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報告書

模擬廃棄物含有バナジウム添加ホウケイ酸ガラス試料の評価研究

永井 崇之; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 廣野 和也*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 高橋 友恵*; et al.

JAEA-Research 2018-007, 87 Pages, 2018/11

JAEA-Research-2018-007.pdf:61.21MB

本研究は、資源エネルギー庁の「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」における、高レベル放射性廃液の充填率を高められる原料ガラス組成の開発として実施した。候補組成であるバナジウム(V)添加ガラス原料カレットへ模擬高レベル放射性廃液を混合溶融して作製した模擬廃棄物ガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AES分析, ラマン分光測定及び放射光XAFS測定により評価を実施した。

報告書

東京電力福島第一原子力発電所において採取された汚染水および瓦礫等の分析データ集

浅見 誠*; 高畠 容子; 明道 栄人; 飛田 剛志; 小林 究; 早川 美彩; 薄井 由香; 綿引 博美; 柴田 淳広; 野村 和則; et al.

JAEA-Data/Code 2017-001, 78 Pages, 2017/03

JAEA-Data-Code-2017-001.pdf:4.92MB
JAEA-Data-Code-2017-001-appendix(DVD-ROM).zip:818.06MB

東京電力ホールディングス(東京電力)福島第一原子力発電所において採取された汚染水(滞留水, 処理水)、汚染水処理二次廃棄物、瓦礫、土壌が分析され、放射性核種濃度等の分析データが報告されている。そこで、東京電力, 日本原子力研究開発機構, 国際廃炉研究開発機構により2016年3月末までに公開されたデータを収集し、データ集としてとりまとめた。また分析試料についての情報、分析により得られた放射性核種濃度等の値を表としてまとめるとともに、主な放射性核種濃度の時間変化を表す図を作成して収録した。電子情報として英訳と収録した分析データを提供する。

論文

Research on vitrification technology to immobilize radioactive sludge generated from Fukushima Daiichi Power Plant; Enhanced glass medium

天本 一平; 小林 秀和; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*; 深山 大元*; 長野 祐一*; Jantzen, T.*; Hack, K.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1467 - 1475, 2016/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:76.09(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所の汚染水処理で発生した汚泥(スラッジ)の廃棄体化技術候補の一つとして、ガラス固化法に着目し、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体を用いたスラッジ固化処理の適用性について検討を行っている。同検討を進めるにあたり、解析に必要とされる熱物性等のデータを充実させる必要があるが、高温雰囲気において、さまざまな成分と組成のIPG及び模擬廃棄体を作製し、それぞれに対して、多くの物性値を測定することは、時間と困難さを伴う作業となる。よって、理論解析により対象物質の挙動を推測することにより試験件数を減らし、データ取得を行った方が合理的である。本報では、既知の実験状態図から、CALPHAD法により熱力学的諸量を推算し、得られた結果を利用してIPG及び廃棄体の計算状態図を作成するとともに、同状態図から読み取ることのできる均質融体を形成するための情報と実験値との比較評価を行い、計算状態図の妥当性を確認することができた。

報告書

高速実験炉「常陽」における原子炉容器内保守・補修技術開発; 「常陽」炉心上部機構の交換

伊藤 裕道*; 大田 克; 川原 啓孝; 小林 哲彦; 高松 操; 長井 秋則

JAEA-Technology 2016-008, 87 Pages, 2016/05

JAEA-Technology-2016-008.pdf:18.11MB

高速実験炉「常陽」では、計測線付実験装置の不具合に起因した燃料交換機能の一部阻害に係る復旧措置の一環として、炉心上部機構交換作業を平成26年3月24日に開始し、同年12月17日に完了した。炉心上部機構は、交換することを前提に設計されたものではなく、これまでに交換した実績も有していないため、旧炉心上部機構を引き抜くことができないリスクがあった。このため、旧炉心上部機構ジャッキアップ試験を実施し、旧炉心上部機構を確実に引き抜ける見通しを得た。引き続き、旧炉心上部機構引抜作業を実施し、当該作業を完遂できた。新炉心上部機構据付作業では、装荷前に仮蓋を案内スリーブに通過させることにより装荷に必要なスペースが確保されていることを確認した。また、位置調整・揺動防止のためのガイドローラー及び所定の位置に精度よく据え付けるための拘束治具を使用した。この結果、有害な干渉がなく装荷され、要求据付精度$$pm$$1.02mmに対し、0.35$$pm$$0.1mmの精度で据え付けることができた。

