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論文

Three-dimensional bulk Fermi surfaces and Weyl crossings of Co$$_2$$MnGa thin films underneath a protection layer

河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 吉川 智己*; Wang, X.*; 角田 一樹; 室 隆桂之*; 後藤 一希*; 桜庭 裕弥*; 梅津 理恵*; 木村 昭夫*

Physical Review B, 104(19), p.195112_1 - 195112_8, 2021/11

軟X線放射光を用いた角度分解光電子分光法を、1nmのAlキャッピング層を有するホイスラー型Co$$_2$$MnGa薄膜に適用した。バルクのフェルミ面とバンド構造は、表面処理を行っていないにもかかわらず、3次元の結晶構造に由来する面外方向の運動量に沿って変化していた。さらに、フェルミ準位付近に交点を持つ特徴的な交差バンド(ワイルコーン)が存在し、計算結果と一致していた。ワイルコーンはバルク由来のもので、高い異常ネルンスト係数と異常ホール係数の原因となっている。Co$$_2$$MnGeとCo$$_2$$MnGaのバンド構造を詳細に比較した結果、両合金とも剛体バンド描像が有効であり、異常伝導性を改善するためにGaをGeに置き換えることでキャリアの微調整が可能であることが示された。

論文

Spin-polarized Weyl cones and giant anomalous Nernst effect in ferromagnetic Heusler films

角田 一樹; 桜庭 裕弥*; 増田 啓介*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 後藤 一希*; Zhou, W.*; 宮本 幸治*; 三浦 良雄*; 奥田 太一*; et al.

Communications Materials (Internet), 1, p.89_1 - 89_9, 2020/11

Weyl semimetals are characterized by the presence of massless band dispersion in momentum space. When a Weyl semimetal meets magnetism, large anomalous transport properties emerge as a consequence of its topological nature. Here, using in-situ spin- and angle-resolved photoelectron spectroscopy combined with ab initio calculations, we visualize the spin-polarized Weyl cone and flat-band surface states of ferromagnetic Co$$_2$$MnGa films with full remanent magnetization. We demonstrate that the anomalous Hall and Nernst conductivities systematically grow when the magnetization-induced massive Weyl cone at a Lifshitz quantum critical point approaches the Fermi energy, until a high anomalous Nernst thermopower of $$sim$$6.2 $$mu$$VK$$^{-1}$$ is realized at room temperature. Given this topological quantum state and full remanent magnetization, Co$$_2$$MnGa films are promising for realizing high efficiency heat flux and magnetic field sensing devices operable at room temperature and zero-field.

論文

Unveiling spin-dependent unoccupied electronic states of Co$$_{2}$$MnGe (Ga) film via Ge (Ga) $$L_{2,3}$$ absorption spectroscopy

吉川 智己*; Antonov, V. N.*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 角田 一樹; 宮本 幸治*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 後藤 一希*; 桜庭 裕弥*; et al.

Physical Review B, 102(6), p.064428_1 - 064428_7, 2020/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

X-ray absorption spectroscopy (XAS) and X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) spectroscopy were applied at the Ge (Ga) $$L_{2,3}$$ edge to unravel the spin-resolved unoccupied electronic states of Co$$_{2}$$MnGe (Ga). Complicated spectral features were observed in both XAS and XMCD spectra. For their interpretation, we compared the experimental XAS and XMCD spectra with the calculated Ge (Ga) 4$$s$$ and 4$$d$$ orbital partial density of states. The comparison enabled a qualitative explanation of the XMCD spectra as the difference between the majority and minority-spin unoccupied density of states summed over the 4$$s$$ and 4$$d$$ orbitals. Our finding provides a new approach to uncover the spin-split partial density of states above the Fermi level.

論文

Element-specific density of states of Co$$_{2}$$MnGe revealed by resonant photoelectron spectroscopy

河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 吉川 智己*; Wang, X.*; 角田 一樹*; 宮本 幸治*; 室 隆桂之*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 後藤 一希*; et al.

