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篠崎 雄; 會田 貴洋; 磯 貴人*; 小田倉 学*; 萩野谷 雅浩*; 門脇 弘幸*; 小林 真悟*; 稲川 拓夢*; 森元 大成*; 磯 秀敏; et al.
JAEA-Technology 2021-043, 100 Pages, 2022/03
核燃料サイクル工学研究所では、プルトニウム燃料技術開発センターのプルトニウム燃料第三開発室において、核燃料サイクル工学研究所内の廃止措置対象施設からのMOXを集約し、長期的に安定・安全に貯蔵することを計画している。このためには、施設内の核燃料物質をペレット化し集合体貯蔵庫に保管すること(以下、「保管体化作業」という)により、プルトニウム原料貯蔵庫の貯蔵スペースを確保する必要がある。この保管体化作業における安全性の向上及び万一の事故時のリスク低減のため、1設備あたりの処理バッチサイズを従来よりも下げることとし、処理バッチサイズを決める粉末秤量・均一化混合設備の新設を計画、その設置スペースを粉末調製室(1)(FP-101)に確保するため、本件の解体前廃棄物一時保管設備3(FPG-03a,b,c)を解体撤去した。今回の解体撤去対象は、平成5年1月に使用を開始した造粒・整粒設備、添加剤混合設備および受払搬送設備で構成され、平成24年2月3日に使用を終了し、廃棄施設となった設備である。その後、ホールドアップ量低減を図るため、試験第1課によりグローブ作業で内装設備の解体・撤去が進められ、本解体撤去前には内装設備が大型機械を除きほとんど無い状態にあった。本報告書では、本設備のグローブボックスと一部の内装設備及び周辺機器の解体撤去に係るグリーンハウスの設営方法、解体撤去手順、粉末工程設備の特有の課題(粉塵等)について報告する。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; Shih, H.-A.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA07_1 - 06KA07_6, 2018/06
被引用回数:6 パーセンタイル:27.17(Physics, Applied)高性能AlGaN/GaN-HFETの実現に絶縁膜/AlGaN界面制御が重要である。本研究ではAlGaN表面の熱酸化過程を調べるとともに、AlGaN/GaN MOSキャパシタの電気特性に関する表面酸化処理の効果ついて調べた。Si(111)基板上にAlGaN/GaN層をエピ成長した試料を用いた。AlGaN表面の酸化は400度の低温から進行することがわかった。しかしながら、表面形状の目立った変化は800度まで確認されなかったことから、AlGaN表面には極薄の酸化層が形成されていると考えられる。一方、850度以上では酸化物結晶粒の形成が観察され、その成長はAlGaN表面の平坦性を著しく低下させたことから、AlGaN/GaN MOSキャパシタは800度以下で酸化処理したAlGaN表面上に形成された。まず、反応性スパッタによりゲート絶縁膜としてAlON膜(18nm)を成膜した後、膜質改善のため窒素中で800度、3分間の熱処理を施した。そして、Al/TiオーミックコンタクトおよびNiゲート電極を蒸着してMOSキャパシタを作製した。先の研究成果から、我々は熱酸化を施していないAlON直接成膜の試料において、比較的に良好な界面特性が得られることを確認している。その容量-電圧(C-V)カーブと比べて、800度熱酸化した試料では、周波数分散の増加やC-Vカーブの傾きの減少が確認され、界面特性が劣化することがわかった。一方、400度で酸化処理した試料では、界面特性の更なる改善が確認され、ヒステリシスも減少することがわかった。
野崎 幹人*; 渡邉 健太*; 山田 高寛*; Shih, H.-A.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA02_1 - 06KA02_7, 2018/06
被引用回数:22 パーセンタイル:68.04(Physics, Applied)MOSゲート構造の採用によるAlGaN/GaN-HFETの高性能化のためにはリーク電流が少なく、かつ界面特性が良好なゲート絶縁膜が必要である。AlO
膜は比較的高い誘電率と広いバンドギャップを持つことから有望視されているが、界面特性向上技術の開発や電子注入耐性の低さによる閾値電圧変動等の課題を抱えている。本研究ではALD法によるAlON成膜を検討した。MOSキャパシタのC-V特性には界面欠陥応答に起因する周波数分散がほとんど見られておらず、AlON/AlGaN界面が良好であることがわかる。AlON試料は同様にALD法で堆積したAl
