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古野 朗子; 大森 隆太*; 舘岡 永憲*; 皆川 友哉*; 栗原 寿幸; 山本 洋一; 冨田 豊
Pure and Applied Geophysics, 14 Pages, 2024/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geochemistry & Geophysics)包括的核実験禁止条約(CTBT)沖縄核種監視所(JPP37)は、沖縄本島中部の東シナ海に面した丘の上にあり、島内には原子力施設はないが、時折Cs-137が検出される。本研究では、JPP37におけるCs-137の検出に焦点を当て、近隣の観測点における同時検出の比率や、東アジア内陸部から飛来する黄砂との関係を調べた。解析対象であるJPP37における2020年から2023年までのCs-137検出は春に高頻度であった。東アジアのCTBT放射性核種観測点9カ所のうち、北京、蘭州、モンゴルのウランバートルの検出値も春に高かった。このことから、東アジアにおける黄砂の検出との高い関連性が示唆された。そこで、日本のいずれかの地点で黄砂が観測された場合に、近隣の包括的核実験禁止条約準備機関(CTBTO)の国際監視システム(IMS)9地点でCs-137の検出を確認した。また、高崎、北京、蘭州、ウランバートルで高い検出率を示した。このことから、日本周辺の東アジア地域のIMS粒子状放射性核種観測点で主に春に観測されたCs-137は、黄砂により運搬されるグローバルフォールアウトの影響を拾っている可能性が高いと推察される。さらに、日本近海に飛来する黄砂について予備的な放出源推定解析を行った。大気拡散シミュレーションでは、Cs-137が黄砂の放出源である砂漠から放出されたと仮定して、近傍のIMS粒子状核種観測点でCs-137が検出されたことを説明した。
内藤 富士雄*; 穴見 昌三*; 池上 清*; 魚田 雅彦*; 大内 利勝*; 大西 貴博*; 大場 俊幸*; 帯名 崇*; 川村 真人*; 熊田 博明*; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1244 - 1246, 2016/11
いばらき中性子医療研究センターのホウ素中性子捕獲療法(iBNCT)システムは線形加速器で加速された8MeVの陽子をBe標的に照射し、中性子を発生させる。この線形加速器システムはイオン源, RFQ, DTL, ビーム輸送系と標的で構成されている。このシステムによる中性子の発生は2015年末に確認されているが、その後システムの安定性とビーム強度を共に高めるため多くの改修を施した。そして本格的なビームコミッショニングを2016年5月中旬から開始する。その作業の進展状況と結果を報告する。
小池 克明*; 久保 大樹*; Liu, C.*; Masoud, A.*; 天野 健治; 栗原 新*; 松岡 稔幸; Lanyon, B.*
Tectonophysics, 660, p.1 - 16, 2015/10
被引用回数:28 パーセンタイル:64.68(Geochemistry & Geophysics)岩盤中の割れ目分布と透水性の関連性を把握することを目的に、東濃地域における深層ボーリング調査と立坑の壁面観察データを用いて、地球統計学的手法(GEOFRAC)による3次元割れ目分布モデルを構築するとともに、モデル化された割れ目分布と水理特性の関係について検討を行った。GEOFRACで構築した割れ目分布モデルは、使用した割れ目データの分布とよい一致を示した。また、モデル化された割れ目のうち、連続性のよい割れ目は既知の断層の近傍に分布している傾向にあることを把握した。さらに、GEOFRACで構築した割れ目分布モデルと透水係数分布モデルから、透水性に強い影響を及ぼす割れ目の規模や方向性を確認した。
久保 大樹*; 小池 克明*; Liu, C.*; 栗原 新*; 松岡 稔幸
地学雑誌, 122(1), p.139 - 158, 2013/03
広範囲の水理地質構造を明らかにするためには、調査によって得られた限られた情報を3次元的に拡張し、複数の情報を有機的に統合するための空間モデリング法が必要である。本研究では、地下水流動の支配要因である亀裂と透水係数の空間分布について、地球統計学を応用した推定手法を考案し、花崗岩体深部の水理構造の把握を試みた。作成した透水性分布モデルを用いた地下水流動シミュレーションの結果が、既往の調査結果と整合したことから、モデリング手法の妥当性が確認された。また同シミュレーションにより、対象地域において主要な地下水の流出域や、断層深部を通過する地下水の流れの存在が示唆されるなど、新たな知見を得ることができた。
鶴田 忠彦; 田上 雅彦; 天野 健治; 松岡 稔幸; 栗原 新; 山田 泰広*; 小池 克明*
地質学雑誌, 119(2), p.59 - 74, 2013/02
瑞浪超深地層研究所では、結晶質岩(花崗岩)を調査・研究において深地層の科学的研究を進めている。研究所で行っている地質学的調査では、特に結晶質岩中における地下水などの流体の主要な移行経路である割れ目や断層などの不連続構造の不均質性や特性に着目して、地表地質調査、反射法弾性波探査、ボーリング調査、研究坑道における地質調査などからなる現場調査と、それらの結果に基づく地質構造のモデル化を行っている。これまでの現場調査の結果、地下水の流動を規制する低透水性の断層が存在することと、多量の湧水を伴う割れ目帯が花崗岩上部に分布していることが明らかになっている。これらの地質構造については、スケールの異なる地質構造の規則性・関連性や地質構造の発達過程に着目したモデル化の整備を進めているところである。本報では、地質構造に関する現場調査と、地質構造モデルの構築に関する事例の紹介を通して、研究所における地質学的調査について報告する。