Physical Review B, 100(16), p.165120_1 - 165120_6, 2019/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:22.92(Materials Science, Multidisciplinary)

Resonant photoelectron spectroscopy at the Co and Mn 2${it p}$ core absorption edges of half-metallic Co$$_{2}$$MnGe has been performed to determine the element-specific density of states (DOS). A significant contribution of the Mn 3${it d}$ partial DOS near the Fermi level ($$E_{F}$$) was clarified by measurement at the Mn 2${it p}$ absorption edge. Further analysis by first-principles calculation revealed that it has $$t_{2g}$$ symmetry, which must be responsible for the electrical conductivity along the line perpendicular to the film plane. The dominant normal Auger contribution observed at the Co 2${it p}$ absorption edge indicates delocalization of photoexcited Co 3${it d}$ electrons. The difference in the degrees of localization of the Mn 3${it d}$ and Co 3${it d}$ electrons in Co$$_{2}$$MnGe is explained by the first-principles calculation.

論文

Spin pumping efficiency from half metallic Co$$_2$$MnSi

中堂 博之; 安藤 和也*; 斉藤 今朝美*; 岡安 悟; 春木 理恵; 桜庭 裕弥*; 安岡 弘志; 高梨 弘毅; 齊藤 英治

Journal of Applied Physics, 109(7), p.073915_1 - 073915_4, 2011/04

 被引用回数:16 パーセンタイル:59.6(Physics, Applied)

スピン流の生成及び制御は、スピントロニクス研究分野の基本技術として重要である。近年、強磁性共鳴(FMR)を利用したスピンポンピングがスピン流を生成する手段としてスピントロニクスの基礎,応用研究に広く用いられるようになってきた。本研究では、強磁性材料として高スピン偏極Co$$_2$$MnSi(CMS)に着目し、スピンポンピング実験を行った。測定に用いた試料は単結晶CMS/Ptヘテロ構造薄膜である。CMS層で生成されたスピン流はPt層の逆スピンホール効果によって電流に変換されるので、電極間に生じた起電力を測定しCMSのスピン変換効率を見積もる。測定の結果、FMR共鳴磁場で起電力が最大になっており、磁場方向を反転させると起電力の符号は反転する。このことは逆スピンホール効果の幾何的要因を反映しており、CMSのスピンポンピングで生成されたスピン流がPt層に注入されたことを示唆している。見積もられたスピン変換効率はパーマロイより小さいことがわかった。このことから、スピン変換効率はバルクの分極率ではなく、界面の分極率が重要であると考えられる。

口頭

Co$$_2$$MnSiにおけるスピンポンピング

中堂 博之; 安藤 和也*; 斉藤 今朝美*; 岡安 悟; 春木 理恵; 桜庭 裕弥*; 安岡 弘志; 高梨 弘毅; 齊藤 英治

no journal, , 

スピン流の生成及び制御は、スピントロニクス研究分野の基本技術として重要である。近年、強磁性共鳴(FMR)を利用したスピンポンピングがスピン流を生成する手段としてスピントロニクスの基礎、応用研究に広く用いられるようになってきた。本研究では、強磁性材料として高スピン偏極Co$$_2$$MnSi(CMS)に着目し、スピンポンピング実験を行った。測定に用いた試料は単結晶CMS/Ptヘテロ構造薄膜である。CMS層で生成されたスピン流はPt層の逆スピンホール効果によって電流に変換されるので、電極間に生じた起電力を測定しCMSのスピン変換効率を見積もる。測定の結果、FMR共鳴磁場で起電力が最大になっており、磁場方向を反転させると起電力の符号は反転する。このことは逆スピンホール効果の幾何的要因を反映しており、CMSのスピンポンピングで生成されたスピン流がPt層に注入されたことを示唆している。スピン変換効率はパーマロイより小さいことがわかった。このことから、スピン変換効率はバルクの分極率ではなく、界面の分極率が重要であると考えられる。

