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論文

Isotopic composition of enriched $$^{100}$$Mo for production of medical $$^{rm 99m}$$Tc by $$^{100}$$Mo($$p,2n$$)$$^{rm 99m}$$Tc

橋本 慎太郎; 永井 泰樹*

Journal of the Physical Society of Japan, 92(12), p.124202_1 - 124202_11, 2023/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)

$$^{99}$$Moの娘核種であるテクネチウム99m($$^{rm 99m}$$Tc)は6時間の半減期で$$gamma$$線を出す放射性核種(RI)であり、SPECTなどの診断用RIとして世界中で用いられている。親核種の$$^{99}$$Moは原子炉で生成されているが、原子炉施設の老朽化等で安定供給が危ぶまれており、医療用加速器で濃縮$$^{100}$$Mo試料に陽子を照射し、$$^{100}$$Mo($$p,2n$$)$$^{99m}$$Tc反応を通じて生成する方法が提案されている。しかし、試料に微量に含まれる$$^{100}$$Mo以外のMo同位体から、$$^{rm 99m}$$Tc以外のTcが生成される問題がある。そこで本研究では、高純度の$$^{rm 99m}$$Tcを生成できるMo組成を調べるために、天然組成のMoの照射実験データに基づいて、全てのTc同位体生成の反応率を決定し、任意の組成をもつMo試料のTc同位体生成量をPHITSを用いて評価する手法を開発した。本手法の有効性を、濃縮$$^{100}$$Moで生成された各Tcの実測値との比較によって検証するとともに、高純度の$$^{rm 99m}$$Tc生成には$$^{97,96,95}$$Moの各不純物含有量の低減が必須であることを明らかにした。本成果は、照射時間等の施設固有の制約を考慮しながら、高純度の$$^{rm 99m}$$Tcを生成する際に必要なMo原料の組成決定に重要な役割を果たす。

論文

Estimated isotopic compositions of Yb in enriched $$^{176}$$Yb for producing $$^{177}$$Lu with high radionuclide purity by $$^{176}$$Yb($$d,x$$)$$^{177}$$Lu

永井 泰樹*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 本村 新*; 湊 太志; 伊藤 正俊*

Journal of the Physical Society of Japan, 91(4), p.044201_1 - 044201_10, 2022/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:46.06(Physics, Multidisciplinary)

近年、神経内分泌腫瘍を治療するための医療用RIとして$$^{177}$$Luが注目されており、加速器施設で重陽子を濃縮$$^{176}$$Yb試料に照射し、高純度の$$^{177}$$Luを製造する方法が検討されている。ただし、Yb試料には様々な同位体が微量に含まれており、$$^{177}$$Lu以外のLu同位体が不純物として生成される。医療用として利用する$$^{177}$$Luは一定の純度が求められるため、定量的にLuの不純物を評価する手法が求められていた。本研究では、実験値を基に関与する全てのYb($$d,x$$)Lu反応の断面積を決定し、粒子輸送計算コードPHITSと組み合わせることで、Yb試料が任意の組成比をもつ場合の各Lu同位体の生成量を推定する新しい手法を開発した。他に、天然組成のYb試料へ25MeV重陽子を照射した実験も行い、本手法の有効性を検証した。また、市販の濃縮$$^{176}$$Yb試料に照射した条件で計算を行い、重陽子のエネルギーを15MeVとすることで、純度99%以上の$$^{177}$$Lu生成を達成できることを示した。開発した手法は、加速器を用いて高純度の医療用$$^{177}$$Luを製造する際、必要な濃縮Yb試料の同位体組成を議論する上で重要な役割を果たすものである。

論文

Large scale production of $$^{64}$$Cu and $$^{67}$$Cu via the $$^{64}$$Zn(n, p)$$^{64}$$Cu and $$^{68}$$Zn(n, np/d)$$^{67}$$Cu reactions using accelerator neutrons

川端 方子*; 本石 章司*; 太田 朗生*; 本村 新*; 佐伯 秀也*; 塚田 和明; 橋本 慎太郎; 岩本 信之; 永井 泰樹*; 橋本 和幸*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 330(3), p.913 - 922, 2021/12