石橋 正祐紀; 栗原 新*; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣
JAEA-Research 2012-018, 48 Pages, 2012/07
本報告書では、超深地層研究所計画の第2段階において実施してきている、地質構造モデルの変遷について整理した結果を取りまとめた。第2段階においては、研究坑道の掘削に伴う研究坑道の壁面地質調査結果や研究坑道から実施したボーリング調査結果などに基づき、第1段階に構築した地質構造モデル(SB3地質構造モデル)の更新を行っている。現在までに、Shaft180地質構造モデル、Pilot500地質構造モデル、Substage200地質構造モデル、Stage300地質構造モデルと4回の更新を実施してきている。地質構造モデルは、各段階の調査データをもとに更新した地質・地質構造の空間分布を示しているため、前段階に構築した地質構造モデルと比較することで、調査の進展に伴う地質・地質構造の分布、情報の過不足、不確実性の変遷を総合的に評価するうえで有効である。
久保 大樹*; 小池 克明*; 栗原 新*; 松岡 稔幸
平成23年度(2011年)資源・素材学会秋季大会講演集, p.369 - 370, 2011/09
広範囲の水理地質構造を明らかにするためには、調査によって得られた限られた情報を3次元的に拡張し、複数の情報を有機的に統合するための空間モデリング法が必要である。本研究では、地下水流動の支配要因である亀裂と透水係数の空間分布について、地球統計学を応用した推定手法を考案し、花崗岩体深部の水理構造の把握を試みた。作成した透水性分布モデルを用いた地下水流動シミュレーションの結果が、既往の調査結果と整合したことから、モデリング手法の妥当性が確認された。また同シミュレーションにより、対象地域において主要な地下水の流出域や、断層深部を通過する地下水の流れの存在が示唆されるなど、新たな知見を得ることができた。
鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 程塚 保行; 田上 雅彦; 石田 英明; 早野 明; 栗原 新; 湯口 貴史
JAEA-Research 2010-039, 131 Pages, 2011/01
地層処分研究開発部門東濃地科学ユニットでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階」,「第2段階」及び「第3段階」からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階における調査研究を進めている。超深地層研究所計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定め、そのうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書は、第2段階目標に基づき、2008年度に実施した地質・地質構造に関する調査研究の成果を取りまとめたものである。
佐々木 聡; 須藤 俊幸; 原田 晃男; 栗原 良一; 山本 和喜; 土田 昇; 清水 勇; 野村 俊文
原子力eye, 57(1), p.66 - 75, 2011/01
平成22年8月8日に実施された技術士第2次試験「原子力・放射線部門」の筆記試験に関し、選択科目のうち「核燃料サイクルの技術」,「放射線利用」,「放射線防護」の問題と解答のポイントを解説した。
石川 卓哉*; 茶竹 俊行*; 大西 裕季*; 田中 伊知朗*; 栗原 和男; 黒木 良太; 新村 信雄*
Chemical Physics, 345(2-3), p.152 - 158, 2008/04
被引用回数:14 パーセンタイル:43.66(Chemistry, Physical)A neutron diffraction study has been carried out at 2.7 resolution on cubic porcine insulin at pD 6.6 using the BIX-4 at the JRR-3 reactor of JAEA. The ionization states of several amino acids in porcine insulin have been obtained at pD 6.6 and they are compared with those at pD 9 obtained by neutron diffraction as well as those at pH 6.50 and 6.98 obtained by X-ray diffraction. For the present work, a large single crystal of 2.7 mm
was obtained by dialysis. Refinement of the structure was carried out and the
-factor was 21.4% with the free
