Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Murmiliuk, A.*; 岩瀬 裕希*; Kang, J.-J.*; Mohanakumar, S.*; Appavou, M.-S.*; Wood, K.*; Almsy, L.*; Len, A.*; Schw
rzer, K.*; Allgaier, J.*; et al.
Journal of Colloid and Interface Science, 665, p.801 - 813, 2024/07
被引用回数:6 パーセンタイル:74.56(Chemistry, Physical)タンパク質の構造は複雑であるため、形成されたナノ粒子の特性を予測・調整する能力は限られている。我々の研究の目標は、タンパク質とイオン性薬物とのブロック共重合体によって形成される複合体を系統的に研究することにより、タンパク質/PE複合体における形態転移の主要な引き金を解明し、カプセル化効果を評価し、粒子の安定性を評価することである。我々は、PEと中性親水性ブロックからなる共重合体が、タンパク質の等電点に近いpH値でインスリンと共集合することを示した。粒子内のインスリンの配置は、タンパク質分子間の静電気力によって制御され、形成された粒子の形態は、pHとイオン強度を変化させることによって調整することができる。
Koswattage, K.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 中川 和道*
Applied Surface Science, 258(4), p.1561 - 1564, 2011/12
被引用回数:6 パーセンタイル:27.73(Chemistry, Physical)窒化ホウ素(BN)からなるナノチューブは、カーボンナノチューブよりも優れた水素吸蔵能を持つ可能性が指摘されているため水素吸蔵材として興味深い候補であるが、水素吸着挙動については不明な点が多い。中でも最も基本的な疑問の一つに吸着サイト依存性がある。水素原子がB, Nサイトのどちらかに吸着するのか、それとも選択性を持たないのかについては多くの理論研究があるが矛盾する結果が報告されており、実験的な検証はほとんど行われていない。そこで本研究でわれわれは六方晶BN薄膜を直径無限大のナノチューブのモデル材料とみなし、光刺激イオン脱離分光法による水素の直接観測実験を行った。内殻励起後のイオン脱離はサイト選択的であるため、脱離水素イオンを検出することで水素の直接観測とサイト選択的測定の両立が期待できる。実験では不純物由来の水素と区別するため重水素原子を用いた。重水素化したBN薄膜にB及びNの吸収端領域のX線を照射し、検出されたDイオンの脱離収率スペクトルを測定した。B内殻励起ではD
脱離収率
が吸収端で明瞭に増加したが、N吸収端では
がほぼ一定な値を示した。この結果はBサイトへの優先的吸着を示唆している。
Koswattage, K.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 中川 和道*
Journal of Chemical Physics, 135(1), p.014706_1 - 014706_12, 2011/07
被引用回数:25 パーセンタイル:63.98(Chemistry, Physical)炭素同様ナノチューブ構造をとる窒化ホウ素(BN)は水素吸蔵材料として注目されている材料である。理論的には炭素材料よりも優れた水素吸着特性を持つとの報告もあるが、実験的な検証が十分行われていない。根本的な物性の一つである吸着サイト選択性を調べるためわれわれは六角網面を基調としたBNナノ材料のモデル系として六方晶BN薄膜に対して重水素原子を吸着させ、X線吸収分光法(NEXAFS)とX線分光法(XPS)を観測した。Ni(111)基板上にCVD法で作成したBN薄膜に対してWフィラメントで解離させた原子状重水素を反応させ、反応前後におけるNEXAFSとXPSスペクトルを測定した。その結果、NEXAFSスペクトルはB吸収端で水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、XPSスペクトルはB1sピークに新しい成分が観測された。われわれは密度汎関数法であるDVX分子軌道計算によりこれらのスペクトル変化を解析し、BN薄膜のBサイトに選択的に重水素が選択的に吸着したモデルによって実験結果を説明できることを明らかにした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 84(1), p.012006_1 - 012006_18, 2011/07
被引用回数:33 パーセンタイル:75.18(Astronomy & Astrophysics)重心エネルギー200GeVでの縦偏極陽子陽子衝突からのジェット生成のイベント構造と二重非対称()について報告する。光子と荷電粒子がPHENIX実験で測定され、イベント構造がPHYTIAイベント生成コードの結果と比較された。再構成されたジェットの生成率は2次までの摂動QCDの計算で十分再現される。測定された
は、一番低い横運動量で-0.0014
0.0037、一番高い横運動量で-0.0181
0.0282であった。この
の結果を幾つかの
