Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
小林 泰彦; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; 舟山 知夫; 菊地 正博; 北山 滋; 渡辺 宏*
宇宙生物科学, 18(3), p.134 - 135, 2004/11
1994年に行われた第2次国際微小重力実験室IML-2(STS-65)では、あらかじめ地上で高線量の線を照射してDNAに損傷を与えた放射線抵抗性細菌
をスペースシャトル・コロンビアに搭載し、放射線障害からの回復反応が宇宙環境下では地上より促進される現象を見いだした。それに続く1996年のS/MM-4(STS-91)と1998年のS/MM-9(STS-91)では、放射線損傷を有する
細胞における新規DNA修復系蛋白質PprAの誘導合成の促進が、宇宙環境下での放射線障害からの回復促進現象に関連していることが示唆された。これらの宇宙実験の結果を振り返るとともに、その後の原研・高崎研における
のDNA修復機構に関与する遺伝子・蛋白質の解析研究の進展ぶりを紹介する。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; Cui, S.*; 舟山 知夫; 北山 滋; 渡辺 宏*
Molecular Microbiology, 54(1), p.278 - 285, 2004/10
被引用回数:137 パーセンタイル:91.42(Biochemistry & Molecular Biology)デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線耐性は、効率的なDNA2本鎖切断修復によるものである。ラジオデュランス由来のDNA修復欠損変異株KH311の解析から、ラジオデュランスの放射線耐性にかかわる新規の放射線誘導性遺伝子(と命名)を同定した。この遺伝子産物PprAは、DNA2本鎖切断部位に結合して、大腸菌エキソヌクレアーゼIIIからDNAを保護し、さらにATP依存性及びNAD依存性DNAリガーゼによるDNA末端結合反応を促進する活性を持つ。これらの結果から、ラジオデュランスがPprAを主要因子とする放射線誘導性の非相同性DNA末端結合による修復機構を持っていることが示唆された。
Hua, Y.*; 鳴海 一成; Gao, G.*; Tian, B.*; 佐藤 勝也; 北山 滋; Shen, B.*
Biochemical and Biophysical Research Communications, 306(2), p.354 - 360, 2003/06
被引用回数:157 パーセンタイル:95.83(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線高感受性変異株の解析から、DNAの修復と損傷防御機構を担う主要スイッチタンパク質PprIを同定した。放射線高感受性変異株では、この遺伝子がトランスポゾンの挿入によって機能を失っていた。この遺伝子を完全に破壊すると放射線感受性が増大し、野生型遺伝子を導入すると放射線耐性が復帰した。放射線照射に伴い、PprIは遺伝子及び
遺伝子の発現を誘導するとともに、カタラーゼ活性をも助長した。これらの結果は、PprIタンパク質が、放射線応答におけるDNAの修復と防御の調節機構に重要な役割を果たしていることを強く示唆している。
北山 滋; 鳴海 一成; 舟山 知夫; 渡辺 宏
Bioscience Biotechnology and Biochemistry, 67(3), p.613 - 616, 2003/03
被引用回数:3 パーセンタイル:12.95(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌の紫外線損傷DNAの修復に関わるUVエンドヌクレアーゼ0の酵素活性を解析するために、遺伝子のクローニングを行い、DNA塩基配列を決定した。紫外線感受性変異株では、この遺伝子に1塩基変異が起こっていた。UVエンドヌクレアーゼ
遺伝子産物のアミノ酸配列は、
遺伝子産物であるUVエンドヌクレアーゼ
とは異なり、真核生物由来のUVエンドヌクレアーゼ(UVDE)の配列や枯草菌タンパク質データベースに存在する配列と相同性があった。UVエンドヌクレアーゼ
は、UVエンドヌクレアーゼ
と異なり、DNA分子内架橋損傷を修復することはできず、紫外線損傷DNAの修復に特異的に働く酵素であると考えられた。
鹿園 直哉; 田中 淳; 北山 滋*; 渡辺 宏; 田野 茂光*
Radiation and Environmental Biophysics, 41(2), p.159 - 162, 2002/04
被引用回数:41 パーセンタイル:70.08(Biology)植物における重イオン照射効果を調べるため、シロイヌナズナの乾燥種子に炭素イオン,ネオンイオン,アルゴンイオンを照射した。ネオンイオン,アルゴンイオンによる致死の生物効果比(RBE)は350keV/mを超える線エネルギー付与(LET)の値でピークを示した。この値は100-200keV/
mでピークを示すほ乳類細胞等の値に比べ高いものである。さらに、不稔率を調べると、LETが354keV/
mのネオンイオンのほうが113keV/
mの炭素イオンより高いRBEを示した。これらの結果はシロイヌナズナ種子における致死のRBEピークは単細胞系に比べて高いLETで生じることを示している。致死及び不稔はDNA損傷によって引き起こされることが知られている。このLETのシフトは種子中の化合物組成やDNAの水和状態の違いに主に起因すると推察される。
佐藤 勝也; 鳴海 一成; 菊地 正博; 北山 滋; 柳沢 忠*; 山本 和生; 渡辺 宏
Journal of Biochemistry, 131(1), p.121 - 129, 2002/01
