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鈴木 和博; 本岡 隆文; 塚田 隆; 寺川 友斗; 市瀬 健一; 沼田 正美; 菊池 博之
JAEA-Technology 2014-004, 29 Pages, 2014/03
東日本大震災の影響により、東京電力福島第一原子力発電所の2号機, 3号機及び4号機では、緊急冷却策として海水が冷却水として使用済燃料プールへ注入された。海水成分の塩化物イオンは金属材料に孔食を起こす原因物質であることから、使用済燃料プール内の燃料被覆管に孔食が発生・成長した場合、孔食部からの放射性物質の漏えいが懸念される。そこで、海水成分を含む使用済燃料プール水における燃料被覆管の閉込機能の健全性を評価するため、照射済燃料被覆管の孔食発生条件を孔食電位測定により調査することとした。本報告では、高放射性の使用済燃料から孔食電位測定用の試料を作製する技術の開発について報告する。専用機器の開発と作製手順の確立により、専用施設でのマニプレータによる遠隔操作によって、照射済燃料被覆管の孔食発生条件の調査を可能とした。
松井 義典; 高橋 広幸; 山本 雅也; 仲田 祐仁; 吉武 庸光; 阿部 和幸; 吉川 勝則; 岩松 重美; 石川 和義; 菊地 泰二; et al.
JAEA-Technology 2009-072, 144 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構は、平成17年10月に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構との統合によって誕生した。この統合を最大限に利用したプロジェクトが、旧電源開発促進対策特別会計法及び特別会計に関する法律(エネルギー対策特別会計)に基づく文部科学省からの受託事業「長寿命プラント照射損傷管理技術に関する研究開発」である。この「長寿命プラント照射損傷管理技術に関する研究開発」において、材料の照射損傷評価指標の確立に重要な、世界で類のない、高速実験炉「常陽」と研究用原子炉であるJRR-3を利用した組合せ照射材を平成18年から平成19年の約2年間の短期間で取得した。本報告は、これら常陽,JRR-3の実験炉施設及びWASTEF, JMTRホットラボ,MMF, FMFのホット施設を利用した組合せ照射における作業計画から作業結果及び照射試験における照射温度と照射量の評価をまとめたものである。
桜庭 直敏; 沼田 正美; 古宮 友和; 市瀬 健一; 西 雅裕; 冨田 健; 宇佐美 浩二; 遠藤 慎也; 宮田 精一; 黒澤 達也; et al.
JAEA-Technology 2009-071, 34 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の廃棄物安全試験施設(WASTEF)では、TRU核種を取り扱う大型グローブボックスの維持管理技術の一環として、バッグイン・バッグアウト方式によるアクリルパネルの交換技術を開発し、劣化が生じたアクリルパネルの交換作業に適用した。その結果、グローブボックス内の部分的な除染作業を行うだけで、負圧維持条件下で安全にアクリルパネルの交換ができた。また、グリーンハウスを用いてエアラインスーツを着用した作業者が直接アクリルパネルの交換を行う従来技術に比べ、安全性,作業性及びコスト等の面で極めて有効な作業技術であることが実証された。
遠藤 慎也; 沼田 正美; 市瀬 健一; 西 雅裕; 古宮 友和; 桜庭 直敏; 宇佐美 浩二; 冨田 健
Proceedings of 46th Annual Meeting of "Hot Laboratories and Remote Handling" Working Group (HOTLAB 2009) (CD-ROM), 6 Pages, 2009/09
東海研究開発センター原子力科学研究所WASTEFでは、セル内機器のメンテナンスやTRU窒化物燃料の基礎物性試験を行うための大型グローブボックス(メンテナンスボックス)が設置されている。当該グローブボックスのアクリルパネルの一部には、劣化による微小き裂が生じており、安全な運転を行うためにパネル交換が必要となった。しかしながら、従来のパネル交換手法では、グローブボックス全体の除染やグリーンハウス内でのALS作業が必要となり、交換作業には多くの時間と人手が必要である。また、ALS作業に伴う汚染等のリスクも高くなる。そこでグローブボックスで物品等の搬出入に用いられているバックイン/バックアウト法を大型グローブボックスのパネル交換に適用したパネル交換手法を開発した。この方法は、交換するパネルを大型バックで覆い、バック内でパネル交換作業を実施するためにグローブボックスの除染やグリーンハウス設置が必要なくなり、パネル交換時のALS作業を削減することが可能となった。本交換手法をWASTEFのメンテナンスボックスのパネル交換に適用し、従来手法と比べて約1/5の人工でパネル交換を実施した。従来手法と比べて作業時間の短縮かつ安全な交換作業及び放射性廃棄物の低減化が可能であることを確認した。
