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論文

Analysis of the stress field around concealed active fault from minor faults-slip data collected by geological survey; An Example in the 1984 Western Nagano Earthquake region

西山 成哲; 中嶋 徹; 後藤 翠*; 箱岩 寛晶; 長田 充弘; 島田 耕史; 丹羽 正和

Earth and Space Science (Internet), 11(6), p.e2023EA003360_1 - e2023EA003360_15, 2024/06

活断層が確認されていない様々なテクトニックセッティングの地域において、マグニチュード6~7クラスの地震が発生することがある。地震被害の低減のためには、そのような地震を発生させる伏在断層を把握することが重要であるが、それを把握するための手がかりとなる証拠は少ない。1984年に発生した長野県西部地震は、Mj 6.8、震源の深さが2 kmと浅部で発生した規模の大きい地震である。本地域は固結した基盤が露出する地域であるにも関わらず、地表地震断層や地震後の地形変状は確認されておらず、震源断層は地下に伏在していることが知られている。本研究では、1984年長野県西部地震の震源地域において、地表踏査により割れ目に認められる条線のデータを集め、その条線形成に影響を与えた応力を、収集したデータを用いた多重逆解法で推定した。その結果、既知の伏在断層周辺の小断層において、本地域にはたらく現在の広域応力と同様の応力が検出された。この小断層の中には、第四紀の火山岩中に認められたものもあり、小断層がごく最近に活動したことを裏付ける。このことは、これらの小断層が伏在断層周辺に発達するダメージゾーンの一部である可能性を示しており、伏在断層を把握するための手がかりとなることが期待される。

論文

Field-based description of near-surface crustal deformation in a high-strain shear zone; A Case study in southern Kyushu, Japan

丹羽 正和; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 後藤 翠*; 西山 成哲; 中嶋 徹; 石原 隆仙; 箱岩 寛晶

Island Arc, 33(1), p.e12516_1 - e12516_16, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geosciences, Multidisciplinary)

本研究では、地表地形では特定が不明瞭な活構造を検出する目的で、小断層の変位データを用いた多重逆解析から推定される応力と、地震データから推定されている応力とを比較することに基づく手法を検討した。南九州で知られているひずみ集中帯で検討した結果、本手法が、地下に伏在する活構造を検出するための一助となり得ることを示した。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和5年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 藤田 奈津子; 横山 立憲; 小北 康弘; 福田 将眞; 中嶋 徹; 鏡味 沙耶; 小形 学; et al.

JAEA-Review 2023-017, 27 Pages, 2023/10

JAEA-Review-2023-017.pdf:0.94MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和5年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

等高線を用いた地形解析による第四紀火山の山体下の岩脈分布および火道安定性評価

西山 成哲; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

応用地質, 64(3), p.98 - 111, 2023/08

火山防災におけるリスク評価や高レベル放射性廃棄物の地層処分に係るサイト選定および安全評価を行う上で、マグマの移動経路であった山体下の岩脈の分布に関する研究事例を蓄積していくことは重要である。火山地形は、火山活動に伴うマグマの貫入位置やその履歴を表していると考えられている。本研究では、GISを用いた地形解析により火山を構成する等高線の分布、重心、面積から、放射状岩脈の卓越方位の把握および火道の安定性評価を試みた。地形解析の結果、火道安定型の火山に対して岩脈の卓越方位を示すことができた。一方で、火道不安定型の火山は、本解析による岩脈の卓越方位の把握には適さず、その適用範囲が火道の安定性に依存すると考えられた。火道の安定性は、等高線ポリゴンの面積データを用いた解析を行うことで評価が可能であり、岩脈の卓越方位の把握手法への適用範囲を示すことができる。このことから、火山の活動履歴が詳らかになっていない火山についても、火道の安定性について評価が可能であり、地形解析はそのツールとして有用である。今後、本研究による地形解析が、火山の活動履歴を明らかにするための新たな手法となることが期待される。

