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論文

DGA resinを用いたY分離法のヒト歯や海水魚骨中の$$^{90}$$Sr測定への適用

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 寺島 元基

KEK Proceedings 2023-2, p.155 - 160, 2023/11

本発表では、DGA resinを用いたY分離法のヒト歯や海水魚骨中の$$^{90}$$Sr測定への適用結果を報告する。

論文

硬組織を指標とした福島第一原発事故後の野生動物への$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csの取り込みの研究

小荒井 一真

放射化学, (47), p.24 - 27, 2023/03

歯や骨は硬組織と呼ばれ、形成時期のみに組織の基質が沈着し、形成後には組織が入れ替わらないという特徴をもつ。この特徴を活用することで、ウシの歯の$$^{90}$$Sr測定から福島第一原子力発電所(1F)事故による環境中の$$^{90}$$Srの汚染の変化があったことを明らかにした。この成果などにより申請者が日本放射化学会奨励賞を受賞したことに伴い、本記事ではこれまでの研究成果について解説する。

論文

Mass-spectrometric determination of iodine-129 using O$$_{2}$$-CO$$_{2}$$ mixed-gas reaction in inductively coupled plasma tandem quadrupole mass spectrometry

松枝 誠; 青木 譲; 小荒井 一真; 寺島 元基; 高貝 慶隆*

Analytical Sciences, 38(11), p.1371 - 1376, 2022/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.04(Chemistry, Analytical)

$$^{129}$$IのICP-MS分析はキセノン-129($$^{129}$$Xe)と過剰な安定同位体$$^{127}$$Iから発生する$$^{127}$$IH$$_{2}$$により妨害される。本研究では、ICP-MS/MS内のダイナミックリアクションセルにO$$_{2}$$+CO$$_{2}$$の混合ガスを導入することで、$$^{129}$$Iと干渉物質($$^{129}$$Xeと$$^{127}$$IH$$_{2}$$)を気相反応により分別した。その結果、(m/z129のバックグラウンドノイズ強度)/$$^{127}$$Iの比は4.6$$times$$10$$^{-10}$$となった。本法を用いて、100mg/L $$^{127}$$Iと10mBq/L $$^{129}$$Iを添加した雨水試料を分析し、9.8mBq $$^{129}$$Iの良好な定量値を得た。

論文

酸素,アンモニア混合ガス反応を用いたICP-MS/MSによる$$^{90}$$Sr分析法の開発

小荒井 一真; 松枝 誠; 寺島 元基

KEK Proceedings 2022-2, p.102 - 107, 2022/11

近年、ICP-MS法は$$^{90}$$Srの新たな分析手法として開発されているが、低濃度の$$^{90}$$Sr試料の分析に課題がある。本研究では、ICP-DRC-MS/MSと酸素,アンモニア混合ガス反応を組み合わせた$$^{90}$$Srの分析方法を開発し、開発した手法を土壌標準物質の$$^{90}$$Sr分析に適用できることを確認した。

論文

Using CO$$_{2}$$ Reactions to Achieve Mass-spectrometric Discrimination in Simultaneous Plutonium-isotope Speciation with Inductively Coupled Plasma-Tandem Mass Spectrometry

松枝 誠; 川上 智彦*; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 飯島 和毅; 古川 真*; 高貝 慶隆*

Chemistry Letters, 51(7), p.678 - 682, 2022/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:63.98(Chemistry, Multidisciplinary)

誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いて、複雑な同位体干渉を受けることなく、様々なPu同位体を同時に同定するための新しい方法論を開発した。ICP-MS/MS及びDRC内でのCO$$_{2}$$ガス反応を用いて、Pu同位体分析($$^{239}$$Pu, $$^{240}$$Pu, $$^{241}$$Pu, $$^{242}$$Pu, $$^{244}$$Pu)におけるAm, Cm, Uなどの同重体干渉によるバックグラウンドノイズ強度を除去した。