の分布を仮定した理論予想と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:193 パーセンタイル:99.41(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:10 パーセンタイル:54.53(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 83(5), p.052004_1 - 052004_26, 2011/03
被引用回数:181 パーセンタイル:98.32(Astronomy & Astrophysics)RHIC-PHENIX実験で重心エネルギー200GeVの陽子陽子衝突からの,
,
と
中間子生成の微分断面積を測定した。これらハドロンの横運動量分布のスペクトルの形はたった二つのパラメーター、
、のTsallis分布関数でよく記述できる。これらのパラメーターはそれぞれ高い横運動量と低い横運動量の領域のスペクトルを決めている。これらの分布をフィットして得られた積分された不変断面積はこれまで測定されたデータ及び統計モデルの予言と一致している。
中川 義信*; Pooh, K. H.*; 古林 徹*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 松村 明*; 熊田 博明
Journal of Neuro-Oncology, 62(1), p.87 - 99, 2003/04
被引用回数:135 パーセンタイル:83.59(Oncology)ホウ素中性子捕捉療法は、選択的に悪性腫瘍に集まったホウ素と中性子との反応を使って悪性腫瘍のみを破壊する治療法である。1968年から183例の脳腫瘍の患者に対してBNCTを実施され、1978年から1997年にかけて日本で実施された105例の患者に対して事後評価を行った。新しいプロトコルでは、腫瘍細胞に対して最小線量を15Gy(物理線量)照射、もしくはターゲット領域に対して18Gy照射を行った。また最大血管線量は15Gy以下とし、線量は10Gy以下とした。このプロトコルに基づいて熱-熱外中性子ビーム混合ビームを使って治療した10例の結果について報告する。
中川 義信*; Pooh, K. H.*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 古林 徹*; 桜井 良憲*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 熊田 博明
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1113 - 1116, 2002/09
高グレードのグリオーマ患者に対して熱外中性子ビームを用いた中性子捕捉療法を実行するための新しいプロトコルを作成するため、これまで実施されたBNCTの照射線量,組織学的腫瘍度数及び臨床結果の相関について解明した。1968から183例の脳腫瘍患者に対して実施されたBNCTのうち、1978年から1997年の間に実施した脳腫瘍患者105例の患者に対して回顧的な研究を行った。放射線的影響については、1977年から2001までに実施された159例全員に対して解析を行った。グリオブラストーマの10例の患者に対しては、熱外中性子ビームを使った新しいプロトコルに基づいて治療が行われた。
松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 松下 明*; 中井 啓一*; 山田 隆*; 高野 晋吾*; 水谷 太郎*; et al.
Proceedings of 9th International Symposium on Neutron Capture Therapy for Cancer, p.29 - 30, 2000/10
1999年10月から新しいBNCT試験は術中BNCTの状態で混合熱-熱外ビームを用いてJRR-4医療照射設備で開始された。これまでに5名の患者はこの試験に参加した。最大表面B(n,)線量は第一グループにおいて正常脳内10.4Gyと計画され、重大な障害がなければ13Gyへ10%の線量増加を行う。すべての患者は明白な腫瘍の可能性となく、1~7ヶ月間の観察中であるが存命している。しかし過剰線量を受けた放射線損傷の1例がある。ほかには軽い脳神経障害が2例観察された(1例は脳神経麻痺、1例は構語障害)。純熱ビームモードと比較するとIOBNCTでのTMIの強い浸透度と2次
線のために注意深く線量増加は計画されるべきである。(構語障害とは少し喋りづらい症状で、ろれつがまわりにくいようなものである。)
菊池 満; 関 泰; K. Nakagawa*
Fusion Engineering and Design, 48(3-4), p.265 - 270, 2000/09
被引用回数:22 パーセンタイル:77.85(Nuclear Science & Technology)核融合炉の実用化条件の観点から、トカマク型商用炉に必要となる条件を列挙し、その中でも特に、経済性改善を図るために、トカマク炉の改良を行った。1990年に概念検討を行ったSSTR(定常トカマク炉)をベースに、さらなるコンパクト化、簡素化、高磁界化を進めた。本論文では、中性子壁負荷の削減、プラズマ条件の緩和、熱効率の向上、遮蔽評価等について論ずる。