O
MOSキャパシタよりもシフト量が少なく、電子注入耐性の向上も確認できた。これらの良好な特性は本研究のALD-AlON膜がGaN MOSデバイス向けのゲート絶縁膜として有望であることを示している。
渡邉 健太*; 寺島 大貴*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA03_1 - 06KA03_6, 2018/06
被引用回数:11 パーセンタイル:45.30(Physics, Applied)AlGaN/GaN MOS-HFETの高性能化・ノーマリオフ化には、高品質なゲート絶縁膜が必要である。これまで我々はAlO
に窒素を添加したAlON膜がAl
O
膜よりも電子注入耐性および界面特性に優れることを明らかにしている。本研究では、その良好な界面特性を維持しつつ、更に絶縁性の向上を図るため、薄いAlON界面層上にバンドギャップの広いSiO
膜を積層したSiO
/AlON/AlGaN/GaN構造について検討した。その結果、AlON界面層の厚さが約3.3nmと薄い場合でも、SiO
/AlON積層構造はAlON単層の場合と同等の容量-電圧特性を示し、良好な界面特性を示した。また、絶縁破壊電界はAlON単層と比べて2倍以上の約8MV/cmを示した。以上の結果は、SiO
/AlON積層構造が優れた界面特性と絶縁特性を両立するGaN MOSデバイス向けゲート絶縁膜として有望であることを意味している。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 永*; 高橋 言緒*; 清水 三聡*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 11(1), p.015701_1 - 015701_4, 2018/01
被引用回数:47 パーセンタイル:85.66(Physics, Applied)GaN MOSFETは高耐圧・大電流・低損失の次世代スイッチング素子として期待されている。その実現には絶縁膜/GaN界面の特性改善が課題である。本研究ではプラズマCVDによりSiO膜を形成したSiO
/GaN構造の後酸化処理を行い、極薄GaO
界面層の形成による界面特性向上の効果について検討した。放射光XPS分析から、SiO
/GaN界面に極薄GaO
界面層が形成されることを確認した。その界面欠陥密度は、700-800
Cでの最適な後酸化処理を施すことによってコンダクタンスピークが確認されず、10
cm
eV
台以下の低い値となった。一方、SiO
/GaO
/GaN構造の後酸化処理は、SiO
層中へのGa拡散を誘発し、絶縁性を著しく劣化させた。そこで、後酸化時間を30分間から30秒間とする急速酸化処理を施した。その結果、SiO
層中へのGa拡散が制限され、優れた界面特性と高い絶縁性を有する高品質なSiO
/GaO
/GaN MOS構造が実現できることがわかった。
渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Applied Physics Letters, 111(4), p.042102_1 - 042102_5, 2017/07
被引用回数:17 パーセンタイル:59.35(Physics, Applied)GaNは絶縁破壊電界などSiC以上の優れた物性値を有するため、パワーデバイスへの応用が期待されている。また、AlGaN/GaN HFETは優れた高周波特性を示すが、ゲートリーク電流低減のためにMOSゲート構造の実現が望まれている。本研究では、AlO
及びAlONについて成膜時の基板温度を室温から300度の範囲で変化させ、放射光光電子分光法によるMOS界面構造評価及び、MOSキャパシタによる電気特性評価を行った。その結果、Al
O
を300度で成膜した場合、成膜中にAlGaN表面の酸化及び後熱処理によるGa拡散が見られ、界面特性が劣化することがわかった。それに対しAlONは成膜温度に関わらず界面反応のほとんどない良好な熱的安定性を示し、また界面特性にも優れることがわかった。
山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 淺原 亮平*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; et al.
