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三尾 圭吾; 荻原 徳男; 古郡 永喜*; 荒井 秀幸*; 西澤 代治*; 西殿 敏朗*; 引地 裕輔
JAEA-Technology 2009-018, 86 Pages, 2009/04
J-PARC 3GeV RCS真空システム機器に用いる、耐放射線性を有するPEEKケーブルの開発を行った。使用するケーブルは、ノンハロゲン性、10MGy以上の耐放射線性,高難燃性が要求される。ケーブルの開発では、絶縁材料の候補から、ノンハロゲン性、耐放射線性、及び高難燃性を満足し、かつ伸び率が比較的大きいPEEK樹脂を絶縁材料として選定した。PEEKケーブルの耐放射線性を実証するため、線照射試験を行った。ここでは、樹脂の基本的な照射特性試験、実機相当ケーブルでの電気的特性試験、並びに、耐延焼性試験を実施した。それぞれの試験項目について、10MGyの耐放射線性を確認した。
三尾 圭吾; 荻原 徳男; 引地 裕輔; 丸下 元治*; 荒井 秀幸*; 後藤 敬一*; 西澤 代治*; 古郡 永喜*
Proceedings of 5th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 33rd Linear Accelerator Meeting in Japan (CD-ROM), p.252 - 254, 2008/00
J-PARC 3GeV RCS真空システムは、大強度陽子加速に伴う高放射線場下において、安定稼動すること、並びに、保守作業の被曝低減の観点から、高い耐放射線性が必要である。特に、シンクロトロン(主)トンネル内では、運転期間を30年とした場合に想定される放射線量は、10MGy100MGyである。上記理由から、主トンネル内に設置される真空機器等の耐放射線性を実証することを目的として、照射試験を行った。3GeV RCS真空システム機器のうち、主トンネル内に設置される、ケーブル,スパッタリングイオンポンプ(SIP)フィードスルー,冷却ファン,ベーキングヒーター(マントルヒーター),配管シール材に対して、それぞれ機器に応じて、照射前と照射後の試験項目を設定し、耐放射線性を評価した。その結果、今回評価した機器に関してはいずれも10MGy以上の耐放射線性を確認することができ、主トンネルに設置することが可能となった。これら機器は、今後の運転に伴う放射線に耐え、RCSの安定稼動に寄与することが期待される。
西澤 代治*; 金正 倫計; 金澤 謙一郎; 荻原 徳男; 齊藤 芳男*; 久保 富夫*; 佐藤 吉博*
真空, 47(4), p.339 - 343, 2004/05
大強度陽子加速器施設3GeVシンクロトロンでは磁場歪みと発熱の問題を避けるため、電磁石部主ビームダクトとして円筒状のアルミナセラミック製焼成ダクトを採用する。しかしコストダウン徹底,微細クラック防止を実現しつつ構造強度を保持するには、ダクトを成形・研磨加工することなく、ほぼ焼上がりのままで用いることが不可欠である。このためにはまず、ダクト断面の真円度及び円筒軸の真直度を把握し、ダクト同士の多段金属接合時の接合面積の極大化,軸ズレの極小化を計る必要がある。そこでわれわれは大口径セラミックダクトの真円度・真直度計測機を開発するとともに、その計測法,汎用アプリケーションExcelを用いた最小二乗中心法による真円度,最小領域法による真直度の算出法を確立した。今回はこれら真円度・真直度の算出法,3種類7本の供試体ダクトについて得た一連のデータ、及びその評価を報告する。
金正 倫計; 齊藤 芳男*; 壁谷 善三郎*; 田尻 桂介*; 中村 止*; 阿部 和彦*; 長山 毅俊*; 西澤 代治*; 荻原 徳男
Vacuum, 73(2), p.187 - 193, 2004/03