being 29.4%. Protonation and deprotonation of various ionizable amino acid residues were observed and discussed on the basis of the charged states estimated by the
values. In the case of His
5, both N
and N
of an imidazole ring are protonated at pD 6.6, but at pD 9 only N
is protonated. In contrast, for His
10, both N
and N
are protonated at pD 6.6 as well as at pD 9.
末岡 通治; 戸塚 俊之; 川俣 陽一; 栗原 研一; 関 暁之
Fusion Engineering and Design, 83(2-3), p.283 - 286, 2008/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)核融合実験装置を安全かつ効率的に運転するには、実験運転に携わる運転員にその時々でタイムリーな情報を提供する必要がある。そこで、中央制御室の前面に大型液晶モニタを新規設置し、この画面に実時間プラズマ映像や放電シーケンスの進行状況,放電スケジュール,各設備の警報の有無など、さまざまな情報画面を自動表示する全く新しいシステムを開発することとした。このシステムは放電シーケンスに従ってこれらの画面を自動的に切り替えることができ、また運転者の任意のリクエストに応じた画面を出力することもできる。本発表では、本システムの設計の現状について報告し、また機能向上など将来の実験利用に向けた展望についても触れる。
川俣 陽一; 内藤 磨; 清野 公広; 伊丹 潔; 戸塚 俊之; 赤坂 博美; 末岡 通治; 佐藤 朋樹; 大島 貴幸; 坂田 信也; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(2-3), p.198 - 201, 2008/04
被引用回数:3 パーセンタイル:22.80(Nuclear Science & Technology)ITERの幅広いアプローチとして超伝導化されるJT-60SAの設計が開始され、制御システムについては既存システムを最大限再利用しつつ、次の各項目それぞれに新しい考え方を創出適用し先進的な統括制御システムを構築することを目指して検討している。(1)高精度タイミングシステム,(2)先進的放電シーケンス制御システム,(3)高機能実時間制御システム,(4)ハードワイヤード保護インターロックシステム,(5)制御プログラム形式放電条件システム,(6)先進的データベースシステム。本発表では、JT-60SA統括制御システムの特徴である上記システムの重要ポイントについて概念設計の検討内容を報告する。
茶竹 俊行*; 柴山 修哉*; Park, S. Y.*; 栗原 和男; 玉田 太郎; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 黒木 良太; 森本 幸生*
Journal of the American Chemical Society, 129(48), p.14840 - 14841, 2007/12
被引用回数:26 パーセンタイル:60.57(Chemistry, Multidisciplinary)A large crystal of human deoxy hemoglobin (Hb) was grown from DO solution (pD 6.3). The preliminary neutron diffraction experiment was carried out at the KUR reactor in RRI of Kyoto University, and the diffraction data set to 2.1
resolution was collected at JRR-3 reactor in JAEA using the BIX-3. The neutron crystal structure of Hb reveals that both the
- and
-distal histidines (His
58 and His
63) adopt fully (doubly) protonated form. This finding sharply contrasts with existing results on R (relaxed) state liganded Hbs where such full protonation can never occur. This results suggest an interesting possibility that the both histidines could contribute to the T (tense) state Bohr effect of Hb. Indeed, the protonation/deprotonation of each distal histidine may have a direct impact on the oxygen affinity of the nearby heme group through sterical hindrance and/or polarity change in the heme pocket without affecting the allosteric equilibrium of Hb.
