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佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 木下 了磨; 松宮 正彦*; 新奥 孝太*; 城石 英伸*
Analytical Sciences, 39(9), p.1575 - 1583, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)NTAアミドと関連化合物によって塩酸溶液からRhの抽出を行った。我々はここでRh-塩化物アニオンとプロトネートしたNTAアミドによるイオン対抽出を利用した。本抽出系で最大16のRh分配比を得た。調製時のRh錯体の存在割合が異なると、水分子-塩素イオンの交換速度が遅いために、Rh分配比は変化しうる。Rh-Cl錯体のUVスペクトルで504nmの最大吸収波長を持つときに最も高い分配比を示した。DFT計算から、この時水相に存在するRh錯体をRhCl(HO)とRhCl(HO)と推測した。NTAアミド濃度に対する抽出分配比の傾きの解析結果から、1:1反応で抽出されること、及び85mMのRhを有機相に抽出できることを確認した。
佐々木 祐二; 中瀬 正彦*; 金子 政志; 小林 徹; 竹下 健二*; 松宮 正彦*
Analytical Sciences, 5 Pages, 2023/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)Ru抽出に関して、XANESスペクトルとDFT計算による理論的な検討を行った。各種鉱酸からMIDOA(メチルイミノジオクチルアセトアミド)によるRu分配比はHCl HSO HNO HClOの順になった。XANESスペクトルの結果から、HClから抽出したRuの原子価は低く、有機相中でアニオン性のRuの存在とこれによるイオン対抽出を示唆した。抽出剤相互のRu分配比の比較結果(NTAamide MIDOA IDOA)はDFT計算のHOMO, LUMO間のエネルギー差と一致した。これは抽出能力と反応熱量の間に重要な関連があることを示した。
野水 大輝; 佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 勝田 正一*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(3), p.1483 - 1493, 2022/03
被引用回数:4 パーセンタイル:68.71(Chemistry, Analytical)我々は水溶性のジグリコールアミド(DGA)とジオキサオクタンジアミド(DOODA)による希土類元素の逐次錯形成を溶媒抽出系で調べた。抽出剤であるTODGAとDOODA(C8)はLnパターン(Ln分配比と原子番号の関係)の逆相関を示し、その組み合わせは相互分離に有効である。水系でDOODAは2分子、DGAは3分子希土類に配位することが分かった。1010段の多段抽出を実施し、La, Pr, Ndは水相に、一方Sm-Dyは有機相に分離することができた。
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Separation Science and Technology, 57(16), p.2543 - 2553, 2022/00
被引用回数:3 パーセンタイル:29.84(Chemistry, Multidisciplinary)TALSPEAK法を参考に、DGA抽出剤を用いてマスキング剤にDTPAとその類縁体であるDTBAを用いてLnとAnの相互分離を検討した。この系では、pH緩衝液に乳酸(LA)と、pH調整にエチレンジアミン(ED)を用いた。実験により、TODGA-DTPA-LA-NaOH, TODGA-DTPA-LA-ED, TODGA-DTBA-LAで同じ分配比や分離比を示した。多段抽出によるLn, Anの相互分離により、DGA-DTPA-LA-EDで水相へLnの平均回収率は3.73%でAmは98.1%、DGA-DTPA-LA-NaOH系で3.1(Ln) and 97.0(Am)%、DGA-DTBA-LA系で1.61(Ln) and 98.7(Am)%であった。
佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 40(6), p.620 - 640, 2022/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.86(Chemistry, Multidisciplinary)イオン半径の酷似する3価Ln, An分離は今でも挑戦的な研究である。ここでは、TODGAとDTBA(ジエチレントリアミントリ酢酸ジアミド)を使っての相互分離を検討した。過去の結果から我々はより安定な分離条件設定と高い分離性能を得ることを目的とした。希硝酸、DTBA濃度とpH緩衝液の乳酸を使ってpH条件を安定化した。その結果、有機相には97.1% Ndと1.59% Amを、及び水相には98.4% Amと2.95%のNdを分離回収できることを確認した。
金子 政志; 佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.515 - 526, 2021/05
