Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
古澤 彰憲; 西村 昭彦; 武部 俊彦*; 中村 将輝*; 竹仲 佑介*; 西條 慎吾*; 中本 裕之*
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 9(2), p.44 - 51, 2017/08
本論文では、配管のレーザー突合せ溶接に対して超音波ガイド波検査法が適用可能であるかを調査する。10種類の異なる溶接条件で作成した突合せ溶接配管試験体に対して超音波ガイド波試験を行い、検査信号の解析を行った。励起した超音波ガイド波はTモードガイド波であって、その励起と受信にはEMATを使用した。試験で得られたガイド波信号を解析することで溶接不良部からのガイド波検出信号が明瞭に測定される一方、十分に溶け込んだ溶接部からは反射信号がなく、突合せ溶接された溶接部の状況とガイド波検出信号に相関があることを確認し、超音波ガイド波検査法はレーザー突合せ溶接に対して適用可能性があることを示した。
Awual, M. R.; Shenashen, M. A.*; 城 昭典*; 塩飽 秀啓; 矢板 毅
Journal of Industrial and Engineering Chemistry, 20(5), p.2840 - 2847, 2014/09
被引用回数:172 パーセンタイル:97.71(Chemistry, Multidisciplinary)We developed a potentially high performance adsorbent for sustainable treatment of soluble inorganic trace phosphate from water by zirconium(IV) loaded bifunctional fibers. In the presence of common chloride and sulfate, phosphate adsorption was not adversely affected but slightly enhanced due to coion and Donnan invasion mechanism. Trace phosphorus (0.0143 mM) was also removed in presence of relatively high amounts of competing anions at high feed flow rate. In competitive arsenate and phosphate adsorption, this novel adsorbent slightly preferred phosphate to arsenate. The adsorbent is reversible and keeps remaining functionality to further reuse in many cycles.
Awual, M. R.; Hossain, M. A.*; Shenashen, M. A.*; 矢板 毅; 鈴木 伸一; 城 昭典*
Environmental Science and Pollution Research, 20(1), p.421 - 430, 2013/01
被引用回数:184 パーセンタイル:97.03(Environmental Sciences)The weak-base adsorbents clarified that these are selective to arsenic(V) over competing of chloride, nitrate and sulfate anions. The solution pH played an important role in arsenic(V) removal and higher pH can cause lower adsorption capacities. Low concentration level of arsenic(V) also removed by these adsorbents even at high flow rate. Adsorbed arsenic(V) on adsorbents was quantitatively eluted with 1 M HCl acid and regenerated into hydrochloride form simultaneously for next adsorption operation after rinsing with water.
Awual, M. R.; Shenashen, M. A.*; 矢板 毅; 塩飽 秀啓; 城 昭典*
Water Research, 46(17), p.5541 - 5550, 2012/11
被引用回数:226 パーセンタイル:98.90(Engineering, Environmental)This study is an efficient arsenic(V) removal from contaminated waters used as drinking water in adsorption process by zirconium(IV) loaded ligand exchange fibrous adsorbent. The bifunctional fiber was synthesised by graft polymerization of chloromethylstyrene onto polyethylene coated polypropylene fiber by means of electron irradiation technique. The adsorption efficiency of ligand exchange adsorbent was evaluated in several parameters such as competing ions pH, flow rate, and high feed flow rate for removal process of trace concentration arsenic(V).