Journal of Applied Physics, 121(3), p.035303_1 - 035303_9, 2017/01
被引用回数:77 パーセンタイル:92.43(Physics, Applied)GaNは高耐圧、大電流、低損失の次世代パワーデバイス材料として注目されている。GaN表面の酸化処理技術には、表面パッシベーション技術や、アイソレーション技術、ゲート絶縁膜技術などがあり、デバイス特性向上のための重要な要素技術となっている。そのため、GaN表面の熱酸化処理はこれまで詳細な検討が行われてきている。しかし、その酸化物形成過程は十分解明されていない。例えば、これまで厚いGaN酸化物の形成については多くの報告があるが、初期酸化過程については少ない。また、X線光電子分光(XPS)分析は、そのGaN表面の初期酸化過程の評価によく利用されているが、Ga-NやGa-O結合成分の正確な特定には至っていない。さらに、形成されたGaN酸化物の構造特性評価も十分な検討は行われていない。本研究では、GaN表面の熱酸化過程をXPS、分光エリプソメトリ(SE)、原子間力顕微鏡(AFM)、X線回折(XRD)測定を用いて評価した。特に、異なる転位密度を有するエピGaN層の酸化物形成過程について調べた。本実験には、Si基板上および自立GaN基板上にエピ成長した2種類のGaN試料を用いた。GaN/SiとGaN/GaN試料の転位密度は108と105cm-2台になるとそれぞれ見積もられている。両試料は大気圧O雰囲気中において700
1000
Cの温度範囲で30分間熱酸化した。800
C以下の熱酸化では、表面近傍に存在する欠陥の酸化によると考えられる厚さ1nm以下の薄い酸化層が形成された。この酸化層の膜厚は酸化温度とは無関係にほとんど変化していなかったことから、酸化が飽和傾向にあると考えられた。また、GaN/Siで観察された転位部では微小な酸化物結晶の形成が確認されており、転位部において優先的に酸化が進行することがわかった。900
C以上の更なる酸化温度の増加では、
-と
- Ga
O
結晶粒が両エピGaN層上にエピタキシャリに成長した。GaN/Siでは、転位部で顕著にGa
O
結晶が成長したため、荒れた表面形状が観察された。一方、GaN/GaNでもGa
O
微結晶粒が観察領域全面に渡って形成されたが、比較的平坦な表面形状が維持されていることがわかった。
淺原 亮平*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 伊藤 丈予*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Applied Physics Express, 9(10), p.101002_1 - 101002_4, 2016/10
被引用回数:43 パーセンタイル:83.58(Physics, Applied)熱安定性, 信頼性および界面特性の観点でALGaN/GaN上のAlONゲート絶縁物の優れた物理的および電気的特性が、AlON堆積後のアニールによって得られた。アルミナへの窒素混入によって絶縁物/AlGaN界面におけるインターミキシングを抑えるとともにAlO
膜中の電気的な欠陥の数を減少させることが示された。結果として、電荷注入に対する安定性をもたらすとともに界面欠陥密度を1.2
10
cm
eV
に抑えた高品質AlON/AlGaN/GaN金属-絶縁物-半導体キャパシターを得ることができた。絶縁物への窒素取り込みの重要性を実験結果から議論した。
三輪 周平; 逢坂 正彦; 野崎 貴大*; 有馬 立身*; 出光 一哉*
Journal of Nuclear Materials, 465, p.840 - 842, 2015/10
被引用回数:1 パーセンタイル:9.11(Materials Science, Multidisciplinary)PuOを含有したMoサーメット原型燃料の酸素ポテンシャルを実験的に決定した。PuO
を含有したMoサーメット原型燃料の酸素ポテンシャルはPuO
のものと同じであった。また、Mo/MoO
酸化反応の酸素ポテンシャルより高い場合にはMoマトリックスが徐々に酸化することがわかった。これより、Moサーメット燃料の酸化還元挙動は、アクチニド相及びMoマトリックスのそれぞれで個別に評価できることを明らかにした。以上の結果より、アクチニド相をMoにより閉じ込めることでMoサーメット燃料の酸化還元を制御できる可能性が示された。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
二ツ川 健太*; 伊藤 雄一; 菊澤 信宏; 小林 鉄也*; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 鈴木 隆洋*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 道園 真一郎*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1126 - 1129, 2014/06
J-PARC加速器全体のタイミングシステムとして、12MHzクロック, 50Hzトリガ, タイプコードと呼ばれる制御ワード信号の3種類の信号が使用されている。それらの信号は、中央制御室で生成され、光信号で各加速器施設に分配される。リニアックでも、地上部のクライストロンギャラリの上流部で各信号を受け取り、そこで分岐され、各ステーションに分配される。ただし、ここでの分岐・分配システムは、光信号をO/Eモジュールで受信して電気信号に変換し、FANOUTモジュールを使用して電気的に分岐、それの信号をE/Oモジュールで再度光信号に変換して各ステーションに分配するという非効率的な構成となっていた。ここでは、多大なモジュール数を必要としたために度々の故障事例があり、隣には温度に敏感なLLRFのラックが納入されていたこともあり排熱などが問題になった。そこで、2013年の夏季シャットダウン中に光アンプと光カプラを使用したシステムを導入する予定である。この導入によりシンプルなシステム構成となり、トラブル数を低減できると期待できる。
