Baと表層土壌から採取した微生物との相互作用を調べる実験を行った。(1)pH4,6,8の条件のもと5%PTYG BrothにおいてSr,Cs,Baイオン10ppm共存下3010日間培養を行ったところ、Sr,Csではほとんど微生物菌体への濃集は確認されなかった。Baは微生物菌体への濃集が確認され、培養開始のpHが低いほどその割合が顕著であった。(2)1%PTYG Broth(pH4)を用いてSr,Cs,Baイオン10ppm共存下30
,5日間培養を行ったところ、Srは約75%,Csは約50%,Baは約40%が微生物上へ濃集されていた。この濃集成分について選択的抽出法を用いて存在形態を評価したところ、それぞれ種々の存在形態を示した。
安藤 麻里子; 天野 光; Porntepkasemsan, B.; 柿内 秀樹; 一政 満子*; 一政 祐輔*
KURRI-KR-53, p.18 - 21, 2000/10
環境中でのH-3の挙動を調べる目的で、その安定同位体であるH-2を重水の形で、土壌や植物等さまざまな試料を入れた屋外のビニールハウス内に放出する実験を1995年より茨城大学構内で行っている。本年度は重水のみでなく、同時にC-13ラベルCOを放出し、両元素の挙動について比較することを試みた。筆者らはこれまで、特に大気から植物への重水の移行に着目して本実験に参加してきた。植物葉の自由水中重水濃度は大気中への重水放出開発後素早く上昇し、その測定も容易であるが、実の自由水中濃度や光合成によって生成する有機体中の濃度はごく低濃度であり、測定に困難があった。これら低濃度の重水測定に安定同位体比測定装置を使用し、ごく微量の重水濃度上昇の測定可能性について検討した。また、同じく安定同位体比測定装置を使用し、放出実験中のビニールハウス内大気中CO
及びCH
のC-13/C-12比を測定した。本発表では、これらの結果について報告する。
安藤 麻里子; 天野 光; 一政 満子*; 一政 裕輔*
Fusion Engineering and Design, 42, p.133 - 140, 1998/00
被引用回数:12 パーセンタイル:68.33(Nuclear Science & Technology)トリチウムの環境中での移行挙動を調べる目的で、トリチウムの安定同位体である重水水蒸気を用いた放出実験を95年秋及び96年夏の2回、茨城大学敷地内において行った。ここでは、栽培植物の葉、根、実に対する重水沈着挙動について夜間と日中で比較した結果及び、植物の種類で比較した結果を報告する。実験に用いた植物の中で、特に稲の取り込み速度は、根から重水濃度の低い水を吸収しているにも関わらず顕著に高く、大気中にトリチウムが放出された場合、水田の水の濃度が低くても稲に簡単にトリチウムが移行することが示唆された。気孔が閉じる夜間であっても重水水蒸気の取り込みが大きい動植物が存在し、昼と夜の濃度比は、トマト、ミカンで大きく、ラデイッシュでは低い値を示した。
横山 須美; 野口 宏; 福谷 哲; 一政 満子*; 一政 祐輔*
Fusion Engineering and Design, 42, p.141 - 148, 1998/00
被引用回数:3 パーセンタイル:31.58(Nuclear Science & Technology)ITERのような核融合実験炉において、公衆の被ばく線量を評価するうえで、トリチウムが重要な核種となる。このような施設から、事故的に、大気中へトリチウム水が放出された場合、トリチウム水の土壌への沈着及び大気への再放出過程が重要となる。これらの過程を模擬するために、HTOのかわりに重水を用いて野外実験を1995年11月と1996年8月に行った。重水水蒸気を放出したビニールハウス内で、土壌試料をばく露した後、重水汚染のない場所に移し、所定の時間(最大31時間)置き、土壌水分中重水濃度の時間変化及び土壌沈着重水の再放出率を調べた。この結果1995年の実験では、再放出開始直後の濃度は、表層0-0.5cmが最も高く、深さが深くなるにつれて指数関数的に減少した。また、土壌沈着重水の再放出率は、再放出開始直後に22%/hと最も高く、時間とともに低下し、水分の蒸発率とは異なる時間変化を示した。
新 麻里子; 天野 光; 一政 満子*; 一政 祐輔*; 金子 正夫*
Proc. of Int. Meeting on Influence of Climatic Characteristics upon Behavior of Radioactive Elements, p.236 - 242, 1997/00