城 昭典*; 松浦 博孝*; 石崎 隼郎*; 瀬古 典明; 植木 悠二
JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 54, 2012/01
木材,藁などの植物細胞中に存在するキシロースは、糖尿病患者用甘味料(ブドウ糖代替品)あるいはキシリトール前駆体として、製薬,食品加工等の分野において幅広く利用されている。キシロースは、ホウ酸が近接シス型ジオールと可逆的に環状エステルを形成することが知られており、ホウ酸を不溶性高分子基体に固定化できれば、キシロースを回収可能な吸着剤を得られるものと期待される。そこで本研究では、放射線グラフト重合法によるポリオール型キシロース吸着繊維の合成を試みた。その結果、ホウ酸を有する4-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)と親水性付与剤(ノナエチレングリコールジメタクリレート(NEDM)、又は、メトキシノナエチレングリコールメタクリレート(MNEM))との共グラフト重合により、ポリオール型キシロース吸着繊維を合成することに成功した。最適グラフト重合条件下における、各吸着繊維の共グラフト率はVPBA-NEDM型では221%、VPBA-MNEM型では180%に達した(照射線量:200kGy,総モノマー濃度:80wt.%,モル比:VPBA/NEDM=3/1, VPBA/MNEM=3/1,反応温度:40C,反応時間:16時間)。また、本吸着繊維のキシロース吸着容量はVPBA-NEDM型では0.37mmol/g、VPBA-MNEM型では0.34mmol/gとなった。
郷 康弘*; 吉田 裕美*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
Proceedings of 2008 Conference on Ion Exchange Technology (IEX 2008), p.353 - 361, 2008/07
工業的規模のカラムで利用される樹脂の直径は、圧損を軽減するため0.5mm程度と大きく、この樹脂を充填したカラムに硝酸で汚染された水を空間速度(SV)1000h以上の高速で通液しても効率よく硝酸イオンを除去できない。そこで、SV3000h
程度の高速通液条件下でも硝酸イオンを迅速に補足可能な陰イオン交換繊維(FBDA)をクロロメチルスチレン(CMS)をグラフトした繊維にn-ブチルジメチルアミン(BDA)を導入して合成した。得られたFBDAの陰イオン交換容量は2.2meq/gであった。この湿潤FBDAを充填したカラムに、1mMの硝酸ナトリウム溶液をSV1000から3000h
で通液したところ、硝酸イオンの破過曲線はSVに依存せず良い一致を示した。そのときの破過容量は1.1mmol/gと一定であった。共存陰イオンとしての塩化物イオンと硫酸イオンの影響をSV1000h
で検討した。等モル並びに5倍モル濃度の塩化物イオンの共存下では、硝酸イオンの破過容量はそれぞれ0.83並びに0.48mmol/gとなった。一方、等モル濃度の硫酸イオンの共存下では0.43mmol/gとなった。以上の結果から、共存陰イオン濃度が河川水の平均濃度以下の場合には、14ppm程度の低濃度の硝酸イオン含有水を極めて迅速に浄化できることがわかった。
宮崎 格*; 坂根 仁*; 高山 寛和*; 笠石 昌史*; 東條 暁典*; 古田 昌孝*; 林 裕晃*; 末松 倫*; 楢崎 裕道*; 清水 俊明*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(6), p.481 - 486, 2008/06
被引用回数:6 パーセンタイル:38.49(Nuclear Science & Technology)N(n,
)
N反応で放出する主要
線の絶対強度を0.3
1.0%の精度で決定した。測定は、KURの中性子導管を用いて実施した。窒素のサンプルとしては、液体窒素及び重水置換メラミンを使用した。測定結果を従来の測定値と比較し、従来の測定データの問題点を指摘した。また、数MeV以上の
線エネルギーにおいて、
線検出効率の測定値とシミュレーションコードの計算結果に系統的な差の存在することを見いだし問題提起した。
Awual, Md. R.*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.422 - 427, 2007/10
