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論文

Microbially formed Mn(IV) oxide as a novel adsorbent for removal of Radium

田中 万也; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 富田 純平; 小澤 麻由美*; 山崎 信哉*; 徳永 紘平; 福山 賢仁*; 小原 義之*; Maamoun, I.*; et al.

Chemosphere, 355, p.141837_1 - 141837_11, 2024/05

本研究では生物性マンガン酸化物を用いて人形峠坑水からのラジウム除去実験を行った。その結果、7.6mgの生物性マンガン酸化物を用いて3L坑水中から98%以上の$$^{226}$$Raを除去することが出来た。これは固液分配係数に換算すると10$$^{7.4}$$ mL/gという非常に高い値となり、生物性マンガン酸化物が実際の坑水処理に有効であることを示している。

論文

Molecular geochemistry of radium; A key to understanding cation adsorption reaction on clay minerals

山口 瑛子; 栗原 雄一*; 永田 光知郎*; 田中 万也; 桧垣 正吾*; 小林 徹; 谷田 肇; 小原 義之*; 横山 啓一; 矢板 毅; et al.

Journal of Colloid and Interface Science, 661, p.317 - 332, 2024/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

ラジウム(Ra)は放射性元素であり、放射性廃棄物処理やウラン鉱山周辺の環境問題で重要なため、環境中Ra挙動の解明は急務である。しかし、Raは安定同位体が存在しないため分子レベルの実験が難しく、環境中で重要と考えられる粘土鉱物への吸着反応についても詳細なデータは得られていない。本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法によりRaの分子レベルの情報を得る手法を確立し、さらに第一原理計算を利用することでRaの粘土鉱物への吸着構造を明らかにした。また、同族元素との比較を行い、粘土鉱物への吸着反応の系統的な理解に資する結果を得た。

論文

四重極型ICP-MSを用いた天然水中の$$^{226}$$Ra迅速分析法の検討

富田 純平; 小澤 麻由美; 小原 義之; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2021-2, p.130 - 134, 2021/12

本研究は、研究所の管理部門や自治体等でも実施可能な$$^{226}$$Ra分析法の開発を目指し、試料中に元来含まれる非放射性$$^{138}$$Baを化学収率補正に用いる簡便・迅速な化学分離法の開発及び比較的普及している四重極型ICP-MSによる天然水中$$^{226}$$Ra迅速分析法の開発を目的としている。本発表では、ICP-MSによるHeコリジョン法の最適な測定条件、コリジョンガスを使用しない通常法及びHeコリジョン法における検出下限値、干渉を起こす元素の同定及びその影響の定量的評価を行った結果について報告する。Heコリジョン法を用いた場合、ガス流量が3.6mL/minの時が最も高感度であった。通常法及びHeコリジョン法における$$^{226}$$Ra測定の検出下限値は、それぞれ8fg/mL(0.28mBq/mL)及び10fg/mL(0.38mBq/mL)であった。また、通常法ではW, Heコリジョン法の場合はPbが$$^{226}$$Ra濃度測定に有意な影響を与えた。測定溶液中のW及びPb濃度が1$$mu$$g/mLの場合、WやPbの多原子イオンが妨害することで、$$^{226}$$濃度が本来の値よりそれぞれ40fg/mL, 20fg/mL高い値を示すことがわかった。

論文

Fe, Mn and $$^{238}$$U accumulations in ${it Phragmites australis}$ naturally growing at the mill tailings pond; Iron plaque formation possibly related to root-endophytic bacteria producing siderophores

中本 幸弘*; 土山 紘平*; 春間 俊克*; Lu, X.*; 田中 万也; 香西 直文; 福山 賢仁; 福嶋 繁; 小原 義之; 山路 恵子*

Minerals (Internet), 11(12), p.1337_1 - 1337_17, 2021/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.11(Geochemistry & Geophysics)

