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杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 村松 壽晴
Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 7 Pages, 2012/07
厚板鋼材レーザー切断の適切化及び制御に向けて、多相の熱流体モデルに基づいた数値シミュレーションコードを開発し、アシストガスや加工ヘッド移動速度が切断性能に与える影響を調べた。切断フロント形状や温度分布を解析した結果以下の知見が得られた。アシストガス噴射によって溶融金属排出を促さなかった場合、レーザー光は溶融金属に吸収されてしまい固相表面に直接吸収されず板裏の温度上昇が遅れてしまう。ヘッドの移動速度が速すぎる場合には、加工ヘッド位置に対する熱伝導の遅れによって、切断開始位置の板裏に切り残しが生じるという実験結果を数値シミュレーションによって定性的に裏付けた。以上の結果から、切断溝の形成にはアシストガスによる溶融金属排出が厚板レーザー切断において非常に重要であるといえる。
中村 保之; 佐野 一哉; 岩井 紘基; 小川 剛充; 社本 英泰*; 小澤 健治*
no journal, ,
「ふげん」の原子炉本体は、長年の運転により放射化しており、また、酸化しやすいジルコニウム合金鋼が使用されていることから、汚染拡大防止や被ばく低減の観点から水中で解体する計画としている。レーザ切断は、レーザ光の熱エネルギーで切断箇所を溶融し、溶融物をアシストガスで除去することで切断する工法であり、厚板部材の切断は、特に溶融物を効率的に除去することが重要である。ガスノズル内面の表面粗さや先端形状により噴射後のガスの広がり角等が異なることから、ガスノズルが切断に及ぼす影響を評価した。板厚80mm以下のステンレス鋼材に対する切断能力は、既存ラバルノズルと改良ラバルノズルに差はなかったが、既存ラバルノズルで切断不可であった板厚100mmについては、改良ラバルノズルへ変更することで、切断部材の表面と裏面で切断遅れがあるものの切断可能となり、厚板部材に対する切断能力の向上を確認した。また、ノズルの影響のほかに切断能力に影響を及ぼす要因の1つとして、材質の融点や熱伝導率といった物性の違いによることが推察された。これらによって、アシストガス(ノズル)が切断に及ぼす影響を確認でき、厚板切断への適用の見通しを得た。今後は、さらなる厚板部材を切断するため、速い流速かつ狭い広がり角を持つガス噴射流が可能なノズル形状を検討することにより切断能力の向上を目指していく。
小川 剛充; 杉原 健太; 中村 保之; 村松 壽晴; 社本 英泰*
no journal, ,
アシストガス噴流ノズルの形状及びその内部表面仕上げにより変化する噴流乱流強度がノズル流出後の流動特性に及ぼす影響を評価する。レーザ切断時に溶融金属をアシストガス噴流によって効率よく除去するためには、アシストガス噴流の運動量拡散を抑制可能な噴流ノズル形状及びノズル内面で発生する乱流強度を抑制可能な表面仕上げの検討が重要である。
佐野 一哉; 森下 喜嗣; 毛利 直人; 中村 保之; 小川 剛充; 社本 英泰*; 小澤 健治*; 峰原 英介*; 井田 俊雄*
no journal, ,
レーザ切断工法は、近年、開発が著しく、薄い鋼材であれば高速かつ狭い切断幅で切断可能という特徴を有する。このことから、原子炉施設に使用されている厚い構造材へのレーザ切断工法の適用を目的として、アシストガスの流動可視化実験や切断試験等を行った。試験結果等から原子炉施設解体への適用の見通しを得るとともに、幾つか解決すべき課題が抽出されたことから、今後、切断試験やシミュレーション解析を併用することにより解決を図っていく計画である。
山田 知典; 山下 晋; 小川 剛充; 菖蒲 敬久; 村松 壽晴
no journal, ,
