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論文

伏在する活断層の検出の試み; 地層処分における地質環境の長期安定性評価技術の高度化に向けて

西山 成哲; 中嶋 徹*; 島田 耕史; 丹羽 正和

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 67(11), p.635 - 639, 2025/11

活断層の中には、地上まで到達しておらず地形的に不明瞭で、その存在を把握することが困難なものもある。地層処分の実施主体である原子力発電環境整備機構の包括的技術報告書では、地層処分の調査・評価技術の現状として、地形的に不明瞭な活断層の分布・活動性の検出・評価のための調査・評価事例の蓄積が課題であることが指摘されている。このためには、活断層が伏在する地域において、地表でどのような特徴を見出せるかを詳細に検討する必要がある。本稿では、日本原子力研究開発機構が、活断層が伏在することが明らかな地域において事例研究を進めている現状について紹介する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和7年度)

浅森 浩一; 末岡 茂; 小松 哲也; 小形 学; 内田 真緒; 西山 成哲; 田中 桐葉; 小林 智晴; 三ツ口 丈裕; 村上 理; et al.

JAEA-Review 2025-035, 29 Pages, 2025/10

JAEA-Review-2025-035.pdf:1.12MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和7年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和6年度)

浅森 浩一; 末岡 茂; 小林 智晴; 西山 成哲; 田中 桐葉; 村上 理; 福田 将眞; 小形 学; 内田 真緒; 小松 哲也; et al.

JAEA-Research 2025-007, 99 Pages, 2025/10

JAEA-Research-2025-007.pdf:12.36MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和6年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

報告書

平成30年度$$sim$$令和4年度「地質環境長期安定性評価技術高度化開発」における調査研究成果のGISデータセットへの整理

石原 隆仙; 西山 成哲; 加藤 由梨; 島田 耕史

JAEA-Data/Code 2024-013, 17 Pages, 2024/12

JAEA-Data-Code-2024-013.pdf:2.8MB
JAEA-Data-Code-2024-013-appendix(DVD-ROM).zip:2305.14MB

日本原子力研究開発機構及び電力中央研究所は、経済産業省資源エネルギー庁から平成30年度から令和4年度の期間で「高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(地質環境長期安定性評価技術高度化開発)」を受託した。この事業において我が国における地層処分に適した地質環境の選定及びモデル化に関連して調査・評価が求められる主な自然現象(火山・火成活動、深部流体、地震・断層活動、隆起・侵食)の影響について、様々な学術分野における最新の研究を踏まえた技術の適用による事例研究を通じて、課題の解決に必要な知見の蓄積や調査・評価技術の高度化を進めてきた。これらの研究成果の効果的な活用のために、調査研究内容を地理情報システム(GIS)上に整理し、無償のGISソフトウェアであるQGISを用いて表示できるデータセットにまとめた。本報告では、このデータセットの作成手順と、使用方法について記述した。本データセットの公開により、各研究分野内でのシームレスな情報の共有が行えるようになる上、他分野の研究者及び地層処分事業に関わる技術者などが容易に当該研究成果へアクセスでき、その成果の利用が促進されることが期待される。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和6年度)

丹羽 正和; 島田 顕臣; 浅森 浩一; 末岡 茂; 小松 哲也; 中嶋 徹; 小形 学; 内田 真緒; 西山 成哲; 田中 桐葉; et al.

JAEA-Review 2024-035, 29 Pages, 2024/09

JAEA-Review-2024-035.pdf:1.24MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和6年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

Analysis of the stress field around concealed active fault from minor faults-slip data collected by geological survey; An Example in the 1984 Western Nagano Earthquake region

西山 成哲; 中嶋 徹; 後藤 翠*; 箱岩 寛晶; 長田 充弘; 島田 耕史; 丹羽 正和

Earth and Space Science (Internet), 11(6), p.e2023EA003360_1 - e2023EA003360_15, 2024/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.29(Astronomy & Astrophysics)