論文

Detection limit of electron spin resonance for Japanese deciduous tooth enamel and density separation method for enamel-dentine separation

岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; 小坂 健*; 佐々木 啓一*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 63(4), p.609 - 614, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:29.28(Biology)

日本人小児の乳歯のESR線量計測法の検出可能線量を調べたところ115mGyと見積もられた。また、エナメル質と象牙質の比重の違いを用いた重液分離法によるエナメル質抽出を実施したところ、従来のドリルで削り出す方法とほぼ同等の純度のエナメル質が得られただけでなく、従来法が適用できなかった動物の歯のエナメル質抽出にも有効な抽出法であることがわかった。

論文

Radiocesium-bearing microparticles cause a large variation in $$^{137}$$Cs activity concentration in the aquatic insect ${it Stenopsyche marmorata}$ (Tricoptera: Stenopsychidae) in the Ota River, Fukushima, Japan

石井 弓美子*; 三浦 輝*; Jo, J.*; 辻 英樹*; 斎藤 梨絵; 小荒井 一真; 萩原 大樹; 漆舘 理之*; 錦織 達啓*; 和田 敏裕*; et al.

PLOS ONE (Internet), 17(5), p.e0268629_1 - e0268629_17, 2022/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:45.99

本研究では、福島県太田川で採集した解虫性トビケラ(Stenopsyche marmorata)および肉食性ヘビトンボ(Protohermes grandis)幼虫の水生昆虫個体における$$^{137}$$Cs放射能濃度のばらつきを調査した。トビケラ幼虫は散発的に高い放射能を示したが、ヘビトンボ幼虫ではばらつきは見られなかった。オートラジオグラフィーと走査型電子顕微鏡による分析から、これらのトビケラ幼虫試料には、不溶性のCs含有ケイ酸塩ガラス粒子である放射性Cs含有微粒子(CsMPs)が含まれていることが確認された。また、CsMPsはトビケラ幼虫の餌となりうるペリフィトンや漂流粒子状有機物にも含まれており、幼虫はCsMPsを同サイズの餌粒子とともに摂取している可能性が示唆された。淡水生態系におけるCsMPsの分布や生物による取り込みは比較的知られていないが、本研究はCsMPsが水生昆虫に取り込まれることを実証している。

論文

硬組織試料中$$^{90}$$SrのICP-MS測定法の高感度化

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基

KEK Proceedings 2021-2, p.140 - 145, 2021/12

従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が$$^{90}$$Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる$$^{90}$$Srの定量が試みられている。土壌や水以外の$$^{90}$$Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の$$^{90}$$Sr分析方法を開発し、開発した手法をウシ骨に対して適用した。検出下限値19Bq/kgでウシ骨中$$^{90}$$Srを定量することが可能であり、実際の硬組織中の$$^{90}$$Srも定量することができた。

論文

野生動物の歯を用いた低線量被ばく推定法の開発

光安 優典*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 奥津 賢一*; 関根 勉*; 山下 琢磨*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.

KEK Proceedings 2021-2, p.91 - 96, 2021/12

歯のエナメル質中に放射線によって生成した炭酸ラジカルを指標にして、原爆の被ばく者やチェルノブイリ原子力発電所事故の被ばく者の線量推定に使用されてきたESR線量推定法を、野生ニホンザルに適用することを試みている。ニホンザルのエナメル質のESRを可能にするための分析前処理法を検討し、福島県で捕獲した野生ニホンザルの線量推定を行うとともに、ESR信号の解析方法などについて議論した。

論文

Rapid analysis of $$^{90}$$Sr in cattle bone and tooth samples by inductively coupled plasma mass spectrometry

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 寺島 元基; 藤原 健壮; 木野 康志*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; et al.

Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 36(8), p.1678 - 1682, 2021/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:57.04(Chemistry, Analytical)

ウシの硬組織用の$$^{90}$$Sr分析法をICP-MS用いて開発した。0.1gの硬組織に対して、従来の放射能測定法より低い検出下限値で、11時間での分析を可能とした。そのため、ICP-MS法は微小な骨や歯試料を対象とした迅速かつ有効な分析手法となり得る。

論文

Online solid-phase extraction-inductively coupled plasma-quadrupole mass spectrometry with oxygen dynamic reaction for quantification of technetium-99

松枝 誠; 柳澤 華代*; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信; 北村 哲浩; 高貝 慶隆*

ACS Omega (Internet), 6(29), p.19281 - 19290, 2021/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.13(Chemistry, Multidisciplinary)

多段階分離を用いた干渉物質($$^{99}$$Ru及び$$^{98}$$Mo)の除去を利用した完全自動のオンライン固相抽出ICP-MS分析法を開発した。$$^{99}$$TcのICP-MS分析では試料中に大過剰に含まれるMo由来の同重体(MoH)が定量を阻害するが、本法は$$^{99}$$Tc/Mo = 1.5$$times$$10$$^{-13}$$のアバンダンス比を得ており、ICP-MSの適用範囲を拡張した。検出下限値は50 mL導入で9.3pg/L、測定時間は24分であった。

報告書

環境試料中ヨウ素-129のICP-MS分析に向けた固相抽出法の開発; 陰イオン交換樹脂および銀イオン担持樹脂の干渉元素除去特性の比較

青木 譲; 松枝 誠; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信

JAEA-Research 2021-002, 20 Pages, 2021/05

JAEA-Research-2021-002.pdf:2.75MB

環境試料中に極低濃度で存在する$$^{129}$$IをICP-MS法で高感度かつ迅速に分析するために、共存する干渉元素(Na, Mg, K, Ca, Mo, Cd, In)からIを分離する前処理として固相抽出法が広く利用されている。固相抽出樹脂として、既存のアミノ基を導入した陰イオン交換樹脂とともに、近年ではAg$$^{+}$$担持樹脂の利用が進められており、それぞれの樹脂の特性を踏まえて前処理法の最適化が必要となっている。本研究では、陰イオン交換樹脂であるDOWEX1-X8およびAG1-X8, Ag$$^{+}$$担持樹脂であるCLResinについて、干渉元素からのIの分離特性を比較し、環境試料中の$$^{129}$$IのICP-MS分析への適用性を調査した。吸着・溶出試験の結果、全ての固相抽出樹脂はIを定量的に吸着回収した。また、CLResinは干渉元素の除去性能が最も高く、Moを3.1%残存するものの、その他の干渉元素をICP-MSの検出下限値以下にまで除去した。しかし、$$^{129}$$Iと干渉元素との濃度比の考察から、CLResin処理後に残存するMo濃度は$$^{129}$$IのICP-MS測定になお干渉するレベルであったことから、CLResinからの溶出液を陽イオン交換樹脂(DOWEX50WX8)で処理したところ、溶出液中Moの98%以上が除去され、Moによる測定干渉を除去することができた。したがって、本研究の結果、干渉元素の除去にはCLResinが最適であり、また、CLResinとDOWEX50WX8を組み合わせた前処理法は、極低濃度(バックグラウンドレベル)の$$^{129}$$IのICP-MS分析を可能とする有力な手法となる可能性があることを提示している。

論文

Radioactivity and radionuclides in deciduous teeth formed before the Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant accident

高橋 温*; 千葉 美麗*; 棚原 朗*; 相田 潤*; 清水 良央*; 鈴木 敏彦*; 村上 忍*; 小荒井 一真; 小野 拓実*; 岡 壽崇; et al.