高い信頼性等が要求される原子炉施設でのレーザー溶接補修技術の確立に向けて、これまでに大型放射光施設(SPring-8)からの高強度X線と溶融池内対流現象観察装置を利用して、レーザー溶接中の溶融池内の現象把握を行ってきた。本研究では、溶融池内現象を温度分布と合わせて検討し、両者の関連性を評価した。溶融池内現象の観察はSPring-8のビームラインBL22XUを使用した。試験片はステンレス鋼及び炭素鋼であり、試験片上部よりファイバーレーザーを集光照射し、試験片に埋め込んだトレーサー粒子の過渡挙動を吸収コントラスト法により計測した。また、温度分布測定には熱電対及び赤外線サーモグラフィを使用し、入熱量を合わせた試験を別途実施した。両試験片を比較すると、溶融池内の温度勾配は、炭素鋼試験片の方が急峻となっていた。マランゴニ対流は温度勾配に起因した表面張力差等により駆動されるため、炭素鋼試験片の方が強い流れ場が形成され、溶融池形状が異なったと考えられる。こうした溶融池内現象と温度を関連付けた評価は、複雑な熱サイクルを受ける溶接部の現象をその他の影響因子と関連付けるうえで非常に有効である。
山田 知典; 菖蒲 敬久; 山下 晋; 小川 剛充; 杉原 健太; 西村 昭彦; 村松 壽晴
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原子力施設をはじめ一般産業プラントに展開可能なレーザー溶接技術として、溶接後の残留応力の評価及び制御を目的とした研究を進めている。このためには、溶接中の加熱,溶融,対流,凝固,固相変態といった複雑な現象を定量評価する必要がある。このうちの対流現象は、大型放射光施設(SPring-8)からの高強度X線を利用した実験と、数値シミュレーションを相補的に利用して評価している。アルミニウム合金にレーザーをスポット照射した際には、溶融池内を移動するトレーサー粒子(タングステン)により、流れの可視化に成功した。さらに、実験において観察された溶融池内の流れは、計算でも再現できていることを確認した。実験及び数値シミュレーションを用いた溶融池内流動場の評価は、レーザー溶接複雑現象の定量化に非常に有効であり、今後はさらなる観察技術の向上,計算コードの開発を行う。
杉原 健太; 小川 剛充; 中村 保之; 村松 壽晴
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厚板鋼材のレーザ切断制御に向けて、多相の熱流体モデルに基づいた数値シミュレーションコードを開発し、アシストガスや加工ヘッド移動速度が切断性能に与える影響を調べた。固・気・液界面形状と温度場の発達の様子を解析した結果、以下の知見を得た。アシストガスによって溶融金属排出を促さなかった場合、レーザ光は溶融金属に吸収・入熱されてしまい、固体表面への入熱を阻害してしまう。そのため固体金属には溶融金属を介して伝熱することになり、レーザ切断のメリットである高出力密度を十分に活用できてはいない。さらに、切断速度を過大に速めると切断深さが板の裏まで到達する前にレーザ加工ヘッドが進むことになり、凹面に溶融金属が滞留するために切断フロントの形成が遅れてしまう。以上よりレーザ切断による切断フロント形成にはアシストガスによる溶融金属排出が重要であることが数値シミュレーションにより裏付けられ、カーフ形成だけでなく固相表面への局所的な入熱効果を促すことが定性的に明らかになった。
山田 知典; 山下 晋; 杉原 健太; 小川 剛充; 菖蒲 敬久; 村松 壽晴
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原子力機構では、原子力施設をはじめ一般産業プラントに展開可能なレーザー溶接技術の標準化を進めており、これまでに大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色X線と溶融池内対流現象観察装置を利用して、直接観察することが難しいレーザー溶接中の溶融池内部の現象把握を行ってきた。本研究では、溶融池内を移動するトレーサー粒子の挙動を詳細に観察することで、各場所における流れの方向や速度を評価した。溶融池内現象の観察はSPring-8のビームラインBL19B2を使用した(研究課題番号: 2011B1975)。X線のエネルギーは30keVである。試験片はアルミニウム合金であり、試験片上部よりファイバーレーザーを集光照射し、試験片表面に塗布したトレーサー粒子の溶融池内過渡流動挙動を吸収コントラスト法により計測した。溶融池内部では、固液界面近傍では下降流が、中央部では上昇流が形成された。溶融池内部に気泡が発生した場合、上昇流や自身の浮力で浮上したが、レーザー照射時間の経過とともに気泡の数は増大し、凝固時に溶融池内部に取り残され溶接欠陥となった。したがって、溶接部の信頼性向上には気泡の抑制や、凝固速度の制御が非常に重要となることがわかった。