Tsintsadze, L. N.; 田島 俊樹; 西川 恭治*; Koga, J. K.; 中川 圭介*; 岸本 泰明
Physica Scripta, T84, p.94 - 97, 2000/04
被引用回数:6 パーセンタイル:46.15(Physics, Multidisciplinary)広域スペクトル相対論的高強度レーザーパルスによる低周波電磁波放射並びに準静的磁場生成の新しい機構について報告を行う。低周波電磁波の放射機構は等方一様プラズマにおける光子ガスの変調及びフィラメント不安定性によることを明らかにした。準静的磁場生成については、レーザーパルスの伝播中における極端な変形が関与していることも見いだした。この新しい物理機構について、高強度(10I
10
W/cm
)レーザーパルスの2次元PICシミュレーションによる確認も行った。
鍋島 邦彦; Tuerkcan, E.*; 鈴土 知明; 中川 繁昭; 井上 浩司*; 大野 富生*; 工藤 和彦*; 鈴木 勝男
Proc. of Human-Computer Interaction International'99, 2, p.1187 - 1191, 1999/00
ニューラルネットワークとエキスパートシステムを組み合わせたハイブリッド監視システムを開発し、高温ガス冷却炉HTTRに適用する。本監視システムは、フィードバック結合を持つカレントニューラルネットワークを用いて原子炉の動特性モデルを構築することにより、微小な異常兆候を早期に検知し、このネットワーク出力と運転員からのプラント情報を基にエキスパートシステムで異常を診断する。また、マンマシンインターフェイスを考慮し、運転員支援のための適切な表示も行う。これまでに、動特性解析コードACORDを利用して、正常運転及びいくつかの異常事象のシミュレーションデータを作成し、監視システムの性能評価を行った。その結果、このシステムがHTTRの異常検知・診断にも有効であることが明らかになった。
H.O.Menlove*; M.E.Abhold*; D.H.Beddingfield*; K.E.Kroncke*; J.Baca*; 中川 繁昭
LA-13421-M, p.1 - 49, 1998/06
本報は、HTTRの使用済燃料フローモニター(HTTR Door Valve Monitor System、以下HDVMと呼ぶ。)の設計仕様、性能、使用中の特性及び校正方法について示したものである。HDVMはHTTRのドアバルブに取り付けられ、ドアバルブを通過する使用済燃料の移動を自動的に検知する機能を有している。HDVMは、使用済燃料の移動方向を検知するため及び冗長性を持たせるため、1対の検出装置から構成される。それぞれの検出装置には2つの電離箱と1つのHe-3計数管が収められている。使用済燃料からの線は電離箱により、また、中性子はHe-3計数管により検出される。電離箱とHe-3計数管の電源は、GRANDと呼ばれるエレクトロニクスから供給され、使用済燃料の移動に関するデータはGRANDとコンピュータに収集される。HDVMは、査察官によるデータ収集の間隔である90日間自動的に使用済燃料の移動を監視し、その間のデータを保存できるように設計されている。
神野 健二*; 中川 啓*; 細川 土佐男*; 畑中 耕一郎; 井尻 裕二*; 亘 真吾; Webb, E. K.*; 金澤 康夫*; 内田 雅大
PNC TY1606 97-001, 44 Pages, 1997/03
高レベル放射性廃棄物地層処分システムの核種移行評価上の重要パラメータとして分散係数がある。分散係数は平均的な流速からの変動成分により運ばれるフラックスが濃度勾配に比例すると仮定した場合の比例係数であるので、流速の関数として表される。また、媒体の幾何学的特徴に応じて、分散の効果が異なってくるので幾何学的特徴を代表とする特徴的な長さ(分散率)の関数でもある。分散率は地層の不均質な構造による影響を受けてスケール依存性を示す。したがって、分散係数が定義できる代表的な体積要素およびそのスケールに応じた適切な分散率を設定することは核種移行評価における重要な課題となっている。このため動燃では、多孔質媒体水理試験設備(MACRO)を製作し、試験を行い、不均質場での分散現象の解明に取り組んでいる。MACRO試験では、粒形の異なる数種類のガラスビーズを用いた不均質な透水係数場を人工的に作成し、通水試験とトレーサ試験を行うことができる。本研究では、MACRO試験で得られるデータを用いて、動燃保有の解析モデル/手法と九州大学保有のモデル/手法を相互比較することによってこれらのモデルの特性や適用性を検討した。動燃では、物質移動について粒子追跡法およびオイラリアンーラグランジアン法を用いた。九州大学では、特性曲線法を用いた。本共同研究により、動燃保有の粒子追跡法を適用した物質移動モデルはメッシュ分割、粒子数に解の精度が依存するため使用にあたっては注意が必要であることが分かった。特性曲線法を適用したモデルについては比較的精度良く物質移動現象を評価可能であることを確認した。また、不均質透水係数場において水理計算を行う場合、有限差分法と有限要素法では結果に差が生じる可能性があることが示された。
今野 力; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 山口 誠哉; 津田 孝一; 小迫 和明*; 前川 洋; 中川 正幸; 森 貴正; 中村 知夫; et al.
