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樋川 智洋; 宝徳 忍; 熊谷 友多; 阿部 侑馬*; 小山 幹一*; 深谷 洋行; 伴 康俊; 木田 孝; 長谷川 聡*; 中野 正直*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 63(3), p.322 - 327, 2026/03
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)燃料再処理施設における水素安全に資するため、放射線分解により生成する水素発生に対する温度の影響を調べた。プルトニウム硝酸水溶液の放射線分解による水素発生量を、室温から溶液の沸騰温度までの温度について実験的に取得した。その結果、沸騰条件まで温度を上昇させても有意な水素発生量の上昇は見られなかった。さらに溶液の撹拌が水素生成に与える影響についても検討したところ、室温での静的条件と混合条件の間で水素生成に違いがみられなかった。これらの知見は、溶液の温度上昇や沸騰が水素生成を大幅に増加させないことを示唆しており、重大事故時の水素リスク評価に貢献する。
樋川 智洋; 宝徳 忍; 熊谷 友多; 阿部 侑馬*; 小山 幹一*; 深谷 洋行; 津幡 靖宏; 伴 康俊; 木田 孝; 長谷川 聡*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 7 Pages, 2026/00
被引用回数:0核燃料再処理における安全性評価のため、放射線分解によって生成される水素の温度依存性を調査した。放射線分解で生成される水素は可燃性であり、換気のない閉鎖空間で蓄積されると危険性が高まる。本研究では、実際の使用済み核燃料由来の溶液を用いて水素生成を評価した。従来のプルトニウム硝酸溶液を用いた研究と比較し、照射後の燃料組成を反映したより現実的な条件下での水素生成量を検討している。複数の温度における水素のG値を測定し、PHITSシミュレーションを用いて
線、
線、
線の線量寄与を評価した。その結果、高濃度硝酸および溶解した金属イオンによるラジカル捕捉効果により水素生成量が減少し、温度依存性は小さいことが確認された。撹拌条件下では、温度上昇に伴うG値の緩やかな減少傾向が見られ、これはパラジウム種による水素消費と関連している可能性がある。
大井川 宏之
変革時代の原子力人材; 将来の原子力基盤を支える大学の原子力教育; NSAコメンタリーシリーズ, No.29, p.34 - 39, 2025/09
研究開発機関が求める人材像は、基礎基盤的な研究、プロジェクト開発、施設の運転管理、事務部門と文系学部出身者の4つの範疇で大きく異なる。一方、これらの範疇や所属に束縛されない柔軟性及び流動性と、人材の多様性が研究機関には必要である。価値観が多様化する中、研究機関は、若者によって成長の場として選ばれる存在とならなければならない。
大井川 宏之
低温工学, 60(3), P. 59, 2025/05
「エネルギー基本計画」改定の原案では、超電導技術を駆使する核融合エネルギーは、高速炉、高温ガス炉と並び、次世代革新炉に位置付けられ開発研究を精力的に進めることになっている。また、エネルギー需要を抑制するための省エネや、大容量の蓄電システムの開発においても超電導技術は期待される。さらに、放射性廃棄物の核変換技術においても超電導陽子加速器の開発が期待されている。この他、ウラン・テルル化合物も超電導物質として特徴ある性質を示すことが最近分かってきた。広く連携を活性化してエネルギー問題の解決、地球環境の保全、新たな技術革新の創出などに取り組んでいくことが必要である。
大井川 宏之
日本原子力学会誌ATOMO
, 67(4), P. 248, 2025/04
OECD/NEAが示すジェンダーギャップ克服のための3つの施策(Attract、Retain、Advance)のうち、「Attract」についての考察である。原子力の世界を志す若い女性を増やすには、初等・中等教育段階で、この分野で活躍する女性をアピールすべきである。そのため、原子力科学技術に携わる皆さん(特に女性)には、積極的に社会とかかわり、憧れの存在になるように努力してもらいたい。
大井川 宏之
J-PARC建設; その足跡を辿る, p.341 - 344, 2024/06
J-PARCにおける核変換実験施設の検討経緯について解説する。同施設は核変換物理実験施設とADSターゲット試験施設で構成される概念である。同施設は2000年の国の第三者評価において第2期計画と位置付けられた。それ以降、複数回の国レベルの評価を受けてきたが、未だ着工に至っていない。
大井川 宏之
四季, 59, P. 1, 2023/06
東海村にはJ-PARCとJRR-3という世界有数の中性子科学の研究施設がある。これらの施設が生み出す価値を国民に伝えるため、利用者の皆様には成果をアピールしていただきたい。
2020年9月)与能本 泰介; 中島 宏*; 曽野 浩樹; 岸本 克己; 井澤 一彦; 木名瀬 政美; 長 明彦; 小川 和彦; 堀口 洋徳; 猪井 宏幸; et al.