植物生理とトリチウムの植物による取込みとの関係を明らかにすることを目的として、トリチウムの安定同位体である重水を用いた放出実験を行い、植物の葉の気孔抵抗、温湿度と植物葉の重水取込量の関係を調べた。温湿度、光量の制御が可能な2.25mのチャンバー内に重水を水蒸気の形で放出し、内部に置いたラディッシュの葉の生理学的パラメータの測定と葉の自由水中重水濃度の測定を行った。同じ葉について測定した結果では、湿度の高い時に気孔抵抗が低い傾向が見られ、湿度が低くなるに従い、気孔抵抗は高くなる。しかし、放出実験時に測定された気孔抵抗の値は個々の差が大きく、平衡状態の重水の濃度は相対湿度との関係は見られるが、気孔抵抗との関係は明らかでなかった。
天野 光; 新 麻里子; 野口 宏; 横山 須美; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Fusion Technology, 28, p.803 - 808, 1995/10
環境中にHTガスが連続放出された場合のトリチウム挙動に関する知見を得るため、野外連続放出実験が1994年7月27日から8月8日の12日間にわたってカナダチョークリバー研究所敷地内の実験場で行われ、これに参加した。野外実験場は、10m四方の草地を四等分し、1/4を天然の草地、残りの3/4を耕し、こまつな、ミニトマト、20日大根を交互に植えた場所である。HTガスは高さ0.5mの所に19m四方のABS樹脂製のパイプで約50cm間隔の放出孔からSFガス、N
ガスと共に連続した。HTガスは主に土壌中のバクテリアによりHTOに酸化され、環境中を循環する。本研究は、HTガスの連続放出時に、生成したHTOが大気及び土壌中から植物に取り込まれ、有機結合型トリチウム(OBT)として固定される経過及びその特徴について調べたものである。
P.A.Davis*; W.J.G.Workman*; B.D.Amiro*; F.S.Spencer*; 野口 宏; 天野 光; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Fusion Technology, 28, p.840 - 845, 1995/10
1994年7月27日から8月8日までの12日間、カナダチョークリバー研究所においてトリチウムガス(HT)の野外連続放出実験を行った。本報告では、実験概要を述べるとともに、主にカナダと日本が測定した空気、土壌、植物中のトリチウム濃度の結果をまとめた。空気中へHTを12日間ほぼ一定濃度で放出した結果、土壌表面層でトリチウム水(HTO)が生成されること、土壌、植物及び空気中のHTO濃度は時間とともに増加したが、放出期間の終り頃(約10日目以降)にはほぼ定常状態に到達したこと、植物中の有機結合型トリチウムは定常状態には到達せず、増加を続けたこと等が明らかとなった。
野口 宏; 横山 須美; 木内 伸幸; 村田 幹生; 天野 光; 新 麻里子; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Fusion Technology, 28, p.924 - 929, 1995/10
1994年7~8月にカナダチョークリバー研究所において、カナダと日本の協力でトリチウムガス(HT)の野外連続放出実験が実施された。本実験の目的は、大気中にHTを連続放出した時の環境媒体(空気、土壌、植物)中におけるトリチウム水(HTO)の挙動に関する知見、特に定常状態に到達するまでの時間とその濃度、環境媒体間のHTO移行挙動等を明らかにすることである。放出開始から30時間までの結果から、実験場内の空気中HT濃度は、夜間は高く、日中は低かったが、空気中HTO濃度はこのようなHT濃度の変動にもかかわらず、徐々に増加すること、及び小松菜の組織自由水中HTO濃度の時間変化は、空気水分中HTO濃度の時間変化と同じ動きをすること等が明らかとなった。
一政 祐輔*; 一政 満子*; H.Jiang*; 勝野 敬一*; 野口 宏; 横山 須美; 天野 光; 新 麻里子
Fusion Technology, 28, p.877 - 882, 1995/10
1994年7~8月のカナダトリチウムガス野外連続放出実験において採取した土壌と植物のHT酸化活性を実験室で測定した。自然地で採取した表層土壌(0~5cm)の酸化活性は耕地の約3倍であった。また、自生植物(ゴールデンロッド)と小松菜の酸化活性は、耕地の表層土壌の活性の、それぞれ約2と0.4%であった。放出開始後の数日間は、耕地の表層土壌中の水分のHTO濃度は、空気や小松菜中水分のHTO濃度よりも低かったが、その後小松菜中水分の濃度の約2倍に増加した。