Scientific Reports (Internet), 11(1), p.10355_1 - 10355_11, 2021/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:42.99(Multidisciplinary Sciences)

The Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant (FNPP) accident released substantial amounts of radionuclides into the environment. We collected 4,957 deciduous teeth, from children living in Fukushima and reference prefectures. Radioactivity was detected in most of the teeth examined and was attributed to the presence of natural radionuclides, including $$^{40}$$K and daughter nuclides in $$^{238}$$U and $$^{232}$$Th series. Additionally, artificial radionuclides, $$^{90}$$Sr and $$^{137}$$Cs, were detected in the teeth obtained from children from Fukushima and the reference prefectures. However, these radionuclides were not believed to have originated from the FNPP accident. Because the teeth examined in the present study were formed before the FNPP accident occurred, the aforementioned findings may serve as important control data for future studies regarding the radioactivity of teeth formed after the FNPP accident.

論文

生体内硬組織試料中$$^{90}$$SrのICP-MS測定に向けたSrレジンの適用性

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 北村 哲浩; 阿部 寛信

KEK Proceedings 2020-4, p.180 - 185, 2020/11

従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が$$^{90}$$Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる$$^{90}$$Srの定量が試みられている。土壌や水以外の$$^{90}$$Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の$$^{90}$$Sr分析への適用性を検討した。魚の骨試料を対象にカラムを用いて化学分離を行ったところ、カラムへの試料導入と2.6M硝酸での洗浄の段階で、安定Srは効率よく回収し、Ca, Feはほぼ全て除去できた。Mg, Baは完全に除去できなかったが、安定Srの濃度に比べ2桁以上低濃度であり、マトリックス効果は確認されなかった。もともと低濃度のZr, Ge, Seの除去の程度の見積もりが困難であったが、質量数90でのアバンダンス感度は確認されず、ICP-MSでの$$^{90}$$Sr測定時の干渉がないことがわかった。本手法は安定Srを効率よく回収しながらICP-MS測定の干渉元素を除去できるため、今後、硬組織中の$$^{90}$$SrをICP-MSで分析する際の化学分離法への適用が期待される。

論文

External exposure dose estimation by electron spin resonance technique for wild Japanese macaque captured in Fukushima Prefecture

岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 光安 優典*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; 小坂 健*; et al.

Radiation Measurements, 134, p.106315_1 - 106315_4, 2020/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:54.54(Nuclear Science & Technology)

ニホンザルのエナメル質中に誘起された炭酸ラジカルと吸収線量の関係(検量線)を電子スピン共鳴(ESR)法で調べた。ニホンザルのエナメル質のESR測定で検出できる線量の下限(検出限界)は33.5mGyであり、ヒトのエナメル質の検出限界と同等であった。作成した検量線を用いて、福島県で捕獲した7頭の野生ニホンザルの線量を評価したところ、45mGyから300mGyの被ばくをしていることがわかった。

論文

第20回「環境放射能」研究会

小荒井 一真

放射化学, (40), p.26 - 27, 2019/09

平成30年3月14日$$sim$$16日の3日間、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構において開催された「環境放射能」研究会について和文誌「放射化学」に報告を寄稿する。今回の研究会全体の参加者は195名であり、近年の研究会同様活発な議論が行われたことが伺えた。研究会の最後には4件の発表に対して研究会奨励賞が授与された。受賞者以外にも新規の参加者による興味深い発表が見受けられたため、今後の研究会においてもすぐれた研究発表を行うことが期待される。

論文

福島原発周辺のウシおよびサルの硬組織への$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csの取り込みの研究

小荒井 一真

放射化学, (40), p.34 - 36, 2019/09

学位論文要録を和文誌「放射化学」に寄稿する。学位論文の主な内容である被災動物硬組織への$$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Csの取り込み、および$$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Cs, アルカリ土類金属, アルカリ金属の土壌からウシへの移行の内容について要約した。$$^{90}$$Srは硬組織の形成や代謝に取り込まれたが、$$^{137}$$Csは形成や代謝に関わらず取り込まれていた。ウシの歯中の$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csは福島第一原子力発電所事故後の環境中の汚染を反映していた。以上のことから、硬組織中の$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csは重要な環境汚染の指標となることが学位論文で示された。

