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Koswattage, K.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 中川 和道*
Applied Surface Science, 258(4), p.1561 - 1564, 2011/12
被引用回数:6 パーセンタイル:29.25(Chemistry, Physical)窒化ホウ素(BN)からなるナノチューブは、カーボンナノチューブよりも優れた水素吸蔵能を持つ可能性が指摘されているため水素吸蔵材として興味深い候補であるが、水素吸着挙動については不明な点が多い。中でも最も基本的な疑問の一つに吸着サイト依存性がある。水素原子がB, Nサイトのどちらかに吸着するのか、それとも選択性を持たないのかについては多くの理論研究があるが矛盾する結果が報告されており、実験的な検証はほとんど行われていない。そこで本研究でわれわれは六方晶BN薄膜を直径無限大のナノチューブのモデル材料とみなし、光刺激イオン脱離分光法による水素の直接観測実験を行った。内殻励起後のイオン脱離はサイト選択的であるため、脱離水素イオンを検出することで水素の直接観測とサイト選択的測定の両立が期待できる。実験では不純物由来の水素と区別するため重水素原子を用いた。重水素化したBN薄膜にB及びNの吸収端領域のX線を照射し、検出されたDイオンの脱離収率スペクトルを測定した。B内殻励起ではD脱離収率が吸収端で明瞭に増加したが、N吸収端ではがほぼ一定な値を示した。この結果はBサイトへの優先的吸着を示唆している。
Koswattage, K.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 中川 和道*
Journal of Chemical Physics, 135(1), p.014706_1 - 014706_12, 2011/07
被引用回数:23 パーセンタイル:63.01(Chemistry, Physical)炭素同様ナノチューブ構造をとる窒化ホウ素(BN)は水素吸蔵材料として注目されている材料である。理論的には炭素材料よりも優れた水素吸着特性を持つとの報告もあるが、実験的な検証が十分行われていない。根本的な物性の一つである吸着サイト選択性を調べるためわれわれは六角網面を基調としたBNナノ材料のモデル系として六方晶BN薄膜に対して重水素原子を吸着させ、X線吸収分光法(NEXAFS)とX線分光法(XPS)を観測した。Ni(111)基板上にCVD法で作成したBN薄膜に対してWフィラメントで解離させた原子状重水素を反応させ、反応前後におけるNEXAFSとXPSスペクトルを測定した。その結果、NEXAFSスペクトルはB吸収端で水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、XPSスペクトルはB1sピークに新しい成分が観測された。われわれは密度汎関数法であるDVX分子軌道計算によりこれらのスペクトル変化を解析し、BN薄膜のBサイトに選択的に重水素が選択的に吸着したモデルによって実験結果を説明できることを明らかにした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 84(1), p.012006_1 - 012006_18, 2011/07
被引用回数:29 パーセンタイル:72.31(Astronomy & Astrophysics)重心エネルギー200GeVでの縦偏極陽子陽子衝突からのジェット生成のイベント構造と二重非対称()について報告する。光子と荷電粒子がPHENIX実験で測定され、イベント構造がPHYTIAイベント生成コードの結果と比較された。再構成されたジェットの生成率は2次までの摂動QCDの計算で十分再現される。測定されたは、一番低い横運動量で-0.00140.0037、一番高い横運動量で-0.01810.0282であった。このの結果を幾つかのの分布を仮定した理論予想と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:184 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:49.7(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 83(5), p.052004_1 - 052004_26, 2011/03
被引用回数:175 パーセンタイル:98.48(Astronomy & Astrophysics)RHIC-PHENIX実験で重心エネルギー200GeVの陽子陽子衝突からの, , と中間子生成の微分断面積を測定した。これらハドロンの横運動量分布のスペクトルの形はたった二つのパラメーター、、のTsallis分布関数でよく記述できる。これらのパラメーターはそれぞれ高い横運動量と低い横運動量の領域のスペクトルを決めている。これらの分布をフィットして得られた積分された不変断面積はこれまで測定されたデータ及び統計モデルの予言と一致している。
中川 義信*; Pooh, K. H.*; 古林 徹*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 松村 明*; 熊田 博明
Journal of Neuro-Oncology, 62(1), p.87 - 99, 2003/04
被引用回数:126 パーセンタイル:83.31(Oncology)ホウ素中性子捕捉療法は、選択的に悪性腫瘍に集まったホウ素と中性子との反応を使って悪性腫瘍のみを破壊する治療法である。1968年から183例の脳腫瘍の患者に対してBNCTを実施され、1978年から1997年にかけて日本で実施された105例の患者に対して事後評価を行った。新しいプロトコルでは、腫瘍細胞に対して最小線量を15Gy(物理線量)照射、もしくはターゲット領域に対して18Gy照射を行った。また最大血管線量は15Gy以下とし、線量は10Gy以下とした。このプロトコルに基づいて熱-熱外中性子ビーム混合ビームを使って治療した10例の結果について報告する。
中川 義信*; Pooh, K. H.*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 古林 徹*; 桜井 良憲*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 熊田 博明
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1113 - 1116, 2002/09
高グレードのグリオーマ患者に対して熱外中性子ビームを用いた中性子捕捉療法を実行するための新しいプロトコルを作成するため、これまで実施されたBNCTの照射線量,組織学的腫瘍度数及び臨床結果の相関について解明した。1968から183例の脳腫瘍患者に対して実施されたBNCTのうち、1978年から1997年の間に実施した脳腫瘍患者105例の患者に対して回顧的な研究を行った。放射線的影響については、1977年から2001までに実施された159例全員に対して解析を行った。グリオブラストーマの10例の患者に対しては、熱外中性子ビームを使った新しいプロトコルに基づいて治療が行われた。
松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 松下 明*; 中井 啓一*; 山田 隆*; 高野 晋吾*; 水谷 太郎*; et al.