 被引用回数:7 パーセンタイル:69.06(Chemistry, Analytical)

加速器中性子を利用し、将来有望な医療RIである$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuの大量合成に関して、実験に基づく生成量評価と臨床に必要な生成量のPHITSコード使用による評価、そして大量のターゲット物質からのCu同位体の分離精製手法開発を行った。実験では55.4gという大量の、天然亜鉛試料を利用し、加速器中性子の照射による生成率について定量的な評価を行った。また、同時に臨床的に必要な量の$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuの製造の可能性について、それぞれ100gの濃縮$$^{64}$$Znおよび$$^{68}$$Zn試料に対して、40MeV、2mAの重陽子照射により発生する中性子を照射する数値シミュレーションを行い、その生成量を推定した。また、大量の天然亜鉛試料から$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuを分離するために、熱分離と樹脂分離を組み合わせた分離方法を開発し、73%の分離効率と97%の亜鉛回収率が得られることを実証した。これらの結果、このような加速器中性子による生成と本分離手法の組み合わせで、臨床応用のために必要な$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuの大規模生産を提供することができることがわかった。

論文

Nonresonant $$p$$-wave direct capture and interference effect observed in the $$^{16}$$O$$(n,gamma)^{17}$$O reaction

永井 泰樹*; 木下 充隆*; 井頭 政之*; 延原 由利子*; 牧井 宏之; 三島 賢二*; 嶋 達志*; Mengoni, A.*

Physical Review C, 102(4), p.044616_1 - 044616_8, 2020/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:40.64(Physics, Nuclear)

We measured the total capture cross section of the $$^{16}$$O$$(n,gamma)^{17}$$O reaction, as well as partial cross sections leading to the ground ($$J^{pi} = 5/2^{+})$$ and first excited ($$J^{pi} = 1/2^{+})$$ states in $$^{17}$$O. The measurement was carried out at average neutron energies of 157, 349, 398, 427, 468, 498, and 556 keV by using pulsed neutrons produced via the $$^{7}$$Li$$(p,n)^{7}$$Be reaction and a $$gamma$$-ray detection system based on an anti-Compton NaI(Tl) spectrometer. We observed the interference effect between the $$3/2^{-}$$ resonance state at 4554 keV of $$^{17}$$O, corresponding to a neutron energy of 411 keV in the center-of-mass system, and a non-resonant contribution in the capture process. The measured partial cross sections are in good agreement with theoretical calculations obtained taking into account the interference between the $$3/2^{-}$$ resonance and a non-resonant p-wave direct radiative capture contribution. Using the present results, together with our previous measurement, we derived the Maxwellian-averaged capture cross sections (MACS) for thermal energies between kT = 5 and 100 keV, key quantities for ${it s}$ process nucleosynthesis studies in massive stars.

論文

Anomalous radioisotope production for $$^{68}$$ZnO using polyethylene by accelerator neutrons

塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 慎太郎; 湊 太志; 川端 方子*; 初川 雄一*; 橋本 和幸*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 本石 章司*

Journal of the Physical Society of Japan, 89(3), p.034201_1 - 034201_7, 2020/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.65(Physics, Multidisciplinary)

ポリエチレン遮へい中の$$^{68}$$ZnOに、50MeV重陽子と$$^{9}$$Beによる($$d,n$$)反応で生成した中性子を照射することで、$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの特異な生成を実験的に確認した。特に、ポリエチレン遮へい内で得られた収率は、遮へいなしの実験と比較して、約20倍の収量を示した。一方、鉛遮へい内の金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの収量と、$$^{68}$$ZnO及び金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Cu, $$^{65}$$Ni及び$$^{65}$$Znの収量は、遮へいによる影響はほとんど受けていない。この実験結果は、遮へい条件を調整することで、中性子反応に限らず陽子反応を含む多様で大量の放射性同位元素を、一度の照射で同時に合成できるという加速器中性子の注目すべき特性を示すものである。また、PHITSコードを利用した生成量予測を試み、本実験結果と比較することで、本生成量の特異性について評価した。

