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論文

Temporal contrast enhancement of petawatt-class laser pulses

桐山 博光; 下村 拓也; 笹尾 一; 中井 善基*; 田上 学; 近藤 修司; 金沢 修平; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 福田 祐仁; et al.

Optics Letters, 37(16), p.3363 - 3365, 2012/08

 被引用回数:39 パーセンタイル:85.10(Optics)

原子力機構で開発を進めているペタワット(PW)級チタンサファイアチャープパルス増幅レーザーシステム(J-KARENレーザーシステム)の高度化として、時間コントラストの向上を行った。J-KARENレーザーの前置増幅器である光パラメトリックチャープパルス増幅器(OPCPA)を低利得で動作させ、かつOPCPAの直後に可飽和吸収体を用いることにより、70テラワット(TW)の出力レベルにおいて、サブナノ秒の時間領域で1.4$$times$$10$$^{12}$$の高いコントラストを実証した。また、メインパルス近傍のピコ秒領域のコントラストを向上するため、音響光学分散フィルターでスペクトルノイズを除去することにより、約2桁の改善を実証した。この高品質のレーザー光をさらに増幅し、圧縮前で28Jまでの増幅を実現した。本システムにより、再圧縮することにより、約600TWの高いピーク強度のレーザーパルスがポテンシャルとして生成可能であることを確認した。

論文

Demonstration of high temporal contrast in a high intensity laser system

桐山 博光; 森 道昭; 下村 拓也; 宮永 憲明*

大阪大学レーザーエネルギー学研究センター平成23年度共同利用・共同研究成果報告書, p.113 - 114, 2012/03

高強度レーザー技術の進展により、10$$^{21}$$W/cm$$^{2}$$を超える高い集光強度が実現できるようになった。しかしながら、出力パルスの時間構造において、主パルスに先立って6桁から8桁程度強度の低いプリパルスが存在する。このため、プリパルスによりターゲットが破壊されたり、プリプラズマが生成され主パルスとターゲットとの相互作用を妨げる。われわれは、(1)ダブルCPA(chirped-pulse amplification)構成を用い、(2)光パラメトリックチャープパルス増幅法(OPCPA)を改良し、(3)OPCPAの直後に可飽和吸収体を高強度チタンサファイアレーザーに導入することにより、主パルスに付随するプリパルスを主パルスに対して12桁以上抑制することに成功した。また、ほぼ一様な強度の高いビーム品質で600TW級の高い強度のレーザーパルスがポテンシャルとして生成可能であることを確認した。

論文

Controlling the phase matching conditions of optical parametric chirped-pulse amplification using partially deuterated KDP

小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 山川 考一; 宮永 憲明*

Optics Express (Internet), 17(10), p.7744 - 7749, 2009/05

 被引用回数:13 パーセンタイル:53.67(Optics)

アト秒パルス発生を可能とする数サイクルマルチテラワットレーザーシステムのための要素技術として、部分置換DKDP結晶を用いた光パラメトリックチャープパルス増幅を行った。置換率13%のDKDP結晶を用いた実験では、中心波長1050nmにおいて250nm以上の増幅帯域を得ることができた。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。DKDP結晶を用いた光パラメトリック増幅を行う場合、これまではDKDP結晶の増幅帯域にあわせた特別な種光源が必要であったが、置換率を最適化した部分置換DKDP結晶であれば一般的な広帯域種光源を広帯域増幅することが可能となる。

論文

Split-aperture laser pulse compressor design tolerant to alignment and line-density differences

Rushford, M. C.*; Britten, J.*; Barty, C. P. J.*; 實野 孝久*; 近藤 公伯; 宮永 憲明*; 田中 和夫*; 兒玉 了祐*; Xu, G.*

Optics Letters, 33(16), p.1902 - 1904, 2008/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:58.05(Optics)

チャープパルス増幅(CPA)レーザーの大型化により1パルスあたりに出力されるレーザーエネルギーの向上が著しい。近年の技術では最終段階のパルス圧縮器は回折格子対を用いる必要があり、そのダメージ閾値の要請から回折格子の大型化は避けられず、既に2枚の組合せによるパルス圧縮器がデザインされている。本論文では大阪大学で採用されたダイアモンド型圧縮機のアライメント精度や回折格子線密度の違いに対する許容度について議論している。