論文

高速実験炉「常陽」の原子炉容器内観察・補修技術開発; 炉心上部機構の交換作業

高松 操; 川原 啓孝; 伊藤 裕道; 宇敷 洋; 鈴木 信弘; 佐々木 純; 大田 克; 奥田 英二; 小林 哲彦; 長井 秋則; et al.

日本原子力学会和文論文誌, 15(1), p.32 - 42, 2016/03

高速実験炉「常陽」では、平成19年に「計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害」が発生し、原子炉容器内において、計測線付実験装置(以下、MARICO-2(MAterial testing RIg with temperature COntrol 2nd))試料部が炉内ラック内の移送用ポットから突出した状態で変形していること、MARICO-2試料部と炉心上部機構(以下、UCS(Upper Core Structure))の接触により、UCS下面に設置されている整流板等が変形していることが確認された。当該燃料交換機能復旧作業の一環として、「常陽」では、平成26年5月よりUCS交換作業を開始し、同年12月に終了した。高放射線・高温環境のSFRにおける原子炉容器内補修(観察を含む)には、軽水炉にはない技術開発が必要であり、その技術レベルを高め、供用期間中の運転・保守に反映することはSFRの信頼性の向上に寄与することができる。SFRにおけるUCSの交換実績は世界でも数少なく、30年以上使用した原子炉容器内の大型構造物の交換作業の完遂により蓄積された経験・知見は、「常陽」のみならず、SFRにおける原子炉容器内観察・補修技術開発に大きく資するものと期待される。

論文

複数ピークからなるESRスペクトルのピーク分離解析

菊地 正博; 永田 夏樹*; 菰田 聖一*; 亀谷 宏美*; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

食品照射, 50(1), p.13 - 19, 2015/10

照射食品に誘導されたフリーラジカルの不対電子の緩和時間は、ラジカル相互作用の指標となる。連続波(CW-)ESRを用いる場合、1本線のピークに対してはLund法のシミュレーションで緩和時間を計算できる。複数ピークからなるCW-ESRスペクトルにおいて緩和時間を求めるため、ピーク分離法を検討した。緩和時間はパルスESRで直接測定可能である。CW-ESRで複数ピークとなるスペクトルに対して、そのままLund法のシミュレーションを適用して、照射アミノ酸の緩和時間を求めたところ、パルスESRの測定結果とは全く異なっていた。複数ピークをもつ照射アミノ酸のスペクトルに対してGaussianピークとしてフィッティング後、それぞれのピークに対してLund法を適用して求めた緩和時間T$$_{2}$$はパルスESRで測定された値とよく一致していた。CW-ESRによる測定で複数ピークをもつESRスペクトルが得られた場合、ピーク分離後にLund法を適用する解析法は緩和時間を求める際に有効と考えられる。パルスESRで複数ピークが同じg値をもつ時、CW-ESRでラジカル構造を踏まえたピーク分離を行うと簡単に緩和時間を求められると考えられる。

論文

Replacement of upper core structure in experimental fast reactor Joyo, 1; Existing damaged upper core structure jack-up test

伊藤 裕道; 鈴木 信弘; 小林 哲彦; 川原 啓孝; 長井 秋則; 坂尾 龍太*; 村田 長太郎*; 田中 淳也*; 松坂 康智*; 立野 高寛*

Proceedings of 2015 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2015) (CD-ROM), p.1058 - 1067, 2015/05