坑水は、重金属の含有や低pHのため、世界中で鉱業の重要な水問題となっている。水生植物による「rhizofiltration」は、根系に重金属を蓄積することにより水中の重金属を除去する効果的な浄化方法のひとつである。ヨシは根の周囲に鉄プラークを形成して重金属を蓄積することから「rhizofiltration」に使用できる候補植物とされる。本研究調査地である人形峠ウラン鉱山の鉱さいたい積場には1998年からヨシが自然に繁茂している。本研究の結果から、ヨシはFe, Mn, Uを高濃度で節根に蓄積しており、また鉄プラークを形成する節根にもこれらの元素が高濃度蓄積していることが明らかになった。さらにヨシの節根から分離した細菌837株のうち88.6%にシデロフォア産生能が確認された。細菌のシデロフォアにはカテコール基を有するものが多く報告されているが、Feとカテコールあるいはフェノール性化合物の錯体はネットワークを形成することにより沈殿することが知られている。そこで本研究では、ヨシの根周囲の鉄プラーク形成に微生物の産生するシデロフォアが影響するという仮説を立てた。内生細菌${it Pseudomonas}$ spp.や${it Rhizobium}$ spp.の代謝産物にFeイオンを加えたところ沈殿が確認され、これらの細菌の代謝産物としてフェノール性化合物が検出された。以上より、ヨシの根から分離した内生細菌${it Pseudomonas}$ spp.及び${it Rhizobium}$ spp.が産生するシデロフォアはFeと沈殿することで、鉄プラーク形成に影響している可能性が考えられた。また、鉄プラークは植物体外の金属蓄積部位としてヨシの重金属耐性に関与すると考えられることから、内生細菌${it Pseudomonas}$ spp.と${it Rhizobium}$ spp.が間接的にヨシの耐性に貢献している可能性が考えられた。

論文

Development of spin-contrast-variation neutron powder diffractometry for extracting the structure factor of hydrogen atoms

三浦 大輔*; 熊田 高之; 関根 由莉奈; 元川 竜平; 中川 洋; 大場 洋次郎; 大原 高志; 高田 慎一; 廣井 孝介; 森川 利明*; et al.

Journal of Applied Crystallography, 54(2), p.454 - 460, 2021/04

AA2020-0724.pdf:2.05MB

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.63(Chemistry, Multidisciplinary)

山形大学が原子核物理実験用に開発した結晶試料の核スピン偏極技術を、スピンコントラスト偏極中性子回折測定法に展開し、水素核偏極化されたグルタミン酸を用いて粉末結晶試料中の水素の配向および凝集・分散などの構造情報を抽出できることを実証した。

論文

An Experimental setup for creating and imaging $$^{4}$$He$$_{2}$$$$^{ast}$$ excimer cluster tracers in superfluid helium-4 via neutron-$$^{3}$$He absorption reaction

Sonnenschein, V.*; 辻 義之*; 國立 將真*; 久保 渉*; 鈴木 颯*; 富田 英生*; 鬼柳 善明*; 井口 哲夫*; 松下 琢*; 和田 信雄*; et al.

Review of Scientific Instruments, 91(3), p.033318_1 - 033318_12, 2020/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

For the purpose of future visualization of the flow field in superfluid helium-4, clusters of the triplet state excimer $$^{4}$$He$$_{2}$$$$^{ast}$$ are generated along the micro-scale recoil tracks of the neutron-absorption reaction n + $$^{3}$$He $$rightarrow$$ $$^{3}$$T + p. This reaction is induced by neutron irradiation of the $$^{3}$$He fraction contained in natural isotopic abundance liquid helium with neutron beams either from the Japan Proton Accelerator Research Complex, Materials and Life Science Experimental Facility (J-PARC)/Materials and Life Science Experimental Facility or from the Kyoto University Institute for Integrated Radiation and Nuclear Science. These $$^{4}$$He$$_{2}$$$$^{ast}$$ clusters are expected to be ideal tracers of the normal-fluid component in superfluid helium with several advantageous properties. Evidence of the excimer generation is inferred by detection of laser induced fluorescence emitted from the $$^{4}$$He$$_{2}$$$$^{ast}$$ clusters excited by a purpose-built short pulse gain-switched titanium:sapphire (Ti:sa) laser operating at a wavelength of 905 nm. The setup and performance characteristics of the laser system including the Ti:sa and two continuous wave re-pumping lasers are described. Detection at the fluorescence wavelength of 640 nm is performed by using optical bandpass filtered photomultiplier tubes (PMT). Electrical noise in the PMT acquisition traces could successfully be suppressed by post-processing with a simple algorithm. Despite other laser-related backgrounds, the excimer was clearly identified by its fluorescence decay characteristics. Production of the excimer was found to be proportional to the neutron flux, adjusted via insertion of different collimators into the neutron beam. These observations suggest that the apparatus we constructed does function in the expected manner and, therefore, has the potential for groundbreaking turbulence research with superfluid helium.

