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論文

First-principles calculation of mechanical properties of simulated debris Zr$$_x$$U$$_{1-x}$$O$$_2$$

板倉 充洋; 中村 博樹; 北垣 徹; 星野 貴紀; 町田 昌彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.915 - 921, 2019/09

福島第一原子力発電所の炉内にある燃料デブリの機械的特性を明らかにするため、模擬デブリである二酸化ウラン・二酸化ジルコニウム溶融物についてその弾性定数と破壊靭性を第一原理計算で評価し、二酸化ジルコニウムの割合の影響を調べ、模擬デブリを用いた実験結果と比較を行った。その結果、実験で観測されている、二酸化ジルコニウム割合の増加に伴う急激な破壊靭性の増加は、二酸化ジルコニウムの複数の相の混在によるものと考えられるという結論を得た。

論文

Development of the ReaxFF methodology for electrolyte-water systems

Fedkin, M. V.*; Shin, Y. K.*; Dasgupta, N.*; Yeon, J.*; Zhang, W.*; van Duin, D.*; Van Duin, A. C. T.*; 森 健人*; 藤原 敦志*; 町田 昌彦; et al.

Journal of Physical Chemistry A, 123(10), p.2125 - 2141, 2019/03

 パーセンタイル:100(Chemistry, Physical)

Li$$^{+}$$, Na$$^{+}$$, K$$^{+}$$, Cs$$^{+}$$, F$$^{-}$$, Cl$$^{-}$$, I$$^{-}$$などの水-電解質系を記述する新しいReaxFF反応力場を開発した。反力場パラメータは、水結合エネルギー, 水和エネルギーおよびプロトン移動のエネルギーに関連した量子力学的計算に対してトレーニングされている。水中での様々な電解質のイオン化について、分子動力学シミュレーションの結果と実験結果及び熱力学との比較によって力場の検証を行った。その結果、大部分の原子対(水分子の酸素および水素を含むカチオンまたはアニオン)について、得られた動径分布関数はDFT計算の結果と良く一致することがわかった。また、この力場を用いて、アルカリ金属水酸化物と塩化物塩溶液における水分子および電解質イオンの拡散定数が組成および電解質濃度の関数として得られた。

論文

加速管更新後の加速電圧の推移と現状

松田 誠; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

JAEA-Conf 2018-003, p.126 - 131, 2019/02

原子力機構東海タンデム加速器では2003年に21gapのコンプレスドジオメトリ型加速管への更新を行った。更新直後に16MVの電圧発生を確認し2年後には18MVに到達した。2007年、2008年には真空トラブルによりダメージを受け、加速電圧が下がってしまったが加速管を交換することで性能を回復し、2015年までは18MVを維持した運転を継続してきた。これまでの最高加速電圧は18.5MVである。しかしながら近年は高電圧発生時の放電の頻発や、2016年12月に発生した大規模な真空破壊事故により加速電圧が12MVにまで低下してしまった。主たる原因は真空事故による加速管内部への塵やストリッパーフォイル片の混入と考えられ、現在全加速管を取り外し内部の洗浄作業を実施している。この洗浄作業に際し、加速管のアパーチャー電極の放射化測定や管内のセラミクスの汚れの状況を確認した。一部の加速管には内部セラミクスが剥離したものがあった。現在、性能回復のために加速管の洗浄作業および性能向上のために加速器のアライメントを実施している。

論文

New antiferromagnetic order with pressure-induced superconductivity in EuFe$$_2$$As$$_2$$

池田 修悟*; 土屋 優*; Zhang, X.-W.*; 岸本 俊二*; 亀卦川 卓美*; 依田 芳卓*; 中村 博樹; 町田 昌彦; Glasbrenner, J.*; 小林 寿夫*

Physical Review B, 98(10), p.100502_1 - 100502_6, 2018/09

 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

新規超伝導物質の発現機構を解明するためには磁性と超伝導性の関係を理解することが重要である。我々は鉄ヒ素超伝導体の一つであるEuFe$$_2$$As$$_2$$に対して$$^{57}$$Fe核共鳴前方散乱(NFS)を用い、2.4から3.0GPaの圧力範囲で、Fe副格子での反強磁性と超伝導の共存を発見した。Fe副格子の磁性状態は2.7GPaでストライプ型反強磁性から超伝導を伴う新しい反強磁性秩序へと変化した。超伝導転移温度以下で、超伝導とともに新しい反強磁性が発展しているのが、NFSの温度依存性から明らかになった。この2種類の秩序の非自明な相関は鉄系超伝導体における磁性と超伝導の新しく興味深い関係性を証明するものである。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 株本 裕史; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; 松井 泰; 石崎 暢洋; et al.