二ツ川 健太*; 池上 雅紀*; 伊藤 雄一; 菊澤 信宏; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 鈴木 隆洋*; 千代 悦司; 平野 耕一郎; Fang, Z.*; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1149 - 1153, 2014/06
J-PARCリニアックでは、MEBT部に2つの空胴で構成されたRFチョッパを導入し、不要なビームをRFで蹴り出すことにより櫛形構造を持つ中間パルスを生成して、RCSへ入射している。RFチョッパの高周波の立上り・立下り時の過渡領域のビームは、半端に蹴り 出されるために下流でのビーム損失の原因となり得る。そこで、RFチョッパには、素早い応答性が要求され、Q値の低い空胴と帯域の広い半導体アンプが採用されている。しかし、以前のシステムでは2つのチョッパ空胴をU字型の同軸管で直列に接続し、1つの高周波源で運用していたこともあり、高周波の立下り時に大きなリンギングが見られた。そこで、2012年の夏季シャットダウン中に、新たに半導体アンプを追加し高周波源を2台体制にして、各空胴を独立にドライブするシステムに改造した。その結果、立下り時のリンギングは小さくなり、ビーム電流15mAの条件下で立上り・立下り時間が約20nsecを達成した。現在は、半導体アンプが故障したために、以前の直列接続のシステムに戻っているが、本講演では2台体制の並列接続システムの成果について発表を行う。
岩本 直也; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武; 児島 一聡*; 野崎 眞次*
Proceedings of SPIE, Vol.8725 (CD-ROM), 8 Pages, 2013/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)Effects of radiation induced defects on the charge collection efficiency (CCE) of 6H silicon carbide pn diode particle detectors have been studied. The detectors were irradiated with electrons at the energies of 0.1, 0.2, 0.5 and 1 MeV. The CCE of the detectors were measured with 5.5 MeV alpha particles. The CCE of the detector decreases by electron irradiation at energies of 0.2 MeV and higher. Defect named X
with an activation energy of 0.5 eV is found in all detectors which showed the decreased CCE. By thermal annealing at low temperatures such as at 200
C, the decreased CCE is recovered and defect X
is removed. Therefore it is concluded that defect X
is responsible for the decreased CCE of 6H-SiC p
n diode particle detectors.
岩本 直也*; 小泉 淳*; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武; 児島 一聡*; 小池 俊平*; 内田 和男*; 野崎 眞次*
Materials Science Forum, 717-720, p.267 - 270, 2012/05
被引用回数:1 パーセンタイル:52.89(Materials Science, Multidisciplinary)炭化ケイ素(SiC)の耐放射線性に関する知見を得るため、電子線照射により6H-SiC pnダイオード中に発生する欠陥が電荷収集効率に及ぼす影響をアルファ線誘起過渡スペクトロスコピーにより調べた。試料には室温で1MeV電子線を1
10
/cm
照射し、照射前後の電荷収集効率を
Amから放出される5.486MeVのアルファ線を用いて室温で評価した。その結果、初期には100%近かった電荷収集効率が電子線照射により84%まで低下することが判明した。この原因を調べるため、170
310Kの範囲でアルファ線誘起過渡スペクトロスコピー評価を行ったところ、X
及びX
と名付けられた欠陥中心が発生することが判明した。それぞれの活性化エネルギーを求めたところ、それぞれ、0.30及び0.47eVであった。今回、電荷収集効率を室温で測定していることから、室温近くにピークを持つX
が、X
に比べてより電荷収集効率に悪影響を及ぼす欠陥であると推測できる。
牧野 高紘; 岩本 直也*; 小野田 忍; 大島 武; 児島 一聡*; 野崎 眞次*
Materials Science Forum, 717-720, p.469 - 472, 2012/05
被引用回数:1 パーセンタイル:52.89(Materials Science, Multidisciplinary)炭化ケイ素(SiC)のイオン照射効果研究の一環として、n型六方晶-SiC上に作製した金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタへ18-MeV酸素のマイクロビームを照射し、発生するイオン誘起過渡電流(Transient Ion Beam Induced Current: TIBIC)を評価した。その結果入射イオン数の増加に伴い、シグナルのピーク高さが低下し最終的には、ピーク値が一定値になることが見いだされた。ここで、前述の測定後、同試料に蓄積方向電圧+1Vを数秒印加し、再度同様のTIBIC測定を行ったところ、低下していたピーク値が初期値まで回復し、ピーク値は最初の測定と同様な振る舞いを示した。さらにイオン照射中の、MOSキャパシタの容量測定を行ったところ、イオン入射数の増加とともに大きくなることが判明した。この結果より半導体と酸化膜界面に存在する深い準位を持ったトラップがイオン入射により発生した電荷により帯電することでデバイスの内部電界が弱まりピークを低下させるが、逆方向バイアスの印加により正孔トラップが中性化するとピークが初期値に回復するという機構を提案した。
