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Sun, X. H.*; Wang, H.*; 大津 秀暁*; 櫻井 博儀*; Ahn, D. S.*; 合川 正幸*; 福田 直樹*; 磯部 忠昭*; 川上 駿介*; 小山 俊平*; et al.
Physical Review C, 101(6), p.064623_1 - 064623_12, 2020/06
被引用回数:7 パーセンタイル:58.73(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて逆運動学法を使用し、核子当たり168MeVの陽子, 重陽子, 炭素イオン入射によるXeのスポレーションおよびフラグメンテーション反応からの同位体生成断面積を測定した。炭素イオンの場合は全運動エネルギーが高くなるため、質量数の小さな同位体の生成断面積が大きくなった。また、今回新たに測定されたデータを以前により高い入射エネルギーで測定されたデータと比較することで、同位体生成断面積の入射エネルギー依存性を調査した。さらに、測定データをPHITS, SPACS, EPAX, DEURACSの計算値と比較した。本研究で測定したデータは、理論計算の良いベンチマークになると考えられる。
Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.
Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07
被引用回数:9 パーセンタイル:55.81(Physics, Multidisciplinary)陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。
山西 敏彦; 山田 正行; 鈴木 卓美; 河村 繕範; 中村 博文; 岩井 保則; 小林 和容; 磯部 兼嗣; 井ノ宮 大; 林 巧
Fusion Science and Technology, 60(3), p.1083 - 1087, 2011/10
被引用回数:2 パーセンタイル:17.84(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構におけるトリチウムプロセス研究棟(TPL)は、日本における唯一のグラムレベルトリチウム取り扱い施設として、1985年に設立された。1988年3月より、トリチウムを用いた運転が開始され、今日まで、トリチウム放出事故なしの運転を継続している。TPLから環境に放出されるスタックでの平均トリチウム濃度は、71Bq/mとHTOでの規制値の1/70である。施設の故障事象データも、ポンプ,バルブ,モニター等主たる機器について、積算運転時間,積算運転開始コマンド数に対して蓄積している。液体及び固体廃棄物データ及びトリチウム計量管理に関するデータも蓄積している。科学研究費補助金特定領域研究として、これらデータの解析も行ったため、ここに報告する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:189 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:10 パーセンタイル:52.22(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
磯部 展宏*; 祐川 正之*; 中山 康成*; 伊達 信悟*; 大谷 知未*; 高橋 由紀夫*; 笠原 直人; 柴本 宏*; 長島 英明*; 井上 和彦*
Nuclear Engineering and Design, 238(2), p.347 - 352, 2008/02
被引用回数:21 パーセンタイル:77.99(Nuclear Science & Technology)高速炉設計基準の高度化を目的として、ラチェット疲労条件におけるひずみ制限について検討した。ラチェット変形を与える期間を1000回とし、累積非弾性ひずみをパラメータとして疲労試験を行った。累積非弾性ひずみの増加に伴い、平均応力が上昇し、疲労寿命が低下したが、平均応力が25MPa以下のときは、疲労寿命の低下はほとんど無視できた。高速炉運転条件に対して安全側と考えられるラチェット期間1000回の条件では、平均応力25MPaに対応する累積非弾性ひずみは2.2パーセントであり、現行の設計基準におけるひずみ制限値(2パーセント)により、ラチェットによる疲労寿命低下も防止できると考えられる。
尾崎 卓郎; 木村 貴海; 大貫 敏彦; 桐島 陽*; 吉田 崇宏*; 磯部 博志*; Francis, A. J.