論文

放射性廃棄物処分分野におけるボーリング孔閉塞の確認項目の整理

村上 裕晃; 西山 成哲; 竹内 竜史; 岩月 輝希

応用地質, 64(2), p.60 - 69, 2023/06

放射性廃棄物の処分分野において、ボーリング孔が適切に閉塞されたことの妥当性を確認するための確認項目を整理する目的で、ベントナイトを用いたボーリング孔の閉塞試験を行った。閉塞材の定置前後に閉塞区間を対象として注水試験を行った結果、本研究で目標としたとおり閉塞材がその上下の区間を分断していることを確認できたことから、適切に閉塞されたことを確認する手法の一つとして注水試験が有用であると考えられた。一方、一度閉塞した区間に高差圧が生じた結果として閉塞部に水みちが生じたことから、高差圧が生じる条件では、閉塞材を移動させない等の対策が講じられていることが確認項目として挙げられる。計画段階では、岩盤の水理地質構造に応じた閉塞材のレイアウトや仕様が検討されていることが重要である。また、ベントナイトを閉塞材とする場合は、ベントナイトが孔内で膨潤して体積が増加、密度が低下して透水係数が上昇するため、このことが念頭に置かれている必要がある。加えて、ベントナイトを計画深度へ定置可能な搬送方法であることや、複数材料を組み合わせる場合は閉塞材の性能を低下させない配置であることが確認項目として挙げられた。

報告書

GISを用いた火山体の地形解析によるマグマ供給系の推定方法(受託研究)

西山 成哲; 後藤 翠*; 塚原 柚子; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

JAEA-Testing 2022-003, 51 Pages, 2022/09

JAEA-Testing-2022-003.pdf:5.24MB
JAEA-Testing-2022-003-appendix(CD-ROM).zip:1.12MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に係る評価のうち、火山・火成活動に関する技術的課題の一つとして、マグマ活動範囲の評価技術の高度化は必要不可欠である。そのための有効な手法として、火山体の地形解析による岩脈の分布範囲の把握が期待される。近年では、手作業では作業量が膨大で困難であった作業が、コンピュータによる地形解析技術の発達により、多くの作業量を簡易的に行えるようになった。本報告では、GISソフトウェアを用いた火山体を形作る等高線の形状解析手法について記述する。

論文

放射性廃棄物の処分分野における地下水モニタリングの方法

村上 裕晃; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 西山 成哲*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.22 - 33, 2020/06

地層処分や中深度処分などの放射性廃棄物の埋設・処分分野においては、事業の進捗に合わせて処分施設周辺の地質環境の変化などの大量の情報を収集する必要がある。モニタリングは、処分場周辺の地質環境の把握、事業の意思決定プロセスの支援、利害関係者への情報提供などの目的のために実施される。本論では、国内外における地下水モニタリングの現状と課題を整理した。その結果、モニタリングに先立つ地質環境調査でのボーリング孔掘削、モニタリング場所の選定については、これまでの研究技術開発により技術が確立している一方で、モニタリング機器の長期運用、長期運用後の機器回収、モニタリング孔閉塞時の閉塞材搬送方法、保孔用ケーシングやストレーナ管を残置した場合の移行経路閉塞性などについては、更に技術的根拠の蓄積が必要と考えられた。

口頭

活断層地形が不明瞭な地域における小断層の応力逆解析; 1984年長野県西部地震の震源周辺地域における例

西山 成哲; 中嶋 徹; 後藤 翠*; 箱岩 寛晶; 末岡 茂; 島田 耕史; 丹羽 正和

no journal, , 

M6-7の規模のいくつかの地震については地表地震断層が不明確とされており、このような地震を引き起こす活断層を把握するための評価手法の確立が必要である。本研究では、明瞭な地表地震断層が現れていない1984年長野県西部地震の震源地域において、地表踏査により収集した小断層の条線データを用いた応力逆解析により小断層の活動に影響を与えたと考えられる応力場を推定し、広域応力場と整合的な小断層が多い領域を抽出した。地表踏査の結果、321条の小断層データを収集した。これら小断層データの位置とデータ数を考慮して調査地域を13個の領域に区分けし、各領域における応力逆解析の結果、伏在断層の上端に近い領域において、本地域の広域応力場と調和的なNW-SE方向に$$sigma$$1軸を持つ応力が検出された。これらの領域には、伏在断層の活動に伴って変位した小断層が相対的に多いと考えられ、それらの分布範囲は伏在断層のダメージゾーンもしくはさらに広範囲に広がる変形帯に相当することが予想される。このことから、明瞭な断層変位地形が認められない場合でも、地表踏査によりその分布や影響範囲を推定できると期待される。本研究は経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和2-4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597)(地質環境長期安定性評価技術高度化開発)」の成果の一部である。