被引用回数:3 パーセンタイル:35.51(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイドの分離変換技術開発で重要であるAmとEuの金属イオン選択性を理解することを目的として、密度汎関数計算をジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びそのビスアミド(DTPABA)キレート配位子との金属錯体の分子構造及び錯生成反応のモデル化に適用した。構造最適化計算により得られたDTPA及びDTPABAの錯体構造は、既に報告されている単結晶構造を再現した。錯生成反応におけるギブズエネルギー解析の結果、どちらのキレート配位子ともEuイオンよりAmイオンと安定な錯体を生成することが示され、実験結果のAm/Eu選択性と一致した。金属イオンと配位子との化学結合解析の結果、Amの5f軌道とDTPA及びDTPABAの窒素ドナー原子との強い共有結合が、高いAm選択性が発現した一因であることが示唆された。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 小野 遼真*; 城石 英伸*
JOM, 73(4), p.1037 - 1043, 2021/04
被引用回数:4 パーセンタイル:34.69(Materials Science, Multidisciplinary)ジグリコールアミドの一種であるTDdDGAを用いるNdマグネットからのDy分離を試みた。すべての希土類元素はTDdDGAで抽出可能であり、そのDy/Nd分離比は10を超える。本研究で、0.1M TDdDGA/ドデカン(8段), 0.7M硝酸(金属入り10段), 0.7M硝酸(金属無し6段)の多段抽出を行い、99% Dyと1% Ndを有機相に回収されることを確認した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Hydrometallurgy, 199, p.105539_1 - 105539_8, 2021/02
被引用回数:4 パーセンタイル:33.99(Metallurgy & Metallurgical Engineering)D2EHPA(A)とMIDPA(B)を用いる希土類元素のイオン液体中へ協同抽出が検討された。D2EHPAまたはMIDPAを単独で抽出に用いる際には、その抽出種は[LnAHA]か[LnBHB]であった。錯形成定数から、協同抽出錯体である[TbHAB]や[DyHAB]は単独抽出剤による[LnAHA],[LnBHB]等の錯体種より安定であることが確認された。分離係数を考慮すると、協同効果を用いてDyをPrやNdからの分離が可能であることを確認した。
松宮 正彦*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二; 小野 遼真*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 327(1), p.597 - 607, 2021/01
被引用回数:2 パーセンタイル:24.28(Chemistry, Analytical)軽,重希土類元素とAmの3分割法を達成するため、有機酸からTODGAを使ったバッチ式多段抽出法が検討された。マロン酸は水への溶解度が高く、水相の主成分として利用された。マロン酸からNd/Am分離比と、マロン酸+硝酸からLa/Am分離比はいずれも30程度であり、これらの水溶液を用いた。La+Ceは1Mマロン酸+0.05M硝酸、Amは3Mマロン酸、中,重希土類元素は0.1M TEDGAの水溶液で分離した。これにより、95%以上のAmを回収でき、希土類元素の共存量は16%以下であることを確認した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(7), p.764 - 784, 2021/00
被引用回数:3 パーセンタイル:22.95(Chemistry, Multidisciplinary)ジケトンの一種である、Htta(テノイルトリフルオロアセトン)又はHbfa(ベンゾイルトリフルオロアセトン)とTOPOを用いてNd-Fe-Bマグネットから4つの希土類元素のイオン液体への抽出を試みた。期待される共同抽出が起こり、7回の連続抽出によって、TbとDyをその他の希土類元素から分離することができた。
佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 土田 裕介*
Analytical Sciences, 36(11), p.1303 - 1309, 2020/11
被引用回数:4 パーセンタイル:16.26(Chemistry, Analytical)バッチ式多段抽出による希土類元素相互分離を行った。用いた抽出剤はTODGAで、希土類元素に高い抽出性と分離性を示している。多段抽出法は相互分離に有効な方法であるが、基礎データがすくない。計算結果と実測値の一致性を確かめたのち、バッチ式多段抽出法によるDy/Nd分離試験を行った。計算で求めた最良の分離条件を使って、10倍濃度の高いNdからDyを97%回収し、Ndは検出限界以下にすることができた。
佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 49(10), p.1216 - 1219, 2020/10
被引用回数:9 パーセンタイル:45.29(Chemistry, Multidisciplinary)TODGAを使って、有機酸からドデカンへの希土類元素抽出を行った。乳酸,マロン酸,酒石酸,クエン酸の4つの有機酸を用いた。これら有機酸は水相で希土類元素を安定化するが、1以上の分配比が得られた。希土類元素パターンはHoとErで最も高い値を示し、分配比を増大させるには硝酸を添加することが効果的であることが分かった。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*