Environmental Toxicology and Chemistry, 25(8), p.2051 - 2058, 2006/08
被引用回数:10 パーセンタイル:24.04(Environmental Sciences)正3価のf元素であるユウロピウム,アメリシウム及びキュリウムと天然ポリマー(セルロース,キチン,キトサン)との相互作用を調べた。バッチ実験により得られたポリマーへの各元素の吸着率と計算による各元素の化学種の推定結果から、上記ポリマーはいずれもアルカリ性溶液中で分解し、分解生成物はこれらの元素の環境中での易動性を高めることが示唆された。また、易動性を高める度合いの最も高いポリマーはセルロースであることがわかった。一方、レーザー分光法によりこれらのポリマー内でのユウロピウムの吸着状態を調べたところ、キチン,キトサン内ではそれぞれ内圏型及び外圏型の錯体として存在し、ユウロピウムとセルロース内の官能基との相互作用はキチン及びキトサン内でのそれよりも弱いことがわかった。これらの結果から、天然ポリマーが正3価のf元素の環境挙動に与える影響の推定には、元素とポリマー内の官能基との親和性の強弱だけでなく、ポリマーからの分解生成物との相互作用も考慮する必要があることが示された。
祐川 正之*; 磯部 展宏*; 柴本 宏; 田中 良彦*; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 5 Pages, 2006/00
非クリープ設計域の拡張による許容応力の拡大及び設計手順の簡素化のため、NC(Negligible Creep)カーブを用いたクリープ設計域の合理的な設定法について検討した。この結果、国産の材料データに基づき、6種類の高速炉用の鋼種について、応力レベル1.5Sm時のNCカーブを設定した。従来の高温構造設計基準では、一定の温度上限値を用いて、非クリープ域を保守的に制限していた。実用高速炉で使用予定の316FR鋼,12Cr-Mo鋼は特に優れた材料特性を有しており、NCカーブを用い非クリープ設計域の拡大を図る効果が大きい。本クリープ設計域の合理的な設定法はFDS暫定案に採用された。NCカーブを用いることにより通常時、比較的低温で用いられる機器の低温設計が可能となる。
村上 隆*; 佐藤 努*; 大貫 敏彦; 磯部 博志*
Chemical Geology, 221(1-2), p.117 - 126, 2005/09
被引用回数:56 パーセンタイル:71.56(Geochemistry & Geophysics)オーストラリア、クンガラウラン鉱床の岩石試料の分析を行い、ウランがリン酸塩鉱物などにナノ粒子化していることを明らかにした。さらに、過去260万年における移行においてナノ粒子化が最も大きな遅延機構であることを明らかにした。
大和田 謙二; 藤井 保彦; 勝木 裕也*; 村岡 次郎*; 中尾 裕則*; 村上 洋一; 澤 博*; 仁宮 恵美*; 礒部 正彦*; 上田 寛*
Physical Review Letters, 94(10), p.106401_1 - 106401_4, 2005/03
被引用回数:24 パーセンタイル:71.74(Physics, Multidisciplinary)共鳴X線散乱をNaVOのT以下で現れる斜方晶ドメインに適用することで低温相の電荷秩序パターンをユニークにAAA'A'であると決定した。これらの結果により、A, A'をイジングスピンに対応させることができ、NaVOのTにおける「悪魔の階段」的相転移を説明できるようになった。
諫山 明彦; 鎌田 裕; 林 伸彦; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 藤田 隆明; 福田 武司; 井手 俊介; 竹永 秀信; 牛草 健吉; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1272 - 1278, 2003/10
被引用回数:131 パーセンタイル:95.57(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは定常高 Hモード放電の最適化を行い、以下の結果を得た。(1)NNBを用いて完全非誘導電流駆動の下で核融合三重積310mskeV(世界最高値)を達成した。この結果は従来の結果を50%上回る。(2)規格化ベータ値が2.7のプラズマをNBや電源の機器限界に近い7.4秒間(エネルギー閉じ込め時間の約60倍)維持した。(3)高規格化ベータ値(=3.05)のプラズマをエネルギー閉じ込め時間の5倍の間維持した。(4)電流分布や圧力分布の最適化により新古典テアリングモードの発生を再現性よく抑制した。(5)電子温度揺動分布から磁気島中心を実時間で検出し電子サイクロトロン電流駆動を行うシステムを開発し、高ベータ領域(=1.1,=1.5)における新古典テアリングモードを完全に安定化した。安定化後ベータ値や閉じ込め改善度が上昇した。