論文

EUV light source by high power laser

井澤 靖和*; 西原 功修*; 田沼 肇*; 佐々木 明; 村上 匡且*; 砂原 淳*; 西村 博明*; 藤岡 慎介*; 青田 達也*; 島田 義則*; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 112, p.042047_1 - 042047_4, 2008/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:94.04(Physics, Fluids & Plasmas)

高出力EUV光源システムの開発のために、レーザー生成Snプラズマの理論的,実験的なデータベースの構築を行った。プラズマの基礎過程の理解のもとに、デブリ粒子の発生を抑止しつつ、高効率で高出力の発光を得るための、最適なレーザー及びプラズマの条件が明らかになった。先進的なターゲット製造技術や、高出力レーザーの技術の開発についても併せて報告する。

論文

Plasma physics and radiation hydrodynamics in developing an extreme ultraviolet light source for lithography

西原 功修*; 砂原 淳*; 佐々木 明; 沼波 政倫*; 田沼 肇*; 藤岡 慎介*; 島田 義則*; 藤間 一美*; 古河 裕之*; 加藤 隆子*; et al.

Physics of Plasmas, 15(5), p.056708_1 - 056708_11, 2008/00

 被引用回数:132 パーセンタイル:97.65(Physics, Fluids & Plasmas)

Extreme ultraviolet (EUV) radiation from laser-produced plasma (LPP) has been thoroughly studied for application in mass-production of the next generation semiconductor devices. One critical issue for realization of a LPP-EUV light source for lithography is the conversion efficiency (CE) from incident laser power to EUV radiation of 13.5 nm wavelength (within 2% bandwidth). Another is solving a problem of damage caused by debris reaching a EUV collecting mirror. We here present an improved power balance model, which can be used for the optimization of laser and target conditions to obtain high CE. An integrated numerical simulation code has been developed for target design. The code is shown to agree well with experimental results not only for the CE but also for detailed EUV spectral structure. We propose a two pulse irradiation scheme for high CE and reduced ion debris using a carbon dioxides laser and a droplet or punch-out target.

論文

レーザー生成スズプラズマからの極端紫外光発生の放射流体シミュレーション

砂原 淳*; 佐々木 明; 田沼 肇*; 西原 功修*; 西川 亘*; 小池 文博*; 藤岡 慎介*; 青田 達也*; 山浦 道照*; 島田 義則*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 83(11), p.920 - 926, 2007/11

次世代の半導体露光用光源として注目されるレーザー生成スズプラズマからの極端紫外光(Extreme Ultra-Violet: EUV)を一次元、及び二次元の放射流体コードを用いて解析した。われわれは輻射過程を正確に計算するために、詳細原子コードを用いてスズプラズマのX線放射率,吸収率を計算し、その遷移エネルギーの精度を実験的に確認した。精度が検証された原子データをもとに光励起を考慮した一次元放射流体シミュレーションを行い、EUV光のプラズマ中での自己吸収が輻射輸送において重要であることを見いだした。さらにプラズマのスケール長がレーザースポットサイズと同等か、もしくは大きい場合には多次元的なプラズマの膨張が無視できないため、二次元放射流体コードを用いて解析を行った。その結果、プラズマの多次元な膨張が無視できない場合にはEUVの吸収スペクトルが減少し、EUV出力が増大することを見いだした。また、計算で得られたスペクトルは実験値をよく再現している。

論文

High-energy, high-contrast, multiterawatt laser pulses by optical parametric chirped-pulse amplification

桐山 博光; 森 道昭; 中井 善基; 山本 洋一*; 田上 学*; 圷 敦; 下村 拓也*; 近藤 修司; 金沢 修平; 大道 博行; et al.