論文

Generation of $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ clusters via neutron-$$^{3}$$He absorption reaction toward visualization of full velocity field in quantum turbulence

松下 琢*; Sonnenschein, V.*; Guo, W.*; 林田 洋寿*; 廣井 孝介; 広田 克也*; 井口 哲夫*; 伊藤 大介*; 北口 雅暁*; 鬼柳 善明*; et al.

Journal of Low Temperature Physics, 196(1-2), p.275 - 282, 2019/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:4.56(Physics, Applied)

For flow visualization study of quantum turbulence in superfluid $$^{4}$$He, $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ excimers are unique tracers which follow only normal-fluid component flow above 1 K. To generate detectable small $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ clouds (clusters) required for full-space velocity field measurements, we have adopted a new method based on neutron absorption reaction of $$^{3}$$He impurities in $$^{4}$$He and conducted proof-of-principle experiments. Generation of the $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ excimers was detected by laser-induced fluorescence using photomultiplier tubes. The fluorescence was observed to increase proportionally to the neutron flux, suggesting that a sufficient amount of $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ excimers were generated by neutrons. We also estimated the number of $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ excimers possibly generated by $$gamma$$-rays and found that the relevant contribution was less than 40%. Thus, the majority of the $$^{4}$$He$$_2^{*}$$ excimers was confirmed to be generated via n-$$^{3}$$He absorption reactions.

論文

露天採掘場跡地の地下水流動解析及び物質移行解析

福嶋 繁; 坂尾 亮太; 長安 孝明; 小原 義之

平成29年度全国鉱山・製錬所現場担当者会議資源/新素材講演集, p.61 - 66, 2017/06

人形峠鉱山の露天坑水は、鉄濃度が水質汚濁防止法を超過することから、発生源対策を検討する目的で、地下水流動解析や物質移行解析に取組んでいる。本報告では、これまでに得られた地下水流動解析の成果と今後の取組みについて報告する。露天採掘場跡地をモデル化して飽和・不飽和浸透流解析を行った結果、これまでの調査で得られた物性値と実測していない値や境界条件については一般値を用いることで、露天坑水を1m$$^{3}$$/日未満、地下水位を$$pm$$1.5mで整合させることができた。また、このモデルを用いた露天坑水量の低減化予測解析では、露天採掘場跡地の上流側から侵入する地下水を防ぐ遮水壁より、露天平坦部の雨水浸透を抑制する対策工の効果が高いことが分かった。物質移行解析については移流分散解析と化学反応解析に取り組んでおり、今後は、露天採掘場跡地内で起こっている化学反応を解明し、吸着、沈殿、溶解等の作用を考慮した物質移行解析に取組み、その成果を露天坑水の水量・水質の低減化を目的とした対策工の工法選定や設計検討に活用する。

論文

廃砂たい積場覆土措置後の地下水変動

西田 伸穂; 小原 義之; 川本 勉

平成28年度全国鉱山・製錬所現場担当者会議資源/新素材講演集, p.69 - 74, 2016/06

日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターは、鉱山保安法等に基づき、事業休止中の核原料物質鉱山である人形峠鉱山、東郷鉱山の安全対策及び閉山措置(以下「鉱山跡措置という」)に取り組んでいる。鉱山跡措置の取り組みとして、平成23年度から同24年度に鉱さいたい積場のうち、廃砂たい積場で雨水浸透抑制及びラドン散逸抑制効果を確認するとともに、覆土の安定性について検証するため、暗渠設置及び覆土措置を行った。覆土安定性の検証については、廃砂たい積場の覆土措置前後の地下水量の変動を数値解析するとともに、鉱さいたい積場周囲のボーリング孔の水位、廃砂たい積場下流部から流出する湧水の調査を行った結果、地下水量が増加している可能性は高いが、設置した暗渠が十分な排水機能を有しており、地下水位は覆土部まで上昇していないと推定された。よって、現状の覆土構造の安定性に問題ないと考えられるが、今後も鉱さいたい積場周辺のボーリング孔水位、廃砂たい積場下流部の湧水量の監視を継続する。