村松 壽晴; 杉原 健太; 小川 剛充; 中村 保之; 佐野 一哉
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原子力機構では、レーザー光を熱源とした鋼材切断技術の高度化を目指した研究を進めている。本研究では、レーザー切断性能を左右するドロス流動,アシストガス流動などの支配因子の適切化に向け、高精度実験と計算科学を有機的に組合せ、発生する複合物理過程の現象論に立脚した観点からこれを推進する。
杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 佐野 一哉; 村松 壽晴
no journal, ,
本報告では、レーザー切断における熱流動現象の現象論的解明及び適切化を目指し、気液固3相の熱流体力学モデルに基づく数値シミュレーションモデル及びコードを開発し、溶融金属排出がレーザー切断に与える影響を現象論的に評価した。気固液の界面形状と温度場の発達の様子を解析した結果、アシストガスによる溶融金属排出には切断フロントの形成だけでなく、固相表面への局所的な入熱を促進する効果があることが明らかになった。切断開始位置の裏側に切り残しがあるような実験結果が得られているが、切断初期の熱伝達不足が切断残りの原因となることが数値シミュレーションによって裏付けられた。切断条件の適切化にはアシストガスによる溶融金属排出だけでなく切断途中の熱伝達挙動の把握も重要であるといえる。
菖蒲 敬久; Zhang, S.; 城 鮎美; 村松 壽晴; 山田 知典; 小川 剛充; 小澤 隆之; 十亀 求
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近年、レーザーがさまざまな材料加工に利用されている。特に、省エネルギー対策として自動車や鉄道等の車体の軽量化が進められており、それらのパーツを接合する技術として、レーザーは照射面と反対面に照射痕が残らないことから見栄の良さ、照射領域が小さいことから局部へ利用可能、直接材料を溶かすことからコスト削減,遠隔操作、及びレーザーパワー可変による作業効率の向上など、さまざまな利点を有している。本研究では、レーザーによる鉄鋼材料重ね合わせ溶接した試験片の熱処理前後における残留ひずみ分布を計測し、その効果を検討した。その結果、(1)熱処理を施すことにより残留ひずみは大きく軽減すること、(2)熱処理を施しても塑性変形の一部は残留するため、その影響で残留ひずみがわずかに発生することを明らかにした。
山田 知典; 山下 晋; 菖蒲 敬久; 西村 昭彦; 小川 剛充; 杉原 健太; 社本 英泰*
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原子力施設をはじめ一般産業施設に展開可能なレーザー溶接技術開発を進めている。溶接構造物の健全性を担保するには、残留応力などに影響される機械的特性を溶接中の複合物理過程と合わせて評価する必要がある。残留応力が溶接時の温度分布に関連するため、温度と関連する溶融池内の流動現象の高精度把握を行った。大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色X線を利用して、レーザー照射部で形成した溶融池内部のトレーサー粒子の挙動を吸収コントラストイメージング法によってその場観察した。放射光高輝度単色X線を利用した吸収コントラストイメージング法により、レーザー光照射時の溶融池形状の時間変化と対流挙動のリアルタイム同時観察を世界に先駆けて成功し、溶融池近傍における熱流動特性を定量化するとともに、照射時間と溶け込み深さの関係、内部欠陥を発生させる影響因子なども明らかにした。今後は数値解析結果も援用し、残留応力評価・制御に繋げる。