Optics Letters, 32(16), p.2315 - 2317, 2007/08

 被引用回数:49 パーセンタイル:87.20(Optics)

小型で高信頼性,高出力,高コントラスト動作が可能な非平行光パラメトリックチャープパルス増幅器(OPCPA)の開発を行った。広スペクトル帯域チタンサファイアレーザー発振器からの出力光をシード光とし、このシード光を回折格子を用いたパルス拡張器によりパルス幅を伸張し、タイプI位相整合のBBO-OPCPAに入射した。OPCPAにより、0.1nJのシード光を10Hzの繰り返し動作で10億倍以上の高い利得で122mJにまで増幅した。最後にパルス圧縮を行うことにより、19fsのパルス幅を得た。ピークパワーで3.2TW、平均出力で0.62Wを得た。また、ピコ秒の時間領域において、8桁以上の高いコントラストを達成した。

論文

カラー図解,プラズマエネルギーのすべて

高村 秀一*; 門 信一郎*; 藤井 隆*; 藤山 寛*; 高部 英明*; 足立 和郎*; 森宮 脩*; 藤森 直治*; 渡辺 隆行*; 林 泰明*; et al.

カラー図解,プラズマエネルギーのすべて, P. 164, 2007/03

核融合並びにプラズマに興味を持ってもらい、またその有用性,将来性を広く理解してもらうための一般向け解説書として、プラズマ・核融合学会の企画(日本実業出版社から出版予定)に共同執筆で出版するものである。読者の対象範囲は、理科に興味を持つ高校生,大学生・一般社会人,ある種のプラズマに仕事で関連している人で、他分野からのヒントを求める人など、広い層に読んでもらえることを想定している。(目次:はじめに/プラズマってなんだ?/プラズマ技術のひろがり/実験室の超先端プラズマ/核融合プラズマエネルギーとは?/プラズマエネルギーへの道/核融合プラズマエネルギー発電所を目指して/プラズマエネルギーと未来社会)

論文

Low-density tin targets for efficient extreme ultraviolet light emission from laser-produced plasmas

奥野 智晴*; 藤岡 慎介*; 西村 博明*; Tao, Y.*; 長井 圭治*; Gu, Q.*; 上田 修義*; 安藤 強史*; 西原 功修*; 乗松 孝好*; et al.

Applied Physics Letters, 88(16), p.161501_1 - 161501_3, 2006/04

 被引用回数:65 パーセンタイル:87.51(Physics, Applied)

レーザー生成プラズマからのEUV光の発生効率に対する初期密度の影響について実験的及び理論的に解析した。Sn密度が固体の7%の低密度フォームターゲットを波長1$$mu$$mのYAGレーザーで照射する条件で、波長13.5nm, 2%帯域への変換効率が、固体ターゲットの場合の1.7倍(2.2%)まで向上することがわかった。効率の改善の理由は、ターゲットのマイクロストラクチャの効果及び、低密度化による膨張ダイナミックスの変化やオパシティの減少の効果,それによる発光スペクトルの狭窄化によると考えられる。

論文

Opacity effect on extreme ultraviolet radiation from laser-produced tin plasmas

藤岡 慎介*; 西村 博明*; 西原 功修*; 佐々木 明; 砂原 淳*; 奥野 智晴*; 上田 修義*; 安藤 強史*; Tao, Y.*; 島田 義則*; et al.

Physical Review Letters, 95(23), p.235004_1 - 235004_4, 2005/12

 被引用回数:150 パーセンタイル:95.52(Physics, Multidisciplinary)

レーザー生成スズプラズマからの極端紫外(EUV)発光へのオパシティの効果を実験的に解析した。X線放射によって電子温度30-40eVの均一なスズプラズマを生成することにより、EUV波長域(10-20nm)におけるオパシティを初めて測定した。測定されたオパシティは理論計算とほぼ一致した。理論計算で求めたオパシティを用いた輻射流体シミュレーションと実験の比較の結果は、EUV光源としての効率を高めるためには、13.5nm領域でプラズマの光学的厚みが1程度以上になることが必要だが、反面オパシティが大きすぎると吸収の効果によって効率が低下することを示し、オパシティの制御が重要なことを示す。

論文

Characterization of extreme ultraviolet emission from laser-produced spherical tin plasma generated with multiple laser beams

島田 義則*; 西村 博明*; 中井 光男*; 橋本 和久*; 山浦 道照*; Tao, Y.*; 重森 啓介*; 奥野 智晴*; 西原 功修*; 河村 徹*; et al.