論文

$$^{99}$$Mo yield using large sample mass of MoO$$_{3}$$ for sustainable production of $$^{99}$$Mo

塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 和幸*; 川端 方子*; 湊 太志; 佐伯 秀也*; 本石 章司*; 伊藤 正俊*

Journal of the Physical Society of Japan, 87(4), p.043201_1 - 043201_5, 2018/04

 被引用回数:10 パーセンタイル:58.05(Physics, Multidisciplinary)

A neutron source from the C(d,n) reaction has a unique capability for producing medical radioisotopes like $$^{99}$$Mo with a minimum level of radioactive wastes. Precise data on the neutron flux are crucial to determine the best conditions for obtaining the maximum yield of $$^{99}$$Mo. The measured yield of $$^{99}$$Mo produced by the $$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo reaction from a large sample mass of MoO$$_{3}$$ agrees well with the numerical result estimated by the latest neutron data, which are a factor of 2 larger than the other existing data. This result provides an important conclusion towards the domestic production of $$^{99}$$Mo; about 50% of the MoO$$_{3}$$ sample mass with a single Mo in Japan would be met using a 100 g $$^{100}$$MoO$$_{3}$$ sample mass with a single accelerator of 40 MeV, 2 mA deuteron beams.

論文

Measurement and estimation of the $$^{99}$$Mo production yield by $$^{100}$$Mo($$n,2n$$)$$^{99}$$Mo

湊 太志; 塚田 和明; 佐藤 望*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 永井 泰樹*

Journal of the Physical Society of Japan, 86(11), p.114803_1 - 114803_6, 2017/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:57.89(Physics, Multidisciplinary)

核診断に使われる$$^{99m}$$Tcの親核である$$^{99}$$Moの生成量の測定と計算を行った。$$^{99}$$Moは$$^{100}$$Mo($$n$$,$$2n$$)$$^{99}$$Mo反応によって作られ、中性子源はC($$d$$,$$n$$)反応を用いた。中性子のエネルギー範囲は熱領域から約40MeVまでである。測定された$$^{99}$$Moの生成量は、最新のC($$d$$,$$n$$)反応の実験データおよびJENDL評価済み断面積を用いて予測された数値計算結果と一致していることが分かった。次に、経済的に適した$$^{99}$$Moの生成法を模索するため、$$^{99}$$Mo生成の条件を変えた新しい系統的な数値計算を実施した。考慮した条件は、$$^{100}$$MoO$$_{3}$$サンプルの質量、炭素標的とサンプル間の距離、重陽子ビームの半径、照射時間である。得られた$$^{99}$$Moの生成量より、一つの加速器で$$^{99}$$Moの日本の需要量の約30%を担うことができることが分かった。また、1日2回$$^{99}$$Moから$$^{99m}$$Tcを溶出することで、$$^{99}$$Moの需要量の約50%まで引き上げることが可能であることが分かった。

論文

がん診断と治療の両方に適した$$^{67}$$Cuの新製造法と利用

永井 泰樹*; 塚田 和明

Isotope News, (753), p.28 - 32, 2017/10

$$^{67}$$Cuは"がん患者に、ただ1種類の$$^{67}$$Cuを用いて診断と治療が行える能力を持つ理想的な医療用RIである"と考えられ、患者の"がん細胞と正常細胞への放射性医薬品の集積量を反映する画像化された診断情報"を基に、同じ放射性医薬品を治療に用いることで、患者に最適の治療が可能にするという、"個別化医療"の実現に向けた重要なRIである。そのため、$$^{67}$$Cu医薬品の実用化を目指して"高品質の$$^{67}$$Cuを大量に製造する"研究開発が、1970年頃から現在に至るまで世界中で行われてきた。しかし、その製造法は未だ確立せず、$$^{67}$$Cu医薬品の研究開発が停滞する状況が続いている。われわれは、加速器を利用した$$^{67}$$Cuの我が国独自の新しい製造法を提案してきた。そして、新製造法に基づく実験を行い、"高品質の$$^{67}$$Cuが得られること、そして大量に製造できる可能性を有すること"を明らかにした。更に大腸癌を移植したマウスにこの$$^{67}$$Cuを投与した実験を行い、$$^{67}$$Cuが腫瘍部に顕著に集積することを発見した。本稿では、$$^{67}$$Cuの新しい製造法及びその特徴、新製造法で製造された$$^{67}$$Cuを用いた担癌マウスの研究の現状を紹介する。

