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中野 政尚; 藤井 朋子; 永岡 美佳; 井上 和美; 小池 優子; 山田 椋平; 吉井 秀樹*; 大谷 和義*; 檜山 佳典*; 菊地 政昭*; et al.
JAEA-Review 2019-045, 120 Pages, 2020/03
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成30年4月1日から平成31年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設, プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
齋藤 禎一*; 平野 伸一*; 長岡 亨*; 天野 由記
Ecological Genetics and Genomics, 12, p.100042_1 - 100042_9, 2019/10
培養に依存しない分子生物学的手法によって、さまざまな環境中の微生物群集組成について分析が可能となった。これらの手法により、嫌気的で太陽光の存在しない、高温・高圧の極限環境からも多くの未培養原核生物が検出されている。近年、深海環境においても真核生物が検出されており、その結果真核生物が従来考えられてきたよりも広範囲にわたって生息可能であることが示された。本研究では、幌延深地層研究センターの地下施設深度250mの環境において、分子生物学的手法を用いた真核生物に関する研究を行った。その結果、幌延の深部堆積岩環境において、菌類が真核生物群集の優占種であることが示された。また、岩石試料中からZygomycete, Basidiomycete, Ascomyceteのような様々な種の菌類が検出された。本研究は、深部堆積岩地下環境における真核生物の多様性に関する研究として世界初の成果である。
中野 政尚; 藤田 博喜; 水谷 朋子; 永岡 美佳; 井上 和美; 小池 優子; 山田 椋平; 吉井 秀樹*; 檜山 佳典*; 大谷 和義*; et al.
JAEA-Review 2018-028, 120 Pages, 2019/02
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成29年4月1日から平成30年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設, プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
中野 政尚; 藤田 博喜; 永岡 美佳; 井上 和美; 小池 優子; 吉井 秀樹*; 檜山 佳典*; 大谷 和義*; 菊地 政昭*; 坂内 信行*; et al.
JAEA-Review 2017-037, 119 Pages, 2018/03
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設, プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
中野 政尚; 藤田 博喜; 河野 恭彦; 永岡 美佳; 井上 和美; 吉井 秀樹*; 大谷 和義*; 檜山 佳典*; 菊地 政昭*; 坂内 信行*; et al.
JAEA-Review 2017-001, 115 Pages, 2017/03
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設、プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
平野 伸一*; 長岡 亨*; 伊勢 孝太郎; 天野 由記; 松本 伯夫*
材料と環境, 64(12), p.535 - 539, 2015/12
本研究では、土壌環境微生物を対象として腐食ポテンシャルおよびそのメカニズムについて知見を得るために、一般的な湖沼底泥を植菌源として炭素鋼とともに培養を行った。その結果、いずれの培養条件でも炭素鋼を腐食、減損する活性が見られ、特に有機物添加・汽水培地において硫酸還元活性、メタン生成活性とともに高い腐食活性が得られた。土壌埋設設備への微生物の腐食影響を適切に評価するためには、硫酸還元菌, メタン生成菌などの相互作用を踏まえた評価が必要と考えられる。
天野 由記; 別部 光里*; 大野 宏和; 谷口 直樹; 平野 伸一*; 松本 伯夫*; 長岡 亨*
no journal, ,
Microbial activity in bentonite buffer materials in deep geological repository is of concern for microbiologically influenced corrosion which could affect the longevity of metallic containers. Data has been collected regarding microbial corrosion of carbon steel or cupper using compacted bentonite. However, there is not enough data collected under Japanese geological disposal concept, using Kunigel V1 and silicate sand. To evaluate microbial effects on corrosion of metallic containers and activity in bentonite buffer materials with Kunigel V1, we have conducted laboratory-scale and in-situ experiments. From the result of the experiments, it is demonstrated that a sufficiently high dry density is one of the important key factors to suppress microbial activity in buffer materials surrounding metal containers, because of the physical characteristics such as small pores, low water activity, less nutrient supply caused by low hydraulic conductivity. However, microbial cells were heterogeneously detected in the bentonite buffer materials of in-situ experiment. This seems to result from nonuniformity in dry density, water content, and swelling pressure etc., in the engineering scale experiment. These results also demonstrate that the heterogeneous repository conditions would be possibly occurred.