Applied Physics Letters, 86(5), p.051501_1 - 051501_3, 2005/01

 被引用回数:114 パーセンタイル:94.25(Physics, Applied)

EUV光源として用いられるSnプラズマの基本的な輻射流体力学的な特性を明らかにするために、阪大レーザー研の激光XII号レーザーで球状のSnターゲットを照射し、生成したプラズマからのEUV光のスペクトル,発光強度分布,波長13.5nm領域の2%帯域中の発光強度とその時間変化,変換効率の測定を行った。照射強度5$$times$$10$$^{10}$$W/cm$$^{2}$$において最大効率3%が得られた。変換効率のレーザー強度依存性を等温膨張プラズマを仮定した理論モデルと比較した。

口頭

高時間・空間品質、高強度レーザーシステムの開発

桐山 博光; 越智 義浩; 森 道昭; 田中 桃子; 岡田 大; 小菅 淳; 吉田 芙美子; 下村 拓也; 笹尾 一; 中井 善基*; et al.

no journal, , 

高強度場物理研究や非線形光学への応用を目的とした高強度レーザーについて報告する。ペタワット級高強度レーザーにおいては、可飽和吸収体を用いたサブns領域の高コントラスト化、分散音響光学フィルタを用いた数十ps領域の高コントラスト化について報告する。また、ペタワットレベルの増幅のために、光パラメトリックチャープパルス前置増幅器を用いた広スペクトル帯域化についても報告する。併せて、高強度レーザーの小型化,高繰り返し化を目指して開発を進めている半導体レーザー励起Yb:YAGチャープパルス増幅器についても同様に詳しい動作特性を報告する。

口頭

Generation of high-contrast, petawatt-class laser pulses with a OPCPA/Ti:sapphire hybrid laser system using a double CPA and a double saturable absorber

桐山 博光; 下村 拓也; 笹尾 一; 中井 善基*; 田上 学; 近藤 修司; 金沢 修平; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 福田 祐仁; et al.

no journal, , 

高強度レーザーの高度化に関するものである。前置増幅器に低利得で動作する光パラメトリックチャープパルス増幅器を用いるとともに、本増幅器の後に可飽和吸収体を用いることで、サブナノ秒の時間領域において、70TWのパワーレベルで1.4$$times$$10$$^{12}$$の高いコントラストを実証した。この高品質のレーザー光をさらに後段の増幅器で増幅することにより、28Jまで増幅を達成した。パルス圧縮することにより600TWのピーク出力がポテンシャルとして生成可能であることを確認した。

口頭

高コントラスト・高ビーム品質・高強度レーザー開発

桐山 博光; 森 道昭; 下村 拓也; 田上 学; 近藤 修司; 金沢 修平; 大東 出; 鈴木 将之*; 岡田 大; 越智 義浩; et al.

no journal, , 

レーザー学会業績賞(論文賞)受賞を受け、原子力機構関西光科学研究所で開発している高強度レーザーについて、記念講演として報告する。講演では、(1)超高強度レーザーとしてパルス幅30fs/エネルギー18J/シングルショットで動作するOPCPA/Ti:sapphireハイブリッドレーザーシステム、(2)小型・高強度レーザーとしてパルス幅500fs/エネルギー100mJ/繰り返し10Hzで動作するOPCPA/Yb:YAGハイブリッドレーザーシステムについての構成、詳細な動作特性、及び今後の展開について紹介する。

口頭

Controlling the phase matching conditions of optical parametric chirped pulse amplification using partially deuterated KDP

小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 山川 考一; 宮永 憲明*

no journal, , 

アト秒パルス発生を可能とする数サイクルマルチテラワットレーザーシステムのための要素技術として、部分置換KDP結晶を用いた光パラメトリックチャープパルス増幅を行った。置換率13%のDKDP結晶を用いた実験で、中心波長1050nmにおいて250nm以上の増幅帯域を得ることができた。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。DKDP結晶を用いた光パラメトリック増幅を行う場合、これまではDKDP結晶の増幅帯域に合わせた特別な種光源が必要であったが、置換率を最適化した部分置換KDP結晶であれば一般的な広帯域種光源を広帯域増幅することが可能となる。

口頭

Chirped pulse amplification laser using Nd:glass zig-zag slab pumped by laser diodes