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 沼田 正美; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 377(3), p.467 - 469, 2008/07
被引用回数:13 パーセンタイル:63.18(Materials Science, Multidisciplinary)投下型熱量法により窒化ネプツニウムと窒化アメリシウムの比熱容量を測定した。窒化ネプツニウムと窒化アメリシウムの試料は炭素熱還元法により調製した。得られた窒化ネプツニウムの比熱容量は334から1067Kまでの温度範囲において報告値と良い一致を示し、窒化ウランや窒化プルトニウムの比熱容量の値と近い値を示した。窒化アメリシウムの比熱容量は354から1071Kまでの温度範囲において窒化ウラン,窒化ネプツニウム及び窒化プルトニウムの比熱容量の値よりわずかに小さい値を示した。
加藤 千明; 本岡 隆文; 沼田 正美; 遠藤 慎也; 山本 正弘
Structural Materials for Innovative Nuclear Systems (SMINS), p.439 - 447, 2008/07
第4世代原子炉のような、革新的原子力システムにおいて材料の劣化や腐食は主要なトピックスである。現在並びに次世代再処理システムにおける核燃料再処理施設の 腐食問題も重要である。このプロセスにおいては使用済み燃料の溶解やU, Puの分離のために硝酸を使用する。硝酸は高い腐食性を持ち、TRUやFPであるPuやNp等の酸化性イオンが存在すると腐食性が高まることが知られている。次世代再処理システムにおいては、これらTRUやFPが使用済み燃料により多く存在することになり、より腐食性が高まるものと考えられる。本研究では極低炭素鋼ステンレスであるSUS304ULCの腐食に関するNpイオンの腐食影響を検討した。その結果、沸騰硝酸中にNpイオンが存在するとSUS304ULC鋼の粒界腐食を促進することが明らかとなった。さらに。コバルト60線源を用いた線の影響についても検討した。その結果、Npイオンが存在することで生じる腐食加速は
線によって腐食速度が低減することが明らかとなった。
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 沼田 正美; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 376(1), p.78 - 82, 2008/05
被引用回数:33 パーセンタイル:87.23(Materials Science, Multidisciplinary)二酸化ネプツニウム(NpO)の熱伝導率を測定した熱拡散率,比熱及び密度を用いて評価した。NpO
の熱拡散率をレーザフラッシュ法により473から1473Kまでの温度範囲で、NpO
の比熱を投下型熱量法により334から1071Kまでの温度範囲で測定した。NpO
の熱拡散率は温度の上昇とともに減少し、NpO
の比熱はUO
の比熱よりもわずかに大きく、PuO
の比熱よりも約7%小さいことが明らかとなった。また、NpO
の熱伝導率は873から1473Kの温度領域ではUO
及びPuO
の熱伝導率の間に位置することが明らかとなった。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生; 沼田 正美
Journal of Nuclear Materials, 373(1-3), p.295 - 298, 2008/02
被引用回数:17 パーセンタイル:71.33(Materials Science, Multidisciplinary)酸化アメリシウム(AmO)の熱拡散率をレーザフラッシュ法により299から1473Kまでの範囲で測定した。AmO
の熱拡散率は、温度の上昇とともに減少した。また、AmO
の熱伝導率に関しては、測定した熱拡散率,比熱及び密度を用いて評価した。AmO
の熱伝導率は299から1473Kまでの温度領域において、温度とともに減少する傾向を示すことが明らかとなった。また、真空中での熱拡散率測定で生じるO/Am比の減少により、AmO
の熱伝導率のわずかな減少を示すことも明らかとなった。
本岡 隆文; 石川 明義; 沼田 正美; 遠藤 慎也; 糸永 文雄; 木内 清; 木崎 實
JAEA-Research 2007-031, 20 Pages, 2007/03
硝酸溶液中のステンレス鋼の腐食に及ぼすネプツニウムイオンの影響を腐食試験により評価した。9規定硝酸溶液にネプツニウムイオンを含有する試験液を用いて、SUS304L鋼の試験材を浸漬及び伝熱条件で腐食試験を実施した。その結果、ネプツニウムイオンによりステンレス鋼の腐食が促進されることを見いだした。この知見は、再処理プロセスにおける材料の検討に資されると期待される。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*; 寺門 正吾; 喜多川 勇; 沼田 正美
廃棄物学会論文誌, 17(4), p.271 - 281, 2006/07