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1271 - 1275, 2018/08

原子力機構-東海タンデム加速器は最高加速電圧が約18MVの大型静電加速器であり、核物理,核化学,原子物理,材料照射などの分野に利用されている。2016年12月に発生した真空事故以降加速電圧が12MVまで低下した。加速管内に混入した塵や荷電変換用の炭素薄膜を除去すべく80本の全加速管を取り外し再洗浄を実施した。洗浄に4か月、再組立てに2か月を要した。このため2017年2月から約10か月が加速器の整備期間となった。加速管の再構築に伴い加速管と圧力タンク外の機器との再アライメントを実施した。運転再開は2017年12月となり、利用運転期間中に定期的なコンディショニングを行うことで16.5MVの運転電圧まで回復させることができた。2017年度の加速器の運転・整備状況およびビーム利用開発等について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

株本 裕史; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 松田 誠; 仲野谷 孝充; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1404 - 1408, 2017/12

原子力機構-東海タンデム加速器施設は最高運転電圧が約18MVの大型静電加速器で、核物理,核化学,原子物理,材料照射などの各分野に利用されている。当施設では2015年度中に起きた運転中の放電等により一部の加速管に不調が生じたため、しばらく加速電圧を低く抑えて運転を継続していたが、2016年度に加速管8本の交換作業を実施し、加速電圧は約17MVまで回復した。しかし、12月に起きた真空トラブルのため、再び加速管に不調が発生し、加速電圧を低く抑えての運転を余儀なくされた。現在、加速管を全て分解し、クリーニング等による電圧性能の回復を図っている。本発表では加速器の運転・整備状況およびビーム利用開発等について報告する。

論文

Defect chemistry and basic properties of non-stoichiometric PuO$$_{2}$$

加藤 正人; 中村 博樹; 渡部 雅; 松本 卓; 町田 昌彦

Defect and Diffusion Forum, 375, p.57 - 70, 2017/05

PuO$$_{2-x}$$の実験データをレビューし、酸素ポテンシャル、電気伝導率及び第一原理計算結果を用いて欠陥濃度を評価した。欠陥濃度を評価する式を導出し、様々な基礎特性の間の整合性を確認するとともに、熱物性を評価するための機構論的モデルを導出した。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1413 - 1417, 2016/11

原子力機構-東海タンデム加速器施設における2015年度の加速器の運転日数は141日であった。最高運転電圧は18MVで、10日間の利用があった。11月に加速器の放電により一部の加速管に不調が生じ、運転電圧を低く抑えて運転を継続せざるを得なくなり、年度末には最高運転電圧は13MVまで下がった。利用されたイオン種は15元素(18核種、22のイオン種)である。利用分野は核物理36%、核化学26%、原子物理・材料照射33%となっている。主な整備事項として、加速管の高エネルギー側にあるビームアパーチャーおよびファラデーカップ位置の再アライメントを行った。また、年度途中から不調となった加速管8本の交換作業を実施した。2015年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。

論文

High-temperature properties of thorium dioxide; A First-principles molecular dynamics study

中村 博樹; 町田 昌彦

Journal of Nuclear Materials, 478, p.56 - 60, 2016/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:76.09(Materials Science, Multidisciplinary)

核燃料構成物質の物性を詳細に調べることは燃料開発において重要な役割を担っている。本発表では上記課題に対して、次世代の核燃料物質として注目されている二酸化トリウムに対して第一原理分子動力学法を用いた、高温熱物性の評価を行なった結果を報告する。なお、課題解決にあたって大型計算機を用いて従来にない規模の第一原理分子動力学を行なうことで、高温での熱物性の評価に成功した。結果として、Bredig転移とよばれる高温での現象を詳細に解析することができた。この解決により、核燃料の物性評価を第一原理計算により精度よく推算できるようになることが期待される。

論文

Effect of magnetism on lattice dynamics in SrFe$$_2$$As$$_2$$ using high-resolution inelastic X-ray scattering

村井 直樹*; 福田 竜生; 小林 達也*; 中島 正道*; 内山 裕士*; 石川 大介*; 筒井 智嗣*; 中村 博樹; 町田 昌彦; 宮坂 茂樹*; et al.

