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大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 加藤 良幸; 石井 克典; 鈴木 政浩; 藤田 峻也*; 小林 昌平*; 阿部 豊*; 金子 暁子*; 湯淺 朋久*
Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/05
硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物への転換において、マイクロ波加熱脱硝法が利用されている。マイクロ波加熱の効率性及び均質なUO粉末を製造するための加熱均一性の向上を目的とし、塩化カリウム寒天及び硝酸ウラニル溶液のマイクロ波加熱試験、並びに数値シミュレーションによる解析を実施した。硝酸ウラニル溶液の誘電損失に調整した塩化カリウム寒天を用いたマイクロ波加熱試験により、マイクロ波加熱脱硝に最適なサポートテーブル高さは50mmとなることを確認した。また、断熱材を用いた硝酸ウラニル溶液のマイクロ波加熱試験により、脱硝時間の短縮によるエネルギー利用効率の向上及び脱硝体の剥離性が改善による収率の向上を確認した。さらに複数のサンプリング位置において採取したUO
について、いずれも粉末特性が改善し高密度のペレットが作製可能となることが明らかになった。断熱材を設置することで硝酸ウラニル溶液のマイクロ波加熱の均一性が向上することが数値シミュレーションにより示された。
上野 有美; 小嵐 淳; 岩井 保則; 佐藤 淳也; 高橋 照彦; 澤畠 勝紀; 関田 勉; 小林 誠; 角田 昌彦; 菊地 正光
保健物理, 49(1), p.39 - 44, 2014/03
原子力科学研究所第4研究棟(RI施設)では、排気中のCを1か月間連続で捕集し、施設から大気中へ放出される
Cのモニタリングを行っている。しかし、CuO触媒を600
C以上に加熱する必要があることやモノエタノールアミン(MEA)が毒劇物に指定されていることから、管理区域内でのモニタリング手法として改良の余地が残っている。本試験では、異なる捕集剤を用いた捕集法の比較、使用する捕集剤の量とCO
捕集効率の関係についての検討、異なる酸化触媒の異なる温度条件下における酸化性能の比較を行った。CO
捕集剤の検討では、MEAに加えて、Carbo-Sorb Eを評価の対象とした。酸化触媒の検討では、CuO触媒に加えて、Ptアルミナ触媒、Pd/ZrO
触媒を評価の対象とした。試験の結果、Carbo-Sorb Eはガスの通気による気化量が大きく、1か月の連続捕集には適さず、MEAは1か月間を通して安定したCO
捕集能力があることが確認できた。各触媒の酸化効率を比較した結果、Pd/ZrO
触媒のCH
に対する酸化性能が最も優れており、加熱炉の温度を200
C以上下げることができ、モニタリングの安全性を向上できる。
山田 克典; 藤井 克年; 神田 浩志; 東 大輔; 小林 稔明; 中川 雅博; 深見 智代; 吉田 圭佑; 上野 有美; 中嶌 純也; et al.