シリコン,カルシウム及びアルミニウムを主成分とするスラグ試料を用いて、セメント平衡水中における静的浸出試験を90Cで行い、スラグの溶解挙動を調べた。セメント平衡水中では溶液のアルカリ性のため、脱イオン水中に比べてスラグの溶解量が増大することがわかった。また、スラグ表面には溶解に伴いケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)を成分とする二次相の生成が認められ、C-S-Hが生成する期間中は同じpHのアルカリ溶液中に比べてスラグの溶解が抑制される効果がみられた。
遠藤 慎也; 宇佐美 浩二; 仲田 祐仁; 福田 拓司*; 沼田 正美; 木崎 實; 西野 泰治
Proceedings of 2005 JAEA-KAERI Joint Seminar on Advanced Irradiation and PIE Technologies, p.S2_7_1 - S2_7_11, 2005/11
近年、高燃焼度燃料を使用した出力急昇試験において、被覆管の軸方向に脆性割れが観察されている。この脆性割れは、高燃焼度化に伴う被覆管の水素吸収に起因した機械的特性の劣化と考えられているが、引張試験やバースト試験等の従来からの照射後試験技術では、その抵抗性を評価することは不可能である。燃料被覆管の脆性割れに対する抵抗性評価技術は、高燃焼度化燃料の健全性評価のうえで極めて重要であり、新たな照射後試験技術としての確立が急務となっている。脆性材料の壊れ抵抗性評価は、破壊靱性試験によってのみ可能である。しかしながら、規格化された既存の破壊靱性試験標準試験法は、平面歪状態を満足する形状の試験片に対するものであり、燃料被覆管のような薄肉で細径の管状材料には適用できない。このため、原子燃料工業によってコールド試験用に開発されたNCT試験法の照射後試験への適用が提案された。本セミナーでは、原子燃料工業とホット試験室との共同研究で開発した、NCT試験法による燃料被覆管の破壊靱性試験のための照射後試験技術、すなわち、使用済み燃料被覆管からのサンプル加工技術、試験片組立技術、疲労予き裂導入技術、NCT破壊靭性試験等の遠隔操作技術とを適用した照射後試験での有効性について概要を報告する。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 沼田 正美
Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.2285 - 2291, 2003/00
マイナーアクチノイドの核変換用窒化物燃料に関して、その成分となるAmN及び不活性母材との固溶体(Am,Zr)Nの安定性を室温での加水分解挙動と高温での蒸発挙動について実験的に調べた。空気中に放置したAmNは水分と急速に反応して水酸化物Am(OH)と思われる化合物になったが、(Am
Zr
)Nでは、1000時間の観察中に加水分解による重量増加は認められなかった。Dyモル分率をパラメータにした(Dy,Zr)Nによる実験では、固溶体の水分に対する安定性はDyのモル分率に大きく依存することがわかった。(Dy,Zr)Nの乾燥空気中での熱重量分析による高温酸化に関する実験では、700K以上で急激な酸化が起こり、Dyモル分率への依存性はほとんど見られなかった。高温でのHe中における蒸発挙動では、1623から1733Kの範囲でAmNの蒸発速度定数を得た。(Am
Zr
)N中のAmNの蒸発速度定数はAmNのそれに比べて小さかったが、AmNの選択的な蒸発が起こり固溶体の組成が変化することがわかった。窒素雰囲気中におけるAmNの蒸発との比較から、焼結などの高温加熱を行う場合には蒸発による損失を抑えるために、窒素雰囲気を用いる必要があることがわかった。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 小川 徹; 沼田 正美; 木崎 實
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.842 - 845, 2002/11
(Cm,
Pu)混合酸化物及び窒化物固溶体の
線自己損傷による格子の膨張をX線解析により測定した。元の酸化物は
Cmの
崩壊により、(Cm
,Pu
)O
の組成を持っていた。これを643K及び1073Kで加熱した後、格子定数の時間変化を観察したところ、約5日で変化は収束した。格子定数の膨張率はともに2.6
10
であったが、格子定数の初期値はそれぞれ0.5394,0.5388nmであった。炭素熱還元法により酸化物から窒化物固溶体を調製し、同様に格子定数変化を観察した結果、初期の格子定数は0.4945nmで、膨張率は3.5
10
であり、酸化物に比べて大きい膨張率であった。
伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 高野 公秀; 小川 徹; 沼田 正美; 糸永 文雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.737 - 740, 2002/11
(Am, Y)N及び(Am, Zr)Nのアメリシウム系混合窒化物をAmO,Y
O
及びZrO
を出発原料として炭素熱還元法により調製した。Am-Y系窒化物では、化学量論組成以上の過剰炭素条件下,1300
及び1500