末田 敬一*; 栗田 隆史*; 川嶋 利幸*; 山川 考一; 河仲 準二*; 関根 尊史*; Zhao, B.*; Jiang, Y.*; 松本 修*; 藤田 雅之*; et al.

no journal, , 

レーザー光に空間的・時間的光波制御を加味することによって物質との相互作用、特に非線形相互作用における新現象の発現を目指し、搬送波包絡線位相を制御した数サイクルマルチテラワットレーザーの開発を進めている。今回、超広帯域光パルメトリックチャープパルス(OPCPA)増幅器の励起光源として、半導体レーザー励起Nd:ガラスレーザー増幅器の開発を行い、OPCPA励起用のピコ秒パルスに必要なスペクトル幅(3.7nm)を達成し、出力として2.4J/パルスを10Hzの繰り返しで実証した。

口頭

部分重水素置換KDPによる超広帯域光パラメトリックチャープパルス増幅

小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 宮永 憲明*; 山川 考一

no journal, , 

アト秒パルス発生を可能とする数サイクルマルチテラワットレーザーシステムのための要素技術として、部分置換DKDP結晶を用いた光パラメトリックチャープパルス増幅を行った。置換率13%のDKDP結晶を用いた実験で、中心波長1050nmにおいて250nm以上の増幅帯域を得ることができた。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。DKDP結晶を用いた光パラメトリック増幅を行う場合、これまではDKDP結晶の増幅帯域にあわせた特別な種光源が必要であったが、置換率を最適化した部分置換DKDP結晶であれば一般的な広帯域種光源を広帯域増幅することが可能となる。

口頭

高コントラスト・超高強度レーザーの開発

桐山 博光; 下村 拓也; 笹尾 一; 中井 善基*; 田上 学; 近藤 修司; 金沢 修平; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 福田 祐仁; et al.

no journal, , 

高強度場物理研究への応用を目的とした高コントラスト,超高強度レーザーの開発について報告する。10$$^{21}$$W/cm$$^{2}$$を越えるような集光強度における実験のために、超高強度レーザーパルスに時間的に付随するノイズ成分に除去技術開発を行った。ナノ秒の時間領域において、可飽和吸収体を前置増幅器の後に配置するとともに、ピコ秒の時間領域において、分散音響光学フィルタを用いることで高いコントラスト動作を実証した。

口頭

部分置換DKDP結晶による広帯域OPCPAにおける位相整合条件の最適化

小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 宮永 憲明*; 山川 考一

no journal, , 

光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)法は、高強度光パルスや超広帯域光パルスを得るための手法として広く利用されている。特にKDPあるいはDKDP結晶を用いた場合は、増幅利得が小さいものの、大型の結晶を短期間で作成しやすいといった特性から、高いパルスエネルギーを得るための主増幅器に広く用いられている。しかし既存の短パルスレーザーに主増幅器としてKDPあるいはDKDP結晶を追加する場合には、増幅帯域や増幅の中心波長の不一致から、得られる増幅パルス幅は100fs程度に制限される。そこでわれわれはDKDPの置換率を変えることによって屈折率のパラメータが調整可能であることに着目し、増幅帯域や中心波長を最適化するという手法を提案し、実験を行った。実験では13%部分置換DKDP結晶を用いて、Yb:YLFレーザーの2倍波である波長510nmで励起を行い、増幅帯域270nmの広帯域増幅に成功した。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。

口頭

Demonstration of higher contrast in a high intensity double CPA, double saturable absorber laser system

桐山 博光; 下村 拓也; 笹尾 一*; 中井 善基*; 田上 学; 近藤 修司; 金沢 修平; 森 道昭; 福田 祐仁; 神門 正城; et al.

no journal, , 

超高強度レーザーの時間制御技術として、メインパルスに付随する背景光を抑制する手法を開発した。フェムト秒の高エネルギーのシードパルスを可飽和吸収体により背景光を抑制し、光パラメトリックチャープパルス増幅器(OPCPA)に導入した。OPCPAで発生するパラメトリック蛍光はさらに可飽和吸収体を追加することで、抑制した。この結果、60TW動作において、メインパルスと背景光の強度比がサブナノ秒の時間領域で12桁を達成した。大口径の増幅器でさらに増幅することにより、600TWのピークパワーが達成可能であることを示した。

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