Proceedings of 9th International Symposium on Neutron Capture Therapy for Cancer, p.29 - 30, 2000/10
1999年10月から新しいBNCT試験は術中BNCTの状態で混合熱-熱外ビームを用いてJRR-4医療照射設備で開始された。これまでに5名の患者はこの試験に参加した。最大表面B(n,)線量は第一グループにおいて正常脳内10.4Gyと計画され、重大な障害がなければ13Gyへ10%の線量増加を行う。すべての患者は明白な腫瘍の可能性となく、1~7ヶ月間の観察中であるが存命している。しかし過剰線量を受けた放射線損傷の1例がある。ほかには軽い脳神経障害が2例観察された(1例は脳神経麻痺、1例は構語障害)。純熱ビームモードと比較するとIOBNCTでのTMIの強い浸透度と2次線のために注意深く線量増加は計画されるべきである。(構語障害とは少し喋りづらい症状で、ろれつがまわりにくいようなものである。)
菊池 満; 関 泰; K. Nakagawa*
Fusion Engineering and Design, 48(3-4), p.265 - 270, 2000/09
被引用回数:20 パーセンタイル:76.46(Nuclear Science & Technology)核融合炉の実用化条件の観点から、トカマク型商用炉に必要となる条件を列挙し、その中でも特に、経済性改善を図るために、トカマク炉の改良を行った。1990年に概念検討を行ったSSTR(定常トカマク炉)をベースに、さらなるコンパクト化、簡素化、高磁界化を進めた。本論文では、中性子壁負荷の削減、プラズマ条件の緩和、熱効率の向上、遮蔽評価等について論ずる。
Tsintsadze, L. N.; 田島 俊樹; 西川 恭治*; Koga, J. K.; 中川 圭介*; 岸本 泰明
Physica Scripta, T84, p.94 - 97, 2000/04
被引用回数:5 パーセンタイル:42.52(Physics, Multidisciplinary)広域スペクトル相対論的高強度レーザーパルスによる低周波電磁波放射並びに準静的磁場生成の新しい機構について報告を行う。低周波電磁波の放射機構は等方一様プラズマにおける光子ガスの変調及びフィラメント不安定性によることを明らかにした。準静的磁場生成については、レーザーパルスの伝播中における極端な変形が関与していることも見いだした。この新しい物理機構について、高強度(10I10W/cm)レーザーパルスの2次元PICシミュレーションによる確認も行った。
鍋島 邦彦; Tuerkcan, E.*; 鈴土 知明; 中川 繁昭; 井上 浩司*; 大野 富生*; 工藤 和彦*; 鈴木 勝男
Proc. of Human-Computer Interaction International'99, 2, p.1187 - 1191, 1999/00
ニューラルネットワークとエキスパートシステムを組み合わせたハイブリッド監視システムを開発し、高温ガス冷却炉HTTRに適用する。本監視システムは、フィードバック結合を持つカレントニューラルネットワークを用いて原子炉の動特性モデルを構築することにより、微小な異常兆候を早期に検知し、このネットワーク出力と運転員からのプラント情報を基にエキスパートシステムで異常を診断する。また、マンマシンインターフェイスを考慮し、運転員支援のための適切な表示も行う。これまでに、動特性解析コードACORDを利用して、正常運転及びいくつかの異常事象のシミュレーションデータを作成し、監視システムの性能評価を行った。その結果、このシステムがHTTRの異常検知・診断にも有効であることが明らかになった。
H.O.Menlove*; M.E.Abhold*; D.H.Beddingfield*; K.E.Kroncke*; J.Baca*; 中川 繁昭
LA-13421-M, p.1 - 49, 1998/06
本報は、HTTRの使用済燃料フローモニター(HTTR Door Valve Monitor System、以下HDVMと呼ぶ。)の設計仕様、性能、使用中の特性及び校正方法について示したものである。HDVMはHTTRのドアバルブに取り付けられ、ドアバルブを通過する使用済燃料の移動を自動的に検知する機能を有している。HDVMは、使用済燃料の移動方向を検知するため及び冗長性を持たせるため、1対の検出装置から構成される。それぞれの検出装置には2つの電離箱と1つのHe-3計数管が収められている。使用済燃料からの線は電離箱により、また、中性子はHe-3計数管により検出される。電離箱とHe-3計数管の電源は、GRANDと呼ばれるエレクトロニクスから供給され、使用済燃料の移動に関するデータはGRANDとコンピュータに収集される。HDVMは、査察官によるデータ収集の間隔である90日間自動的に使用済燃料の移動を監視し、その間のデータを保存できるように設計されている。