JAEA-Review 2013-033, 51 Pages, 2013/12
平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故以降、放射線防護・放射線管理にかかわるさまざまな基準が策定された。インターネット等を通じて、これらの基準を調査した結果、下記13項目があげられた。(1)ヨウ素剤の服用基準値、(2)避難住民等に対するスクリーニングレベル、(3)避難区域、屋内退避等、(4)食品規制値(暫定規制値、基準値)、(5)放射線業務従事者の緊急時被ばく限度、(6)水浴場開設の判断基準、(7)学校・校庭の利用の判断基準、(8)作付基準、(9)飼料の暫定許容値、(10)堆肥の暫定許容値、(11)船舶、コンテナ等の除染基準、(12)廃棄物の取扱、処分等、(13)除染作業にかかわる基準。これらの基準の根拠を調査・整理し、今後の放射線防護、放射線管理の課題を検討した。
永井 晴康; 小林 卓也; 都築 克紀; 寺田 宏明
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.556 - 567, 2011/10
環境研究のための局地から領域スケールの結合モデルを構築するために、汎用モデル結合プログラム(JAEAカップラー)を開発した。この結合モデルでは、各モデル計算を並列計算機の異なるプロセッサーで実行し、カップラーが各モデルの実行制御とモデル間のデータ交換をMPIを用いて行う。カップラーは、モデルごとに異なる空間,時間,物理変数を補間しながら対象とするモデルへのデータ配信を行う。JAEAカップラーを用いて、領域スケールの水循環及び物質輸送の結合モデルシステムを構築した。試験計算として、豪雨後の水の移動と仮想的に大気に放出した溶存物質の輸送計算を実施した結果、結合計算における各モデル間のデータ交換が正常に実行され、対象とした現象もおおむね再現していることを確認した。
永井 晴康; 都築 克紀; 小林 卓也
Extended abstract of 9th Annual WRF Users' Workshop (Internet), 4 Pages, 2008/06
数値環境システムSPEEDI-MP開発の一環として、メソスケール水循環及びエネルギー循環を詳細に再現する水循環結合モデルを開発した。結合モデルは、大気,陸面,水文,海洋波浪及び海流モデルから構成される。各モデルの計算は、並列計算の異なるプロセスとして同時実行され、モデル結合プログラム(モデルカップラー)が、計算制御とモデル間のデータ交換を並列計算通信ライブラリ(MPI)を用いて行うことで結合を実現する。結合モデルの初期版は、米国の大気力学モデルMM5,原子力機構で開発した陸面モデルSOLVEG及び水文モデルRIVERS,米国の波浪モデルWW3及び海洋モデルPOMを用いて構築した。現在、米国の最新大気モデルWRFの導入を進めており、性能試験としてMM5とWRFそれぞれの結合計算結果を比較した。現状では、WRFの性能を十分に引き出せていないため、MM5の結合計算が観測値に近い結果であった。
阿部 和幸; 小林 孝*; 梶間 久司*; 吉川 勝則; 永峯 剛; 中村 保雄
JAEA-Technology 2008-008, 53 Pages, 2008/03
高速実験炉「常陽」材料照射用実験装置2号機(MARICO-2: Material Testing Rig with Temperature Control)はODSフェライト鋼など高速炉用燃料被覆管材として有望な材料の継続照射試験を行うためのものであり、コンクリート等による十分な放射線遮蔽能力を有するセル内にて再組立を行う必要があった。しかし、全長約11mと長尺の装置であること,遠隔操作による六角管の溶接が必要であることなどから従来のFMFにおける再組立技術が適用できない。そこで、MARICO-2再組立のための装置の整備、及び遠隔操作による再組立手順を確立した。
永井 晴康; 小林 卓也; 都築 克紀; Kim, K.
JAEA-Data/Code 2007-002, 65 Pages, 2007/02