ホスホン酸イオンとスルホン酸イオンの双方を交換基として有する二官能性陽イオン交換繊維にZr(IV)を担持して繊維状ヒ酸イオン吸着剤を調製した。この二官能性陽イオン交換繊維は前駆体繊維へホスホン酸基とスルホン酸基を導入して合成した。前駆体繊維はポリエチレン被覆ポリプロピレン繊維へクロロメチルスチレンとスチレンを共グラフト重合して得た。Zr(IV)を担持した繊維のヒ酸イオン吸着剤としての性能はカラム法によって評価した。Zr(IV)担持繊維を充填したカラムは0.016mM(1.2mg of As/dm)のヒ酸イオンを含む酸性溶液を流速200h
で通液した場合でもヒ酸イオンを除去できた。塩化物イオン,硝酸イオン並びに硫酸イオンのナトリウム塩はヒ酸イオンの吸着を妨害しないのみならず、ヒ酸イオンの吸着を10%程促進した。吸着されたヒ酸イオンは水酸化ナトリウムによって定量的に溶離された。
岡田 健治*; 瀬古 典明; 玉田 正男; 城 昭典*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 44, 2007/02
電子線前照射法により、クロロメチルスチレンとスチレンを共グラフト重合を行った後、ホスホン酸基とスルホン酸基を導入し、二官能性型吸着材を合成した。pH=1.8の酸性域において、鉄の吸着試験を行ったところ、一官能性の場合と比較して約40倍の破過容量を示した。これは、スルホン酸基が全pH範囲で解離するため、繊維がスルホン酸イオン間の反発により膨潤し、鉄の繊維内拡散が容易になるとともに、ホスホン酸基との錯形成において立体障害が減少できたことを示している。このことから、両官能基が金属イオン選択性に関与し、酸性領域においても吸着可能であることが明らかとなった。
城 昭典*; 柴田 良和*; 玉田 正男; 瀬古 典明; 片貝 秋雄
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 43, 2007/02
アミノメチルホスホン酸とスルホン酸基の2つの官能基をグラフト重合によりポリエチレン繊維に導入し、二官能性キレート繊維を合成した。0.01Mの亜鉛溶液を合成したキレート繊維を充填したカラムに流したところ、pH2においても、1000hの空間速度での破過特性は、50h
亜鉛の場合と変わらず、高速に亜鉛イオンを吸着できることがわかった。また、この場合の吸着容量は0.72-0.85mmol/g-吸着材で、吸着した亜鉛は1Mの塩酸で定量的に溶離可能であった。
城 昭典*; 岡田 健治*; 玉田 正男; 久米 民和; 須郷 高信; 田崎 正人*
Chemistry for the Protection of the Environment 4; Environmental Science Research, Vol. 59, p.49 - 62, 2005/00
ポリエチレンで被覆したポリプロピレン繊維にスチレンとクロロメチルスチレンを電子線前照射により共グラフト重合した後、Arbuzov反応によりクロロメチル部位へのホスホン酸エステルの導入,スチレン部位へのスルホン酸基の導入,濃塩酸によるホスホン基の加水分解を経て、ホスホン基とスルホン酸基を有する2官能性繊維の金属イオン交換繊維を合成した。比較の目的でホスホン酸基のみを有する単官能性繊維も合成した。2官能性の繊維の金属イオン選択性は、両官能基が金属イオン選択性に寄与することにより、スルホン基,ホスホン基のそれぞれを有する単官能性イオン交換体の中間的な特性を示すことがわかった。カラム法におけるPb(II)の吸着において2官能繊維は単官能性繊維より大きな漏出容量を示し、空間速度が900hまでは漏出曲線の形状は通液速度の影響を受けないことから、迅速な吸着特性があることが明らかとなった。
城 昭典*; Kugara, J.*; Trobradovic, H.*; 山部 和則*; 須郷 高信; 玉田 正男; 久米 民和
Industrial & Engineering Chemistry Research, 43(7), p.1599 - 1607, 2004/03
被引用回数:29 パーセンタイル:67.06(Engineering, Chemical)繊維状イミノジ酢酸キレート型陽イオン交換体はポリエチレンコートしたポリプロピレン単繊維とその不織布にポリクロロメチルスチレンを放射線グラフトした材料から合成した。得られた繊維状キレート材料の官能基密度と酸容量は単繊維と不織布でそれぞれ2mmol/gと4mmol/gであった。不織布材料を用いて二価のイオンの選択性を調べた結果、Mg(II)Ca(II)
Co(II)
Zn(II)
Cd(II)
Ni(II)
Pb(II)
Cu(II)の順になることがわかった。また、吸着容量はpH5でCa(II) 0.91mmol/g, Mg(II) 0.98mmol/g, Cd(II) 1.5mmol/g, Ni(II) 1.5mmol/g, Pb(II) 1.6mmol/g, Cu(II) 1.8mmol/gであった。三価のイオンではLa(III) 0.75mmol/g,Gd(III) 0.92mmol/g, Lu(III) 1.0mmol/gとなった。単繊維を用いたカラムモードでの評価では、Cu(II)について、破過容量は約1mmol/gで、空間速度が200~300h