JAEA-Review 2020-056, 51 Pages, 2021/03
「グレーデッドアプローチに基づく合理的な安全確保検討グループ」は、原子力科学研究部門、安全・核セキュリティ統括部、原子力施設管理部署、安全研究・防災支援部門の関係者約10名で構成され、機構の施設管理や規制対応に関する効果的なグレーデッドアプローチ(安全上の重要度に基づく方法)の実現を目的としたグループである。本グループは、2019年の9月に活動を開始し、以降、2020年9月末までに、10回の会合を開催するとともに、メール等も利用し議論を行ってきた。会合では、グレーデッドアプローチの基本的考え方、各施設での新規制基準等への対応状況、新検査制度等についての議論を行なうとともに、各施設での独自の検討内容の共有等を行っている。本活動状況報告書は、本活動の内容を広く機構内外で共有することにより、原子力施設におけるグレーデッドアプローチに基づく合理的で効果的な安全管理の促進に役立つことを期待し取りまとめるものである。
大井川 宏之
波紋, 31(1), P. 1, 2021/02
原子力科学研究所の研究炉JRR-3は2021年2月の運転再開を目指し、耐震補強工事等を進めてきた。利用者の皆さんには、安全に留意しながら、イノベーション創出を目指してほしい。そのため、安全管理,運営方法,研究者交流などで、改善を図っていきたい。
大井川 宏之
放計協ニュース, (65), P. 1, 2020/04
原子力機構では目指す研究開発の方向性を将来ビジョン「JAEA2050+」としてまとめ、2019年10月に発表した。この中で、原子力機構は、脱炭素社会の実現とエネルギーの安定確保に貢献するとともに、原子力以外の分野との連携を通じて、社会の様々なイノベーションを誘発することを目指すとしている。これを受け、原子力科学研究所でも、JRR-3とJ-PARCを使った中性子利用によるイノベーションの創出、原子力のエネルギー利用に係る安全性のさらなる向上とバックエンド対策の負担軽減、さらに、これまでの原子力の範疇に収まりきらないような新たな芽を生み出すための取組を進めていく。
大井川 宏之; 脇本 秀一
電気評論, 103(2), p.50 - 65, 2018/02
日本原子力研究開発機構は、わが国唯一の総合的な原子力の研究開発機関として、原子力による新しい科学技術や産業の創出を目指して基礎研究、応用研究からプロジェクト研究開発に至るまで幅広い研究開発を行ってきた。平成29年3月には、施設の集約化・重点化、安全確保、バックエンド対策を三位一体とした「施設中長期計画」、研究開発成果の社会還元とイノベーション創出につなげるための基本的な取り組み方針である「イノベーション創出戦略」、国際協力を実施するにあたっての指針となる「国際戦略」を策定・公表し、より一層の成果創出に向けた取り組みを開始したところである。本稿では、機構における平成29年度の研究開発の主な成果を中心に、現状と今後の展望を紹介する。
大井川 宏之; 脇本 秀一
電気評論, 102(2), p.46 - 61, 2017/02
日本原子力研究開発機構は、平成27年度から国立研究開発法人の指定を受け、第3期中長期計画を開始し、わが国唯一の総合的原子力研究開発機関として、原子力による新しい科学技術や産業の創出を目指して基礎研究、応用研究からプロジェクト開発的研究に至るまで幅広い研究開発を行ってきた。特に、科学的技術的専門性を最大限に活用して、東京電力福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興に向けた取り組み、原子力安全研究、核燃料サイクル技術の確立を目指した研究開発、放射性廃棄物処理に関わる研究等を重点的に実施すべき業務として進めてきた。平成28年4月に量子ビーム応用研究の一部および核融合研究開発を量子科学技術研究開発機構へ移管し、核分裂エネルギー関連分野を中心に原子力機構の業務の重点化を図り、効率的・効果的な組織運営を開始したところである。本稿では原子力機構における平成28年度の研究開発の主な成果を中心に、現状と今後の展望を紹介する。