数値実験によるさまざまな環境研究に資することのできる環境研究ツール「数値環境システムSPEEDI-MP」における数値実験ツール開発の一環として、多数のモデルを結合できるモデルカップラーを開発した。モデルカップラーは、複数のモデルを同時進行で平行計算させモデル間で計算結果を交換することにより、モデルを一体化したのと同等な結合状態を作り出すことができる。結合可能なモデルは、3次元構造格子を持つモデルで、ほとんどの環境モデルや流体力学モデルに汎用的に適用することができる。このモデルカップラーを用いて、大気,海洋,波浪,陸水、及び地表モデルの5モデルからなる水循環結合モデルシステムを開発した。水循環結合モデルシステムの適用試験として、サウジアラビアにおける2005年1月の洪水再現計算及び2005年8月のハリケーン・カトリーナによる高潮再現計算を実施した。
永井 晴康; 茅野 政道; 寺田 宏明; 原山 卓也*; 小林 卓也; 都築 克紀; Kim, K.; 古野 朗子
JAEA-Research 2006-057, 67 Pages, 2006/09
数値実験によるさまざまな環境研究に資することのできる環境研究ツール「数値環境システムSPEEDI-MP」の構築を行った。SPEEDI-MPは、大気,陸域,海洋の物理モデル及び物質循環モデル等の数値実験ツール,数値実験ツールの入力用データベースと、データ管理,可視化等の支援機能により構成される。数値実験ツール開発の一環として、多数のモデルを結合できるモデルカップラーを開発した。このモデルカップラーを用いて、大気,海洋,波浪,陸水、及び地表モデルの5モデルからなる水循環結合モデルシステムを開発した。支援機能はWebベースのGUIで操作可能であり、ユーザーは各自のPCからインターネット経由でシステムの全機能を使用可能である。システムに導入された放出源推定機能については、ITBL-Gridを活用して多数の計算機からなる分散環境での計算実行可能なシステムを開発した。また、水循環結合モデルシステムの適用試験として、洪水再現計算及び高潮再現計算を実施した。
原田 秀郎; 中村 詔司; 加藤 敏郎; 小林 勝利*; 本石 章司*; 柵瀬 正和*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(8), p.635 - 640, 1999/08
被引用回数:3 パーセンタイル:28.40(Nuclear Science & Technology)長寿命放射性廃棄物核種の消滅処理研究のための基礎データ研究の一環として、放射化法によりCs(n,
)
Cs反応の実効断面積(
eff)の測定を行った。高純度CsCl(99.99%)試料をターゲットとして用い、
Csの中性子吸収によって生成される
Csを利用した。また、
Csは
線のみで
線を出さないので、
Cs(n,
)
Cs反応を利用して、生成される
Csからの
線を測定することにより
Csの生成量を見積もった。すなわち、1
Cs(n,
)
Cs(n,
)
Cs(n,
)
Csという三重中性子捕獲反応を利用して
Csの断面積を求めることを試み、この方法の有効性を示すことにした。照射は、日本原子力研究所研究炉JRR-IIIのHR-1パイプを用いて行った。照射済み試料からの
線は、高純度Ge検出器で測定した。
初川 雄一*; 篠原 信男*; 畑 健太郎*; 小林 勝利*; 本石 章司*; 棚瀬 正和*; 加藤 敏郎; 中村 詔司; 原田 秀郎
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.455 - 458, 1999/03
被引用回数:2 パーセンタイル:21.01(Chemistry, Analytical)長寿命核種の核変換研究のための基礎データを得るために原子炉中性子を用いてCs(n,
)
Cs反応の熱中性子吸収断面積(
0)と共鳴積分(
)を測定した。
は、230万年の半減期を有する核種で核廃棄物中に生じ、長期的な危険性が指摘されている。本研究では、
Cs試料中に不純物として含まれている
を用いて実験を行った。四重極質量分析器を用いた質量分析法により
Cs/
比を求めた試料を中性子照射し、断面積を得た。
線分光法により生成した
Cs及び
Csの定量を行い、あらかじめ求めておいた
Cs/
比を用いて試料中の
を定量した。得られた値は、
0=8.3
0.3B、
=38.1
2.6Bであった。
原田 秀郎; 中村 詔司; 加藤 敏郎; 小林 勝利*; 本石 章司*; 棚瀬 正和*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(8), p.635 - 640, 1999/00