口頭

UHV-CVD growth of graphene for spintronic applications

圓谷 志郎; 松本 吉弘; 大伴 真名歩; 桜庭 裕弥*; Avramov, P.; 楢本 洋*; 高梨 弘毅; 境 誠司

no journal, , 

In this study, the process of the ultrahigh vacuum chemical vapor deposition (UHV-CVD) growth of graphene on Ni(111) films was investigated using in-situ spectroscopes. It is successfully shown that single-layer and bilayer graphenes can be synthesized by the control of benzene exposure in the range of 10-100000 langumuirs reflecting a change in the growth rate by three orders of magnitude in between the first and second graphene layer on the Ni(111) surface. Ex-situ micro-Raman analysis on the large area graphene sheet transformed on a SiO$$_{2}$$ substrate makes it clear that, in contrast to exfoliated graphene, an atomically and electrically uniform graphene sheet can be obtained by precisely adjusting the exposure amount as the growth of the respective graphene layers are completed. The present results demonstrate that the UHV-CVD method enables the growth of highly uniform graphene which would be necessary for controlling the spin transport process including the realization of a long spin diffusion length in the graphene-based spintronic devices beyond the limits of exfoliated graphene.

口頭

スピン偏極陽電子消滅を用いたホイスラー合金Co$$_{2}$$MnSiの偏極率測定の試み

河裾 厚男; 桜庭 裕弥*; 深谷 有喜; Zhang, H.; 前川 雅樹; 望月 出海; 高梨 弘毅*

no journal, , 

スピン偏極陽電子消滅法を用いて、ホイスラー合金の電子偏極率の決定を試みている。物質表面近傍に注入された陽電子はフェルミ面近傍の電子と結合し、ポジトロニウム(Ps)として真空外に放出される。スピン三重項のポジトロニウム(オルソ(o-Ps)と呼ぶ)の生成割合がわかれば、電子の偏極率を決定できる。MgO(001)基板上のCrとAgバッファ層の上に成膜したCo$$_{2}$$MnSiの表面に酸化防止のためのAuキャップ層(0.5nm)を堆積させ、o-Ps生成量の磁場反転効果を計測した。その結果、0.26程度の電子偏極率が得られた。この結果は、Auキャップ層によりCMS表面をカバーすることで、より多くの陽電子が偏極電子と結合することを示唆している。しかしながら、得られた電子偏極率はアンドレーフ反射などから得られる値の半分以下であるため、今後は清浄表面を用いた測定が必要である。

口頭

分子スピントロニクスの創製のためのナノカーボン材料の物性及び分光研究

境 誠司; 松本 吉弘; 圓谷 志郎; 大伴 真名歩; Sorokin, B. P.*; Avramov, P.; 楢本 洋*; 桜庭 裕弥*; 高梨 弘毅

no journal, , 

近年、有機分子やナノカーボン物質を用いた分子スピントロニクスが注目されている。発表者らはナノカーボン物質と磁性金属との界面に着目し、分光手法を用いることにより同界面の電子・スピン状態を明らかにしてきた。これらの成果をもとにスピン素子を設計し、スピン輸送特性の探索を行っている。今回、C$$_{60}$$-磁性金属グラニュラー薄膜及びグラフェンに関するスピン輸送特性・スピン分光の研究成果を発表する。C$$_{60}$$-磁性金属グラニュラー薄膜では、巨大トンネル磁気抵抗効果を示すことを明らかにし、同効果がC$$_{60}$$-磁性金属化合物/磁性金属微結晶界面における伝導電子の高スピン偏極率に起因することを明らかにした。また、グラフェン/磁性金属界面では、単層グラフェンと2層以上のグラフェンにおいて、磁性金属との界面相互作用が異なることを明らかにした。