長岡 亨*
no journal, ,
現在の地層処分では、地下水の止水や漏洩した放射性核種の移行抑制などを目的として、炭素鋼オーバーパックの周囲を緩衝材(主にベントナイトを主原料)で包埋する計画となっている。緩衝材として、含水すると高い膨潤性を有する高密度のベントナイトを用いることで、緩衝材は圧密され非常に緻密な微細構造となるため、微生物活性に対する抑制効果も期待されている。本講演では、炭素鋼オーバーパックの微生物腐食の可能性について議論するとともに、これまで当所が実施してきた緩衝材中における炭素鋼試験片の微生物腐食試験の室内試験の実施例や、現在の取り組み状況について紹介する。
Sena, C.*; Molinero, J.*; 長岡 亨*; 阿島 秀司*; 伊藤 剛志; 佐々木 祥人; 浅野 貴博; 吉川 英樹
no journal, ,
The oxidation of organic matter and reduction of inorganic components may play an important role in the geochemical evolution of deep geological repository. A jar-fermentor experiment with water and sediment samples was made, in order to assess the role of microbial respiration in the geochemical evolution of aquatic systems. During the experiment, the main geochemical parameters have been measured both in the aqueous phase and the headspace gas. A numerical model has been developed in order to quantify the role of each bacterial group that is believed to influence the geochemical evolution of both the aqueous and gaseous phases of the jar-fermentor. Numerical results show good agreement with measured data. Model results show that the initial concentration of bacteria, which is usually an unknown of the experiments, plays an important role in numerical results.
吉川 英樹; 伊藤 剛志; 佐々木 祥人; 浅野 貴博*; 長岡 亨*; 中村 孝道*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分の性能評価に資するために、地下水化学に対する微生物活動による影響を評価すべく、幌延の原位置微生物を用いた室内試験結果についてPHREEQC-2を用いて解析した。その結果、酸素消費等の挙動が微生物影響で再現できることがわかった。
平野 伸一*; 長岡 亨*; 松本 伯夫*; 天野 由記
no journal, ,
深部地下に放射性廃棄物を埋設する地層処分事業では、放射性廃棄物の閉じ込めを確実とするため放射性廃棄物を地下に埋設することが検討されている。深部地下においても多様な微生物が存在するため、この人工バリアの閉じ込め性能を評価する上で、微生物による金属製処分容器の腐食影響を考慮する必要性がある。そこで、本研究では異なる密度条件で圧縮したベントナイト内に設置した炭素鋼の微生物による腐食影響を解析した。その結果、緩衝材中の微生物活性には圧縮密度と温度が重要な条件であるとともに、硫酸還元菌がベントナイト内での炭素鋼の腐食に寄与していることが示唆された。また、嫌気性腐食微生物群集に含まれる硫酸還元菌による炭素鋼腐食過程を解析するために、電気培養槽において炭素鋼表面での腐食電位、電流変化を経時的に計測したところ、電位は全ての試料で培養開始後急激に低下し、無菌区はほぼ安定した値を示したが、植菌区では培養1週間後に増加に転じた。また、炭素鋼表面ではDesulfovibrioの増加が見られたことから、これらの電位の上昇はDesulfovibrioによるcathode電流の利用反応促進によるものと推定された。処分環境においては、処分後100年程度までは約70C以上の高温環境下であることが予測されており、微生物増殖に適した環境ではないと考えられるが、閉じ込め性能における微生物影響の不確実性を排除するために、今後、緩衝材中の硫酸還元菌を含めた微生物活性を抑制する要因(膨潤圧・水分活性・空隙サイズ・温度等)の詳細な検討が必要である。
岩月 輝希; 佐々木 祥人; 伊藤 剛志; 浅野 貴博; 天野 由記; 吉川 英樹; 中村 孝道*; 長岡 徹*
no journal, ,
幌延地域の地下深部における水-鉱物-微生物相互作用を解析するため、地球化学計算コードを用いた解析技術の開発を行った。実際の地下環境で観察される地下水の化学組成,鉱物組成,微生物組成及び室内実験で確認された水-鉱物-微生物相互作用プロセスに基づいて、その反応過程を再現するためのシミュレーション解析を行った結果、pHや酸化還元電位の経時変化を定量的に再現することができ、適用した解析技術が有効であることが確認された。
長岡 亨*; 平野 伸一*; 松本 伯夫*; 天野 由記; 伊勢 孝太郎; 吉川 英樹
no journal, ,
地下微生物生態研究の進展により、地下数km以深における微生物の存在が明らかとなり、地層処分における微生物影響評価は重要な課題となっている。本研究では、地層処分研究開発に関する「第2次取りまとめ」以降に刊行された、国内外の主要な学術論文や報告書等の文献約200件を精査し、高レベル放射性廃棄物だけでなく、TRU併置や使用済み核燃料の直接処分も含め、地層処分システム性能に影響を及ぼす微生物要因に関する最新の知見を取りまとめた。
長岡 亨*; 平野 伸一*; 松本 伯夫*; 天野 由記
no journal, ,
Microbially influenced corrosion of metallic container is one of concerns for nuclear waste disposal. Corrosion of carbon steel buried in compacted bentonite buffer materials was investigated using anaerobic corrosive microbial consortium. The buffer material was composed of 70% bentonite (Kunigel V1) and 30% silicate sand with different dry densities in test cells. Compacted buffer materials were incubated in nutrient medium with or without inoculation for one year at 30C and 50
C. Corrosion rates were suppressed (9.4-12.9 mg/cm
/year) with compacted densities of 1.3 and 1.6 Mg/m
at 50
C. In contrast, a high corrosion rate (52.0 mg/cm
/year) was observed in the inoculated 1.0 Mg/m
compacted buffer materials at 30
C, and microbial analysis showed the highest microbial abundance and the high relative ratio of sulfate-reducing bacteria, such as
sp.. These results are demonstrated that a sufficiently high dry density is one of the important key factors to suppress microbial activity in buffer material surrounding metallic containers, because of the physical characteristics such as small pores, low water activity, less nutrient supply caused by low hydraulic conductivity.