被引用回数:17 パーセンタイル:55.05(Materials Science, Multidisciplinary)J-PARC 3GeV-RCS用アルミナセラミックス真空ダクトの開発を行っている。このダクトは、四極電磁石用として使用される長さ約1.5m円形断面の円筒形状のものと、偏向電磁石用として使用される長さ約3.5mレーストラック形断面の15度湾曲した形状のものに大別される。これらダクトは、長さ0.5-0.8mのユニットダクトをメタライズ後ロウ付けにより必要な長さに成形される。このダクトの最大の特徴は、ビームが誘起する電磁波を遮蔽し、さらにビームが誘起する映像電流を円滑に流すために、ダクト表面に銅箔を電鋳により施している。また、内面には二次電子を抑制するために、TiNコーテイングを施してある。今回、開発に成功したので報告を行う。
西澤 代治*; 金正 倫計; 金澤 謙一郎; 荻原 徳男; 齊藤 芳男*; 久保 富夫*; 佐藤 吉博*
真空, 47(4), p.339 - 343, 2004/02
大強度陽子加速器施設3GeVシンクロトロンでは、主電磁石部ビームダクトとして、世界で初めて大口径の円筒状アルミナセラミック製ダクトを採用する。十分大きなビーム開口径を保ちかつ多段接合時の接合面積を確保するには、ダクト断面の真円度、円筒軸の真直度を把握することが不可欠である。われわれは大口径セラミックダクト用の真円度・真直度計測機を開発するとともに、その計測法及びデータ解析法を確立してセラミックビームダクトの真円度・真直度を始めとする製作精度の計測・評価を進めている。今般、3GeVシンクロトロンのビームダイナミクスからの要求に応じ、初めてBM(偏向電磁石)用楕円セラミックダクト(楕円円筒状セラミックダクト)を試作し、円筒状ダクト同様の製作精度評価を行った。本発表では、これら得られたデータ・知見について報告する。
金正 倫計; 齊藤 芳男*; 西澤 代治*; 道園 真一郎*
Journal of Nuclear Materials, 318, p.307 - 312, 2003/05
被引用回数:8 パーセンタイル:53.39(Materials Science, Multidisciplinary)大強度陽子加速器施設の3GeVシンクロトロンでは、渦電流の影響を抑制するために、真空ダクト材料として、アルミナセラミックスの使用を検討している。アルミナセラミックスの放射線照射効果を検討するために、原研高崎研2号加速器を利用して2.5MeVの電子線照射を行っている。これまで1000MGyまで照射したサンプルの抗折強度試験及びアルミナセラミックスとチタンの接合強度試験を行ったので現状を報告する。
金正 倫計; 西澤 代治*; 齊藤 芳男*; 鈴木 寛光; 横溝 英明
Journal of Vacuum Science and Technology A, 20(3), p.829 - 832, 2002/06
被引用回数:15 パーセンタイル:54.16(Materials Science, Coatings & Films)大強度陽子加速器研究計画用3GeVシンクロトロンの真空システム設計について報告を行う。
西澤 代治*; 金正 倫計; 金澤 謙一郎; 久保 富夫*; 佐藤 吉博*; 齊藤 芳男*
JAERI-Tech 2001-081, 117 Pages, 2001/12
大強度陽子加速器施設3GeVシンクロトロンでは、大口径(200~250)の円筒状セラミックビームダクトを採用する。特に偏向電磁石部には長尺(約3500mm)のダクトを必要とするが、これは長さ500mm程度のユニットダクトを金属接合して製作するため、真円度と真直度を把握して接合面積の確保,ダクトの軸ズレの極小化を計ることが非常に重要となる。われわれは大口径セラミックダクト用の真円度・真直度計測器を製作するとともに、その計測法,Excelを用いたデータ解析法を確立した。そして3種類7本の供試体を用い世界に先駆けて真円度・真直度データを取得し、真円度数百mかつ真直度0.2~1mm程度以内の精度でユニットダクトを製作できること、真直度はダクト長とともに悪化すること、真円度は扁平率に正比例して増大することなどを明らかにした。
金正 倫計; 西沢 代治*; 魚田 雅彦*; 久保 富夫*; 佐藤 吉博*; 齊藤 芳男*
真空, 44(3), p.131 - 134, 2001/03