論文

放射性廃棄物中のウラン238量のコンプトン散乱を用いた定量手法の検証

横山 薫; 秦 はるひ; 長沼 政喜; 小原 義之; 石森 有

Radioisotopes, 64(11), p.687 - 696, 2015/11

ウランの偏在を補正する解析手法(以下、「等価モデル法」と記す。)を開発してきた。等価モデル法では、遮へい効果が異なる2本の$$gamma$$線を使用する。ウラン量の定量では$$^{rm 234m}$$Paから放出される$$gamma$$線(766keV, 1001keV)を用いる。定量誤差は計数率が小さい$$gamma$$線に依存する。定量誤差を低減するため、高い計数率を得る方法を検討した。$$gamma$$線の多くは、放射性廃棄物中でコンプトン散乱を受け、散乱フォトンが発生する。計数率が大きい散乱フォトンを等価モデル法に適用した。等価モデル法にコンプトン散乱の計数率を適用することは有効であった。

論文

Application of support vector machine to rapid classification of uranium waste drums using low-resolution $$gamma$$-ray spectra

秦 はるひ; 横山 薫; 石森 有; 小原 義之; 田中 祥雄; 杉杖 典岳

Applied Radiation and Isotopes, 104, p.143 - 146, 2015/10

 被引用回数:11 パーセンタイル:66.88(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

ウラン廃棄物ドラム缶の内容物に含まれるウランが、天然ウランか回収ウランかを分類する際に、機械学習法の一つであるサポートベクターマシン(SVM)が適用できるか調査を行った。本研究では、NaI(Tl)シンチレーション検出器で取得した12個の訓練用データで機械学習を用い、955個のデータで試験を行った。その結果、元のラベルに対し、4個のデータのみが不正解であった。そのうち1つは、ラベルが間違いのものであり、その他3つはSVMの誤分類であった。SVMは短時間で大量のデータを分類するのに効果的な手法であることが示唆され、スケーリングファクタ法において元のラベルを確認する補助的なツールとして有用だと考えられる。

論文

人形峠鉱山の坑水処理について

長安 孝明; 鳥飼 一吉; 小原 義之; 植地 保文

Journal of MMIJ, 131(6), p.357 - 358, 2015/06

人形峠鉱山は岡山県と鳥取県の県境にあり、瀬戸内海にそそぐ延長約133kmの吉井川の最上流部に位置している。原子燃料公社(現 原子力研究開発機構)は、昭和30年代にウラン鉱床が発見されて以来、ウランの採鉱、製錬転換、濃縮事業が行われてきており、今現在、各施設の廃止措置に向けた試験・調査を進めている状況である。原子力研究開発機構人形峠環境技術センター(以下、センターという。)内には上記で述べた鉱山事業を行う際に掘削した旧坑道が数か所あり、その旧坑道より常時坑水が発生しており、各坑道から発生する坑水は鉱さいたい積場に一時貯留している。一方、岡山県、上斎原村(町村合併により現 鏡野町)と動燃(現 原子力研究開発機構)の間で河川への排出に関する取り決めとして、動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所周辺環境保全等に関する協定書(以下、環境保全協定という。)を締結しており、センターの敷地境界におけるウラン,ラジウム,ふっ素の元素に対してそれぞれ管理目標値を定めている。本稿では、人形峠鉱山における坑水処理の現状について報告する。

論文

廃棄物$$gamma$$線分析システムによるウラン238定量結果の検証

横山 薫; 秦 はるひ; 小原 義之; 長沼 政喜; 杉杖 典岳

Radioisotopes, 63(12), p.559 - 566, 2014/12

原子力施設の廃止措置で発生するウラン系廃棄物を収納したドラム缶中のウラン238($$^{238}$$U)量は、$$gamma$$線測定等を用いて評価される。CANBERRA製のQualitative and Quantitative (Q$$^{2}$$) Low Level Waste Assay Systemsを用い廃棄物ドラム缶を測定した。本装置はウラン線源の均一分布を仮定するが、実廃棄物ドラム缶では均一性は確認されていない。そのため、著者らが開発した線源の偏在を補正する新しい解析手法を用いて評価した結果、ドラム缶中の線源偏在が、本装置の$$^{238}$$U定量値へ与える誤差を評価できた。