口頭

スピン偏極陽電子ビームによるホイスラー系ハーフメタルの偏極率評価

河裾 厚男; 桜庭 裕弥*; Zhang, H.; 前川 雅樹; 深谷 有喜; 高梨 弘毅*

no journal, , 

ホイスラー合金はハーフメタルの有力候補と期待されており、その偏極率の決定が重要な課題となっている。金属表面では、陽電子はフェルミレベル近傍の電子とポジトロニウムを形成する。このとき、パラ・オルソの生成比は、陽電子と電子のスピン偏極率に依存する。この性質を利用すると、金属表面電子の偏極率が決定できる可能性がある。われわれは、この方法を用いて、ホイスラー合金の偏極率決定を試みている。$$^{68}$$Ge-$$^{68}$$Gaを陽電子源として、縦スピン偏極した低速陽電子ビームを形成し、永久磁石によって磁化させたフルホイスラー合金(Co$$_{2}$$MnSi薄膜、表面に酸化防止Auキャップ層を二原子層積層)表面のポジトロニウムの三光子消滅強度をドップラー拡がり法により計測した。陽電子のスピン偏極方向に対して、印加磁場方向を入れ替えると、三光子消滅強度が変化することが見いだされた。これは、磁場印加により表面の余剰スピンの方向が変化しているためと考えられる。三光子消滅強度の変化量から、電子偏極率は約7%と求められた。この値は、Co$$_{2}$$MnSiに対して期待される電子偏極率としては明らかに低く、Auキャップ層の影響などが考えられる。

口頭

Positron annihilation spectroscopy as a probe for spintronics; Hope to the first principles calculation

河裾 厚男; 前川 雅樹; 深谷 有喜; 桜庭 裕弥*; 齊藤 英治; 高梨 弘毅*

no journal, , 

スピン偏極陽電子消滅法は、強磁性電子運動量分布や最表面電子スピンの検出に利用することができる。この観点から、スピン偏極陽電子消滅法のスピントロニクス研究への応用の可能性を模索する。講演では、スピン陽電子消滅法の基礎理論と古典的な強磁性体の測定例について紹介した後、電流誘起表面スピン蓄積の検出実験に関する最新のデータを示し、実験の立場から第一原理計算への期待を述べる。

口頭

Co$$_2$$MnGa薄膜におけるスピン偏極ワイル分散と巨大異常ネルンスト効果の観測

角田 一樹; 桜庭 裕弥*; 増田 啓介*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 後藤 一希*; Zhou, W.*; 宮本 幸治*; 三浦 良雄*; 奥田 太一*; et al.

no journal, , 

異常ネルンスト効果は強磁性体に熱流を流した際に、温度勾配と磁化の外積方向に電場が生じる現象である。これまで、異常ネルンスト効果による熱電能は磁化の大きさに比例すると考えられてきたが、近年、反強磁性体を含むいくつかの磁性材料でこの経験則が破綻していることが明らかになってきた。特に強磁性ホイスラー合金Co$$_2$$MnGaの室温における熱電能は約6.0$$mu$$V/Kに達しており、Feなどの典型的な強磁性体の約10倍の大きさに匹敵する。このような巨異常ネルンスト効果には、フェルミ準位近傍のトポロジカルに非自明な電子構造が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、組成比を緻密に制御したCo$$_2$$MnGa薄膜に着目し、スピン・角度分解子電子分光,熱輸送測定,第一原理計算を行うことで異常ネルンスト効果による熱電能と電子構造の対応関係を解明した。

口頭

強磁性Co$$_2$$MnGa薄膜におけるスピン偏極ワイル分散と巨大異常ネルンスト効果の観測

角田 一樹; 桜庭 裕弥*; 増田 啓介*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 後藤 一希*; Zhou, W.*; 宮本 幸治*; 三浦 良雄*; 奥田 太一*; et al.