Fusion Technology, 28(2), p.273 - 295, 1995/09
核融合炉ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の第2段階として、閉鎖ブランケット体系を用いた中性子工学実験を行った。基本となる実験体系は、ブランケット試験領域へ入射する中性子スペクトルを実際の核融合炉のものに近づけるため、D-T中性子源とブランケット試験領域である酸化リチウム層を炭酸リチウム層で囲んだもので、試験領域内のトリチウム生成率、放射化反応率、中性子スペクトルを測定した。更に、基本体系の試験領域及びその対向側へベリリウムの中性子増倍層を設置した5体系についても実験を行い、基本体系の実験データとの比較から、ベリリウムでの中性子増倍、反射の効果を明らかにした。JENDL-3/PR1,PR2を用いたDOT3.5によって実験の解析を行い、ベリリウム層の近傍を除いて、10%以内で実験を再現できることがわかった。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 山口 誠哉; 津田 孝一; 小迫 和明*; 前川 洋; 中川 正幸; 森 貴正; 中村 知夫; et al.
Fusion Technology, 28(1), p.216 - 235, 1995/08
核融合炉ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOEとの協力計画のフェーズIICとして2種類の非均質ブランケットについて中性子工学実験を行った。実験体系は炭酸リチウムで中性子源を取囲んだ先のフェーズIIA実験と同じ形状である。典型的な非均質体系としてベリリウム多層体系と水冷却体系を選んだ。これらは物質境界で大きな中性子束勾配やスペクトル変化を与え、そこでの計算精度や測定法を調べることが目的である。測定ではボイド効果は低エネルギーに感度のある検出器に対し非均質な領域では無視できないことがわかった。また、ベリリウムや水の近傍で大きなトリチウム生成の増加が見られ、モンテカルロ計算はそのような境界でも良い一致を示した。
中川 正幸; 小迫 和明*; 森 貴正; 大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 山口 誠哉*; 津田 孝一*; 前川 洋; 中村 知夫*; et al.
JAERI-M 92-183, 106 Pages, 1992/12
核融合中性子工学に関する原研/米国エネルギー省協力研究のフェイズIIC実験ではいくつかのブランケット設計にみられる実際的な非均質性をもつブランケットについての積分実験と計算解析が行われた。二つの配置、即ち酸化リチウムとベリリウムの多層系(BEO)および水冷却チャンネル(WCC)体系が採用された。実験の目的は非均質構造周辺てのトリチウム生成率等の予測精度を調べることで、MORSE-DDとMCNPコードが両体系に、DOT3.5/GRTONCLとDOT5.1/RUFFコードがWCC体系に適用された。BEO体系実験では領域別トリチウム生成率の測定値に対して、計算との比(C/E)が原研が0.95-1.05米国が0.98-0.9であり、これまでの実験の傾向と一致した。WCC体系実験ではリチウム6によるトリチウム生成率のC/Eが水冷却チャンネルの周辺で著しく変化した。NE213によって求めたリチウム7によるトリチウム生成率では米国が20-25%大きく、用いた両国の核データの差に原因がある。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 山口 誠哉*; 津田 孝一*; 前川 洋; 中村 知夫*; 小迫 和明*; 中川 正幸; 森 貴正; et al.
JAERI-M 92-182, 151 Pages, 1992/12
原研と米国エネルギー省との間の協定に基づく核融合ブランケット中性子工学に関する協力計画のフェイズIICの実験として2種類の非均質ブランケットについて中性子工学実験を実施した。実験配置はフェイズIIA実験と同様に中性子源を炭酸リチウムの包囲層で囲んだ閉鎖体系を用いた。選択した非均質体系はベリリウム多層体系と水冷却チャネルを含む体系である。前者はベリリウムと酸化リチウム層を交互に重ねた体系で、後者は酸化リチウム内に三つの冷却チャンネルを設けた体系である。これらの体系は中性子束の急激な変化を物質境界で発生し、そこでの計算精度と測定手法がこの実験の主要点である。測定はこれまでの実験と同様トリチウム生成率等の核パラメータに対して行われた。本報告書では核融合炉核設計の計算手法と核データの試験のためのベンチマークデータとして用いるに充分な実験の詳細と結果を述べる。
相沢 静男; 伊藤 正泰; 田口 剛俊; 中川 哲也; Lee, H.-K.*
no journal, ,
これまでに日韓協定において、原子力安全に関する事項として照射後試験技術の開発における原子力機構と韓国原子力研究所の間で照射済キャプセルの再利用技術等のホット試験技術、最新の照射研究に不可欠なナノレベル分析技術、遠隔測定技術等について技術情報の交流を行ってきた。その中で、プログラム18(Program 18: Post Irradiation Examination and Evaluation Technique of Irradiated Materials)の一環として、韓国原子力研究所と原子力機構の施設にて行われている照射後試験技術を高めること及び標準化ためにラウンドロビンテストの実施が提案された。テストは、標準試料を準備し両者の測定器にて測定して試験データを比較するものである。今回のテストは、非破壊試験の一環である渦電流探傷試験とした。