Physical Review B, 93(2), p.020301_1 - 020301_5, 2016/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:57.78(Materials Science, Multidisciplinary)

Phonon spectra of detwinned SrFe$$_2$$As$$_2$$ crystals, as measured by inelastic X-ray scattering, show clear anisotropyaccompanying the magnetostructural transition at 200 K. We model the mode splitting using magnetic DFT calculations, including a phenomenological reduction in force-constant anisotropy that can be attributed to magnetic fluctuations. This serves as a starting point for a general model of phonons in this material applicable to both the antiferromagnetically ordered phase and the paramagnetic phase. Using this model, the measured splitting in the magnetic phase below T$$_N$$, and the measured phonon linewidth, we set a lower bound on the mean magnetic fluctuation frequency above T$$_N$$ at 210 K.

論文

Phonons of Fe-based superconductor Ca$$_{10}$$Pt$$_4$$As$$_8$$(Fe$$_{1-x}$$Pt$$_x$$As)$$_{10}$$

池内 和彦*; 小林 義明*; 鈴木 一範*; 伊藤 正行*; 梶本 亮一; Bourges, P.*; Christianson, A. D.*; 中村 博樹; 町田 昌彦; 佐藤 正俊*

Journal of Physics; Condensed Matter, 27(46), p.465701_1 - 465701_7, 2015/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:90.95(Physics, Condensed Matter)

中性子非弾性散乱実験による超伝導体Ca$$_{10}$$Pt$$_4$$As$$_8$$(Fe$$_{1-x}$$Pt$$_x$$As)$$_{10}$$のフォノンの測定結果を報告する。特に転移温度33K付近でのクーパー対に対する軌道揺らぎの影響を調査し、弾性定数$$C_{66}$$に対応する面内横音響フォノンに少しソフト化が起きていることを観測した。また、転移温度以上の温度で面内光学フォノンが異常に強く変化するのを観測した。このモードは鉄と砒素の面内振動に対応しており、鉄のd軌道の軌道揺らぎと格子系の結合に関する情報を与えている。この結果は超伝導発現機構やいわゆるネマティック相の研究に有益な情報をもたらすものである。

論文

Melting of Pb charge glass and simultaneous Pb-Cr charge transfer in PbCrO$$_{3}$$ as the origin of volume collapse

Yu, R.*; 北條 元*; 綿貫 徹; 水牧 仁一朗*; 溝川 貴司*; 岡 研吾*; Kim, H.*; 町田 晃彦; 榊 浩司*; 中村 優美子*; et al.

Journal of the American Chemical Society, 137(39), p.12719 - 12728, 2015/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:37.88(Chemistry, Multidisciplinary)

立方晶ペロブスカイトPbCrO$$_{3}$$が常温常圧において、鉛の価数に関する電荷ガラス状態であり、その結果、鉛の位置にランダムネスのある構造をとっていることを明らかにした。鉛の価数は2価と4価に価数分離しており、鉛の位置は、A-site中心からのシフトが3倍周期の縦波型変調を持つ2つの副格子で表される短距離秩序を持つことを明らかにした。加圧すると鉛-クロム間の電荷移動が生じ、それにより電荷ガラスが解消され、絶縁体-金属相転移が起こることも明らかにした。この圧力誘起の電荷ガラス融解が、PbCrO$$_{3}$$で知られていた大きな体積収縮を伴った立方晶-立方晶の同型構造相転移の起源であることが分かった。

論文

First-principles study of antimony doping effects on the iron-based superconductor CaFe(Sb$$_{x}$$As$$_{1-x}$$)$$_{2}$$

永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦; 黒木 和彦*

Journal of the Physical Society of Japan, 84(9), p.093702_1 - 093702_4, 2015/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:50.01(Physics, Multidisciplinary)