no journal, , 

異常ネルンスト効果は強磁性体に熱流を流した際に、温度勾配と磁化の外積方向に電場が生じる現象である。これまで、異常ネルンスト効果による熱電能は磁化の大きさに比例すると考えられてきたが、近年、反強磁性体を含むいくつかの磁性材料でこの経験則が破綻していることが明らかになってきた。特に強磁性ホイスラー合金Co$$_2$$MnGaの室温における熱電能は約6.0$$mu$$V/Kに達しており、Feなどの典型的な強磁性体の約10倍の大きさに匹敵する。このような巨異常ネルンスト効果には、フェルミ準位近傍のトポロジカルに非自明な電子構造が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、組成比を緻密に制御したCo$$_2$$MnGa薄膜に着目し、スピン・角度分解子電子分光,熱輸送測定,第一原理計算を行うことで異常ネルンスト効果による熱電能と電子構造の対応関係を解明した。

口頭

Co$$_2$$MnGa薄膜におけるスピン偏極ワイル分散と巨大異常ネルンスト効果

角田 一樹; 桜庭 裕弥*; 増田 啓介*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 後藤 一希*; Zhou, W.*; 宮本 幸治*; 三浦 良雄*; 奥田 太一*; et al.

no journal, , 

異常ネルンスト効果は強磁性体に熱流を流した際に、温度勾配と磁化の外積方向に電場が生じる現象である。これまで、異常ネルンスト効果による熱電能は磁化の大きさに比例すると考えられてきたが、近年、反強磁性体を含むいくつかの磁性材料でこの経験則が破綻していることが明らかになった。特に強磁性ホイスラー合金Co$$_2$$MnGaの室温における熱電能は約6.0$$mu$$V/Kに達しており、Feなどの典型的な強磁性体の約10倍の大きさに匹敵する。このような巨大異常ネルンスト効果には、フェルミ準位近傍のトポロジカルに非自明な電子構造が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、異常ネルンスト効果による熱電能と電子構造の対応関係を明らかにするため、組成比を緻密に制御したCo$$_2$$MnGa薄膜に対してスピン・角度分解光電子分光,熱輸送測定,第一原理計算を行った。その結果、フェルミ準位近傍にスピン偏極した複数のワイルコーンが存在していることが実験的に明らかとなった。第一原理計算との比較により、これらのワイルコーンが波数空間上で巨大な仮想磁場(ベリー曲率)を生み出す源となっていることを突き止め、電子構造と熱電能の対応関係を明らかにした。

口頭

ホイスラー合金Co$$_2$$MnSi薄膜におけるスピン偏極電子構造の温度依存性の観測

角田 一樹; 鹿子木 将明*; 桜庭 裕弥*; 増田 啓介*; 河野 嵩*; 後藤 一希*; 宮本 幸治*; 三浦 良雄*; 宝野 和博*; 奥田 太一*; et al.

no journal, , 

Co$$_2$$MnSiは少数スピン状態にギャップが開いており、多数スピンのみが伝導に寄与するハーフメタル強磁性体であることが理論的に予測されている。実際、Co$$_2$$MnSiを用いたトンネル磁気抵抗素子では2000%もの巨大な出力が報告されている。しかし、巨大磁気抵抗比は低温でのみ観測されており、室温では出力が300%程度に低下することが問題となっている。室温における性能低下の要因は、電子間相互作用に起因した多体効果や熱励起マグノンによる影響などいくつか理論的モデルが提唱されているが、低温から室温までのスピン偏極率を調べる実験手法が限られることから、有限温度におけるスピン偏極率低下のメカニズムは未解明のままである。本研究では、Co$$_2$$MnSi薄膜についてスピン・角度分解光電子分光を行い、バンド分散およびスピン偏極率の温度変化を詳細に追跡した。フェルミ準位近傍ではハーフメタル性を担うバルクバンドと、スピン偏極した表面バンドが混在していることが明らかとなった。また、スピン偏極率は温度の上昇に伴って低下しており、マグノンの熱励起を記述するブロッホの$$T^{3/2}$$則によって現象をよく説明できることが明らかになった。

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