口頭

Trial of rapid measurement for $$^{90}$$Sr in animal bone by ICP-MS

小荒井 一真; 松枝 誠; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 北村 哲浩

no journal, , 

Sr-90とY-90は骨髄への被ばく影響が懸念され、福島第一原発事故後にモニタリングが必要な核種である。しかしながら、放射能測定法では複雑な化学分離や2週間の測定期間を要する。近年、ICP-MSを用いたSr-90の迅速測定法が開発され、土壌や水試料に適用されている。本発表では動物の骨を対象とし、ICP-MSの迅速測定法に適した化学分離法を開発し、実際の試料に適用した。動物の骨として、魚類骨の標準試料を測定試料として選定した。試料の前処理として、マイクロウェーブ分解装置によって硝酸に溶解させた。溶解後の試料はSrレジンを用いた化学分離法をICP-MSの測定システムに組み込み、一連の行程で分析を可能にした。この工程によって、Sr-90をICP-MSで測定する際の妨害元素となるCa, Ba, Y, Zr, Fe, Geを分離した。娘核種のY-90も測定を妨害するため、酸素リアクションによって除去した。0.1gの骨の標準試料を使用した場合、100Bq/gの試料であれば測定可能であることを確認した。

口頭

骨中$$^{90}$$SrのICP-MS分析に向けた固相抽出法の検討

小荒井 一真; 松枝 誠; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 北村 哲浩

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故によって放出された核種の1つとして$$^{90}$$Srが挙げられる。放射能測定によらない新しい手法として、ICP-MSによって$$^{90}$$Srの定量が試みられている。これまでに、ICP-MSを含む測定システムを開発し、土壌や水試料を対象とし迅速に$$^{90}$$Srを測定可能であることが示された。これまでにICP-MSを用いて骨などの硬組織を測定した例はない。本研究ではICP-MSによる硬組織中$$^{90}$$Sr分析に固相抽出法を最適化させる。MW分解後の魚骨は蒸発乾固し、10mLの2.6M硝酸に溶解した。$$^{90}$$Srの固相抽出はフローインジェクション装置を用いて行った。魚骨分解後の2.6M硝酸溶液、各フラクションは100-10000倍に希釈し、ICP-MS(NEXION300X、Perkin Elmer)によって溶液内の元素濃度を定量した。測定の結果、Srの回収率を担保しながら測定の妨害元素を除去できた。以上のように、ICP-MSによる硬組織中$$^{90}$$Sr測定に適した固相抽出法を開発した。本手法はフローインジェクション装置内で行ったため、オンライン固相抽出/ICP-MSに適用できる。一連の行程での所用時間は数十分であり、迅速な硬組織中$$^{90}$$Srの測定が可能となる。

口頭

オンライン固相抽出ICP-MS法を用いた骨中$$^{90}$$Sr分析における定量値の評価及び補正

松枝 誠; 小荒井 一真; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 北村 哲浩

no journal, , 

Sr-90は人体や動物の体内に取り込まれると骨や歯などの硬組織に蓄積することから、被ばく評価の観点から硬組織の分析ニーズは高いと考えられるが、従来の放射能分析では1ヶ月程度の期間を必要とすることから、多量のサンプルを処理するのは難しい。よって今回、放射能分析と比較して迅速分析が可能であるオンライン固相抽出/ICP-MS法への適用を検討した。本法は主に雨水などの環境試料水中に含まれるSr-90の分析において活用されており、サンプル中のマトリックスによって生ずるICP-MSの感度変化やシステム内に組み込まれているSr吸着樹脂の回収率変動に対応する補正法により、精度よく定量値を求められることが報告されている。しかしながら、今回対象とする硬組織においては環境試料水と比較して多量のマトリックスが含まれている。そのため、同重体干渉物質, 安定同位体Sr及びその他高濃度元素について定量値への影響評価及びその補正方法について調査を行った。

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