岩本 直也; 小泉 淳*; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武; 児島 一聡*; 小池 俊平*; 内田 和男*; 野崎 眞次*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 58(6), p.3328 - 3332, 2011/12
被引用回数:5 パーセンタイル:37.29(Engineering, Electrical & Electronic)電子線照射による6H-SiC(Silicon Carbide) pnダイオードの電荷収集量低下の原因を調べるため、電子線照射によりダイオード中に形成される欠陥について、単一アルファ粒子による電荷の過渡スペクトル分析(single-alpha-particle-induced charge transient spectroscopy: SAPICTS)と過渡容量分光法(deep level transient spectroscopy: DLTS)による評価を行った。SAPICTSによって検出された欠陥は、その活性化エネルギーとアニール特性から、DLTSで検出される電子トラップE
と同一の欠陥であることが示唆された。アニール処理を施した結果、当該欠陥が減少するとともに、ダイオードの電荷収集量が回復することが明らかとなった。以上のことから、SAPICTSにより検出された欠陥は電荷収集量の低下に最も寄与する欠陥であると結論できた。
大島 武; 岩本 直也; 小野田 忍; 牧野 高紘; 出来 真斗; 野崎 眞次*
AIP Conference Proceedings 1336, p.660 - 664, 2011/05
被引用回数:1 パーセンタイル:47.43(Physics, Applied)炭化ケイ素(SiC)デバイスのイオン照射効果解明を目的に、エピタキシャル基板上に作製した金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタに酸素15MeVイオンマイクロビームを照射し、発生するイオンビーム誘起過渡電流(Transient Ion Beam Induced Current: TIBIC)を測定した。その結果、デバイスに逆方向電圧-10Vを印加した場合、測定当初はTIBICシグナルのピーク高さは0.18mA程度であるが、測定を続け、1800発のイオン入射後には0.10mAまで低下することが判明した。イオン照射をいったん停止し、デバイスへ順方向電圧1Vを印加し、さらに-10V印加し直して測定を再開したところ、低下していたピーク高さが0.18mAとなり、初期値まで回復した。順方向の電圧によりピーク高さが戻ったことから、SiCと酸化膜の界面に存在する深い界面準位がイオン入射により発生した大量の電荷により中性化されることで実効的な印加電圧が減少し、TIBIC測定中にシグナルのピークが減少したと考えられ、このことから、SiC MOSデバイスの照射効果の理解には界面準位の電荷挙動も考慮しなければならないということが結論できる。
大島 武; 岩本 直也; 小野田 忍; 牧野 高紘; 野崎 眞次*; 児島 一聡*
Materials Science Forum, 679-680, p.362 - 365, 2011/03
被引用回数:1 パーセンタイル:55.88(Engineering, Multidisciplinary)炭化ケイ素(SiC)デバイスのイオン照射効果研究の一環として、n型六方晶(6H)SiC上に作製した金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタへ15MeV酸素マイクロビームを入射し、発生するイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)を評価した。その結果、入射イオン数の増加とともにTIBICシグナルのピーク高さが低下し、最終的にはTIBICピーク値が一定になることが見いだされた。また、電荷収集時間はTIBICピーク値が低下するとともに長くなることも判明した。しかし、順方向電圧(1V)を印加し、再度、測定を行ったところ、低下していたピーク値が初期値まで回復し、さらに測定を続けると、徐々に低下して最終的に飽和するという最初の測定と同様な振る舞いを示すことが明らかとなった。順方向電圧によりTIBICシグナルが回復することから、半導体と酸化膜界面に存在する深い準位を持った正孔トラップがこの起源であることが推測される。52kGyの線照射によって、TIBICシグナルの若干の減少が観測されたが、
線照射試料においても、同様なピーク値の減少と飽和、及び順方向電圧印加による回復が観察され、SiC MOSキャパシタのイオン照射効果では深い準位を持つ正孔トラップの存在を考慮する必要があると結論できた。
岩本 直也; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武; 児島 一聡*; 小泉 淳*; 内田 和男*; 野崎 眞次*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 58(1), p.305 - 313, 2011/02
被引用回数:10 パーセンタイル:59.29(Engineering, Electrical & Electronic)高エネルギー粒子検出器用の6H-SiC pnダイオードの電荷収集メカニズムを明らかにするため、アルファ線に対する電荷収集量の逆バイアス電圧依存性を測定した。測定結果を従来の電荷収集モデルを用いて解析した結果、低バイアス領域において実験結果を説明できないことが明らかになった。一方、半導体デバイスシミュレータを用いて解析した結果、すべてのバイアス領域において実験結果を再現することができた。シミュレーション結果より、アルファ線によって生成された高密度の電子及び正孔がドリフト及び拡散することにより、空乏層外に新たな電界が形成され、従来のモデルから予想される電荷量よりも過剰な電荷量が収集されることが明らかになった。