神野 健二*; 中川 啓*; 細川 土佐男*; 畑中 耕一郎; 井尻 裕二*; 亘 真吾; Webb, E. K.*; 金澤 康夫*; 内田 雅大
PNC TY1606 97-001, 44 Pages, 1997/03
高レベル放射性廃棄物地層処分システムの核種移行評価上の重要パラメータとして分散係数がある。分散係数は平均的な流速からの変動成分により運ばれるフラックスが濃度勾配に比例すると仮定した場合の比例係数であるので、流速の関数として表される。また、媒体の幾何学的特徴に応じて、分散の効果が異なってくるので幾何学的特徴を代表とする特徴的な長さ(分散率)の関数でもある。分散率は地層の不均質な構造による影響を受けてスケール依存性を示す。したがって、分散係数が定義できる代表的な体積要素およびそのスケールに応じた適切な分散率を設定することは核種移行評価における重要な課題となっている。このため動燃では、多孔質媒体水理試験設備(MACRO)を製作し、試験を行い、不均質場での分散現象の解明に取り組んでいる。MACRO試験では、粒形の異なる数種類のガラスビーズを用いた不均質な透水係数場を人工的に作成し、通水試験とトレーサ試験を行うことができる。本研究では、MACRO試験で得られるデータを用いて、動燃保有の解析モデル/手法と九州大学保有のモデル/手法を相互比較することによってこれらのモデルの特性や適用性を検討した。動燃では、物質移動について粒子追跡法およびオイラリアンーラグランジアン法を用いた。九州大学では、特性曲線法を用いた。本共同研究により、動燃保有の粒子追跡法を適用した物質移動モデルはメッシュ分割、粒子数に解の精度が依存するため使用にあたっては注意が必要であることが分かった。特性曲線法を適用したモデルについては比較的精度良く物質移動現象を評価可能であることを確認した。また、不均質透水係数場において水理計算を行う場合、有限差分法と有限要素法では結果に差が生じる可能性があることが示された。
Kosuwattage, K.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 中川 和道*
no journal, ,
ナノチューブに代表されるようにB, C, Nの軽元素からなるナノ構造は他の水素吸蔵材の候補として精力的に研究が行われているが、試料の質(欠陥や不純物)に大きく依存するため、材料本来の水素吸蔵能については意見が分かれている。また、物理吸着と化学吸着でも吸蔵量は大きく異なるため定量的な議論は十分行われていない。そこでわれわれはこれらの材料の最も基本構造であるグラファイトと六方晶窒化ホウ素(h-BN)のエピタキシャル薄膜を用いることで両者の定量的な比較を試みた。それぞれのエピタキシャル薄膜をNi(111)基板上にCVD法で作成し、Wホットフィラメントを用いた原子状水素による水素化前後での電子状態の変化を光電子分光法で調べた。スペクトルは照射時間に依存して低結合エネルギー側へのシフトとスペクトル形状の変化を示した。われわれはピーク形状の変化が水素化による化学シフトを反映していると考え、ピークフィッティング解析により両者の水素化率の比較を行い、h-BNの方がグラファイトよりも約2倍水素化されやすいという予備的な結果を得た。この結果はBN材料が炭素材料よりも優れた水素吸蔵材となりうる可能性を示唆している。
Koswattage, K.; 下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 中川 和道*
no journal, ,
窒化ホウ素(BN)は炭素同様ナノチューブ構造をとることと、炭素材料よりも大きな水素との相互作用により水素吸蔵材料として注目されている。近年、原子状水素の化学吸着を用いた室温での水素吸蔵がカーボンナノチューブに対して提案されており、この手法はBNナノチューブについても有効な興味深いものであるが、試料合成の難しさからBNナノ材料と水素との相互作用に関する実験的な研究は十分に行われていない。そこで本研究では直径無限大のナノチューブのモデル系としてBN薄膜を用い、原子状重水素との相互作用をX線吸収分光法(NEXAFS)により調べた。実験はKEKの放射光施設で行った。800Cに加熱したNi(111)清浄表面にボラジンガスを曝露してBN薄膜を形成し、Wフィラメントで解離させた原子状重水素との反応前後におけるNEXAFSスペクトルを測定した。その結果、B吸収端では重水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。われわれはこの結果を密度汎関数計算により解析し、BN材料のBサイトへの原子状水素の選択的吸着を明らかにした。
Koswattage, K.; 下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 中川 和道*
no journal, ,
