Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Barucci, M. A.*; Reess, J.-M.*; Bernardi, P.*; Doressoundiram, A.*; Fornasier, S.*; Le Du, M.*; 岩田 隆浩*; 中川 広務*; 中村 智樹*; Andr, Y.*; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.211_1 - 211_28, 2021/12
被引用回数:20 パーセンタイル:83.10(Geosciences, Multidisciplinary)MMX赤外線分光計(MIRS)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のMMXミッションに搭載されているイメージング分光計である。MIRSは他の4つのフランス研究所との協力、フランス国立宇宙研究センター(CNES)の協力と財政支援、およびJAXAと三菱電機(MELCO)との緊密な協力によりパリ天文台で開発されている。この装置はMMXの科学的目的を完全に達成するべく設計されている。MIRSはフォボスとダイモスの表面組成の分析およびサンプリングサイトの選択時に使用される組成診断スペクトル機能を含む近赤外線スペクトルマップ機能をリモートで提供する。MIRSはまた、火星の大気、特に雲,塵,水蒸気などの空間的時間的変化についても観測を行う予定である。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:52 パーセンタイル:96.21(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200
Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.
Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04
被引用回数:286 パーセンタイル:99.69(Multidisciplinary Sciences)小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。
衣旗 広志*; 山本 昌彦; 田口 茂郎; 駿河谷 直樹; 佐藤 宗一; 小玉 貴司*; 玉内 義一*; 柴田 勇木*; 安齋 喜代志*; 松岡 伸吾*
Nuclear Technology, 192(2), p.155 - 159, 2015/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)東海再処理施設より採取した高放射性廃液を30mL使用して試験を実施した結果、掃気停止状態において、気相部の水素濃度は、水素の爆発下限界である4%よりも低い濃度で平衡状態となっていることが分かった。また、平衡値について、模擬廃液実験から得られたパラメータを用いて計算される予測値と比較した。その結果、平衡値と予測値は同程度のオーダーであり、パラジウムイオンによる水素消費反応が実廃液にも起きていることを確認した。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 上野 孝志; 徳安 真吾; 大丸 修二; 竹内 竜史; et al.
JAEA-Review 2012-020, 178 Pages, 2012/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2010年度は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めるとともに、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の調査研究を開始した。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」及び第3段階(研究坑道を利用した研究段階)における2010年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
徳安 真吾; 松岡 稔幸; 程塚 保行*
JAEA-Research 2012-007, 55 Pages, 2012/06
本研究では、深度300m研究アクセス坑道掘削前の先行ボーリング時に1,000L/min以上の湧水が発生した2008年10月の自然電位測定結果について、ノイズ除去に有効なデータ処理方法の検討及び、処理後の自然電位測定結果から水理地質構造の推定を行った。次に、立坑排水の一時的な停止による立坑内水位上昇後の、立坑内の地下水排水作業期間である2006年3月から4月に実施した既存の自然電位測定結果について、今回検討したデータ処理を適用し、水理地質構造の推定を行った。これらを総合して、自然電位測定の地下水流動を規制する断層や割れ目帯の分布の推定への適用性について評価を行った。その結果、ノイズ除去に有効なデータ処理方法を示すとともに、このデータ処理によって研究坑道の掘削に伴う地下水流動に起因する自然電位変化を抽出し、地下水流動を規制する断層や割れ目帯の分布を推定することができた。
鶴田 忠彦; 武田 匡樹; 上野 孝志; 大丸 修二; 徳安 真吾; 尾上 博則; 新宮 信也; 石橋 正祐紀; 竹内 竜史; 松岡 稔幸; et al.