長寿命放射性廃棄物核種の消滅処理研究のための基礎データ研究の一環として、放射化法により134Cs(n,)135Cs反応の実効断面積(
eff)の測定を行った。高純度CsCl(99.99%)試料をターゲットとして用い、133Csの中性子吸収によって生成される134Csを利用した。また、135Csは
線のみで
線を出さないので、135Cs(n,
)136Cs反応を利用して、生成される136Csからの
線を測定することにより135Csの生成量を見積もった。即ち、133Cs(n,
)134Cs(n,
)135Cs(n,
)136Csという三重中性子捕獲反応を利用して134Csの断面積を求めることを試み、この方法の有効性を示すことにした。照射は、原研研究炉JRR-IIIのHR-1パイプを用いて行った。照射済み試料からの
線は、高純度Ge検出器で測定した。134Cs(n,
)135Cs反応の解析に
加藤 敏郎; 中村 詔司; 原田 秀郎; 初川 雄一*; 篠原 信男*; 畑 健太郎*; 小林 勝利*; 本石 章司*; 柵瀬 正和*
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(5), p.431 - 438, 1997/05
放射性廃棄物核種の核変換研究のための基礎データとして、Cs(n,
)
Cs反応の熱中性子吸収断面積(
)と共鳴積分(
)を放射化法で測定した。
Cs,
Csおよび
Csを含んだ放射性セヨウムのターゲットをカドミウムの遮蔽管の中に入れて、あるいは遮蔽管なしで原子炉中性子で照射した。中性子束と熱外部分(Westcott指数)をモニターするためにCo/AlおよびAu/Alの合金線をセジウム試料とともに照射した。高純度Ge検出器を
線測定に使用した。
Csは
崩壊のみで崩壊し、
線を出さないので、
Csを
Csのトレーサーとして使用した。ターゲット中の
Csと
Csの原子核数の比は、四重極質量分析装置で測定し、この比と照射後の試料の
Csと
Csの
線強度比を用いて
Csの
と
を求めた。
加藤 敏郎; 中村 詔司; 原田 秀郎; 初川 雄一*; 篠原 信男*; 畑 健太郎*; 小林 勝利*; 本石 章司*; 棚瀬 正和*
Italian Physical Society Conference Proceedings 59, p.1335 - 1337, 1997/00
長寿命放射性廃棄物核種の消滅処理研究のための基礎データとして、Cs(n,
)
Cs反応の熱中性子吸収断面積(
0)と共鳴積分(I0)を放射化法で測定した。
Cs、
Csおよび
Csを含んだ放射性セシウムのターゲットをカドミウムの遮蔽管の中に入れて、あるいは遮蔽管なしで原子炉中性子で遮蔽した。中性子束と熱外部分(Westcott指数)をモニタするためにCo/AlおよびAu/Alの合金線をセシウム試料とともに照射した。高純度ゲルマニウム検出器を
線測定に使用した。
Csは
崩壊のみで崩壊し、
線を出さないので、
Csを
Csのトレーサーとして使用した。ターゲット中の
Csと
Csの原子核数の比は、四重極質量分析装置で測定し、この比と照射後の試料の
Csと
Csの
線強度比を用いて
Csの
0とI0を求めた。
原田 秀郎; 中村 詔司; 加藤 敏郎; 小林 勝利*; 本石 章司*; 棚瀬 正和*
Proceedings of Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry (APSORC '97), 0 Pages, 1997/00
長寿命核種の核変換研究のための基礎データを得るために原子炉中性子を用いて135Cs(n,)136Cs反応の熱中性子吸収断面積(
0)と共鳴積分(I0)を測定した。135Csは、230万年の半減期を有する核種で核廃棄物中に生じ、長期的な危険性が指摘されている。本研究では、137Cs試料中に不純物として含まれている135Csを用いて実験を行った。四重極質量分析器を用いた質量分析法により137Cs/135Cs比を求めた試料を中性子照射し、断面積を得た。ガンマ線分光法により生成した136Cs及び137Csの定量を行い、あらかじめ求めておいた137Cs/135Cs比を用いて試料中の135Csを定量した。得られた値は、
0=8.3
0.3B、I0=38.1
2.6Bであった。
原田 秀郎; 関根 敏明*; 初川 雄一*; 重田 典子*; 小林 勝利*; 大槻 勤*; 加藤 敏郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(3), p.173 - 179, 1994/03