永野 哲志; 磯部 博志*; 中嶋 悟*; 芦崎 翠*
Applied Spectroscopy, 56(5), p.651 - 657, 2002/05
被引用回数:11 パーセンタイル:52.63(Instruments & Instrumentation)本報は、風化花崗岩中に微量に存在する鉄酸化物を顕微可視分光法で分析した結果を報告したものである。顕微可視分光計は数十mの微細領域の可視光スペクトルを測定する装置であり、微視的に不均質な花崗岩に適用すれば構成鉱物毎の情報を得ることができる。従来からの拡散反射法により風化花崗岩中には結晶質の針鉄鉱が存在することが示されていたが、本分析法により結晶質相に加え非晶質水酸化鉄も存在していることを明らかにした。また、風化環境下における非晶質水酸化鉄及び針鉄鉱の生成速度を議論するとともに、風化環境下において熱力学的に不安定であり本来速やかに結晶化するはずの非晶質水酸化鉄が、有害元素を取り込んだ場合には長期に亘り安定に存在する可能性を指摘した。
柳瀬 信之; 磯部 博志*; 佐藤 努*; 眞田 幸尚*; 松永 武; 天野 光
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 252(2), p.233 - 239, 2002/05
被引用回数:9 パーセンタイル:50.78(Chemistry, Analytical)チェルノブイル事故炉の周辺土壌中に多く含まれるホットパーティクル(HP)の特徴を研究した。用いた手法は、トラック法,線スペクトロメトリー,選択的抽出法,電子顕微鏡分析である。事故炉周辺には約11年経過した時点においても、燃料起源のUO形のHPが存在しており、HPが占める放射能の割合が10~20%であることがわかった。選択的抽出法の結果、土壌中Uのかなりの部分が有機物相及びHP成分に含まれていることがわかった。しかし、湖畔のような湿潤な環境では、吸着成分が多くなっていた。チェルノブイルのような事故の場合、放射性核種の長期の移行挙動を予測するには、HPの変質・溶解の速度及び機構を明らかにすることが重要である。
永野 哲志; 佐藤 努*; Williams, I. S.*; Zaw, M.*; Payne, T. E.*; Airey, P. L.*; 柳瀬 信之; 磯部 博志*; 大貫 敏彦
Geochemical Journal, 34(5), p.349 - 358, 2000/10
被引用回数:4 パーセンタイル:13.38(Geochemistry & Geophysics)オーストラリア・クンガラウラン鉱床において、ウランは一次鉱床から地下水によって流され風化生成物である鉄鉱物に濃集し二次鉱床を形成している。本報では、二次鉱床中におけるウランの挙動についてのタイムスケールを得ることを目的として行った、高感度・高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMPII)によるウラン系列核種の放射能比測定の結果を報告した。鉄鉱物のうち、非晶質相からは1よりやや大きい値が、また結晶質相からはほぼ1に近い値が得られ、もし鉄鉱物が結晶化の過程で閉じていたとすれば、ウランが保持されてから少なくとも数百万年程度の年月が経過したことになる。一方、ウランに比べて動きにくい鉛の同位体比について分析したところ、二次鉱床内に存在する放射起源鉛には、風化が起こる前に一次鉱床から流れてきたものと、風化とともに流れ始めたが未だ一次鉱床近辺にとどまっているものがあることがわかった。
永野 哲志; 佐藤 努*; 柳瀬 信之; 磯部 博志*; 大貫 敏彦; I.S.Williams*; M.Zaw*; T.E.Payne*; P.L.Airey*
JAERI-Research 99-024, 52 Pages, 1999/03
オーストラリア・クンガラウラン鉱床において、ウランは地下水によって流され、風化生成物である鉄鉱物に濃集し二次鉱床を形成している。本研究では、二次鉱床におけるウランの地球化学的挙動のタイムスケールを調べることを目的とし、風化生成物中におけるウラン系列核種の放射能比を高感度・高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMP)により測定した。その結果、鉄鉱物からは系が放射平衡に達していることを示唆する1に近い値を得た。この値は、もし鉄鉱物が閉じた系であったとすれば、ウランが保持されてから少なくともおよそ百万年程度の年月が経過したことを示すものである。
柳瀬 信之; 松永 武; 天野 光; 磯部 博志; 佐藤 努
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Management and Environmental Remediation (ICEM'99)(CD-ROM), 6 Pages, 1999/00