日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が合同で推進している「大強度陽子加速器計画」では、世界最高の陽子ビーム強度を持った加速器群の建設を目指している。加速器群は600MeV線形加速器、3GeVシンクロトロン及び50GeVシンクロトロンで構成される。3GeVシンクロトロンの真空ダクトの材料としては、渦電流の影響を考慮して、現在のところアルミナセラミックを第一候補としている。この加速器では放射線の機器に与える影響が無視できないので、ビーム照射によるアルミナセラミックへの影響を認識することは、真空ダクトの材料を判断するうえで非常に重要である。放射線照射のアルミナセラミックへの影響を測定するために、2.5MeV電子ビーム照射及び500MeV陽子ビーム照射を開始したので現状を報告する。
永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 西澤 代治; 大山 孝一; 小林 秀和; 山下 照雄; 天本 一平
no journal, ,
アルカリ酸化物や希土類酸化物を添加したホウケイ酸ガラスの凝固試料を対象にラマン分光測定を行い,添加した酸化物によるホウケイ酸ガラスのラマンスペクトルを比較評価した。
西澤 代治; 猪瀬 毅彦*; 山川 敦*; 大山 孝一; 永井 崇之
no journal, ,
レーザアブレーション(LA)法により模擬ガラス固化体中の含有元素濃度を定量するため、CeO及びNdOを添加調製したガラス試料に照射条件を変えてYAG-5レーザ照射を行い、ICP-AESの測定を行った。今次大会では、LA法ICP-AESのYAG-5レーザ照射条件依存性、及びガラス試料の元素分析例等を報告する。
猪瀬 毅彦*; 西澤 代治; 山川 敦*; 大山 孝一; 永井 崇之
no journal, ,
希土類酸化物のCeO, NdOを添加調製したガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AESによる模擬ガラス固化体含有元素の濃度測定を行い、溶液法ICP-AESによる測定結果と比較評価を行った。今次大会では、LA法と溶液法との比較、モックアップ溶融炉流下ガラスの元素分析への適用について報告する。
永井 崇之; 西澤 代治; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 関 克巳*; 大山 孝一; 狩野 茂
no journal, ,
模擬廃液固化体ガラス中に含まれる溶存種の酸化還元挙動を評価するため、溶融ホウケイ酸ガラスのCV測定手法を検討するとともに、模擬廃液固化体ガラスを対象に900CでのCV測定を試みた結果について報告する。
西澤 代治; 猪瀬 毅彦*; 大山 孝一; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス固化技術開発に係るガラス試料の元素分析手法を迅速化・高度化を目指し、レーザアブレーション(LA)法ICP-AESの適用を検討している。本報では、LA法ICP-AESの特徴である局所的かつリアルタイムの測定性能を活用し、レンガ成分やYP等の異物(不純物)を含むガラス試料を対象に、試料中の未溶解物の検出性及びガラス中への異物溶解量の定量性を検討した。LA法ICP-AESによるガラス試料の元素分析の結果、試料中に析出したYPやレンガ成分の検出及びガラス中への溶解量の定量が迅速に行えることを明らかにした。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 狩野 茂; 西澤 代治; 関 克巳*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 菖蒲 康夫
no journal, ,
モックアップ溶融炉流下ガラスを対象に、ラマン分光測定からSi-O架橋構造を解析し、放射光XAFS測定からCe原子価割合を求め、ガラス中のNdOがSi-O架橋構造やCe原子価に影響することを確認した。
