Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
三浦 輝*; 石丸 隆*; 伊藤 友加里*; 栗原 雄一; 乙坂 重嘉*; 坂口 綾*; 三角 和弘*; 津旨 大輔*; 久保 篤史*; 桧垣 正吾*; et al.
Scientific Reports (Internet), 11, p.5664_1 - 5664_11, 2021/03
被引用回数:13 パーセンタイル:67.48(Multidisciplinary Sciences)初めて海洋中の粒子状物質や堆積物から7種類のCsMPs(放射性セシウム含有微粒子)を単離・調査した。元素組成,Cs/Cs放射能比,単位体積当たりのCs放射能などの結果から、粒子状物質から単離した5つのCsMPsはFDNPPの2号機から放出されたものであり、海洋堆積物から単離した2つのCsMPsは3号機から放出された可能性があることを推測した。CsMPsの存在は、海洋堆積物や粒子状物質中のCsの固液分配係数を過大評価し、海洋生物相の見かけの放射性セシウム濃度係数を高くする原因となる。2号機から放出されたCsMPsは、高濃度汚染地域を流れる河川の河口部で採取されたため、陸上に堆積した後、河川によって運ばれた可能性を示し、一方、3号機から放出されたCsMPsは、風によって東に運ばれ、直接海面に降下した可能性が示唆された。
福田 美保*; 青野 辰雄*; 山崎 慎之介*; 石丸 隆*; 神田 譲太*; 西川 淳*; 乙坂 重嘉
Geochemical Journal, 52(2), p.201 - 209, 2018/00
被引用回数:3 パーセンタイル:16.11(Geochemistry & Geophysics)福島県沿岸における海底堆積物中の放射性セシウムの最近の挙動を明らかにするため、2013年から2015年にかけて、同海域の12観測点において堆積物中の放射性セシウムの水平、鉛直分布を調査した。表層堆積物(0-3cm)では、水深100m付近の観測点で比較的高いCs濃度が観測された。これらの観測点では粒径が小さく、有機物を多く含む堆積物が支配的であったことから、堆積物表層におけるCs分布は、堆積物粒子の移動性を反映すると推測された。福島第一原子力発電所東方の一部の観測点では、2014年の観測において、中層(5-16cm層)に高いCs濃度が見られた。この比較的高いCs濃度は、堆積物の粒径との間に有意な関係は示さなかった。また、このようなCsの局所的な分布は、2015年には見られなかった。上記の結果から、堆積物中のCsの分布は、表層付近での堆積物粒子の水平輸送ばかりでなく、中層にかけての鉛直混合によって決定づけられていることがわかった。
福田 美保*; 青野 辰雄*; 山崎 慎之介*; 西川 淳*; 乙坂 重嘉; 石丸 隆*; 神田 譲太*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 311(2), p.1479 - 1484, 2017/02
被引用回数:6 パーセンタイル:50.47(Chemistry, Analytical)福島第一原子力発電所(福島第一原発)近傍における海水中の放射性セシウム分布の決定要因を明らかにするため、2013年から2015年にかけて福島第一原発から10km圏内の7観測点で得られた海水中のCs濃度と、海水の特性(塩分、水温、ポテンシャル密度)との関係についてまとめた。海水中のCs濃度は原発近傍で高く、また比較的低密度の海水で高かった。この結果から、河川水や福島第一原発港湾内からの海水の流入が、局所的に高いCs濃度の増加をもたらしたと推測される。なお、これらの比較的高いCs濃度を持つ海水は、より低密度の海水の下層へと貫入することにより、水深2050m付近まで運ばれる場合があることが明らかになった。
Sanial, V.*; Buesseler, K. O.*; Charette, M.*; Casacuberta, N.*; Castrillejo, M.*; Henderson, P.*; Juan Diaz, X.*; 神田 譲太*; Masque, P.*; 長尾 誠也*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の事故後の一年間で、福島沿岸の海水中の放射性セシウム濃度は数桁に亘って減少したものの、5年経過した現在においても、事故前に比べて高いレベルを維持している。本研究では、2015年10月に福島沿岸及び海底地下水中の放射性セシウムの分布を調査した。最も高い放射性セシウム濃度は、海水ではなく、福島第一原発から35km南の地下水から検出された。これは、事故直後に海底堆積物に蓄積した放射性セシウムが、地下水流動によって脱離したためと推察された。海底地下水の流出は、陸-海洋間の化学物質の重要な輸送経路であることが知られており、福島第一原発由来の放射性核種の輸送経路としても無視できないと考えられる。
乙坂 重嘉*; 鈴木 崇史; 鶴田 忠彦; 御園生 敏治; 土肥 輝美; 三野 義尚*; 鋤柄 千穂*; 伊藤 友加里*; 神田 譲太*; 石丸 隆*
no journal, ,
福島沿岸の海底に蓄積した放射性セシウムの移動過程を明らかにするため、福島第一原子力発電所の南南東の陸棚縁辺域において、2017年10月から2018年6月にかけて時系列式セジメントトラップを設置し、計39期間の沈降粒子試料を採取した。沈降粒子からは観測期間を通じて放射性セシウムが検出され、その濃度は明瞭な季節変動を示した。観測された放射性セシウムの粒子束は、冬季(121月)と春季(3月4月)に極大を示した。沈降粒子特性の詳細な分析から、冬季は比較的分解度の低い生物粒子が、春季は陸起源粒子が沈降粒子を構成していることがわかった。特に春季には高い放射性セシウム粒子束が観測され、放射性セシウムを含んだ陸起源粒子が、沿岸域から沖合海域に水平移動したことが、高い粒子束の原因であると推測された。ただし、この過程による、海底堆積物中での放射性セシウムの再分布の効果は限定的であると考えられる。