論文

Application of $$^{67}$$Cu produced by $$^{68}$$Zn($$n,n'p+d$$)$$^{67}$$Cu to biodistribution study in tumor-bearing mice

須郷 由美*; 橋本 和幸*; 川端 方子*; 佐伯 秀也*; 佐藤 俊一*; 塚田 和明; 永井 泰樹*

Journal of the Physical Society of Japan, 86(2), p.023201_1 - 023201_3, 2017/02

 被引用回数:14 パーセンタイル:66.38(Physics, Multidisciplinary)

$$^{68}$$Zn($$n,n'p+d$$)$$^{67}$$Cu反応により合成した$$^{67}$$Cuを利用し、結腸直腸の腫瘍を有するマウスにおける$$^{67}$$CuCl$$_{2}$$の生体内分布を初めて観測した。その結果、$$^{67}$$Cuの高い取り込みが、腫瘍ならびに銅代謝のための主要な器官である肝臓と腎臓で観察された。これは腫瘍に対する$$^{67}$$Cuの蓄積を示す結果であり、$$^{67}$$CuCl$$_{2}$$が癌放射線治療のための潜在的な放射性核種薬剤であることを示唆している。また、現状で入手可能な強い中性子を用いた$$^{68}$$Zn($$n,n'p+d$$)$$^{67}$$Cu反応を利用することでもたらされた$$^{67}$$Cuの生成量の増加は、小動物を用いた治療効果について更なる研究の進展もまた約束するものである。

論文

SPECT imaging of mice with $$^{99m}$$Tc-radiopharmaceuticals obtained from $$^{99}$$Mo produced by $$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo and fission of $$^{235}$$U

橋本 和幸; 永井 泰樹; 川端 方子; 佐藤 望*; 初川 雄一; 佐伯 秀也; 本石 章司*; 太田 雅之; 今野 力; 落合 謙太郎; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 84(4), p.043202_1 - 043202_4, 2015/04

 被引用回数:8 パーセンタイル:51.89(Physics, Multidisciplinary)

The distribution of $$^{99m}$$Tc-radiopharmaceutical in mouse was obtained with SPECT for the first time using $$^{99m}$$Tc, which was separated by thermochromatography from $$^{99}$$Mo produced via the $$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo reaction with accelerator neutrons. The SPECT image was comparable with that obtained from a fission product $$^{99}$$Mo. Radionuclidic purity and radiochemical purity of the separated $$^{99m}$$Tc and its aluminum concentration met the United States Pharmacopeia regulatory requirements for $$^{99m}$$Tc from the fission product $$^{99}$$Mo. These results provide important evidence that $$^{99m}$$Tc radiopharmaceutical formulated using the $$(n,2n)$$ $$^{99}$$Mo can be a promising substitute for the fission product $$^{99}$$Mo. A current and forthcoming problem to ensure a reliable and constant supply of $$^{99}$$Mo in Japan can be partially mitigated.

論文

Production of $$^{rm 95m}$$Tc for Compton camera imaging

初川 雄一; 橋本 和幸; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 永井 泰樹; 谷森 達*; 園田 真也*; 株木 重人*; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1283 - 1285, 2015/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:16.69(Chemistry, Analytical)

$$^{rm 99m}$$Tcは広く医療診断に用いられている放射性診断薬であり、数多くの標識化合物が開発されている。近年天体核物理分野で開発されてきたコンプトンカメラの医療用への応用研究が行われているが141keVの放出$$gamma$$線を有する$$^{rm 99m}$$Tcは$$gamma$$線エネルギーが低くコンプトンカメラには不向きである。そこでより高エネルギー$$gamma$$線を放出するテクネチウム同位体の開発が求められている。800keVの$$gamma$$線を放出する$$^{rm 95m}$$Tcはコンプトンカメラ用RIの候補の一つである。本研究ではタンデム加速器で$$^{rm 95m}$$Tcを生成し、これを京都大学で開発されているコンプトンカメラでの撮像実験に供した。