高速実験炉「常陽」では、計測線付実験装置の不具合に起因した燃料交換機能の一部阻害の復旧のため、ナトリウム冷却型高速炉における原子炉容器内保守・補修技術の開発を進めている。炉心上部機構と炉心上部機構案内スリーブのギャップは最小5mmと小さいため、旧炉心上部機構引抜時の水平度管理が十分でない場合、炉心上部機構と炉心上部機構案内スリーブが干渉し、旧炉心上部機構の変形等が生じるリスクがある。当該リスクに対応するため、3点支持構造を有するジャッキアップ治具を開発した。また、各ネジジャッキにロードセルを設置し、旧炉心上部機構が炉心上部機構案内スリーブと干渉した場合に生じる荷重変動を検出することにより、旧炉心上部機構の変形等を防止するとともに、干渉位置を同定する手法を開発した。旧炉心上部機構引抜性確認試験は、2014年5月14日に実施され、旧炉心上部機構が1000mm位置まで許容荷重を超過することなく引き抜くことが可能であることを確認した。本作業で蓄積された稀少な知見・経験は、「常陽」の復旧のみならず、ナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器内保守・補修技術の開発に大きく資するものと期待される。

論文

加工食品を対象としたアルキルシクロブタノン法(EN1785)の性能評価

堤 智昭*; 足立 利華*; 高附 巧*; 根井 大介*; 亀谷 宏美*; 等々力 節子*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 松田 りえ子*; 手島 玲子*

食品照射, 49(1), p.9 - 15, 2014/12

2-アルキルシクロブタノン(ACB)法は、食品中の脂質から放射線照射(以下、照射)に特異的に生じる2-ドデシルシクロブタノン(DCB)と2-テトラデシルシクロブタノン(TCB)を検知指標として、照射の有無を判定する定性試験法である。本研究では、我々が既に報告しているACB法の単一試験室における性能評価法を用いて、汎用されているACB法であるヨーロッパ標準分析法(EN1785)の液卵, カマンベールチーズ, ソーセージ、及びウナギ白焼き対する適用性を評価した。未照射の各食品から抽出した脂肪を陰性試料にDCB及びTCBを0.05$$mu$$g/g lipid添加した脂肪を陽性試料とした。各食品について4個の陰性試料、及び16個の陽性試料を分析し、本法の検知性能を評価した。本法は各食品の陰性及び陽性試料を全て正しく判定でき、これらの食品への適用が妥当であると判断できた。次に妥当性評価した本法の検知性能を確認するため、未照射及び$$gamma$$線照射(0.5-4kGy)した上記と同種の食品を本法により分析した。その結果、全ての試料について照射の有無を正しく判定することができ、実用されている線量で照射された食品に対して十分な検知性能を有していた。

論文

Electron-spin relaxation times of irradiated fructose measured with pulsed ESR

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 85, 2014/03

In this study, the relaxation times of radiation-induced radicals in fructose crystals were directly measured using pulsed ESR to reveal the strength of interaction with the neighboring dipoles. ESR spectra of the irradiated fructose by CW ESR were essentially same at tested dose levels. While, ESR spectra by pulsed ESR were drastically different according to dose levels. Furthermore, relative heights of side peaks increased as the increasing of dose levels. It is suggested that CW ESR can measure all of the unpaired electrons, while pulsed ESR can detect the interactions based upon neighboring unpaired electrons as the electron-spin echo swept in magnetic field. The relationship between the dose level and the relaxation times showed T$$_{2}$$ of the side peaks were longer than those of the main peaks in fructose, indicating that radicals of the side peaks interact less with neighboring dipoles than do those of the main peak.