長岡 亨*; 平野 伸一*; 小鯖 匠*; 天野 由記; 望月 陽人
no journal, ,
本研究では、地下環境に生息する多様な微生物が引き起こす腐食挙動を評価することを目的に、実際の地下環境において圧縮ベントナイト中に包埋した炭素鋼試験片の腐食試験を実施した。試験は、日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターの深度250m連絡坑道にて行った。地層処分環境を模擬するために、試験セル内の圧縮ベントナイト供試体は、100%ベントナイト材料(クニゲルV1)を用いて、異なる乾燥密度(1.0, 1.4, 1.6, 1.8g/cm)となるように、大気雰囲気下において油圧プレス機により圧縮成型した。それらの試験セルをボーリング孔内に浸漬させ、止水パッカーにて大気と遮断することにより開始した。試験セル浸漬後、所定期間経過ごとに試験セルを回収して、ベントナイト中の生菌数測定および16S rRNA遺伝子解析に用いるとともに、炭素鋼試験片については重量減損量測定および腐食生成物の分析をおこなった。その結果、異なる乾燥密度条件における圧縮ベントナイト供試体中の炭素鋼試験片の重量は、すべての条件下において炭素鋼試験片重量の減損が認められ、乾燥密度が小さいほど、減損量が大きい傾向を示した。特に最小の乾燥密度1.0g/cm
の場合に減損量が大きく、乾燥密度1.4g/cm
以上では腐食が抑制されることがわかった。また腐食速度は、試験初期に比べて、試験後期に低下する傾向があることがわかった。腐食挙動に及ぼす微生物の影響を評価するため、回収したベントナイト試料中の生菌数を測定した。その結果、好気性生菌数は、乾燥密度の増加に伴い、低下する傾向が認められた。また16S rRNA遺伝子解析の結果、乾燥密度が高い場合の微生物叢は初期のベントナイト中の微生物叢と類似した構成を示す一方、乾燥密度が低い場合の菌叢は、大きく変化していることがわかった。これらのことから、乾燥密度が低い場合には、圧縮ベントナイト中で微生物が活性を有し、腐食を促進させる可能性が示唆された。
天野 由記; 南條 功; 岩月 輝希; 佐々木 祥人; 浅野 貴博; 寺島 元基; 長岡 亨*; 中村 孝道*; 吉川 英樹; 青木 和弘
no journal, ,
幌延深地層研究所の深度140m調査坑道から掘削したボーリング孔を用いて、岩盤中の「水-岩石-微生物」システムが有する環境回復能力(酸化還元緩衝能力)を評価するために原位置試験を実施した。酸素を飽和させた地下水をボーリング孔に注入・循環し、酸素濃度,酸化還元電位の変化及びそれに伴う化学成分や微生物数・微生物群集組成の変化をモニタリングし、「水-岩石-微生物」システムにおける岩盤の酸化還元緩衝能力を評価した。その結果、溶存酸素濃度は循環開始後10時間以内に検出限界以下となった。Fe(II)イオン濃度も減少傾向を示したことから、注入した酸素は地下水中の溶存鉄により消費されたと考えられる。試験期間中の酸素消費速度は9.64mg/L/dayであった。また、酸化還元電位は循環を開始してから5日後に試験開始前とほぼ同等の約-208mVで安定状態となり、速やかに還元状態が回復することが示された。
平野 伸一*; 長岡 亨*; 小鯖 匠*; 天野 由記; 望月 陽人
no journal, ,
一般的に金属が腐食を受けにくい環境において急速な腐食や局所腐食などが生じる場合があり、そのような反応には微生物が誘因する微生物腐食が影響する事象が報告されている。深部地下に放射性廃棄物を埋設する地層処分では、放射性廃棄物の閉じ込めを確実とするため放射性廃棄物を人工バリア(オーバーパック(金属製処分容器)、緩衝材)で包埋する概念が検討されている。深部地下においても多様な微生物が存在するため、この人工バリアの閉じ込め性能を評価する上で、微生物による金属製処分容器の腐食影響を考慮する必要性がある。しかし、これまで地下に存在する微生物を対象とした腐食の研究事例は限られている。そこで、本研究では、幌延深地層研究センターの深部地下水を対象として鉄腐食を引き起こす微生物の存在を探索し、その腐食活性を評価することを目的とした。