論文

New phenomenon observed in thermal release of $$^{99m}$$Tc from molten $$^{100}$$MoO$$_{3}$$

川端 方子; 永井 泰樹; 橋本 和幸; 佐伯 秀也; 本石 章司*; 佐藤 望*; 太田 朗生*; 椎名 孝行*; 河内 幸正*

Journal of the Physical Society of Japan, 84(2), p.023201_1 - 023201_4, 2015/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:44.19(Physics, Multidisciplinary)

医療用$$^{99m}$$Tcは、溶融した$$^{99}$$MoO$$_{3}$$から熱分離によって分離できる。$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tcジェネレーターを使用し、溶融$$^{99}$$MoO$$_{3}$$からの$$^{99m}$$Tc分離における、湿気を帯びた酸素ガスの影響を調査した。$$^{99}$$Moは、$$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo反応で生成した。乾燥酸素ガスと比較して、湿気を帯びた酸素ガス中では、$$^{99m}$$Tcの分離速度、分離効率、回収効率全てにおいて、高い値を示すという新しい見解を得ることができた。本研究結果により、溶融MoO$$_{3}$$から、高品質な$$^{99m}$$Tcを高効率かつ安定的に製造するという課題へ向け、重要な進展を遂げた。また、湿気を帯びた酸素ガスと溶融$$^{99}$$MoO$$_{3}$$の相互作用について、新たな知見を与えるものである。

論文

First measurement of the radionuclide purity of the therapeutic isotope $$^{67}$$Cu produced by $$^{68}$$Z($$n$$,$$x$$) reaction using $$^{rm nat}$$C($$d$$,$$n$$) neutrons

佐藤 望; 塚田 和明; 渡辺 智; 石岡 典子; 川端 方子; 佐伯 秀也; 永井 泰樹; 金 政浩*; 湊 太志; 岩本 信之; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 83(7), p.073201_1 - 073201_4, 2014/07

 被引用回数:13 パーセンタイル:63.21(Physics, Multidisciplinary)

本研究により、$$^{68}$$Zn($$n$$,$$x$$)$$^{67}$$Cu反応で生成される医療用放射性同位体$$^{67}$$Cuは、従来法による製造と比較して放射核的純度が非常に高いことが初めて明らかになった。実験は原子力機構高崎研究所のイオン照射研究施設において行われ、中性子源としてエネルギー41MeVの重陽子ビームによる$$^{rm nat}$$C(d,n)反応が用いられた。中性子照射後、高純度Ge検出器を用いて濃縮$$^{68}$$Zn試料の$$gamma$$線測定を行い、その結果から核反応生成物の放射能を評価した。生成された$$^{67}$$Cuに対する不純物核種の量は非常に少ないため、$$^{68}$$Znから$$^{67}$$Cuを化学分離する過程の簡略化や、高価な濃縮$$^{68}$$Zn試料の再利用が期待される。この研究結果は、高純度$$^{67}$$Cu製造に最適な反応系として$$^{68}$$Zn($$n$$,$$x$$)$$^{67}$$Cu反応を提案するものであり、$$^{67}$$Cuの製造法に関する長年の課題を解決できる可能性がある。

論文

High thermo-separation efficiency of $$^{99m}$$Tc from molten $$^{100}$$MoO$$_{3}$$ samples by repeated milking tests

永井 泰樹; 川端 方子; 佐藤 望; 橋本 和幸; 佐伯 秀也; 本石 章司*

Journal of the Physical Society of Japan, 83(8), p.083201_1 - 083201_4, 2014/07

 被引用回数:11 パーセンタイル:56.89(Physics, Multidisciplinary)