論文

放射線照射食品に誘導されるラジカルのPulse-ESRとCW-ESRによる緩和時間の検討

岸田 敬吾*; 川村 翔栄*; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

Radioisotopes, 63(3), p.131 - 137, 2014/03

放射線照射食品に誘導されるラジカルをPulse-ESRとCW-ESRで計測し、緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)の計測を行った。緩和時間はPulse-ESRにより直接求めたが、CW-ESRでは計測した信号パラメーターより間接的に算出した。照射強力粉及び照射黒コショウのPulse-ESR信号の観測に成功した。照射食品のT$$_{1}$$, T$$_{2}$$はCW-ESR法により算出できるが、値が若干小さくなる傾向があることがわかった。これは食品中の含有する蛋白質のような成分によりESR信号が与える算出のためのパラメーターが影響を受けるからである。

論文

Applicability of iron phosphate glass medium for loading NaCl originated from seawater used for cooling the stricken power reactors

小林 秀和; 天本 一平; 横澤 拓磨; 山下 照雄; 永井 崇之; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*

Proceedings of 15th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2013) (CD-ROM), 6 Pages, 2013/09

福島第一原子力発電所での汚染水処理により生じたスラッジの廃棄体化候補技術として、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体による固化法の適用性を検討している。本報では、スラッジに含まれる海水成分であるNaClのIPG媒体への充填挙動及びガラス物性を評価するため、100g規模の基礎試験を行った。試験の結果、IPG媒体に対してNa$$_{2}$$O及びClを約19及び15mol%まで充填できた。NaCl成分の充填によりガラスの架橋構造の分断が生じることで、ガラス転移温度及び結晶化開始温度が低下する傾向が認められた。化学的耐久性については、Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$濃度が高いIPG媒体を用いることでホウケイ酸塩系の高レベルガラスの1/10程度の浸出速度となることがわかった。

論文

Behaviour of IPG waste forms bearing BaSO$$_{4}$$ as the dominant sludge constituent generated from the treatment of water used for cooling the stricken power reactors

天本 一平; 小林 秀和; 横澤 拓磨; 山下 照雄; 永井 崇之; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*

Proceedings of 15th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2013) (CD-ROM), 8 Pages, 2013/09

東日本大震災で被災した原子炉の冷却に使用している大量の水は、放射性物質で汚染しているため、汚染水の浄化方法や浄化によって発生した廃棄物の安定化法について、国内でさまざまな取り組みがなされている。ここでは、発生した廃棄物の中、BaSO$$_{4}$$を主成分とするスラッジを対象として、鉄リン酸ガラスを媒体として、スラッジの廃棄体化について検討を行っている。これまでの研究の結果、ストロンチウム核種を含有するBaSO$$_{4}$$スラッジの廃棄体化に鉄リン酸塩ガラスが十分に機能することが判明した。

論文

Electron-spin relaxation phenomena in irradiated saccharides detected by pulsed electron paramagnetic resonance spectroscopy

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

Radiation Physics and Chemistry, 81(10), p.1639 - 1645, 2012/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:85.4(Chemistry, Physical)

本研究ではX-バンドEPR分光法を用いて$$gamma$$線照射された糖類におけるラジカル緩和時間を測定した。パルスEPR装置を用いて1kGyから100kGy照射した果糖の磁場掃引信号を測定すると、線量によって3から4個のピークが得られた。一方、非照射検体ではパルスエコー信号が観測できなかった。それぞれの照射検体からのサイドピークの緩和時間($$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$)は、メインピークで測定された緩和時間より長かった。このことはサイドピークを示すラジカルが周辺環境と相互作用が少ないことを示している。数種の照射糖類の緩和時間測定から、緩和時間$$T$$$$_{2}$$は線量増加につれて減少するが、緩和時間$$T$$$$_{1}$$は照射に影響されないと考えられた。CW-EPRではメインピークに比べてサイドピークが小さいが、パルスEPRで測定すると、1kGyの試料でもサイドピークは明確に測定され、100kGyではメインピークと同じ程度の信号強度として測定された。このことは、$$gamma$$線照射によって誘起されたラジカルペアが極近傍に優先的に残存していることを示唆しており、ラジカル生成過程と関係があると考えられる。したがって、パルスEPRは照射誘起ラジカルの選択的な測定に優位性があるかも知れない。