論文

焼却灰の燃焼過程シミュレーション

横山 薫; Rong, D.*; 小原 義之

化学工学, 78(11), p.818 - 821, 2014/11

放射性セシウム(Cs)で汚染された都市ごみの焼却処理では、Csは焼却灰に付着し焼却施設内に留まる。被ばく管理の観点から、Csが付着した焼却灰の焼却施設内の分布情報を得るため、既存焼却炉で燃焼解析を行い焼却灰の挙動を評価している。本報告でこの取り組みを紹介する。

報告書

ウラン廃棄物を対象とした非破壊測定装置の運用実績; 続報

長沼 政喜; 小原 義之; 宮本 泰徳*; 村下 達也*; 牧田 彰典*; 野廣 哲也*

JAEA-Technology 2014-012, 11 Pages, 2014/06

JAEA-Technology-2014-012.pdf:1.06MB

日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターでは、平成14年まで、ウラン鉱石からウランを抽出し製錬・転換・濃縮して原子炉の燃料とするための研究開発、および使用済み燃料を再処理して回収したウランを転換・再濃縮する技術開発を行ってきた。この間に発生した放射性廃棄物は、ドラム缶に密封した状態で廃棄物貯蔵庫に保管しているが、平成12年までに発生した廃棄物に関する廃棄物管理情報に統一性がなかった。平成10年頃、主要核物質取扱施設の核物質不明量が保障措置上の課題として国際原子力機関に指摘された。このため、平成12年にQ2低レベル廃棄物ドラム缶測定装置(Q2)を導入し、ウラン量測定を行ってきた。平成19年にQ2に用いている解析システムをOS2システムからwindowsシステムに変更した。変更によって性能は向上したが、OS2システムによって得られた定量値とwindowsシステムによって得られた定量値に差異が生じた。OS2システムで測定したドラム缶をwindowsシステムで再測定すべきか検討したが、現実的に困難と考えられた。今回OS2システムとwindowsシステムのデータを解析し、ウラン量の補正を行う計算方法を検討した。

論文

CANBERRA製; Qualitative and Quantative(Q$$^{2}$$)装置による廃棄物ドラム缶中のウラン放射能定量試験

横山 薫; 秦 はるひ; 小原 義之; 杉杖 典岳

Radioisotopes, 62(11), p.833 - 840, 2013/11

原子力関連施設の廃止措置等に伴って発生するウラン廃棄物の放射能濃度を評価するパッシブ$$gamma$$線測定手法を研究してきた。その結果、$$^{rm 234m}$$Paから放出される2つのエネルギーの$$gamma$$線を用い、廃棄物及びウランが偏在しても放射能濃度を定量可能な測定手法を構築した。本手法は、最終的には既存の$$gamma$$線測定装置に導入することを目標に置いている。このため、CANBERRA製の測定装置; Qualitative and Quantitative (Q$$^{2}$$) Low Level Waste Assay Systemsを用い、本評価手法の適用妥当性を示した。