小川 剛充; 村松 壽晴; 佐野 一哉; 中村 保之
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レーザ切断工法は、レーザ光の熱エネルギーで切断箇所を溶融し、溶融物をアシストガスで除去することで切断する工法であり、厚板部材の切断においては、特に溶融物を効率的に除去することが重要である。レーザ出力10kWで気中切断試験を行い、ファイバーレーザを用いた切断工法の厚板部材への適用性を確認した。
羽成 敏秀; 杉原 健太; 小川 剛充; 村松 壽晴
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レーザー切断はレーザー光の熱エネルギーで切断対象を溶融し、溶融金属をアシストガスにより排出する工法である。このため、レーザーの照射条件だけでなく、アシストガスの噴射条件も合わせて適切化する必要がある。切断溝深部での溶融金属の排出過程にはアシストガスの運動量、溶融金属の粘性や表面張力といった流体物性が大きく寄与していると考えられている。本研究では溶融金属排出制御による切断能力の向上を目的とし、噴射距離(スタンドオフ)が切断溝内でのアシストガス噴流の中心流速に及ぼす影響を評価する模擬試験を行った。L=14mmはそれ以下のスタンドオフと比較して、狭隘部流入直後から噴流中心流速は小さく、ほぼ線形に減少していく様子が確認できた。これより、スタンドオフを大きくとりすぎると、狭隘部内へのアシストガスの流入量が減少し、溶融金属の排出の効率が低下するものと考えられる。
杉原 健太; 小川 剛充; 山田 知典; 村松 壽晴
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厚板鋼材に対するレーザー切断条件の適切化・制御に向け、これまでに原子炉廃止措置に向けたレーザー切断の適用性確認試験やアシストガス噴流ノズルの適切化を目的とした噴流可視化試験などを実施してきた。厚板切断では主に、カーフ(切断溝)深部へのレーザー入熱及びアシストガスの運動エネルギーの輸送が重要であると考えられる。そのため、カーフ内の入熱量や熱流動場の定量化が求められている。本報告ではレーザー切断時の試験体内部の温度データを取得し、厚板切断時の伝熱挙動を評価した。熱電対を用いて取得した温度データから、300度を超えるような高温領域はレーザー照射部の8mm以内に集中し、急峻な温度勾配を示すことを確認した。また、切断溝深部の方が表面よりも高温であった。レーザー切断にかかわる熱量の試算により、溶融除去に最低限必要な熱量はレーザー照射エネルギーのわずか8%程度であり、熱拡散などによるエネルギーロスがほとんどであった。以上の結果から、厚板切断ではカーフ深部に熱や溶融金属が溜まりやすいため、アシストガスを適切に制御して溶融金属を効率よくカーフ深部から除くことが重要となると考えられる。
杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 山田 知典; 村松 壽晴
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これまでにレーザー切断現象における熱流動現象に着目し、これまでにさまざまな加工条件による切断試験やアシストガス噴流の流動特性評価などを実施してきた。本報告では熱電対を用いて測定した試験体内部温度データや数値シミュレーションによる解析結果から、厚板レーザー切断現象の熱流動挙動を評価した。本試験結果からレーザー照射箇所から8mm以内に300Cを超えるような高温領域が集中しており、表面近傍よりも切断溝の深部の方が高温になることを確認した。また、熱量の試算によりレーザー切断において切断箇所の溶融に最低限必要な熱量は照射エネルギーの約1割程度とわずかであり、9割以上は熱拡散(約6割)などのエネルギーロスであることが明らかになった。以上の結果から、厚板切断ではカーフ深部に熱や溶融金属が溜まりやすいため、アシストガスを適切に制御して溶融金属を効率よくカーフ深部から除くことが重要となると考えられる。また、切断可能板厚の評価に数値シミュレーションが有用であることを示せた。