活断層が確認されていない様々なテクトニックセッティングの地域において、マグニチュード6$$sim$$7クラスの地震が発生することがある。地震被害の低減のためには、そのような地震を発生させる伏在断層を把握することが重要であるが、それを把握するための手がかりとなる証拠は少ない。1984年に発生した長野県西部地震は、Mj 6.8、震源の深さが2kmと浅部で発生した規模の大きい地震である。本地域は固結した基盤が露出する地域であるにも関わらず、地表地震断層や地震後の地形変状は確認されておらず、震源断層は地下に伏在していることが知られている。本研究では、1984年長野県西部地震の震源地域において、地表踏査により割れ目に認められる条線のデータを集め、その条線形成に影響を与えた応力を、収集したデータを用いた多重逆解法で推定した。その結果、既知の伏在断層周辺の小断層において、本地域にはたらく現在の広域応力と同様の応力が検出された。この小断層の中には、第四紀の火山岩中に認められたものもあり、小断層がごく最近に活動したことを裏付ける。このことは、これらの小断層が伏在断層周辺に発達するダメージゾーンの一部である可能性を示しており、伏在断層を把握するための手がかりとなることが期待される。

論文

Field-based description of near-surface crustal deformation in a high-strain shear zone; A Case study in southern Kyushu, Japan

丹羽 正和; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 後藤 翠*; 西山 成哲; 中嶋 徹; 石原 隆仙; 箱岩 寛晶

Island Arc, 33(1), p.e12516_1 - e12516_16, 2024/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:25.65(Geosciences, Multidisciplinary)

本研究では、地表地形では特定が不明瞭な活構造を検出する目的で、小断層の変位データを用いた多重逆解析から推定される応力と、地震データから推定されている応力とを比較することに基づく手法を検討した。南九州で知られているひずみ集中帯で検討した結果、本手法が、地下に伏在する活構造を検出するための一助となり得ることを示した。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和5年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 藤田 奈津子; 横山 立憲; 小北 康弘; 福田 将眞; 中嶋 徹; 鏡味 沙耶; 小形 学; et al.

JAEA-Review 2023-017, 27 Pages, 2023/10

JAEA-Review-2023-017.pdf:0.94MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和5年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

等高線を用いた地形解析による第四紀火山の山体下の岩脈分布および火道安定性評価

西山 成哲; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

応用地質, 64(3), p.98 - 111, 2023/08

火山防災におけるリスク評価や高レベル放射性廃棄物の地層処分に係るサイト選定および安全評価を行う上で、マグマの移動経路であった山体下の岩脈の分布に関する研究事例を蓄積していくことは重要である。火山地形は、火山活動に伴うマグマの貫入位置やその履歴を表していると考えられている。本研究では、GISを用いた地形解析により火山を構成する等高線の分布、重心、面積から、放射状岩脈の卓越方位の把握および火道の安定性評価を試みた。地形解析の結果、火道安定型の火山に対して岩脈の卓越方位を示すことができた。一方で、火道不安定型の火山は、本解析による岩脈の卓越方位の把握には適さず、その適用範囲が火道の安定性に依存すると考えられた。火道の安定性は、等高線ポリゴンの面積データを用いた解析を行うことで評価が可能であり、岩脈の卓越方位の把握手法への適用範囲を示すことができる。このことから、火山の活動履歴が詳らかになっていない火山についても、火道の安定性について評価が可能であり、地形解析はそのツールとして有用である。今後、本研究による地形解析が、火山の活動履歴を明らかにするための新たな手法となることが期待される。