幌延深地層研究センターの地下施設から採取した地下水中の微生物について、炭素鋼片を浸漬し、嫌気条件下で培養をおこなった。その結果、一部の地下水培養液においてメタンガスが検出され、炭素鋼試験片の顕著な重量減損と表面の局部的な減肉が観察された。培養後の地下水に含まれる微生物相の解析をおこなったところ、腐食活性が見られた試料ではメタン菌Methanobacterium属の比率増加が認められたことから、鉄顆粒等を用いてさらに集積培養を行い、メタン菌単離株を取得した。単離株の16S rRNA遺伝子配列解析の結果から本株をMethanobacterium sp. H04株と命名した。炭素鋼片を用いた2か月間の腐食試験を行った結果、重量減損量は45mgに達し、非植菌区と比較して腐食量は約20倍に増加した。腐食速度としては0.5mm/yに達し、既報の海洋性EMICメタン菌Methanobacterium sp. IM1株や淡水性EMICメタン菌Methanobacterium sp.TO1株と同程度の高い腐食活性を有することが明らかになった。
天野 由記; 岩月 輝希; 南條 功; 佐々木 祥人; 浅野 貴博*; 吉川 英樹; 長岡 亨*; 中村 孝道*
no journal, ,
幌延深地層研究所の深度140m調査坑道にて、岩盤の酸化還元緩衝能力を評価するための原位置試験を実施し、「水-岩石-微生物」相互作用による還元環境回復プロセスを評価した。その結果、循環開始時の溶存酸素濃度は5.43mg L-1であったが、10時間以内に検出限界(0.01mg L-1)以下となった。また、ORPは循環を開始してから5日後に試験開始前とほぼ同等の約-427mVで安定状態となり、速やかに還元状態が回復することが示された。化学成分及び微生物群集分析の結果から、還元状態に回復する過程でFe2+イオンの酸化反応,微生物の好気呼吸反応が酸素消費に寄与し、微生物による硝酸還元・鉄還元等の還元反応が進んだことが示された。
長岡 亨*; 中村 孝道*; 佐々木 祥人; 浅野 貴博*; 伊藤 剛志*; 天野 由記; 岩月 輝希; 吉川 英樹
no journal, ,
地下水の酸化還元状態は放射性核種の移行挙動やバリア材の腐食に影響する可能性があることから、地層処分施設近辺の地下水の変化を調べることは重要である。そこで、ジャーファーメンターを用いて深地層から採取した堆積岩と地下水の酸化還元反応に対する微生物群集の応答を調べた。初期に空気に曝露して酸化状態にした後に空気を遮断し、処分場の掘削、廃棄物の運搬、埋め戻し時を模擬した条件で行った。試験期間中は溶液中の酸化還元電位,溶存酸素濃度, pHや溶存イオン種,酸可溶鉄,ヘッドスペース中のガスの測定を行った。また酸化還元状態の変化に伴う微生物叢の変化を調べるために、懸濁液中の微生物のDNAを抽出し、PCR-DGGE法による解析を行った。懸濁液の酸化還元電位は空気の曝露を遮断した後は+100mVから-600mVまで低下した。またPseudomonas属細菌による好気呼吸、Shewanella属による鉄還元や、水素発酵などの逐次的な最終電子受容プロセスが見られた。これらの結果は微生物活動が地層処分施設における地球化学変化に影響を与えることを示した。
平野 伸一*; 長岡 亨*; 松本 伯夫*; 天野 由記
no journal, ,
本発表では、地層処分システムにおいて人工バリアの閉じ込め性能に及ぼす微生物影響について、これまでの国内外での検討事例を紹介する。また、日本で検討されている緩衝材であるクニゲルV1およびケイ砂の混合物を対象とした微生物の金属腐食影響について、硫酸還元菌だけでなくメタン菌や酢酸生成菌などの腐食菌存在下において実施した試験結果について報告する。圧縮ベントナイトの乾燥密度1.0および1.6g/cm、温度条件30
Cおよび50
Cにて、多様な種を含む腐食微生物群集の存在下で炭素鋼を用いた腐食試験を実施した結果、一年間の試験期間内では、50
Cおよび乾燥密度1.6g/cm
の条件下では腐食が抑制されていたが、30
Cおよび1.0g/cm
の条件下では6ヶ月から1年の間に腐食が急速に進むことが確認された。緩衝材の圧縮密度が低下した場合には、微生物腐食が短期間で顕著に進む可能性が示唆された。