大井川 宏之
エネルギーレビュー, 36(10), p.10 - 11, 2016/10
原子力機構は、原子力に係る諸問題の解決や、より高度な原子力利用の可能性開拓を目指し、福島第一原子力発電所事故への対処、原子力の安全性の向上、高速炉技術と核燃料サイクルの確立、原子力のバックエンド対策、基礎基盤研究と人材育成など、幅広い原子力の研究開発に取り組んでいる。今後、他の国立研究開発法人, 大学, 企業等との連携を強化しつつ、我が国全体としての成果の最大化を図り、日本発のイノベーション創出に貢献していきたい。
大井川 宏之
放射性廃棄物減容化・有害低減の技術開発; 核種分離・転換; NSAコメンタリーシリーズ, No.22, p.38 - 50, 2016/03
加速器駆動システム(ADS)は、マイナーアクチノイド(MA)燃料で構成した未臨界炉心と大強度陽子加速器で駆動する核破砕中性子源を組み合わせたハイブリッドシステムであり、高レベル放射性廃棄物中のMAを効率よく変換することを目的とする。熱出力800MWのADSで電気出力1GWの軽水炉10基で生成するMAを核変換することができる。ADSの実現には、大強度加速器、核破砕ターゲット、未臨界炉心、MA燃料サイクルなどの分野で技術課題が存在し、原子力機構では、国際協力も活用しつつ、これらの解決に向けた研究開発に取り組むとともに、J-PARCを用いた新たな実験計画を検討している。
大井川 宏之
原子力年鑑2016, p.133 - 135, 2015/10
加速器駆動システム(ADS)は、未臨界炉と、大強度陽子加速器で駆動する核破砕中性子源を組み合わせたハイブリッドシステムであり、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチノイドを効果的に変換することを目的とする。原子力機構はADSの研究開発を進めており、その一環として、J-PARCに核変換実験施設を建設する計画を持っている。
辻本 和文; 佐々 敏信; 前川 藤夫; 松村 達郎; 林 博和; 倉田 正輝; 森田 泰治; 大井川 宏之
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.657 - 663, 2015/09
原子力エネルギーを持続的に利用していくための最も重要な課題の一つは高レベル放射性廃棄物(HLW)の取扱である。分離変換技術は、HLWの潜在的有害度やHLWの地層処分に関する管理負担を低減有効であると考えられ、原子力機構ではHLW中の長寿命核種の核変換システムの一つとして加速器駆動核変換システム(ADS)を用いた階層型分離変換システムの各構成要素に対する研究開発を行ってきている。原子力機構が提案しているADSは、熱出力800MWの液体鉛ビスマス冷却システムであり、燃料にはマイナーアクチノイドを主成分とした窒化物燃料を想定している。ADS及び関連する燃料サイクル技術(MA分離、ADS用窒化物燃料の製造及び再処理)の実現には多くの解決すべき技術課題があり、これらの技術開発課題に関して、原子力機構では様々な研究開発を実施している。本発表では、原子力機構における研究開発の現状及び将来計画について報告する。
佐々 敏信; 武井 早憲; 斎藤 滋; 大林 寛生; 西原 健司; 菅原 隆徳; 岩元 大樹; 山口 和司; 辻本 和文; 大井川 宏之
NEA/CSNI/R(2015)2 (Internet), p.85 - 91, 2015/06