High thermo-separation efficiencies of about 90% and 70% have been obtained for the first time for $$^{rm 99m}$$Tc from molten MoO$$_{3}$$ samples containing $$^{99}$$Mo with thicknesses of 4.0 and 8.8 mm, respectively, by repeated milking tests. $$^{99}$$Mo was produced with $$^{100}$$Mo($$n$$,2$$n$$)$$^{99}$$Mo by using neutrons from $$^{3}$$H($$d$$,$$n$$)$$^{4}$$He. The thermo-separation efficiency was determined by measuring the 141 keV $$gamma$$-ray yield of $$^{rm 99m}$$Tc within the molten MoO$$_{3}$$ samples with a radiation detector as a function of the furnace temperature and time. The diffusion coefficients of $$^{rm 99m}$$Tc in the molten MoO$$_{3}$$ samples were estimated in order to help understand the $$^{rm 99m}$$Tc release mechanism. The present result solves a long-standing problem of decreasing the separation efficiency of $$^{rm 99m}$$Tc from MoO$$_{3}$$ while increasing the sample mass or repeating sublimation in thermo-separation, and will bring a major breakthrough to obtain high-quality $$^{rm 99m}$$Tc from MoO$$_{3}$$ irradiated by accelerator-neutrons (protons) or reactor-neutrons.

論文

小型加速器から得られる中性子による$$^{99}$$Mo等医療用RI生産に向けて

永井 泰樹; 橋本 和幸

日本物理学会誌, 69(6), p.370 - 375, 2014/06

半減期66時間の$$^{99}$$Moの娘核$$^{rm 99m}$$Tcを含む放射性医薬品は、我が国で三大生活習慣病の核医学診断に年間90万件利用されている。$$^{99}$$Moは、海外の原子炉で製造され、我が国は使用する全ての$$^{99}$$Moを週に数回輸入している。ところが、近年、原子炉が高経年化のため長期間運転停止する事態が頻発し、世界的に$$^{99}$$Mo不足になり、我が国も国産化に向けた検討が始まった。本稿では、$$^{99}$$Moを含む診断治療用RIについて、小型加速器で得られる高速中性子を用いた新しい生成法とその開発状況について紹介する。

論文

Measurements of neutron capture cross section for $$^{207,208}$$Pb

瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 原田 秀郎; 北谷 文人; 小泉 光生; 深堀 智生; 大島 真澄*; 岩本 信之; 岩本 修; 初川 雄一; et al.

AIP Conference Proceedings 1594, p.339 - 344, 2014/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)

Pb isotopes represent a sensitive test for models of $$s$$-process nucleosynthesis, since the decomposition of the complex abundance pattern in these mass regions is difficult to be accounted for by classical $$s$$-process model. Main neutron capture processes, the $$s$$- and $$r$$-processes, attribute to the origin of the isotopes in this mass region. As the aspects of neutron sources of the $$s$$-process, Gallino et al. reported that $$^{13}$$C($$alpha$$, n) neutron source which is burning radiatively at $$kT$$ = 8 keV play an important role on $$s$$-process nucleosynthesis. Hence, in the present study, an anti-Compton NaI(Tl) spectrometer and highly enriched samples are used to determine the $$gamma$$-ray energy spectra from the (n, $$gamma$$) reaction. This NaI(Tl) spectrometer makes it possible to detect the discrete $$gamma$$-ray from the reaction to the low-lying states in $$^{207,208}$$Pb. We give results both neuron capture cross sections for $$^{207,208}$$Pb to obtain the pulse height spectra using NaI(Tl) spectrometer with time of flight method in the wide neutron energy range from 10 to 100 keV. The Maxwellian averaged capture cross sections for $$^{207,208}$$Pb are determined in the astrophysical relevant energy region.