まで変化が認められなかった。
城 昭典*; 岡田 健治*; 中尾 光弘*; 須郷 高信; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 14(Suppl.), p.69 - 72, 2003/00
ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘構造不織布にビニルビフェニールを放射線グラフトして作製した繊維をトリエチル亜リン酸,クロロスルホン酸,濃塩酸で処理し、二官能性のホスホン酸繊維(FVCPS-f)を得た。FVCPS-f中のホスホン基と硫黄の含有量はそれぞれ1.8と0.7mmol/gで酸容量は4.2meq/gであった。鉄(III)の破過容量は通液速度が空間速度で20hから1000h
まで増加するにつれて徐々に減少した。空間速度が1000h
のとき、吸着容量は0.12mmol/gであった。市販されているホスホン酸樹脂及びホスホン酸単独の繊維ではこのような高い空間速度では吸着容量の測定はできず、本研究で得た材料が極めて優れている。
Kugara, J.*; Trobradovic, H.*; 城 昭典*; 須郷 高信; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 14(Suppl.), p.77 - 80, 2003/00
クロロメチルスチレンを放射線グラフト重合したポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘構造不織布(12m)をイミノジ酢酸ジエチルと反応させ、機能化した。得られたイミノジ酢酸型キレート繊維(FIDA-f)の酸容量は4.3meq/gであった。FIDA-fカラムのコンディショニングpHの増加により、試料溶液の供給最大許流量は減少したが、鉛イオン(II)の破過曲線特性は800h
の空間速度まで変化は見られなかった。FIDA-fは5ppmの鉛イオン(II)濃度に調整した河川水から、定量的に鉛イオン(II)を400h
の空間速度で600ベッドボリューム除去できることを確認した。
滝 富弘; 長沼 政喜; 城 昭典*
動燃技報, (104), p.141 - 147, 1997/12
ヒ素、ニッケルを主成分とし、ウラン、モリブデン、鉄およびアルミニムを副成分とするウラン鉱石の浸出液から、ウラン、モリブデン、砒素ならびにニッケルを回収するためのホスホン酸型キレート樹脂(RCSP)を開発する目的でRCSPの金属イオン選択吸着性を検討した。その結果、ウランとモリブデンはほぼ理想的に分離できることがわかった。ウランとモリブデンを除去した後の浸出液にふくまれるニッケルは、イミノニ酢酸型キレート樹脂(DOWEXAI)によって回収でき、砒素は水素化鉄との共沈により容易に除去できることがわかった。
城 昭典*
PNC TJ6614 97-001, 30 Pages, 1997/03
前年度動燃事業団人形峠事業所において、本研究で提案したプロセスで製造されたイエローケーキ中に基準値以上のチタンが混入してくることが確認されたので、本年度はチタン混入の原因究明とその改善対策を最重要目標として研究を進めた。その結果、チタン(IV)はウラン(VI)より強くメチレンホスホン酸型樹脂(RCSP)に吸着されることが明らかになった。また、RCSPに吸着されたチタン(IV)は、溶離率が30-45%程度と低いものの、ウラン(VI)と同様に炭酸ナトリウムにより溶離されることもわかった。これらの結果により、チタン(IV)とウラン(VI)の性質は類似しており、必然的にチタンがウランに混入してくることがわかった。このためチタン(IV)とウラン(VI)の分別溶離法の開発が必要不可欠であると考え、チタン(IV)が過酸化水素-EDTAと安定な三元錯体を形成することに着目して、過酸化水素-EDTA溶液によるチタン(IV)の溶離を検討し、吸着されたチタン(IV)がほぼ定量的に溶離可能であることを認めた。つぎに、ウラン(VI)とチタン(IV)の分別溶離について検討した。チタン(IV)とウラン(VI)を負荷したRCSPカラムに、酢酸ナトリウム、過酸化水素-EDTA、炭酸ナトリウム、水、塩酸の順に通液した結果、チタン(IV)は過酸化水素-EDTAにより、ウラン(IV)は炭酸ナトリウムにより選択的に溶離され、チタン(IV)とウラン(VI)が分別溶離できることがわかった。ただし、チタン(IV)とウラン(VI)の混合系では各金属の溶離率が減少した。