論文

放射性廃棄物処分分野におけるボーリング孔閉塞の確認項目の整理

村上 裕晃; 西山 成哲; 竹内 竜史; 岩月 輝希

応用地質, 64(2), p.60 - 69, 2023/06

放射性廃棄物の処分分野において、ボーリング孔が適切に閉塞されたことの妥当性を確認するための確認項目を整理する目的で、ベントナイトを用いたボーリング孔の閉塞試験を行った。閉塞材の定置前後に閉塞区間を対象として注水試験を行った結果、本研究で目標としたとおり閉塞材がその上下の区間を分断していることを確認できたことから、適切に閉塞されたことを確認する手法の一つとして注水試験が有用であると考えられた。一方、一度閉塞した区間に高差圧が生じた結果として閉塞部に水みちが生じたことから、高差圧が生じる条件では、閉塞材を移動させない等の対策が講じられていることが確認項目として挙げられる。計画段階では、岩盤の水理地質構造に応じた閉塞材のレイアウトや仕様が検討されていることが重要である。また、ベントナイトを閉塞材とする場合は、ベントナイトが孔内で膨潤して体積が増加、密度が低下して透水係数が上昇するため、このことが念頭に置かれている必要がある。加えて、ベントナイトを計画深度へ定置可能な搬送方法であることや、複数材料を組み合わせる場合は閉塞材の性能を低下させない配置であることが確認項目として挙げられた。

報告書

GISを用いた火山体の地形解析によるマグマ供給系の推定方法(受託研究)

西山 成哲; 後藤 翠*; 塚原 柚子; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

JAEA-Testing 2022-003, 51 Pages, 2022/09

JAEA-Testing-2022-003.pdf:5.24MB
JAEA-Testing-2022-003-appendix(CD-ROM).zip:1.12MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に係る評価のうち、火山・火成活動に関する技術的課題の一つとして、マグマ活動範囲の評価技術の高度化は必要不可欠である。そのための有効な手法として、火山体の地形解析による岩脈の分布範囲の把握が期待される。近年では、手作業では作業量が膨大で困難であった作業が、コンピュータによる地形解析技術の発達により、多くの作業量を簡易的に行えるようになった。本報告では、GISソフトウェアを用いた火山体を形作る等高線の形状解析手法について記述する。

論文

放射性廃棄物の処分分野における地下水モニタリングの方法

村上 裕晃; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 西山 成哲*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.22 - 33, 2020/06

地層処分や中深度処分などの放射性廃棄物の埋設・処分分野においては、事業の進捗に合わせて処分施設周辺の地質環境の変化などの大量の情報を収集する必要がある。モニタリングは、処分場周辺の地質環境の把握、事業の意思決定プロセスの支援、利害関係者への情報提供などの目的のために実施される。本論では、国内外における地下水モニタリングの現状と課題を整理した。その結果、モニタリングに先立つ地質環境調査でのボーリング孔掘削、モニタリング場所の選定については、これまでの研究技術開発により技術が確立している一方で、モニタリング機器の長期運用、長期運用後の機器回収、モニタリング孔閉塞時の閉塞材搬送方法、保孔用ケーシングやストレーナ管を残置した場合の移行経路閉塞性などについては、更に技術的根拠の蓄積が必要と考えられた。

口頭

蛇行流路跡に残る昔の大井川の堆積物の特徴; 河川の下刻速度推定に関わる研究

内田 真緒; 西山 成哲; 小形 学; 小松 哲也; 塚原 柚子; 石原 隆仙; 川村 淳; 中西 利典*; 寺田 龍矢*; 細矢 卓志*

no journal, , 

山地を蛇行しながら流れる河川が短絡すると、半環状の河川の流路跡(環流旧河谷)が残されることがある。環流旧河谷に残る昔の河川の堆積物の現河床との比高を、環流旧河谷の形成時期で割ることで、河川が河床を削る速度(下刻速度)を求めることができる。我々は、大井川の下刻速度を調べるために、大井川沿いにある環流旧河谷(西山平地区、閑蔵地区、奥泉地区)においてボーリング掘削調査を実施し、その堆積物の記載および年代測定から環流旧河谷の形成時期の推定を試みている。本発表では、掘削したボーリングコアの堆積物の特徴について紹介する。