論文

Radionuclide production

橋本 和幸; 永井 泰樹

Comprehensive Biomedical Physics, Vol.8, p.219 - 227, 2014/00

医療用放射性核種は、原子炉及び加速器で製造されている。原子炉の熱中性子束は、加速器中性子源など他の中性子源のものよりも数桁高いため、半減期が数日以上の医療用放射性核種の大量製造に重要な役割を果たしている。一方、加速器では、半減期が数分以上の医療用放射性核種が製造されている。加速器工学やターゲット工学の近年の進歩により、高フラックスの制動放射線や強力な高エネルギー加速器中性子を得ることが可能となっており、医療用放射性核種の新しい製造法の研究が行われている。

論文

「加速器を用いた医学・産業利用への新たな挑戦」特集に向けて

永井 泰樹

放射線, 39(2), P. 43, 2013/11

加速器を利用した基礎的研究(原子核物理)を行っているときに、「加速器の持つ能力に感銘を受け、多様な利用が考えられるのではないか」と漠然と思っていたことがある。加速器の医学・産業利用にあたっても、どのようにして自分達の研究上のノウハウから「挑戦」と呼べるテーマを見つけ生かすかが、当然重要なポイントになると思われる。標記特集号の発刊にあたり、私自身の「加速器の医学・産業利用」とのかかわりについて述べる。

論文

Generation of radioisotopes with accelerator neutrons by deuterons

永井 泰樹; 橋本 和幸; 初川 雄一; 佐伯 秀也; 本石 章司; 園田 望; 川端 方子; 原田 秀郎; 金 政浩*; 塚田 和明; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 82(6), p.064201_1 - 064201_7, 2013/06

 被引用回数:45 パーセンタイル:85.48(Physics, Multidisciplinary)

A new system proposed for the generation of radioisotopes with accelerator neutrons by deuterons (GRAND) is described by mainly discussing the production of $$^{99}$$Mo used for nuclear medicine diagnosis. A prototype facility of this system consists of a cyclotron to produce intense accelerator neutrons from the $$^{nat}$$C(d,n) reaction with 40 MeV 2 mA deuteron beams, and a sublimation system to separate $$^{99m}$$Tc from an irradiated $$^{100}$$MoO$$_{3}$$ sample. About 9.7 TBq/week of $$^{99}$$Mo is produced by repeating irradiation on an enriched $$^{100}$$Mo sample (251g) with accelerator neutrons three times for two days. It meets about 10% of the $$^{99}$$Mo demand in Japan. The characteristic feature of the system lies in its capability to reliably produce a wide range of high-quality, carrier-free, carrier-added radioisotopes with a minimum level of radioactive wastes without using uranium. The system is compact in size, and easy to operate; therefore it could be used worldwide to produce radioisotopes for medical, research, and industrial applications.

論文

New production routes for medical isotopes $$^{64}$$Cu and $$^{67}$$Cu using accelerator neutrons

金 政浩*; 永井 泰樹; 岩本 信之; 湊 太志; 岩本 修; 初川 雄一; 瀬川 麻里子; 原田 秀郎; 今野 力; 落合 謙太郎; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 82(3), p.034201_1 - 034201_8, 2013/03

 被引用回数:33 パーセンタイル:80.42(Physics, Multidisciplinary)

分子イメージングと核医学治療に期待されている放射性同位体$$^{64}$$Cuと$$^{67}$$Cuの生成断面積を14MeVの加速器中性子を用い測定した。この結果とZn同位体の断面積評価値を用いて、40MeVで5mAの重陽子ビームによる$$^{nat}$$C(d,n)反応からの速中性子を用いて生成される$$^{64}$$Cuと$$^{67}$$Cuの量を計算した。$$^{64}$$Cuの生成量は、12時間照射で175gの$$^{64}$$Znについて1.8テラベクレルであり、$$^{67}$$Cuの生成量は2日間の照射で、$$^{67}$$Zn(n,p)$$^{67}$$Cu反応では184g $$^{67}$$Znに対して249ギガベクレルであり、$$^{68}$$Zn(n,x)$$^{68}$$Cuでは186g $$^{68}$$Znに対して287ギガベクレルである。以上より、$$^{67}$$Cuの生成には、極微量不純物放射性同位体しか生成しない$$^{68}$$Zn(n,x)$$^{68}$$Cu反応を新しく提唱した。また、$$^{64}$$Cuの生成には、$$^{64}$$Zn(n,p)$$^{64}$$Cu反応が期待できる反応であることを示した。

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