松浦 博孝*; 森岡 佑介*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
クロロメチルスチレンとスチレンを共グラフトしたポリオレフィンから単官能性イミノ二酢酸型繊維(FCSI)及びイミノ二酢酸とスルホン酸を有する二官能性キレート繊維(FCSIS)を合成し、その金属イオン吸脱着特性を工業化学・環境化学・生化学などのさまざまな分野において重要な金属であるFe(III)についてカラム法により検討した。Fe(III)の動的吸脱着挙動を調べたところ、FCSIの方がFCSISよりFe(III)の漏出が早いことからFCSISの吸着特性の方が優れていることがわかった。次に、FCSISを用いてpH1.5の硝酸酸性溶液からのFe(III)吸着における流速依存性を検討した。空間速度(SV)を502000h
と変化させて通液したところ、通液速度の増加とともに5%漏出点が少しずつ減少したが、通常のイオン交換樹脂カラムの200倍に相当するSV 2000h
においても、5%漏出点までに0.178mmol/g-fiberの吸着量を示した。さらに、Ca(II), Mg(II), K(I)共存下におけるFe(III)の吸着について検討したところ、いずれの場合もFe(III)の吸着に対する阻害はほとんど認められず、Fe(III)の選択的な吸着が可能となった。Fe(III)の溶離は、6M HClを用いてSV 5h
で行った。回収率は、ほぼ100%であり、FCSIS繊維がイオン交換体として反復使用が可能であることが明らかになった。以上の結果から、FCSIS繊維は微量金属分析において、迅速で効率的な濃縮法へ応用できることが示唆された。
郷 康弘*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
クロロメチルスチレンをグラフトしたポリオレフィン繊維にジメチルアミノエタノールを導入して強塩基性陰イオン交換繊維(FCSA、陰イオン交換容量2.3mmol/g)を合成し、その硝酸イオンの高速除去に関する検討をカラム法で行った。カラムに1M塩酸を通液後、カラムを水洗して硝酸ナトリウムの1mM水溶液を通液し、硝酸イオンの吸着を行い、溶離は1M塩酸で行った。流出液のイオン組成はイオンクロマトグラフ法で求めた。空間速度(SV)6463260h
の範囲で通液して、硝酸イオンの破過曲線の速度依存性を検討した。硝酸イオンに対する破過容量は、カラムからの流出液中の硝酸イオン濃度(C)とカラムへの供給液中の硝酸イオン濃度(Co)の比(C/Co)が0.05となる5%破過点までに吸着された硝酸イオンのmmol/g(5%破過容量)として定義した。5%破過容量は、SV 646h
で1.5mmol/gであったが、通液速度の増加とともに緩慢に減少したものの、SV 3260h
の高速通液条件においても1.1mmol/gと、FCSAは迅速に硝酸イオンを吸着することがわかった。次に、天然水中の主要陰イオンである塩化物イオンと硫酸イオンの硝酸イオン吸着に及ぼす影響について検討した。硝酸イオンの5%破過点は共存陰イオンが存在しない場合、500mL程度であるが当量の塩化物イオン共存下では約250mLにまで減少した。共存陰イオンの妨害効果は硫酸イオンの方が大きかった。
大津 猛*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
ホスホン酸とスルホン酸を有する二官能性のイオン交換体(樹脂・繊維)の吸着性能は、両官能基のモル分率に比例する。今回は両官能基のモル分率が等しい二官能性陽イオン交換繊維(FCPS)の合成を目的として、クロロメチルスチレンをグラフトした繊維(FCMS)からFCPSを合成した。得られたFCPSのP含量は1.32mmol/g、S含量は1.53mmol/g、酸容量は4.35meq/gであり、これらの結果からホスホン酸基とスルホン酸基をほぼ等モル有する二官能性繊維の合成が可能となった。このFCPSをカラムに充填し、0.01M Ba(II)水溶液を空間速度(SV)503000h
で通液してBa(II)の吸着挙動を評価した。0.01M Ba(II)水溶液をSV 50, 500, 1000, 3000 h
で通液したところ、5%漏出点は14.6
16.8Bed Volumes(BV)で、5%漏出容量は0.483
0.558mmol/gであった。SV 50
3000h
では漏出曲線の形状が通液速度に依存しないことから、Ba(II)を迅速に吸着することが明らかになり、両官能基を等モル有するFCPSの吸着特性が明らかになった。また、吸着されたBa(II)は2 M塩酸で定量的に溶離されることからFCPSの繰返し使用も可能であり、事実、吸着と溶離を8回以上繰り返したが、吸脱着による吸着特性の低下は認められなかった。