JAEA-Technology 2012-001, 134 Pages, 2012/03
日本原子力研究開発機構東濃地科学研究ユニットでは、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を段階的(第1, 2, 3段階)に進めている。このうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書では、第2段階の目標を達成するために、2010年度に深度300m研究アクセス坑道において実施した、主立坑断層を対象としたボーリング調査の結果を取りまとめた。本ボーリング調査は、瑞浪超深地層研究所の主立坑において認められる断層を対象として、2孔(10MI22号孔及び10MI23号孔)のボーリング孔掘削、地質学的調査、水理学的調査、及び地下水の地球化学的調査を実施した。その結果、主立坑断層及び周辺岩盤の割れ目や変質の特徴、水理特性、及び水質分布を把握することができた。
徳安 真吾; 松岡 稔幸; 水永 秀樹*; 杉本 芳博*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、地層処分技術に関する研究開発の一環として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において、結晶質岩を対象とした深地層の科学的研究を進めている。今回、岩盤中の断層や割れ目帯の分布を評価可能な物理探査技術の整備を目的として、研究所周辺において自然電位測定による地下水流動モニタリングを実施し、研究所の坑道掘削工事や坑道内でのボーリング調査などに伴う湧水による地下水の流動に起因する自然電位異常の検出を行うとともに、その結果を確認・推定されている断層分布と比較して、水理地質構造の評価を行った。その結果、ボーリング孔掘削時の湧水に伴う微弱な自然電位変化であっても、適切なノイズ処理を適用することで、地下水の流動を視覚的に確認することが可能であり、遮水性の断層によって地下水の流動が異なっていることを推定することができた。
石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 徳安 真吾; 上野 孝志; 川本 康司; 窪島 光志; 笹尾 英嗣
no journal, ,
超深地層研究所計画の研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)において実施している地質・地質構造に関する調査研究は、地表からの調査予測研究段階(第1段階)で構築した地質構造モデル(サイトスケール)の妥当性の確認」,「研究坑道周辺に着目した地質構造モデル(ブロックスケール)の構築」及び「坑道掘削時の調査評価技術の整備」を目標としている。本報告では、地質・地質構造に関する調査研究の現状として壁面地質調査,逆VSP探査、及び地質構造モデルの更新に関する結果の概要と成果について提示する。
山根 祐一; 天野 祐希; 柳田 佳徳; 川崎 泰; 佐藤 真人; 早坂 裕美; 田代 信介; 阿部 仁; 内山 軍蔵; 上田 吉徳*; et al.
no journal, ,
高レベル濃縮廃液が設計上の想定を超えて、沸とうして乾固状態に至る過程における放射性物質の放出挙動に係るデータを取得している。本稿では、小規模の試験装置により100mLの実廃液を電気炉で加熱して、300Cに達するまでの放射性物質の放出量を測定し、その放射性物質の廃液中での初期濃度との関係を調べた結果を報告する。
小玉 貴司*; 中野 正道*; 松岡 伸吾*; 松浦 千尋*; 伊藤 泰男*; 黒須 勝也*; 白石 浩二; 勝村 庸介*
no journal, ,
高レベル廃液貯槽の中で発生する放射線分解水素はその全量が液面から放出されるわけではなく、いわゆる「液深効果」があることが知られている。本研究では、その原因は、これまで考えられていたような放射線分解で生成した活性種と水素の反応ではなく、Pdを触媒として硝酸と水素の反応であることを示す実験結果を報告し、「液深効果」の評価法を提案する。
阿部 仁; 真崎 智郎; 渡邉 浩二; 鈴木 慎也; 田代 信介; 天野 祐希; 山根 祐一; 吉田 一雄; 内山 軍蔵; 上田 吉徳*; et al.