口頭

火山岩岩脈分布に着目したマグマの影響範囲を把握するためのデータ収集・整理の取組み

川村 淳; 西山 成哲; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 丹羽 正和; 梅田 浩司*

no journal, , 

20万分の1の地質図幅を対象に岩脈類を抽出し、位置情報などをGISデータ化した。全体的には岩脈の長軸長は1km未満のものが半数以上を占め、地表に露出している第四紀の岩脈分布は第四紀火山から10km以内に限られる。第四紀よりも古い岩脈については、第四紀火山と岩脈との距離、その方位と岩脈の伸長方向のなす角の関係を検討した結果、第四紀火山との関係性は低いと考えられる。四国の石鎚コールドロン及び吉備高原のアルカリ玄武岩岩脈群を事例として、新第三紀の火山活動と周辺に分布する岩脈との関係についても検討した。その結果、石鎚コールドロンの場合、関連する岩脈との距離は最大で5km程度であることが示された。また、中国地方の吉備高原の岩鐘群ついては、活動の中心点から概ね15kmの範囲内に分布する。以上のような網羅的な情報収集及びそれらを用いた統計的な検討は、処分事業においてマグマの影響範囲を調査・評価する上での基礎情報としても有益であると考えられる。

口頭

河川の横断面の変化をたどる; 大井川と安倍川の事例

川村 淳; 西山 成哲; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 梅田 浩司*; 中西 利典*

no journal, , 

川の周りの地形は、河口付近では平野が広がって平坦であるが、上流に遡るほど深い谷が形成されている。こうした地形の違いは、地盤の固さや隆起速度と、地盤を刻み込む河川の侵食力との関係を現している。本発表では、静岡県の安倍川と大井川の周辺の地形を事例として、沿岸から上流域にかけての河川の横断面データを解析した研究事例を紹介する。今回紹介する事例は、静岡県の扇状地性の沿岸平野や上流部の起伏が、地盤の隆起と河川による侵食によって形成される過程を知る手掛かりにもなるものと考えられる。

口頭

等高線の形状解析による第四紀火山の岩脈分布のモデル化および火道安定性評価の検討

西山 成哲*; 川村 淳; 梅田 浩司*; 後藤 翠; 丹羽 正和

no journal, , 

火山・火成活動の技術的課題のうちマグマの影響範囲の検討に関しては、特に岩脈の発達に関する調査事例を蓄積していくことが重要であるが、現存の火山体下に伏在している火道および岩脈の分布を把握することは現実的に困難である。一方で、火山の山体の裾野の広がりは、実際の岩脈の分布範囲を反映していると考えられている。日浦ほか(2021)は、GISソフトウェアを用いた火山体の地形解析により火山体の標高ごとの形状,面積,重心などの地形パラメータを計測することにより、火山体下の岩脈の分布範囲の推定やその火山の活動履歴を追える可能性を見出した。西山ほか(2021)では、日浦ほか(2021)の手法からエキスパートジャッジとなる要素をなくした重心の算出手法を提案し、火山の放射状岩脈のモデル化を図った。しかし、得られた重心分布が火道と放射状岩脈のどちらの影響によるものかが区別できておらず、火道の安定性を評価できない状態である。本研究では、等高線の形状に注目し、岩脈分布のモデル化および火道の安定性評価に向けた検討を行った。西山ほか(2021)の解析により得られるデータに加え、各標高の等高線分布のうち最大距離となる長軸を引き、その方位データを集計した。また、等高線で囲われた等高線ポリゴンの面積データを用いた計算を実施し、各火山の地形パラメータとして算出した。具体的には、各標高の最大面積の等高線ポリゴンに対するその他の等高線ポリゴンの面積の比、およびその等高線ポリゴンの面積の値をそれぞれ平均したものを各火山で算出し、その算出結果による火山のグループ分けを試みた。解析の結果、火山体の等高線の長軸方位は、各火山で方位がある程度集中する結果が得られた。重心同士を結んだ線の方位と整合的な火山も多く見られ、それらは火山周辺の主応力の方向とおおよそ合致する結果となった。岩脈は一般に最大圧縮軸の方向に進展する特徴があるとされていることから、地形解析結果はこれと整合的であると言える。一方で、整合的でない火山もあるが、噴出率が比較的低い火山であることが多い。等高線ポリゴンの面積を用いた各火山の地形パラメータは、高橋(1994)で分類されている火道安定型と火道不安定型の火山とに区別可能なことを示唆する結果となった。このことは活動履歴が詳らかになっていない火山においても、地形解析により火道の安定性を評価が可能となることが期待されるものである。