Radiochimica Acta, 108(9), p.689 - 699, 2020/09
被引用回数:9 パーセンタイル:75.92(Chemistry, Inorganic & Nuclear)AmとCmをNdとSmから分離する技術は原子力分野で重要である。すべてのランタノイド(Ln)と3価のアクチノイド(An)イオンはDGA化合物で抽出される。加えて、TODGAと水溶性のDTPAを組み合わせると比較的高いLn/An分離比を得ることができる。ここでは、DTPAを改良したDTPA-BAを用いてLn/An分離を試み、比較的高い分離比(8)を得ることができた。次に多段抽出を行い、その結果94.7%のNdと4.7%のAm+Cmを有機相に、5.3%のNdと95.3%のAm+Cmを水相に回収することができた。
松宮 正彦*; Song, Y.*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Separation and Purification Technology, 234, p.115841_1 - 115841_8, 2020/03
被引用回数:17 パーセンタイル:62.19(Engineering, Chemical)溶媒抽出と沈殿回収の開発は2次廃棄物低減に重要である。ここでは、メチルイミノ-ジオクチルアセトアミドを用いてアセトフェノン,ジクロロエタン,オクタノール中に抽出したPdの有機溶媒からの直接沈殿を調べた。その結果、Pdは-2.38から-3.4Vの間での0価への還元が見られ、黒色沈殿として回収できた。
佐々木 祐二; 伴 康俊; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 小野 遼真*; 城石 英伸*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 27(1), p.63 - 67, 2020/00
被引用回数:6 パーセンタイル:31.74(Chemistry, Multidisciplinary)Ndマグネット中のDyを溶媒抽出で分離回収する方法の基礎研究を行った。DyはNdよりも価値が高く、これを回収して再利用することは意義深い。我々はランタノイドを効率よく抽出するDGA(ジグリコールアミド化合物)を用いてDyを単離する条件の検討を行った。抽出容量の高いTDdDGA(テトラドデシルジグリコールアミド)を用いて溶媒抽出を行うと、Dy/Nd分離比は17-18であった。効率よく相互分離を行うために、向流接触の溶媒抽出を採用した。0.1M TDdDGA/n-ドデカン、0.3M硝酸の条件で4段の向流接触抽出を行ったところ、有機相にDyを92%、その中にNd 0.7%回収できることを確認した。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.108 - 112, 2019/09
抽出剤とマスキング剤を併用する溶媒抽出系で、アクチノイド-ランタノイド、及びAm-Cm分離を検討した。それぞれ分離比はNd/Amでおよそ10、Cm/Amで3程度であった。それぞれの結果を用いて、最適分離系での多段抽出法における金属濃度プロファイルを求め、実験結果評価に役立てた。
村上 勢菜; 佐々木 祐二; 松宮 正彦*
no journal, ,
希土類元素と水溶性配位子が形成する錯体について、紫外可視分光法, 赤外分光法及び核磁気共鳴法を用いて、溶媒和構造の解析及び錯形成定数等の安定性に関する評価を行った。水溶性配位子にTEDGA, DOODA(C2)を選定し、硝酸及び塩化ナトリウム水溶液中における各種希土類元素に対する錯形成定数を紫外可視分光分析法によって決定した。また、赤外分光法や核磁気共鳴法により、各配位子の配位に関与する官能基を特定し、錯体構造と錯体の安定性に関する考察を行った。
佐々木 祐二; 松宮 正彦*
no journal, ,
LnやAn相互分離は原子力分野のみならず、一般の産業界でも注目される。ネオジム磁石からDyの分離は耐熱性向上の観点から、またAm/Cm分離は発熱性や中性子放出核種の分離の観点から分離が求められる。DGA系溶媒抽出を用いて多段抽出による相互分離の結果について述べる。
佐々木 祐二; 伴 康俊; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 小野 遼真*; 城石 英伸*
no journal, ,
Nd磁石から保磁率向上の観点で添加されたDyを選択的に分離回収する簡便な方法開発が、資源リサイクルの分野で注目されている。NdとDyは同じ希土類元素であり、相互分離は容易でない。近年著者らが開発したDGA(ジグリコールアミド)化合物は希土類元素を効率よく抽出し、その分配比は高い。さらに軽希土類元素と重希土類元素との相互分離比が比較的高く、本分離テーマに都合の良い化合物である。ここでは、多段抽出法を使いながら相互分離性を確かめた結果について報告する。
佐々木 祐二; 伴 康俊; 森田 圭介; 松宮 正彦*
no journal, ,
希土類元素は希少元素であるが産業界でも多く利用されており、相互分離及び回収について、よりよい手法を開発しておく必要がある。硝酸溶液中の希土類元素はジグリコールアミド化合物による抽出が有効である一方で、相互分離比は高くない。したがって、向流接触の多段抽出法を採用し、分離効率を上げる必要がある。ここでは、この分離技術について基礎的な検討を行ったので、その結果について報告する。