鉄系高温超伝導体の超伝導発現機構は、未だに謎が多く未解明であるが、臨界温度や臨界磁場が高く、産業や原子力分野での応用を念頭においた場合、極めて有力な材料の一つである。CaFe(Sb$$_{x}$$As$$_{1-x}$$)$$_{2}$$は最近新規合成された物質であり、アンチモンのドープによって超伝導転移温度Tcが10K以上上昇するため、その超伝導特性について調べる必要があった。また、アンチモンがヒ素のどのサイトに置換されるかが不明であり、詳細な解析が求められていた。そこで、上記課題に対し、第一原理計算を用いることで、どのヒ素がアンチモンに置換されたときに安定な構造になるかを理論的に詳細に調べた。その結果、これまでの鉄系超伝導体にはないジグザグヒ素構造の部分にアンチモンが入りやすいことがわかった。この結果は、鉄系超伝導体の超伝導転移温度を上昇させる理論的指針となるだけでなく、広く原子力分野の材料研究開発にも資する成果である。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.357 - 360, 2015/09

原子力機構-東海タンデム加速器施設における2014年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。2014年度の加速器の運転日数は156日であり、最高運転電圧は18MVで8日間の利用があった。利用されたイオン種は15元素(19核種)である。高電圧端子内イオン源からのビーム利用は30%であり、原子あたり3.5MeVのエネルギーでC$$_{3}$$分子イオンの利用があった。近年、需要の増えた非密封RIや核燃料を標的とした実験に対応するため、これらの標的を扱える照射室(第2照射室)を新たに整備した。2014年11月にビーム試験を実施し、2015年2月より実験利用が開始された。現在RI標的の利用が可能であり、今後、核燃料標的に拡大する予定である。東海タンデム加速器では高電圧端子内機器への電力供給のために地上電位にある40HPおよび30HPのモーター出力を動力伝達用アクリルシャフトを介して端子内の10kVAおよび15kVAの発電機を駆動している。このシャフトの軸受マウント部を改良しベアリング寿命を大幅に伸ばすことに成功した。大型静電加速器としての特徴を活かすべくビーム開発を実施しているところである。

論文

Precise measurement of acoustic phonons in PrFeAsO$$_{1-y}$$

福田 竜生; Baron, A. Q. R.*; 内山 裕士*; 中村 博樹; 石角 元志*; 町田 昌彦; 社本 真一

SPring-8/SACLA利用研究成果集(Research Report) (インターネット), 3(2), p.290 - 293, 2015/07

Using inelastic X-ray scattering (IXS), we investigated acoustic phonons of PrFeAsO$$_{1-y}$$ precisely in order to select between two different models based on first principles calculations: the in-plane soft and clipped model. These models predict slightly different phonon intensities, and, in particular, different contamination of the longitudinal acoustic (LA) phonon spectra by transverse acoustic (TA) phonon modes. We were able to reduce the contamination with improved ${bfit Q}$ resolution, but the data quality was not sufficient to clearly decide between our models. Based on $$Q$$ dependence there appears to be slightly better agreement with the in-plane soft model at room temperature.

論文

Superdeformation in $$^{35}$$S

郷 慎太郎*; 井手口 栄治*; 横山 輪*; 小林 幹*; 木佐森 慶一*; 高木 基伸*; 宮 裕之*; 大田 晋輔*; 道正 新一郎*; 下浦 享*; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 6, p.030005_1 - 030005_4, 2015/06

The high-spin states in $$^{35}$$S were investigated at Tandem-ALTO facility in Institut de Physique Nucl$'e$aire d'Orsay The $$^{26}$$Mg($$^{18}$$O, 2$$alpha$$1n)$$^{35}$$S fusion evaporation reaction was used to populate high-spin states in $$^{35}$$S. The germanium $$gamma$$-ray detector array ORGAM was employed to measure $$gamma$$ rays from high-spin states and charged particles evaporated from the compound nuclei were detected by a segmented silicon detector, Si-Ball. A level scheme for $$^{35}$$S was deduced based on the gamma-gamma-coincidence analysis and $$gamma$$-ray angular correlation analysis. The half-life of the transition in the superdeformed band was estimated by measuring the residual Doppler shift. The deduced half-life shows the large collectivity of the band.