高レベル放射性廃棄物中に含まれる長寿命核分裂生成物であるSrの中性子による消滅処理の可能性を評価するための基礎データとして、
Srの熱中性子吸収断面積を測定した。その結果、15.3
1.3mbという値を得た。この値は、これまで評価済核データライブラリーに採用されていた値の約50分の1である。本報告では、実験方法、解析方法、結果等について詳述する。
関根 敏明*; 初川 雄一*; 小林 勝利*; 原田 秀郎; 渡辺 尚; 加藤 敏郎*
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology, p.57 - 58, 1992/00
放射性核分裂核種に対する消滅処理研究の一環として、Cs(n,
)
Cs反応の熱中性子吸収断面積(
)および共鳴積分(Ir)を測定した。この結果、
0=0.25
0.02バーンおよびIr=0.36
0.07バーンという値を得た。本報において、実験の詳細(原理、照射条件、化学処理および放射能測定)と解析方法・解析結果を発表する。
原田 秀郎; 渡辺 尚; 関根 敏明*; 初川 雄一*; 小林 勝利*; 加藤 敏郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 27(6), p.577 - 580, 1990/06
被引用回数:26 パーセンタイル:95.57(Nuclear Science & Technology)核変換研究のための基盤データ整備の一環として、熱中性子に対するCs(n,
)
Cs反応断面積を測定した。原子炉で照射した
Csサンプルを化学処理し、不純物を除去した後、高純度Ge半導体検出器を用いて崩壊
線スペクトルを測定した。ターゲットである
Cs及び中性子捕獲反応で生成した
Csから放出される崩壊
線の強度比より、熱中性子捕獲断面積を導出した。測定結果は、過去のStupegiaらによる測定値に比べ、2.3倍大きな値であった。
永井 晴康; 小林 卓也; 都築 克紀; 寺田 宏明
no journal, ,
原子力機構では、大気,海洋,地表モデル群の同時計算とダイナミックリンクにより、水分,熱,運動量等の各圏間の相互作用を詳細に考慮し、放射性物質の大気・海洋・陸域での移行挙動を連続的かつ厳密に扱うことのできる新たな包括的動態予測システムSPEEDI-MPの開発を進めている。包括的物質動態モデルの結合計算では、複数のモデルを同時進行で並行計算させ、モデル結合プログラム(モデルカップラー)が並列計算通信ライブラリMPIを用いてモデル間の双方向データ交換を仲介し、モデルを一体化したのと同等な結合状態を実現する。この結合計算について、大気・陸域・海洋複合系での溶存物質を対象とした物質循環結合計算の基本モデル構築を完了し、物質交換結合計算の試験として、茨城県東海村周辺の那珂川及び久慈川流域を含む領域で結合計算を実施した。計算期間は、2006年12月24日から5日間で、仮想的に放出した溶存物質が水とともに移動する様子のシミュレーションを試みて、カップラーによるデータ交換により大気,陸域,海洋間の物質交換が正常に行われることを確認した。
永井 晴康; 小林 卓也; 都築 克紀; 寺田 宏明
no journal, ,
原子力機構では、放射性物質の大気・海洋・陸域での移行挙動を連続的かつ厳密に扱うことのできる新たな包括的動態予測システムSPEEDI-MPの開発を進めている。包括的物質動態モデルの結合計算について、大気・陸域・海洋複合系での溶存物質を対象とした物質循環結合計算の基本モデル構築を完了し、茨城県東海村周辺の那珂川及び久慈川流域を含む領域で結合計算を実施した。計算期間は2006年12月24日から7日間で、26日から27日にかけての豪雨による那珂川及び久慈川の指定水位を超える出水時に、仮想的に放出した揮発性の溶存物質であるトリチウム水(HTO)が水とともに移動する様子のシミュレーションを試みた。仮想的に大気放出したHTOは、降雨によりほとんどが陸面に沈着するが、計算期間内に4割程度が河川流出,海洋拡散,大気への再放出など複雑な経路を経て計算領域外に流出していた。また、降水量を減少させる数値実験により大気,陸域,海洋の各系におけるHTO存在量の変化について解析を行い、水循環の変化が物質循環に及ぼす影響について考察を行った。