論文

Pulse-ESRとCW-ESRによる照射黒コショウ中のラジカルの緩和時間解析

亀谷 宏美*; 菊地 正博; 等々力 節子*; 古田 雅一*; 小林 泰彦; 原 英之*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*

食品照射, 47(1), p.6 - 10, 2012/09

本研究では、パルスESRと連続波(CW)ESRを用いて照射黒コショウ中のフリーラジカルを測定し相互比較を行った。まず、照射黒コショウを検体としてパルスESRでの測定条件を検討し、初めてエコー観測に成功した。そこで、黒コショウ中のラジカルの緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)をパルスESRで測定すると、T$$_{1}$$は線量依存性を示さなかったが、T$$_{2}$$は照射につれて増加した。一方、CW-ESRで測定したシグナル飽和挙動の理論解析からもT$$_{1}$$とT$$_{2}$$を計算した。その結果、パルスESRとCW-ESRで求めたT$$_{1}$$とT$$_{2}$$の値に一致は見られなかったが、線量増加したときの数値の変化の傾向は同じであった。パルスESRで測定されるT$$_{2}$$の値は線量依存性が非常に強かった。今後、実用線量で照射された試料で検討を行うことで、新たな照射検知に応用できる可能性がある。

論文

Relaxation behaviors of free radicals from $$gamma$$-irradiated black pepper using pulsed EPR spectroscopy

亀谷 宏美*; 菊地 正博; 原 英之*; 古田 雅一*; 等々力 節子*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 下山 雄平

Applied Magnetic Resonance, 42(2), p.153 - 159, 2012/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:72.39(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

EPR分光法を用いて$$gamma$$線照射された黒コショウ中のフリーラジカルの緩和挙動を解析した。$$gamma$$線照射によって典型的な2本線のピークが検出された。緩和時間($$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$)はパルスEPRで観察された。われわれは$$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$$$gamma$$線照射線量レベルによって変化し、これらの値は$$gamma$$線照射処理の線量に依存性を示すことを見いだした。具体的には、$$T$$$$_{1}$$は30$$mu$$s(1kGy)から36$$mu$$s(100kGy)に増加し、$$T$$$$_{2}$$は277ns(1kGy)から437ns(100kGy)に増加した。これはラジカル間の相互作用が化学結合の切断により減少したためであると考えている。われわれは、パルスEPR法でセルロースラジカルを含む$$gamma$$線照射誘導ラジカルを初めて測定した。

論文

照射食品に誘導されるラジカルの減衰挙動

貝森 良彦; 坂本 侑輝*; 菊地 正博; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 下山 雄平; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

食品照射, 46(1), p.13 - 18, 2011/09

In order to determine radical decay behaviors of $$gamma$$-irradiated food, we analyzed radicals in the food using ESR. We detected the ESR signal of specimens just several minutes after irradiation. The singlet signal intensity at $$g$$ = 2.0, originated from organic free radicals was increased as followed by the increasing radiation dose. Singlet signal intensity that increased by $$gamma$$-irradiation was decreased with time. The phenomena of decay of the ESR singlet signal showed two phase that are rapid decay and slow decay. It was suggested that those two phase decay is due to at least the two radical species. Also we concluded that after three hours of radiation treatment long life radical as ESR signal intensity was detected in irradiated specimens; black pepper, green coffee bean and ginseng, showed the same decay phenomena. But the signal intensity of irradiated black pepper was three times larger than that of irradiated green coffee bean and irradiated ginseng.