新村 信雄; 新井 栄揮; 栗原 和男; 茶竹 俊行*; 田中 伊知朗*; Bau, R.*
Cellular and Molecular Life Sciences, 63(3), p.285 - 300, 2006/02
被引用回数:41 パーセンタイル:37.00(Biochemistry & Molecular Biology)中性子回折は蛋白質やDNAの水素位置を直接的に決定する実験手法である。三つの異なったタイプの生体物質用高分解能中性子回折計が日本,フランス,アメリカに建設され、それらは近年、多くの蛋白質の結晶構造を決定するために頻繁に用いられてきた。本論文では、詳細な水素結合のジオメトリー,蛋白質及び核酸のH/D交換に関する情報,プロトンの正確な位置決定,酵素活性及び熱安定性における水素原子の役割,水和構造の動力学的挙動など、中性子構造解析から引出された成果を取り上げる。その他の重要な技術として開発された、結晶化相図による大型単結晶育成の最適化,完全重水素化蛋白質の調製,中性子蛋白質結晶学におけるクライオ技術の導入,生体水素水和水データベースの設立なども本論文中にて議論する。
新井 栄揮; 茶竹 俊行*; 大原 高志; 栗原 和男; 田中 伊知朗*; 鈴木 喜大*; 藤本 瑞*; 水野 洋*; 新村 信雄
Nucleic Acids Research, 33(9), p.3017 - 3024, 2005/05
被引用回数:94 パーセンタイル:82.60(Biochemistry & Molecular Biology)本研究ではB型DNA十量体d(CCATTAATGG)について、X線及び中性子結晶構造解析を行い、多くの水和水について水素原子位置を含めて決定することに成功した。DNA二重らせん周辺の水和パターンは、核酸の構造と機能に重要な役割を果たすと考えられている。特に、AT塩基対が連なる領域のMinor groove(副溝)内には、六角形状の水和パターンが存在することが知られていた。しかし、それはX線結晶回折によって明らかにされた水分子の酸素原子位置から予想されたものであった。今回、水和水の水素原子位置が決定できたことにより、水分子の配向を含めた詳細な水和水ネットワークの様子が明らかになった。これにより、水和パターンは単純な六角形だけでは表せず、これまでの予想よりも数多くの水素結合がDNA鎖-水分子間に存在することが明らかになった。
新村 信雄; 新井 栄揮; 栗原 和男; 茶竹 俊行*; 田中 伊知朗*; Bau, R.*
Hydrogen- and Hydration-Sensitive Structural Biology, p.17 - 35, 2005/00
原研において、われわれは生体高分子のための幾つかの高分解能中性子回折計(BIX-type回折計)を建設した。この論文では、BIX-type回折計で得られた、蛋白質中の水素位置及び水和に関する幾つかの興味深い結果について再考する。中性子蛋白質結晶学の一般的な話題が著者らによって再考され、選ばれた幾つかのトピックスが議論される。
茶竹 俊行*; 栗原 和男; 田中 伊知朗*; Tsyba, I.*; Bau, R.*; Jenney, F. E. Jr.*; Adams, M. W. W.*; 新村 信雄
Acta Crystallographica Section D, 60(8), p.1364 - 1373, 2004/08
被引用回数:34 パーセンタイル:88.59(Biochemical Research Methods)由来ルブレドキシンの高い熱安定性の起源を明らかにするため、その変異型に対する1.6
分解能中性子結晶構造解析(重水中で結晶育成)を生体高分子用中性子回折装置BIX-3(原研原子炉JRR-3内設置)を用いて行った。