窒化ホウ素(BN)は炭素同様ナノチューブ構造をとるため水素吸蔵材料としての応用が提案されている。理論的には炭素材料よりも優れた水素吸着特性を持つとの報告もあるが、試料合成の問題により実験的にはまだ検証が十分行われていない。われわれは六角網面を基調としたBNナノ材料のモデル系として六方晶BN薄膜に対して重水素原子を吸着させ、その吸着特性をX線吸収分光法(NEXAFS)とX線分光法(XPS)により調べた。Ni(111)基板上にCVD法で作成したBN薄膜に対してWフィラメントで解離させた原子状重水素を反応させ、反応前後におけるNEXAFSとXPSスペクトルを測定した。その結果、NEXAFSスペクトルはB吸収端で水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、XPSスペクトルはB1sピークに新しい成分が観測された。われわれは密度汎関数法であるDVX分子軌道計算によりこれらのスペクトル変化を解析し、BN薄膜のBサイトに選択的に重水素が選択的に吸着したモデルによって実験結果を説明できることを明らかにした。
Koswattage, K.; 下山 巖; 関口 哲弘; 中川 和道*
no journal, ,
窒化ホウ素(BN)は炭素同様ナノチューブ構造をとるため水素吸蔵材料としての応用が提案されている。理論的には炭素材料よりも優れた水素吸着特性を持つとの報告もあるが、試料合成の問題により実験的にはまだ検証が十分行われていない。われわれは六角網面を基調としたBNナノ材料のモデル系として六方晶BN薄膜に対して重水素原子を吸着させ、その吸着特性をX線吸収分光法(NEXAFS)とX線分光法(XPS)により調べた。Ni(111)基板上にCVD法で作成したBN薄膜に対してWフィラメントで解離させた原子状重水素を反応させ、反応前後におけるNEXAFSとXPSスペクトルを測定した。その結果、NEXAFSスペクトルはB吸収端で水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、XPSスペクトルはB1sピークに新しい成分が観測された。われわれは密度汎関数法であるDVX分子軌道計算によりこれらのスペクトル変化を解析し、BN薄膜のBサイトに選択的に重水素が選択的に吸着したモデルによって実験結果を説明できることを明らかにした。
Koswattage, K.; 下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 中川 和道*
no journal, ,
ナノチューブを始めとした窒化ホウ素(BN)ナノ材料は炭素材料とともに水素吸蔵材料として注目されている。近年、原子状水素の化学吸着を用いた室温での水素吸蔵がカーボンナノチューブに対して提案されており、BNナノ材料についても有効な興味深いものであるが、試料合成の難しさからBNナノ材料と水素との相互作用に関する研究は十分に行われていない。そこで本研究ではナノチューブのモデル系として六方晶BN薄膜を用い、原子状重水素との相互作用をX線吸収(NEXAFS)分光法により調べた。800Cに加熱したNi(111)清浄表面にボラジンガスを曝露してBN薄膜を形成し、原子状重水素の吸着前後におけるNEXAFSスペクトルを測定した。その結果、B吸収端では重水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、X線による水素の直接観測を行うため光刺激イオン脱離(PSID)分光法を用い、Bサイト励起においてDイオンの脱離が促進されることを明らかにした。これらの結果によりわれわれはBN上で原子状重水素がBサイトに選択的に吸着していると結論した。
Koswattage, K.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 中川 和道*
no journal, ,
窒化ホウ素(BN)は炭素同様ナノチューブ構造をとるため水素吸蔵材料としての応用が提案されている。理論的には炭素材料よりも優れた水素吸着特性を持つとの報告もあるが、試料合成の問題により実験的にはまだ検証が十分行われていない。われわれは六角網面を基調としたBNナノ材料のモデル系として六方晶BN薄膜に対して重水素原子を吸着させ、その吸着特性をX線吸収分光法(NEXAFS)とX線分光法(XPS)により調べた。Ni(111)基板上にCVD法で作成したBN薄膜に対してWフィラメントで解離させた原子状重水素を反応させ、反応前後におけるNEXAFSとXPSスペクトルを測定した。その結果、NEXAFSスペクトルはB吸収端で水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、XPSスペクトルはB1sピークに新しい成分が観測された。われわれは密度汎関数法であるDVX分子軌道計算によりこれらのスペクトル変化を解析し、BN薄膜のBサイトに選択的に重水素が選択的に吸着したモデルによって実験結果を説明できることを明らかにした。