論文

Electron spin relaxation behaviors of radicals induced in $$gamma$$-irradiated food

鵜飼 光子*; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 小林 泰彦

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 84, 2011/01

Irradiation of food by various electromagnetic waves or rays of elementary particles is gaining wide applications since irradiation eliminates pathogen and reduces food borne illness. Ukai et al. have reported radiation response of the irradiated foods using ESR. In order to determine the relaxation behaviors of radicals in irradiated foods, we measured progressive saturation behavior (PSB) in nutmeg. The typical ESR spectra show ESR spectra obtained before irradiation consisted of three signal components. As radiation dosage increased, the sharp intense signal (P1) intensity became higher. By PSB we could evaluate relaxation times of T1 and T2. Irradiation induced radicals of nutmeg yielded relaxation times, T1 in the $$mu$$sec and T2 in nsec ranges, respectively. Upon the irradiation, T1 shortened, and T2 lengthened.

論文

照射ニンニクの電子スピン共鳴法,光刺激ルミネッセンス法,熱ルミネッセンス法による検知

亀谷 宏美*; 齊藤 希巳江*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 等々力 節子*

日本食品科学工学会誌, 57(11), p.472 - 478, 2010/11

電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance: ESR)法,光刺激ルミネッセンス(Photo Stimulated Luminescence: PSL)法及び熱ルミネッセンス(Thermo luminescence: TL)法が照射ニンニクの検知に利用可能か否かについて検討した。線源は$$^{60}$$Co、線量は50$$sim$$180Gyとした。ESRスペクトルは、外皮の分析において$$g$$=2.00の1本線信号が観測され、信号強度は線量とともに増大した。照射処理したニンニクのPSL発光積算値は、非照射試料の値と比較して増加した。照射ニンニクのTLの発光極大温度は180$$sim$$220$$^{circ}$$C、非照射ニンニクは約300$$^{circ}$$Cとなり照射ニンニクを判別することができた。また、TL比は積分温度範囲が150$$sim$$250$$^{circ}$$Cのとき、照射ニンニクと非照射ニンニクが明確に区別された。以上のことから、ESR, PSL, TL法は照射ニンニクの判別に適用できる可能性が示唆された。特に、TL法は照射ニンニクの検知に実用的に有用であると結論した。

論文

照射マンゴー中に誘導されるラジカルの緩和挙動と線量依存性

亀谷 宏美*; 垣田 大介*; 貝森 良彦*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 下山 雄平

Radioisotopes, 59(10), p.607 - 614, 2010/10

日本では温湯浸漬処理されたマンゴーが輸入されている。近年、照射輸入マンゴーはアメリカでは広く利用されている。本研究は照射マンゴーに誘導されるラジカルのESR法による分析について報告する。$$gamma$$線照射されたマンゴーの果肉及び果皮には$$g$$=2.004に強い1本線の信号が観測された。これは有機フリーラジカル由来と考えられた。果肉及び果皮において12kGy以上の照射処理によりセルロース由来の照射誘導ラジカルが現れた。一本線信号の緩和時間(T$$_{1}$$とT$$_{2}$$)を計算した。T$$_{1}$$はほぼ一定であったが、T$$_{2}$$は線量の増加とともに変化した。T$$_{1}$$及びT$$_{2}$$の相乗平均を検討したところ、線量依存性が確認された。

論文

放射線照射によるニンニクの萌芽発根抑制効果

小林 泰彦; 菊地 正博; 等々力 節子*; 齊藤 希巳江*; 桂 洋子*; 亀谷 宏美*; 市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 鵜飼 光子*

食品照射, 45(1-2), p.26 - 33, 2010/09

収穫から約2か月後の青森県産ニンニクに30Gy以上の$$gamma$$線を照射することによってほぼ完全に萌芽と発根を抑制できることがわかった。現在行われている低温倉庫でのCA貯蔵と高温処理の組合せよりも、低コストでニンニクの品質保持と周年供給が可能になるかもしれない。照射時期が1か月遅くなると萌芽抑制の効果は若干低下した。照射後の貯蔵温度による影響も考えられる。我が国で照射によるニンニク芽止め処理を実用化するには、生産地での収穫から出荷までの貯蔵環境を模擬しつつ、現在行われている周年供給のための長期貯蔵法と、品質及びコストの両面で比較検討する必要がある。

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