福島第一原子力発電所の事故以降、核変換技術が放射性廃棄物処理に有効な技術として注目されている。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、マイナーアクチノイド(MA)の核変換を行うための、鉛ビスマス(Pb-Bi)を核破砕ターゲット及び冷却材に使用する加速器駆動システム(ADS)を提案している。ADSの設計に不可欠なデータを取得するため、原子力機構ではJ-PARC計画の中で核変換実験施設(TEF)の建設を検討している。TEFは400MeV-250kWのPb-Bi核破砕ターゲットを持つADSターゲット試験施設(TEF-T)及び低出力の陽子ビームでMA燃料を装荷した炉心を駆動する核変換物理実験施設(TEF-P)から構成する。TEF-Tでの主な研究項目として、ADS構造材候補の照射試験、Pb-Biターゲットの運転試験及び陽子ビーム窓の寿命を決めるための実験を実施する。ターゲットが定格出力で運転される際には、ターゲット周辺に高速中性子場が形成されるため、これを多目的に利用することも検討している。基礎物理研究や核データ測定などの実験が提案されており、実験ホールの配置概念の検討を進めている。報告では、ADS核変換を実現するためのロードマップとともに、TEF建設のための設計研究活動を報告する。
大井川 宏之
NEA/NSC/R(2015)2 (Internet), p.37 - 43, 2015/06
文部科学省は加速器駆動核変換システム(ADS)を用いた分離変換技術の研究開発状況を評価するための作業部会を立ち上げ、2013年11月に中間とりまとめを公開した。これまで、ADSを用いた階層型分離変換技術の概念は、高速増殖炉利用型のバックアップ的な位置づけであったが、作業部会ではこの技術についても基礎研究段階から原理実証段階に移行すべきとした。J-PARCの核変換実験施設については、次のステージに向けて進むことが適当としたが、建設までにはさらに技術評価が必要である。群分離や核変換用燃料技術についても整合性のとれた研究開発を進めることが必要であり、全体的なロードマップについて議論がなされた。
菅原 隆徳; 西原 健司; 佐々 敏信; 辻本 和文; 田澤 勇次郎; 大井川 宏之
JAEA-Technology 2014-044, 59 Pages, 2015/03
J-PARCにおいて建設が計画されている核変換物理実験施設(TEF-P)は、低出力の臨界集合体であるが、高い発熱・放射能を有するマイナーアクチノイド(MA)を含んだ燃料を多量に取り扱うことを想定している。本報ではTEF-Pで使用を想定しているMA燃料の貯蔵、移送、装荷の各段階に対して、取扱い概念を検討し、臨界性、線量率、冷却性を評価した。臨界安全性については、貯蔵、移送、装荷の各段階で十分に低い実効増倍率となることがわかった。線量率に関しては、線量の高い作業を抽出し、これらの作業に遠隔操作を取り入れることで、十分に作業者の被ばく量を低減できる見通しを得た。除熱性については、通常運転時には十分に低い温度に保てることが示されたが、貯蔵室及び炉心装荷時に、貯蔵室空調あるいは炉心冷却ブロアが長期間停止した場合には燃料破損の恐れがあり、それに対する対策が必要なことを明らかにした。
大井川 宏之
日本原子力学会誌ATOMO
, 57(1), p.4 - 5, 2015/01
原子力バックエンドを原子力の研究開発の最も重要な課題と位置づけ、「バックエンド・フロンティア」と称して原子力の研究開発資源を集中的に投入することを提案する。高レベル放射性廃棄物(HLW)に関する分野では、再処理に付加する群分離処理技術、長寿命核種の核変換処理技術、発生する新たな廃棄体の処分技術に取り組む。原子力施設の運転や解体で発生する低レベル放射性廃棄物(LLW)に関する分野では、放射性廃棄物の発生を抑制する解体技術、多種多様な廃棄物の廃棄体化処理技術、LLWの処分技術に取り組む。両分野を総合して最も合理的に安全確保が可能な方法を考案することが重要である。