口頭

火山岩岩脈分布に関するデータ収集・整備

西山 成哲; 川村 淳; Jia, H.*; 小泉 由起子*

no journal, , 

地層処分のサイト選定や安全評価に重要となる火山・火成活動については、その調査・評価技術における課題の一つとして、マグマの影響範囲を把握するための技術の高度化が挙げられる。そこで我々は産業技術総合研究所発行の地質図幅に着目し、地質図幅から「岩脈類」を抽出し、第四紀火山との関連性について評価を試みた。情報収集対象は20万分の1の地質図幅とし、「中国・四国地方」、「北陸・中部及び近畿地方」であり、データ抽出作業としては、岩脈の分布についてはGISソフトウェアを用いてデジタルでトレースを行いGISデータとして整理したうえで、「位置」、「サイズ」、「方位」などのデータを抽出し、表計算ソフトウェア上に整理した。また、古カルデラ・コールドロンが存在しており、それらの位置を文献情報に基づきGIS化するとともに、それらと岩脈との距離についてもデータ化した。抽出された火山岩岩脈等の数は、全体で1,219個であった。また、66個の第四紀火山及び33個の古カルデラ・コールドロンの情報も整理した。このような岩脈情報の網羅的な収集及びそれらを用いた統計的な検討は、地層処分事業においてマグマの影響範囲を調査・評価する上での基礎情報としても有益であると考えられる。例えば、既存の火山の将来的な発達や、新規火山の発生に係る評価を行うための、岩脈形成に関する地球物理学的モデルや確率論的なモデルの構築に有用となり得る。

口頭

地質環境の長期安定性に関する研究開発の現状; 土岐地球年代学研究所における取り組み

浅森 浩一; 花室 孝広; 西山 成哲; 神野 智史; 藤田 奈津子; 末岡 茂; 渡邊 隆広; 川村 淳*

no journal, , 

土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として、その基盤的な研究である「地質環境の長期安定性に関する研究」を進めている。特に、「地層処分研究開発に関する全体計画(令和5年度$$sim$$令和9年度)」(地層処分研究開発調整会議、令和5年3月)に基づき、「火山・火成活動」、「深部流体」、「地震・断層活動」及び「隆起・侵食」の自然現象の影響に関する研究開発課題に取り組んでいる。また、これらの研究に必須である加速器質量分析装置をはじめとする年代測定技術の開発、岩石鉱物等地質試料の微小領域の分析技術の開発にも一体となって取り組んでいる。本報告では例として 「地震・断層活動」 と「加速器質量分析装置による年代測定技術」について紹介する。

口頭

地質環境の長期安定性に関する研究の取組み; 隆起・侵食研究を例に

川村 淳*; 西山 成哲; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 石川 泰己*; 梅田 浩司*

no journal, , 

土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として、その基盤的な研究である「地質環境の長期安定性に関する研究」を進めている。このうち隆起・侵食の調査・評価技術の整備では、主に「熱年代法・地質温度圧力計などを用いた隆起・侵食評価手法の整備」、「離水地形のマルチ年代測定に基づく隆起・侵食速度推定技術の高度化」、及び「地質環境長期変遷のモデル化に反映するための地形解析・総合的調査技術の高度化」の研究開発を進めている。本報告では例として「地質環境長期変遷のモデル化に反映するための地形解析・総合的調査技術の高度化」の現状について紹介する。

口頭

河川下刻による地形変化の将来予測技術の高度化

川村 淳*; 西山 成哲; Jia, H.*; 石川 泰己*; 小泉 由起子*

no journal, , 

地層処分の安全評価においては、沿岸部などの平坦地が数万年以上の将来において、河川下刻等による地表起伏の変化や形成過程、その過程における水理場等の地質環境条件の変化を想定する必要がある。このことを検討するためのツールの一つとして「地形・処分場深度変遷解析ツール」(山口ほか、2020)が開発されているが、当ツールを用いた地形変化予測の妥当性については、実際の地形と比較することにより評価しておくことが重要である。本研究では、本ツールを用いた数値シミュレーションによって作成された仮想河川と我が国における実河川の横断面形及び縦断形との比較により、シミュレーション結果の妥当性を評価した。