口頭

火山・火成活動の発生に係る評価技術の高度化; マグマの影響範囲を把握するための技術の高度化への取組みについて

川村 淳; 西山 成哲; 丹羽 正和; 梅田 浩司*

no journal, , 

標記の取組みとして、「数値標高モデルの地形データなどに基づいて第四紀火山体下に分布する岩脈の分布範囲を推定する手法の検討」及び「国内の岩脈に関する既往の地質図幅からの収集・整理(データベース化)」を実施し、火山体周辺の地殻応力,活動年代,マグマ噴出率などと、岩脈の分布範囲や発達過程との関連性についての検討を実施した。これらの検討のうち前者は将来の火山・火成活動に伴うマグマの水平移動(岩脈の水平方向への発達)の影響が及ぶ蓋然性の高い方向や範囲を評価する上での基礎情報としての活用が期待される。後者は岩脈の発達が火山の中心から半径15km(科学的特性マップ(経済産業省資源エネルギー庁, 2017)における第四紀火山に対する好ましくない範囲の基準とされている距離)を超える場合の国内外の過去の事例を把握する上で重要な知見となる。本発表では、それらの内容について報告する。

口頭

穿入蛇行河川の旧流路地形・堆積物に基づく下刻速度の推定; 赤石山脈南部,大井川の事例

塚原 柚子; 小形 学; 川村 淳; 菅野 瑞穂*; 西山 成哲; 末岡 茂; 中西 利典*; 小松 哲也

no journal, , 

日本列島の山地における10万年スケールの隆起速度は、主としてTerrace to Terrace法(TT法: 吉山・柳田、1995)に基づき推定されている。TT法の適用にあたっては、最終氷期の堆積段丘と一つ前の氷期の堆積段丘のペアを認定する必要がある。しかし、そのような段丘のペアが認められない山地も多い。そこで、我々は、TT法の代替手法として、環流旧河谷などの旧流路地形・堆積物の分布高度と離水年代に基づいて10万年スケールでの下刻速度を算出する方法(例えば、安江ほか、2014; 小形ほか、2021)の研究を進めている。本発表では、そのような研究の一環で大井川中流部を事例に実施した調査の結果について報告する。

口頭

温泉湧出露頭の割れ目分布の特徴; 紀伊半島上湯温泉の例

箱岩 寛晶; 島田 耕史; 川村 淳; 西山 成哲; 後藤 翠*

no journal, , 

地殻中の流体移動経路の把握と推定は、地層処分事業に関する地盤や地下水対策等の評価で重要である。そのため、地殻流体が地表の岩盤中の割れ目から湧出している温泉湧出露頭を、流体の高速移動経路の候補として捉え、割れ目分布の特徴を調査している。紀伊半島上湯温泉の上湯川沿いの温泉湧出露頭において、割れ目データをスキャンライン法により取得した。具体的には、測線と交差する割れ目の走向傾斜と測線との交点の距離を計測した。走向データは、北-東-南の180度範囲方向に伸びる単位長さのベクトルとして扱われる。グラフ表現では、直交座標(横軸は東、縦軸は北)の原点から最初のベクトルが始まる。そして、そのベクトルの終点が次のベクトルの始点となる。これを繰り返すことにより、累積走向ベクトルの折線グラフができる。横軸と縦軸の単位を合わせると、この折線ベクトルのある部分が示す方向は、その部分の割れ目の平均方向を示している。折線グラフには、いくつかのトレンドとその屈曲が見られる。各トレンドは、類似した走向を持つ割れ目群からなる割れ目領域を示している。現在の温泉湧出地点はいくつか認められるトレンド屈曲点、すなわち割れ目領域境界のうちの一つに対応している。過去に温泉が湧出していた割れ目も、別の割れ目領域境界に位置する。このグラフでは、割れ目の測線上の距離と、割れ目の傾斜の情報は現れない。ある一定の数の割れ目の間の距離は、割れ目頻度の逆数で、割れ目領域境界の検出に使うことができる。過去に温泉が湧出していた割れ目は、割れ目間距離が急激に変化する地点に位置しており、これは割れ目密集の度合の変化が異なるような、隣接割れ目領域の境界に相当する。隣接する割れ目の交線も、単位ベクトルとして扱うことができ、累積交線ベクトルのグラフを作ることができる。上記の現在および過去の温泉湧出地点は、この累積交線ベクトルグラフの屈曲点、つまり割れ目領域境界に位置している。これらの単純な手法により、上湯温泉の例では、亀裂性岩盤における割れ目領域境界と流体経路の場所を示すことができた。本手法の利点は、なんら変更を加えることなく、概要調査で実施が想定されるような、ボアホールテレビ観察を併用するボーリング調査に適用可能なことである。