由来ルブレドキシンは、通常の熱安定性を持つ常温菌由来のルブレドキシンと異なるアミノ酸残基部分を持つ。そこで、その中で重要と考えられる3つの残基を常温菌のものに変えた変異型を発現させ、その水素結合パターンを変異の無い野生型と比較した。その結果、変異を行った残基の一つで水素結合パターンの違いが明らかになった。これをもとに熱安定性の議論を行った。一方で、このタンパク質の水素/重水素置換率の詳細も調べた。その結果、ルブレドキシンの鉄-硫黄中心(酸化還元機能を司る)にかかわる4つのシステイン残基周辺は、最も水素/重水素置換が進んでいないということがわかった。これはこの周囲の構造が安定であることを示唆している。加えて、この高分解能な中性子構造解析により、水和水の秩序性も含めた詳細な水和構造が明らかになった。
栗原 和男; 田中 伊知朗*; 茶竹 俊行*; Adams, M. W. W.*; Jenney, F. E. Jr.*; Moiseeva, N.*; Bau, R.*; 新村 信雄
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 101(31), p.11215 - 11220, 2004/08
被引用回数:48 パーセンタイル:60.27(Multidisciplinary Sciences)原研原子炉JRR-3設置の生体高分子用中性子回折装置BIX-3を用いて、高い熱安定性を持つ由来ルブレドキシンの中性子結晶構造解析を行った。結晶化はH原子からのバックグラウンドを抑えるため重水中で行った。回折実験は常温で行い、1.5
分解能でデータ収率81.9%を得た。立体構造モデルの精密化では、306個のH原子と50個のD原子及び37個の水和水を同定した。その結果、モデルの信頼性を示す
因子及び
因子は最終的に各々18.6%, 21.7%となった。この中性子解析により、X線解析では明確でなかったアミノ酸側鎖のO-D結合の方位を明らかにできた。また、主鎖のN-H結合のH原子は多くがD原子に置換されている一方で、その中で5つのH原子は置換されずに保たれていることがわかった。これはその周囲の高い構造安定性を示す。さらに中性子散乱密度図では、このタンパク質の高い熱安定性に寄与していると考えられているND
末端のその周囲に広がる水素結合ネットワークを詳細に明らかにすることができた。
新村 信雄; 茶竹 俊行; 栗原 和男; 前田 満
Cell Biochemistry and Biophysics, 40(3), p.351 - 369, 2004/06
被引用回数:24 パーセンタイル:24.82(Biochemistry & Molecular Biology)本論文は、中性子構造生物学に関するレビュー論文である。中性子回折は、タンパク質中の水素の位置を直接観察できる実験的手段である。われわれは、高分解能の生物物質用中性子回折装置(BIX-type)を原研に設置した。最大1.5オングストローム分解能で、タンパク質の結晶構造解析が可能であり、本論文では、これらの回折装置で得られたタンパク質中の水素・水和構造の興味深い結果を紹介した。
新村 信雄; 茶竹 俊行; Ostermann, A.; 栗原 和男; 田中 伊知朗
Zeitschrift fr Kristallographie, 218(2), p.96 - 107, 2003/03
これは原研で開発した中性子回折装置BIX-3を用いて行った中性子構造生物学研究の総合報告の依頼原稿である。中性子構造生物学はタンパク質の水素,水和構造を原子レベルで決定できる唯一の実験手法であり、原理はわかっており30年前に実験の試みはされたが、実験データ収集に1年以上かかるのでその後ほとんど行われてこなかった。われわれ原研グループは中性子イメージングプレート(IP)及びいくつかの技術開発を成功させ、中性子回折装置BIX-3を建設し、それにより基本的なタンパク質ミオグロビン,ルブレドキシンの水素を含む立体構造を高分解能で決定し、中性子構造生物学を確立した。それにより得られたいくつかの成果をまとめた。内容は中性子回折装置BIX-3の説明,中性子IPの説明,BIXにより決定されたミオグロビン,ルブレドキシンの水素原子の見え方,水素結合の見え方,H/D交換とその意義,水和水のダイナミックスについて紹介した。