口頭

地形データを用いた第四紀火山の活動中心の評価方法の検討

西山 成哲; 加藤 由梨; 川村 淳*; 梅田 浩司*

no journal, , 

地層処分システムに著しい影響を与える現象の一つとしてマグマの処分場への貫入や地表への噴出による物理的隔離機能の喪失が挙げられる。このことから第四紀火山の活動中心から半径15kmの範囲はサイト選定において「好ましくない範囲」とされている(資源エネルギー庁, 2017)。こうした影響範囲を適切に見積もるには、対象火山の過去の活動の中心地点及び火山活動の規模を推定することが不可欠である(資源エネルギー庁, 2023)。しかし、第四紀火山の中には、活動時期や変遷が未詳なもの、火山の活動中心が不確かなものが含まれており、客観的な指標による個別の火山に対する精査が求められている。火山活動の中心地点は、山体を形成する地形の重心とした考え方がある(向山ほか, 1996;西山ほか, 2023)。これらは、活動中心が山体の重心であることを証明した事例ではないが、山体を構成する等高線の重心がその標高における火山活動の中心点であることを前提に解析がなされている。そこで本研究では、等高線の重心を用いた活動中心の推定手法の妥当性を検証する。なお、活動中心は、複成火山の中心火道であると仮定し、火道の位置が明らかな火山を対象に等高線の重心を用いた推定手法を適用し、火道と重心との位置関係について比較検討することで、手法の有用性を議論する。

口頭

等高線の形状解析による第四紀火山の岩脈分布のモデル化および火道安定性評価の検討

西山 成哲*; 川村 淳; 梅田 浩司*; 後藤 翠; 丹羽 正和

no journal, , 

火山・火成活動の技術的課題のうちマグマの影響範囲の検討に関しては、特に岩脈の発達に関する調査事例を蓄積していくことが重要であるが、現存の火山体下に伏在している火道および岩脈の分布を把握することは現実的に困難である。一方で、火山の山体の裾野の広がりは、実際の岩脈の分布範囲を反映していると考えられている。日浦ほか(2021)は、GISソフトウェアを用いた火山体の地形解析により火山体の標高ごとの形状,面積,重心などの地形パラメータを計測することにより、火山体下の岩脈の分布範囲の推定やその火山の活動履歴を追える可能性を見出した。西山ほか(2021)では、日浦ほか(2021)の手法からエキスパートジャッジとなる要素をなくした重心の算出手法を提案し、火山の放射状岩脈のモデル化を図った。しかし、得られた重心分布が火道と放射状岩脈のどちらの影響によるものかが区別できておらず、火道の安定性を評価できない状態である。本研究では、等高線の形状に注目し、岩脈分布のモデル化および火道の安定性評価に向けた検討を行った。西山ほか(2021)の解析により得られるデータに加え、各標高の等高線分布のうち最大距離となる長軸を引き、その方位データを集計した。また、等高線で囲われた等高線ポリゴンの面積データを用いた計算を実施し、各火山の地形パラメータとして算出した。具体的には、各標高の最大面積の等高線ポリゴンに対するその他の等高線ポリゴンの面積の比、およびその等高線ポリゴンの面積の値をそれぞれ平均したものを各火山で算出し、その算出結果による火山のグループ分けを試みた。解析の結果、火山体の等高線の長軸方位は、各火山で方位がある程度集中する結果が得られた。重心同士を結んだ線の方位と整合的な火山も多く見られ、それらは火山周辺の主応力の方向とおおよそ合致する結果となった。岩脈は一般に最大圧縮軸の方向に進展する特徴があるとされていることから、地形解析結果はこれと整合的であると言える。一方で、整合的でない火山もあるが、噴出率が比較的低い火山であることが多い。等高線ポリゴンの面積を用いた各火山の地形パラメータは、高橋(1994)で分類されている火道安定型と火道不安定型の火山とに区別可能なことを示唆する結果となった。このことは活動履歴が詳らかになっていない火山においても、地形解析により火道の安定性を評価が可能となることが期待されるものである。

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