被引用回数:26 パーセンタイル:39.28(Biochemistry & Molecular Biology)これまでデイノコッカス・ラジオデュランスRecAは,大腸菌とは異なり特別な機能を有しているのではないかと考えられてきた。本論文ではラジオデュランスの野生型及び2種類の変異型RecAを解析し,ラジオデュランスRecAが大腸菌RecAと同等の機能を有していること、当該菌の放射線抵抗性にはRecAによるDNA組換え活性よりも、co-protease活性の方がより重要な役割を担っていることを示した。
北山 滋*; 鳴海 一成; 菊地 正博; 渡辺 宏
Mutation Research; DNA Repair, 461(3), p.179 - 187, 2000/11
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA損傷修復欠損変異株KH5861は、DNA2本鎖間を架橋するマイトマイシンCに感受性を示す。野生株ゲノムライブラリーの中から、この変異株をマイトマイシンC抵抗性に復帰させることのできるDNA断片を解析したところ、大腸菌などで既に知られているDNA修復蛋白質遺伝子recRが見つかった。この遺伝子が存在することは、recAが関与する組換え修復経路のほかに、recFORが関与するもう1つの組換え経路も、放射線抵抗性細菌で機能していることを示唆している。変異株KH5861のrecR遺伝子は、野生株の遺伝子と比べて1塩基が異なっており、この塩基置換によって、変異株では、正常のRecR蛋白質よりも長さの短い変異蛋白質が生産されていると考えられた。これらの解析結果から、放射線抵抗性細菌におけるDNA2本鎖間架橋型損傷の修復に、RecR蛋白質が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
菊地 正博; 鳴海 一成; 北山 滋*; 渡辺 宏; 山本 和生*
FEMS Microbiol. Lett., 174, p.151 - 157, 1999/00
被引用回数:16 パーセンタイル:32.58(Microbiology)放射線抵抗性細菌Deinococcus radioduransのゲノムDNAを制限酵素NotI,PmeIで消化した後、その断片を再構成することにより、ゲノムの物理地図が作成された。ササンハイブリダイゼーションと組合せて、連結断片と切断部位の接続を検討したところ、KD8301株は染色体I、染色体IIとプラスミドを持っていることがわかった。DNA修復遺伝子(recA,uvrA,polA,ruvB)は染色体Iに存在し、lexA遺伝子は染色体IIに存在していた。非消化のゲノムDNAを用いパルスフィールド電気泳動の結果、細胞中に染色体IIの多量体構造が存在することが見いだされた。これらの結果は、多量体形成に関与するメカニズムが、この菌のDNA修復系としても利用されているかもしれないということを示唆している。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 舟山 知夫; 北山 滋; 柳沢 忠*; 渡辺 宏; 山本 和生
Mutation Research; DNA Repair, 435(3), p.233 - 243, 1999/00
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復能欠損株であるrec30株は放射線に極めて感受性を示し、重要なDNA修復遺伝子に変異が生じているものと考えられる。この変異株のrecA遺伝子座のDNA塩基配列を野生株のものと較べて解析した結果、変異株ではrecA構造遺伝子内に変異があることを突き止め、その正確な変異部位を同定した。また、ラジオデュランスの遺伝子を大腸菌で発現させることは今まで困難であったが、正常及び変異recA遺伝子を大腸菌で大量に発現させることに成功した。さらに、ラジオジュランスの遺伝子を発現している大腸菌の線耐性を測定した結果、ラジオデュランスの正常recA遺伝子が大腸菌のrecA遺伝子の働きを完全に捕らえること、異常recA遺伝子が組換え修復能を完全に失っていることを明らかにした。
舟山 知夫; 鳴海 一成; 菊地 正博; 北山 滋*; 渡辺 宏; 山本 和生
Mutation Research; DNA Repair, 435, p.151 - 161, 1999/00
放射線抵抗性細菌Deinococcus radiodurans野生株より分離された、放射線感受性変異株KR4128の感受性を相補するDNA断片を検索し、4.3kbクローンを得た。得られたクローンの遺伝子配列を決定したところ、大腸菌組換え修復遺伝子recNと塩基配列相同性をもつ遺伝子が含まれていた。KR4128株の当該領域の解析より、この遺伝子がKR4128株で点突然変化をおこしていることが明らかにされ、当該遺伝子が放射線抵抗性細菌のrecN遺伝子であることが明らかになった。単離した遺伝子の放射線抵抗性における寄与を明らかにするため、薬剤耐性遺伝子カセットをもちいた特定遺伝子欠失株作出系を確立、recN遺伝子欠損株を作出した。作出した遺伝子株欠損を用いた生存率の解析から、recN遺伝子が当該菌の放射線抵抗性に寄与していることが確かめられた。さらに、KR4128株にrecN遺伝子のほかに感受性に影響を与える遺伝子の変異が存在することが明らかにされた。
鳴海 一成; K.Cherdchu*; 北山 滋*; 渡辺 宏
Gene, 198, p.115 - 126, 1997/00
被引用回数:42 パーセンタイル:67.06(Genetics & Heredity)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのマイトマイシン感受性株3021と2621をマイトマイシン抵抗性に復帰させることのできるDNA領域を限定することにより、感受性株の変異原因遺伝子であるuvrA遺伝子を同定した。感受性株由来のDNAを解析し、正確な変異部位を決定した結果、一方の株ではuvrA遺伝子の開始コドンを含む144塩基対の欠損が生じており、もう一方の株ではuvrA遺伝子の中にトランスポゾンが挿入していることが明らかになった。デイノコッカス属からトランスポゾンを発見したのは、これが初めてであり、このトランスポゾンをIS2621と命名した。IS2621は、トランスポセーヌ遺伝子とその制御遺伝子から構成されており、これらの遺伝子をtnpA,tnpRと命名した。