口頭

河川下刻による地形変化に関するデータ収集及び予察的な解析

川村 淳; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 西山 成哲; 梅田 浩司*

no journal, , 

10m DEMを用いたGISによる地形解析により、安倍川、大井川及び熊野川の3河川について、河口を起点とし3km毎に河川の流路に直交する片側2kmの河川横断線を作成し、河川横断線の地質情報を抽出した。3河川の横断面線を同一表示させると、上流ほど河床が上昇し起伏が大きくなる様子が見てとれる。横断面形状を比較すると3河川とも似た傾向を示すことがわかり、中$$sim$$上流部の河川両岸の起伏のピークは河川中央からおおよそ500$$sim$$1500mに位置し、河床とピークの比高もおおよそ200$$sim$$600mになる傾向がある。河床と両岸の比高がある程度形成されてからの平均的な横断面線を作成した結果、3河川とも平坦な面から両岸約1000mより河川に向かって傾斜し、河川の深さは300$$sim$$400m程度となった。また、河川両岸のピークと河床の標高差は上流程大きくなる、すなわち、上流ほど河床までの谷の深さが増す傾向がみられた。河床標高から作成した河川縦断の河床勾配を取ると、地質や地質構造にかかわらず3河川ともある程度の上流域から勾配トレンドが上昇する変曲点がみられた。河口付近の比較的平坦な地形から上流にさかのぼった河床高度の上昇や起伏の増加の傾向は疑似的ではあるものの、平坦な低地から隆起・侵食による地形形成の時間的な過程を示唆するものと考えられ、このことは、地形変化シミュレーションなど将来予測や地形変化を取り入れた性能評価モデルの妥当性の検証等に寄与する情報になる。

口頭

地形層序から考えられる時代よりも遥かに古い時代に形成されていた可能性がある高位海成段丘; 能登半島,七尾湾北部の事例

小松 哲也; 本郷 美佐緒*; 古澤 明*; 塚原 柚子; 川村 淳; 西山 成哲; 菅野 瑞穂*; 安江 健一*

no journal, , 

地形層序からMIS 13に対比されている高位海成侵食段丘面の形成時期の制約を第四紀編年学的手法に基づいて試みた。研究の事例対象地域としたのは能登半島の七尾湾北部である。高位海成侵食段丘面の被覆層の上方から検出した高温型石英中のガラス包有物の主成分化学組成は、八甲田第1期火砕流堆積物(760ka)のものとほぼ一致した。さらに、この段丘面の海成層と被覆層の両方からMIS 19以前に国内では絶滅していたと考えられているメタセコイア属の花粉が認められた。以上の点から、事例対象とした海成侵食段丘面の形成時期は、MIS 13ではなく、MIS 19よりも前の間氷期、おそらくはその一つ前の間氷期であるMIS 21頃であった可能性がある。