no journal, ,
再処理施設における高レベル濃縮廃液の蒸発・乾固事故時の放射性物質の放出・移行特性を検討してきた。揮発性の観点からRuは公衆への影響評価上で重要な元素である。気相部の温度や雰囲気組成を一定の条件で制御できる試験装置を用いて、高レベル濃縮廃液・乾固物から気相へ移行する際にRuがとる化学形と考えられるRuOの移行経路での移行挙動データを取得した。その結果、再処理特有の気相条件(硝酸蒸気共存)下では、RuO
は気相中での熱分解やガラス壁面への沈着を経ず気相中を移行することがわかった。
栗原 新; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 早野 明; 早川 正史; 田上 雅彦; 程塚 保行; 湯口 貴史; 越智 稔; 徳安 真吾
no journal, ,
超深地層研究所は、結晶質岩を主な対象とした深地層の研究施設のひとつであり、この計画では地層処分研究開発の基盤となる深地層の科学的研究の一環として深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備を全体目標の一つとした調査研究が進められている。超深地層研究所計画において適用している段階的な調査研究の進展に伴い、地質環境を理解するための一連の方法論の詳細化とその評価を重ねつつ、あわせて、その過程で得られた経験(失敗例を含む)やノウハウをできるだけ知識化して提示していくことが重要である。本報告では、超深地層研究所計画における地質・地質構造に関する調査研究を通じて得られた主な知見を整理した。
徳安 真吾; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 田上 雅彦; 栗原 新
no journal, ,
結晶質岩を主な対象とした超深地層研究所計画では、深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備と深地層における工学技術の基盤の整備を全体目標とした調査研究を進めている。本稿では、前者の全体目標に関連して実施している研究坑道の掘削を伴う調査段階における地質・地質構造に関する調査研究の現状について報告する。研究坑道の掘削を伴う研究段階における調査として、壁面地質調査,アナログモデル実験,逆VSP探査などを実施し、断層や割れ目の分布特性、及び断層の空間分布や運動像の妥当性を確認した。
衣旗 広志*; 小玉 貴司*; 中野 正直*; 玉内 義一*; 松岡 伸吾*; 富山 祐弘; 安田 猛; 蔦木 浩一; 吉野 保之; 白土 陽治; et al.
no journal, ,
模擬高放射性廃液で確認したパラジウムによる水素消費反応が高放射性廃液にも起きていることを確認するために、前報で報告した高放射性廃液貯槽のオフガス中の水素濃度と模擬廃液実験の結果から計算される水素濃度の比較評価を行った。水素濃度の計算に使用したモデルは、模擬高放射性廃液を用いたコールド試験結果より、攪拌状態や放射線分解によって発生する水素が放出される水面面積等を考慮したモデルで計算を行った。計算結果と実測したオフガス中の水素濃度を比較評価した結果、攪拌状態の不確定さがもたらす範囲内で同程度の値であることが確認された。この結果より、模擬高放射性廃液での試験で確認されたパラジウムによる水素消費反応は、実高放射性廃液でも起きている可能性が示唆された。これは、原子力機構と日本原燃との共同研究で実施した成果を2件のシリーズで発表するものであり、本発表は日本原燃が行う。
松岡 稔幸; 鶴田 忠彦; 田上 雅彦; 石橋 正祐紀; 徳安 真吾; 上野 孝志; 湯口 貴史
no journal, ,
超深地層研究所計画の研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)において実施している地質・地質構造に関する調査研究は、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)で構築した地質構造モデル(サイトスケール)の妥当性の確認」,「坑道掘削時の調査評価技術の整備」及び「研究坑道周辺に着目した地質構造モデル(ブロックスケール)の構築」を目標としている。本報告では、第2段階の地質・地質構造に関する調査研究の現状の成果について報告する。第2段階の調査研究として壁面地質調査,逆VSP探査,アナログモデル実験などを実施し、それらの結果に基づく地質構造モデルの更新を通じて、第1段階で構築した地質構造モデルの妥当性の確認及び更新方法について提示した。また、ブロックスケールの地質構造モデルに入力データとして壁面観察で確認された割れ目の類型区分した結果を提示した。
Takir, D.*; 北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; et al.