の2段加熱法を適用することにより、10~30mol%AmNの範囲で、酸化物が無く、固溶酸素量も低い混合窒化物固溶体を得ることができた。
本岡 隆文; 沼田 正美; 木内 清
JAERI-Tech 2001-088, 38 Pages, 2002/01
酸回収蒸発缶材料であるステンレス鋼の伝熱面腐食に関して、これまでの腐食試験が実再処理環境を模擬しているかを検証するために、開発した放射性物質を含有した試験液が取り扱える伝熱面腐食試験装置について、装置の仕様と性能評価試験,比較試験並びにホット試験の結果をとりまとめた。開発装置は、耐放射性に優れた材料から構成されており放射線照射下での使用に耐えることができ、減圧沸騰下での使用と試験液漏洩防止を考慮している。性能評価試験より、高濃度硝酸溶液を用いて長時間にわたり安全に伝熱面腐食試験が行えることを確認した。また、純硝酸溶液を用いた比較試験より、既設装置と同様の結果が得られることを確認した。ホット試験では、ネプツニウムを含む硝酸溶液を用いて実験を行った。今後、開発装置によりホット環境での有益な腐食試験データが蓄積されるとともに、コールドでの腐食試験条件の選定が適切に行えることが期待できる。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 小川 徹; 沼田 正美; 岡本 久人
Journal of Nuclear Materials, 294(1-2), p.24 - 27, 2001/04
被引用回数:13 パーセンタイル:66.41(Materials Science, Multidisciplinary)マイナーアクチノイドの消滅処理技術の研究の一環として、窒化物燃料/ターゲットの調製研究を行ってきた。窒化アメリシウムの調製に引き続き、本件では、CmとPuの混合窒化物を炭素熱還元法により調製した。原料酸化物の組成は(Cm,Pu
)O
であった。残存酸素量を抑えた窒化物と、酸素を固溶限まで固溶させた窒化物の格子定数は、それぞれ0.4948nm,0.4974nmであった。アクチノイドの窒化物では、酸素の固溶量が増えるに従い、格子定数が大きくなることが知られており、今回の結果もそれに従っていることがわかった。また前者の格子定数は、PuNとCmNの格子定数の文献値も用いて検討したVegard則によく従っており、窒化物固溶体(Cm
,Pu
)Nが得られたことを裏付けている。
沼田 正美; 加藤 千明; 本岡 隆文; 遠藤 慎也; 喜多川 勇; 木崎 實; 山本 正弘; 木内 清
no journal, ,
核燃料再処理施設の機器のうち、燃料溶解槽等のジルコニウム製機器について、使用済み燃料溶解液における環境助長割れに関する検討を行い、コールド模擬液の妥当性を検証した。また、実機に近い環境を模擬するためにCoを用いた
線照射を用いて放射線の影響を検討した。その結果、コールド模擬液の妥当性を確認し、放射線による環境助長割れの加速が生じないことを明らかにした。
小松 篤史; 本岡 隆文; 鈴木 和博; 寺川 友斗; 沼田 正美; 菊池 博之; 塚田 隆
no journal, ,
希釈人工海水中での照射済燃料被覆管(Zry-2)の孔食挙動を孔食電位測定により調査した。未照射材に比べ孔食電位は高くなった。表面傷の有無が孔食電位値に影響したことから、照射時に形成された酸化皮膜が塩化物イオンによる孔食発生の障壁となっていることが明らかとなった。
市瀬 健一; 桜庭 直敏; 鈴木 和博; 宮田 精一; 古宮 友和; 西 雅裕; 喜多川 勇; 沼田 正美
no journal, ,
廃棄物安全試験施設(WASTEF)では、施設の運転保守・照射後試験に伴い発生する放射性廃棄物の低減化対策の一環として、廃棄物及び
廃棄物用放射性廃棄物減容機の開発を実施した。試作機の設計・製作,モックアップ試験による操作性及び減容効果の確認・改良並びに実用化について報告する。
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 沼田 正美; 古宮 友和; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
no journal, ,
プルトニウムのマルチリサイクルやマイナーアクチノイド(MA)の分離変換にかかわる基盤研究として、Pu及びMAを含有した窒化物燃料と乾式再処理に基づく核燃料サイクルに関する技術開発を進めている。燃料の物性として不可欠な熱膨張,比熱,熱伝導率等の基本的な熱物性を取得し、整備していくことは重要である。ここでは、(Pu,Am)N, (Np,Pu,Am,Cm)N及びZr含有MA窒化物固溶体について、レーザフラッシュ法により測定した熱拡散率と投下型熱量法により測定した比熱を用いて熱伝導率を算出し、その組成依存性について検討した。(PuAm
)N及び800K以下の(Pu
Am
)Nの熱伝導率は明確な温度依存性は見られないが、(Np
Pu
Am
Cm
)N及び800K以上の(Pu
Am
)Nの熱伝導率は温度とともに増加する傾向があること、また、(Pu
Am
)Nは(Pu
Am
)Nよりも熱伝導率が大きいことを明らかにした。一方、Zr含有MA窒化物固溶体の熱伝導率はZrNの熱伝導率よりも小さい値を示し、他の窒化物及び窒化物固溶体よりも熱伝導率の温度依存性が顕著であった。