口頭

伊豆半島城ヶ崎海岸の石灰質生物遺骸から推定される地殻変動の特徴

塚原 柚子; 齋藤 俊仁*; 中西 利典*; 西山 成哲; 藤田 奈津子; 川村 淳; 梅田 浩司*

no journal, , 

離水地形や石灰質生物遺骸の高度と年代に基づく古海水準の復元は、完新世の地殻変動の特徴を推定するために有用な手段のひとつである。手法の適用範囲の拡大や精度向上のためには、多様な条件の事例を蓄積することが必要である。特に複数の要因が絡みあって地殻変動が生じる場合、その要因を分離・特定することは容易ではない。一方で複数地点のデータを取得し、その比較を通じて、地殻変動の空間的な特徴を把握することで、要因の分離・特定につながる可能性がある。本研究では、以上の手法の適用性検証のために、地殻変動履歴に係る先行研究が存在する伊豆半島東岸地域において、石灰質生物遺骸を指標にした古海水準の復元を行い、先行研究との比較を通して、地殻変動の特徴の推定を試みる。本研究地域における完新世の離水地形と石灰質生物の化石に着目した先行研究としては、Shishikura et al.(2023)が挙げられる。Shishikura et al.(2023)は伊東市の川奈付近の海岸で離水地形や生物遺骸群集を調査し、それらの離水プロセスを明らかにするとともに、離水の原因は地下のマグマの活動による火山性の隆起の可能性が高いと結論した。本研究では、この地殻変動の特徴の代表性を検証するために、Shishikura et al.(2023)の調査地域から南に8$$sim$$9kmほど離れた城ケ崎海岸において、離水地形と石灰質生物遺骸の調査を実施した。城ヶ崎海岸の3地点で発見した4つの化石群集を対象に$$^{14}$$C年代測定を実施し、得られた年代を暦年較正の上、その離水年代を1100$$sim$$1600CE頃と推定した。同程度の年代を示す化石群集はShishikura et al.(2023)でも報告されているが、本研究の化石群集の標高は、Shishikura et al.(2023)よりも約1m高い。この違いは、本地域の地殻変動の特徴の空間的な変化を示唆している可能性がある。このように石灰質生物遺骸が複数地点で保存されている地域において、複数地点でデータを取得することで、それらを比較し解釈することが可能である。本研究の調査は、地域特有の地殻変動の特徴をより正確に把握するために有効な手段であり、地殻変動のメカニズム解明の一助となることが期待される。

口頭

処分場の性能評価モデル構築のための地形情報の整備,2; 流域形状による流出指標データの整備

川村 淳; 西山 成哲; 小松 哲也; Jia, H.*; 景山 宗一郎*; 小泉 由起子*; 中西 利典*

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分事業や安全規制において、地層処分のサイト選定や安全評価における重要な隆起・侵食に関する調査・評価技術における課題の一つとして、遠い将来において主に河川下刻による地形の変化が地下の地質環境に与える変化やその影響について、定量的評価を可能にする必要がある。地質環境条件のうち、地下水の涵養域や流出域の変化は、地表水の地下への浸透または地下水の地表への流出と流向が変化することにもなるため性能評価モデル構築の際に重要となる。今回は流域面積の大小や隆起速度の異なる河川を選定し、それぞれの河川の地形特徴量の計測対象となる流域区分した。区分された流域について10項目の地形特徴量を計測し、地形特徴量の変化傾向についてデータ化した。また、表面流出の流れ易さ・流れ難さを表す指標として定義された「流出指標」も算出し河川下刻が地形に与える影響を推定し可視化した。検討対象とした河川について、地形特徴量のうち地形の険しさの指標となる「流域平均侵食高」、「地形の煩雑さ」、「流域起伏数」の主成分得点の高い区分流域が中$$sim$$上流部に集中する傾向がみられた。流出指標については標高が高い区分流域が集中する領域が高い傾向にあることが示された。この傾向は一般的な理解と整合的であるが、その領域区分を定性的ではなくある程度定量的に提示できたことに意義があると考える。

口頭

処分場の性能評価モデル構築のための地形情報の整備,1; 河川横断面データの整備

西山 成哲; 川村 淳; 小松 哲也; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 中西 利典*; 梅田 浩司*

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分事業や安全規制において、地層処分のサイト選定や安全評価における重要な隆起・侵食に関する調査・評価技術における課題の一つとして、河川下刻が遠い将来における地表の地形や地下の地質環境に与える変化やその影響について、定量的評価を可能にする必要がある。地形変化を考慮した性能評価モデルの検討においては、河川の横断面形状の情報を基にシミュレーションされるが、河川横断形状に関する情報の整理はあまりされていない。著者らは、このような背景のもと、我が国における主要な河川を対象に国土地理院の10m DEMを用いたGISによる地形解析により、河川を中心とした横断面形状データを取得してきた(川村ほか, 2023)。本検討では、対象河川を増やしデータを拡充し、データ整理を行った。本発表では、各河川における横断面形状の比較を行った上で、下流から上流にかけての比高の変化、河床からピーク標高までの水平距離などを、隆起速度、地質、気候条件等でグルーピングし整理を行った結果を報告する。これらの結果は、地形変化シミュレーションなど将来予測や地形変化を取り入れた性能評価モデルの妥当性の検証等に寄与する情報になる。

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