報告書

ウラン廃棄物を対象とした非破壊測定装置の運用実績

小原 義之; 長沼 政喜; 野廣 哲也*; 吉田 公一*; 牧田 彰典*; 坂手 光男*; 入沢 巧*; 村下 達也*

JAEA-Technology 2012-048, 39 Pages, 2013/03

JAEA-Technology-2012-048.pdf:5.1MB

日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターでは、昭和50年から平成14年まで、ウラン鉱石からウランを抽出し製錬・転換・濃縮して原子炉の燃料とするための研究開発及び使用済燃料を再処理して回収したウランの、転換・再濃縮する技術開発を行ってきた。この間に発生した放射性廃棄物は、ドラム缶に密封した状態でセンターの廃棄物貯蔵庫に約15,000本保管しているが、廃棄物管理情報に統一性がなかった。平成10年頃にセンターの主要核物質取扱施設の核物質不明量(MUF)が保障措置上の課題として国際原子力機関に指摘された。このため、センターでは、平成12年にドラム缶に収納した状態でウラン量を定量することができる米国CANBERRA社製の「Q2低レベル廃棄物ドラム缶測定装置」を導入し、廃棄物ドラム缶の非破壊でのウラン量測定を行ってきた。平成13年から平成23年の間で、廃棄物貯蔵庫に保管している約15,000本の廃棄物ドラム缶について、ほぼ全数の測定を実施した。その結果、廃棄物ドラム缶中の総ウラン量は約20tonと評価された。

論文

Radiation-induced ICAM-1 expression via TGF-$$beta$$1 pathway on human umbilical vein endothelial cells; Comparison between X-ray and carbon-ion beam irradiation

清原 浩樹*; 石崎 泰樹*; 鈴木 義行*; 加藤 弘之*; 浜田 信行*; 大野 達也*; 高橋 健夫*; 小林 泰彦; 中野 隆史*

Journal of Radiation Research, 52(3), p.287 - 292, 2011/03

 被引用回数:15 パーセンタイル:51.22(Biology)

Radiation-induced intercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1) expression on endothelial cells was investigated with the use of an inhibitor of transforming growth factor-beta1 (TGF-$$beta$$1) receptor kinase (SB431542) and the effects of X-ray and carbon-ion beam were compared. Expression of ICAM-1 was increased by X-ray and carbon-ion beam irradiation and decreased significantly with SB431542 after both irradiations. The expression of ICAM-1 by 2 Gy of carbon-ion beam irradiation was 6.7 fold higher than that of non-irradiated cells, while 5 Gy of X-ray irradiation increased the expression of ICAM-1 by 2.5 fold. According to ICAM-1 expression, the effect of carbon-ion beam irradiation was about 2.2, 4.4 and 5.0 times greater than that of the same doses of X-ray irradiation (1, 2 and 5 Gy, respectively). The present results suggested that radiation-induced ICAM-1 expression on human umbilical vein endothelial cells (HUVE cells) was, at least partially, regulated by TGF-$$beta$$1. Carbon-ion beam induced significantly higher ICAM-1 expression than X-ray.

論文

The H-Invitational Database (H-InvDB); A Comprehensive annotation resource for human genes and transcripts

山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.

Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01

 被引用回数:52 パーセンタイル:71.76(Biochemistry & Molecular Biology)

ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。

報告書

超臨界水冷却固体増殖ブランケットシステムの概念検討

榎枝 幹男; 小原 祥裕; 秋場 真人; 佐藤 聡; 秦野 歳久; 古作 泰雄; 黒田 敏公*; 菊池 茂人*; 柳 義彦*; 小西 哲之; et al.

JAERI-Tech 2001-078, 120 Pages, 2001/12

JAERI-Tech-2001-078.pdf:8.3MB

本報告書は、経済的競争力の強化と技術的な堅実さの維持を両立する原型炉ブランケットの概念構築を目的として行われた平成12年度の原型炉ブランケット設計会議での作業内容をとりまとめたものである。平成11年度の核融合会議戦略検討分科会の議論等から、原型炉の果たすべき使命に関して見直しがなされ、経済的な競合性を有する実用炉の原型であり、それと同じ材料と設計を使用して商業的に魅力ある動力炉の原型であるから、原型炉で、実用化に必要な技術はすべて開発し実証する、と結論付けられた。この見直しを受けて、過去数年にわたるプラズマ研究や炉工学技術開発の進展を勘案して、開発目標として再設定をし、原型炉としてA-SSTRで提案された超臨界水冷却方式の固体増殖ブランケットを目標とし、その概念検討を行った。本概念検討の結果、除熱,発電,燃料増殖,遮蔽などの基本的な性能に関して、超臨界水冷却固体増殖ブランケットの実現可能性が示された。また、電磁力に関する検討,超臨界水による腐食防止に関する予備調査,トリチウム生成挙動と回収方式の検討,冷却発電システムの検討,モジュール製作性の検討,遠隔保守着脱機構,交換計画の検討などを行い、今後解決するべき検討課題を明らかにした。

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