チェルノブイル事故炉の周辺土壌中には多くのホットパーティクル(HP)が存在し、人へ放射線被曝を与える放射能汚染の源となっている。それゆえHPの性質と環境中での分布を明らかにすることは、HPから溶出した放射性核種の移行挙動の予測と汚染地域の除染を行ううえで重要である。そこでチェルノブイル周辺の土壌、フォールアウト試料及び河川や湖の浮遊物を採取し、トラック法、線スペクトロメトリー、選択的抽出法、X線回折法により分析した。土壌中では放射線核種の大部分は表層10cmに存在した。事故炉から北方の森林土壌ではHPを検出でき、土壌中放射能の半分以上がHPに存在した。一方、南方の土壌、フォールアウト試料及び河川の浮遊物ではHPを検出できなかった。これらの試料では放射線核種の大部分が有機物や鉱物に吸着していると考えられる。
大貫 敏彦; 香西 直文; 磯部 博志; 村上 隆*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋
Radiochimica Acta, 86(3-4), p.161 - 165, 1999/00
長石の変質過程におけるEu(III価のアクチノイドの代替)の挙動について検討した。実験では、長石の一種であるアルバイトと0.1mMのEu溶液を20、40、90、150及び210Cで10日間反応させ、変質鉱物の観察をSEM,EDXにより、鉱物中の元素の分布の測定を2.4MeV、HeRBSにより行った。その結果、Euはアルバイトにはほとんど吸着しないが、アルバイトの変質生成鉱物であるベーマイト(Al酸化水酸化物鉱物)に取りこまれることが明らかとなった。
磯部 博志
原子力バックエンド研究, 5(1), p.67 - 72, 1998/08
アクチノイド元素には、酸化還元環境によって異なる挙動を示すものがある。ウランは、酸化条件では6価となり高い溶解度を持つが、還元条件では4価となって溶解度は非常に低くなる。オーストラリア、クンガラ鉱床では一次鉱床と二次鉱床の間に酸化還元境界である遷移帯が存在する。そこでは、グラファイトや硫化鉱物が酸化還元状態に影響を与えている。遷移帯の試料を走査電子顕微鏡で観察した結果、黄鉄鉱の周囲やグラファイトと共存する脈の中に4価のウランを含む球状のウラニナイトやコフィナイトが観察された。これは、強い固定機構である還元による鉱物化が起こっていることの実例である。地下水データなどから計算すると、水中のウラニルイオンがすべて還元によって固定されている可能性がある。放射性廃棄物の地層処分においても、還元性の鉱物を含む緩衝材などによって、アクチノイド元素の鉱物化が起きる可能性がある。
飯田 芳久; 大貫 敏彦; 磯部 博志; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 吉田 英一*; 湯佐 泰久*
Journal of Contaminant Hydrology, 35, p.191 - 199, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:18.58(Environmental Sciences)変質過程での花崗岩中の希土類元素の移行挙動を解明するために、東濃ウラン鉱床を対象として、これまで岩石中の希土類元素の分布を研究してきた。試料は土岐花崗岩の変質・未変質部より採取した。希土類元素濃度は中性子放射化分析法により、鉱物相は粉末X線回折法及びSEMにより測定した。元素分析は、ICP発光分析法により行った。変質試料中では、未変質試料に比べ軽希土類元素濃度が高かった。変質・未変質試料中には、一般に希土類元素を含むとされる鉱物が観察されたが、変質試料中にのみCa,希土類元素の炭酸塩鉱物が見られた。変質試料中のCa,軽希土類元素濃度が高いことから、これらの元素が熱水によって移行し、炭酸塩鉱物として結晶化したと考えられる。
鈴木 洋平*; 村上 隆*; 小暮 敏博*; 磯部 博志; 佐藤 努
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 506, p.839 - 846, 1998/00
ウラニル鉱物はウランの壊変などに起因する性質やpH,Eh依存性などにより、それが形成した地球化学的条件や年代などの重要な情報をもたらす。本研究では、サレアイト(Mgウラニルリン酸塩)とメタトーバナイト(Cuウラニルリン酸塩)の形成過程に関する結晶化学的条件について報告する。サレアイトは、室温または30Cで湿度によって可逆的に水和と脱水が起こる。電顕観察によると、サレアイトとメタトーバナイトはそれぞれ独立に形成されたと思われる。結晶層間の水分子とMg,Cu間の距離は10%以下しか違わないが、局所的な構造の違いによりこれら2つの鉱物は別の層として形成し、複合層や固溶体を作らない。この結果から、他のウラニルリン酸塩についても同様に固溶体や複合層の形成は起こらないものと思われる。