猪瀬 毅彦*; 西澤 代治; 大山 孝一; 宮内 厚志; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス固化体の元素分析技術として、レーザアブレーション(LA)法ICP-AESの適用を目指した開発を進めている。今回、模擬ガラス固化体試料に含まれるアルカリ金属元素,希土類元素,白金族元素及び装置腐食生成物の遷移金属元素等の定量性を評価し、元素分析技術として適用できることを確認した。
永井 崇之; 西澤 代治*; 渡部 創; 岡本 芳浩; 関 克巳*; 本間 将啓*; 菖蒲 康夫
no journal, ,
実規模プロセス試験で製造した模擬ガラス固化体を対象に放射光XAFS測定を実施し、Ce-L3吸収端スペクトルからガラス組成による模擬ガラス固化体中のセリウム(Ce)原子価割合を求めた結果、ガラス中のネオジム(Nd)濃度が高くなるほど、Ce(IV)の割合が高くなる傾向にあることを確認した。固化体中のCe原子価は、プロセス環境が酸化性であればCe(IV)が増え、還元性であればCe(III)が増える傾向にある。固化体中のNd化合物はNdOと考えられ、Nd化合物がFeOと同様な酸化還元反応を示すことは想定できないが、同じ組成のCe含有ガラスへFeOとNdOを各々添加し、放射光XAFS測定した結果、Nd添加ガラス中のCe(IV)割合はFe添加ガラスよりも高いことを確認した。結論として、ガラス中のNdがCe原子価に影響することを見出した。
猪瀬 毅彦*; 西澤 代治*; 宮内 厚志; 大山 孝一; 山川 敦*; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス溶融炉モックアップ試験への適用拡大を図るべく、レーザ照射条件及びエアロゾル輸送系他の改善を進め、ICP発光強度の繰り返し再現性を向上させた。モックアップ試験流下ガラスを用いて、元素濃度定量の向上を図った結果について報告する。
大山 孝一; 猪瀬 毅彦*; 宮内 厚志; 西澤 代治*; 永井 崇之
no journal, ,
使用済燃料再処理の工程で発生する高レベル放射性廃液を化学的に安定なガラス固化体に加工するための技術開発を行っており、各種試験で分取したガラス試料を評価するためには試料中の元素濃度分析が必要である。元素濃度分析法としてICP発光分析法は精確に元素濃度を定量できるが、溶液試料を対象とするため、試料の溶液化処理が煩雑で長時間を要する。我々は、ガラス試料の元素濃度分析の迅速化及び高度化を目指して、試料の溶液化処理に代わる前処理としてレーザアブレーション法(LA法)の開発を進めている。本件では、模擬廃液を用いた実規模大のガラス溶融炉模擬試験(模擬試験)ガラス試料について短時間かつ精確な元素濃度定量の可能性を検討した。その結果、約3週間にわたる模擬試験で分取したガラス試料の1試料あたりの元素濃度定量を、LA法では12時間程度、溶液法では12日程度で対応でき、LA法では試験期間中にタイムリーに分析結果を報告することが可能であった。また、短時間で得られたLA法の定量値は試料の溶液化処理後に得られた定量値とおおむね一致することを確認した。よってLA法は、模擬試験におけるガラス試料の元素濃度定量に適用できると判断した。
猪瀬 毅彦*; 大山 孝一; 宮内 厚志; 西澤 代治*; 永井 崇之
no journal, ,
使用済燃料再処理工程で発生する高レベル放射性廃液は、ホウケイ酸ガラス原料と混合溶融し化学的に安定なガラス固化体とする。実験試料のホウケイ酸ガラス試料を評価するために濃度分析が必要であり、分析作業軽減化の観点からレーザアブレーション(LA)法ICP-AESの適用を進めている。そこで我々は、適切なレーザ照射条件及び検量線用標準試料について検討した。その結果、高い発光強度と連続したアブレーションが得られる周波数20Hz、エアロゾル排出のタイムラグが小さいHeガス流量1000mL/minの条件で、相対標準偏差が小さく抑えられた。一方、レーザ強度6J/cm以上で相対標準偏差が大きくなる。以上から適切なレーザ照射条件として、Heガス流量1000mL/min、レーザ強度35J/cm、周波数20Hzを選定した。検量線用標準試料は、測定試料のガラス組成に類似させることで検量線の相関係数0.999以上を担保可能であった。