論文

First-principles calculation of phonon and Schottky heat capacities of plutonium dioxide

中村 博樹; 町田 昌彦; 加藤 正人

Journal of the Physical Society of Japan, 84(5), p.053602_1 - 053602_5, 2015/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:81.9(Physics, Multidisciplinary)

二酸化プルトニウムなど、核燃料構成物質の物性を詳細に調べることは燃料開発において重要な役割を担っている。本発表では上記課題に対して、第一原理計算手法を用いた、比熱等の熱物性の評価方法を確立したことを報告する。なお、課題解決にあたって格子振動による比熱と電子の離散的な励起状態から生じる比熱の両方を考慮することで、測定値を再現することに成功した。この解決により、核燃料の物性評価を第一原理計算により精度よく推算できるようになることが期待される。

論文

Numerical calculations for heat capacity of actinide dioxides

中村 博樹; 町田 昌彦

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 4 Pages, 2015/05

MOX燃料などの核燃料開発において、燃料物性の数値シミュレーションはその重要度を増してきており、より精密で信頼性の高い数値シミュレーション技術が求められている。本発表では上記課題に対して、第一原理計算手法を利用した二酸化アクチニドの比熱の評価についての結果を報告する。なお、課題解決にあたって、計算精度を維持しつつ、計算コストを軽減する適切な近似手法を採用することによって、二酸化ウラン, プルトニウム, ネプツニウム,アメリシウムの比熱の評価に成功した。この解決により、酸化物核燃料全般の物性評価を第一原理計算により精度よく推算できるようになることが期待される。

論文

Comparative molecular simulation studies of oxidation reactions and hydrogen release for zirconium metals and silicon carbide under severe accident conditions

町田 昌彦; 中村 博樹; Srinivasan, S. G.*; Van Duin, A. C. T.*

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 4 Pages, 2015/05

ジルコニウムは燃料被覆管として広く用いられ、その機械的及び熱的性質は様々な実験によって調べられてきた。特に、過酷事故時の高温高圧時におけるジルコニウムの酸化反応は重要な課題であり、酸化により生じる水素発生の問題は、福島原発事故に見られるように水素爆発を誘発するため、極めて重要な材料学上の課題として認識されている。したがって、最近では耐酸化材量として水素発生量が少ないシリコンカーバイド等の代替材料が研究されている。そこで、本研究では、原子・分子レベルのシミュレーションによって、これらの材料の高温高圧下での酸化反応を追跡し、界面にてどのような反応ダイナミクスが起こるかを化学反応分子動力学法を用いて調べた。その結果として、両者が同じ高温高圧条件下でどのような反応を示すか、その特徴が分かり、その反応進展過程と水素発生量とを比較解析することができた。本発表では、それらのシミュレーション比較結果を示し、酸化被膜が原子・分子レベルでどのように変化し、水素がどのような過程の下発生するかを明らかにする。

論文

First-principles calculation studies on cesium in environmental situations; Hydration structures and adsorption on clay minerals

町田 昌彦; 奥村 雅彦; 中村 博樹; 櫻本 和弘*

Proceedings of Joint International Conference on Mathematics and Computation, Supercomputing in Nuclear Applications and the Monte Carlo Method (M&C + SNA + MC 2015) (CD-ROM), 12 Pages, 2015/04

福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウムの環境中での物理化学的性質を明らかにするため、本発表では二つの課題について第一原理計算手法によって研究した成果を発表する。課題の一つ目は、セシウムイオンの水和構造であり、二つ目は、セシウムイオンの粘土鉱物に対する吸着形態である。一つ目の課題については、第一原理計算手法の中でもボルンオッペンハイマー第一原理分子動力学法と呼ばれる計算手法を用い、他のアルカリ元素イオンの水和構造と異なり、第二水和殻がほとんどないことを明らかにし、二つ目の課題については、ほつれたエッジと呼ばれている粘土層間が開いたモデルを構築し、それに対してイオン交換エネルギーを計算した結果を示すことで、セシウムが選択的にそのエッジに吸着されることを明かにする。

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