no journal, ,
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機・サンプルリターンミッション「はやぶさ2」は、地球近傍小惑星Ryuguに到着した。この小惑星は、原始的な炭素質天体に分類される。ここでは、「はやぶさ2」探査機に搭載された近赤外線分光器(NIRS3)の最近の観測結果を報告する。この観測は、リュウグウの表面組成の直接測定と、リターンサンプルのコンテクストを提供する。NIRS3は、観測された表面全体に2.72マイクロメートルを中心とする弱く狭い吸収特性を検出した。この吸収特性は、OHを含む鉱物の存在に起因する。また、NIRS3の観測により、リュウグウは探査機による近接観測で最も暗い天体であることが明らかになった。OHの強度と低いアルベドから、熱衝撃変成された、あるいは炭素に富む宇宙風化した始原的な水和炭素質コンドライトと一致する。
田代 信介; 松本 哲也; 片岡 修; 天野 祐希; 阿部 仁; 山根 祐一; 吉田 一雄; 石川 淳; 内山 軍蔵; 上田 吉徳*; et al.
no journal, ,
高レベル濃縮廃液が設計上の想定を超えて、沸騰して乾固状態に至る過程までの放射性物質の放出挙動にかかわるデータを小規模のコールド試験により測定した。高レベル濃縮廃液を模擬して27元素を硝酸溶液に溶解させて酸濃度を2Mとした試料を掃気しながら300Cまで加熱した。試料から気相に移行した水蒸気,ガス状,エアロゾル状物質を凝縮器,エアフィルター,ガス吸収瓶で捕集し、ICP-MSを用いて各試料中の模擬FP元素量を定量した。その結果、沸騰して乾固状態に至る過程までのCs及びRuの気相への支配的な移行挙動として、それぞれ、ミスト放出, RuO
ガス放出が示唆される結果が得られた。実際の高レベル濃縮廃液を用いた既往研究と異なり、凝縮液試料から求めたRuの気相への積算移行割合がCsよりも全体的に1
3桁程度大きかった原因としては、RuO
の生成を抑制する還元性の亜硝酸の存在の有無が影響した可能性が考えられる。
富山 祐弘; 安田 猛; 蔦木 浩一; 吉野 保之; 白土 陽治; 中村 芳信; 衣旗 広志*; 小玉 貴司*; 中野 正直*; 玉内 義一*; et al.
no journal, ,
東海再処理工場の高放射性廃液貯槽(5基)のオフガス系配管にサンプリングラインを設け、オフガス中の水素濃度の測定を行い、高放射性廃液中から発生する水素量を求め、設計との比較を行った。水素濃度は、シリンジによりオフガスを採取し、ガスクロマトグラフィを用いて測定した。HALWの液組成についてはORIGEN値から評価した。結果、高放射性廃液貯槽から発生する水素濃度は、パルセーション(脈動)作動後、2.02.5ppmで推移するが、パルセーションを停止すると経過時間とともに低下し、約1.3ppmで平衡に達する傾向が確認された。これはパルセーションによる撹拌効果により、HALW中に溶解している水素が放出されている可能性を示唆している。評価液組成から求めた水素濃度は約800ppmであるが、実測値は数ppmオーダーであり、非常に小さい。これは、既報のコールド試験の結果として報告しているHALW中のPdによる水素消費反応による、水素濃度の低下の可能性を示している。
小玉 貴司*; 中野 正直*; 林 芳昭*; 松岡 伸吾*; 伊藤 泰男*; 松浦 千尋*; 白石 浩二; 勝村 庸介*
no journal, ,
本報告では、高レベル廃液貯槽で、掃気機能が喪失した場合に気相部の水素濃度がどの程度になるか評価した結果を述べる。評価に使うパラメータは、廃液の放射線分解による水素の生成速度と、Pdを触媒とする廃液中の水素消滅反応の速度及び廃液への水素の溶解度である。前者の生成速度としては、硝酸溶液の場合の文献値を用い、後2者は、本研究において、模擬高レベル廃液を使った実験により評価した。これらの値はいずれも室温でのものである。簡単のため、気液ともそれぞれ均一とし、水素に関する気液平衡の成立を仮定すると、気相の水素濃度は0.6%となった。この値は、爆発下限濃度の4%より小さいものである。