Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
尾上 博則*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 澤田 淳
NUMO-TR-24-01; 技術開発成果概要2022, p.113 - 117, 2024/05
地層処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が、日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめとする関係研究機関及び大学との共同研究等により実施した2022年度の技術開発成果の概要を取りまとめ、報告する。本報告は、NUMOとJAEAの共同研究「ニアフィールドシステムの状態変遷に伴うバリア材及び核種の長期挙動評価のための研究」で2022年度に実施した割れ目ネットワークを対象とした物質移行モデルの妥当性評価に関する成果についての概要をまとめたものである。
澤田 淳; 坂本 和彦*; 綿引 孝宜*; 今井 久*
SKB P-17-06, 154 Pages, 2023/08
An aim of Task 8, which was 8th modeling task of the SKB Task Forces on Groundwater Flow and Transport of Solutes, was to improve the knowledge of the bedrock-bentonite interface with regard to groundwater flow, mainly based on a set of data obtained by Bentonite Rock Interaction Experiment (BRIE) at sp. JAEA had developed an approach to Task 8 assuming that the discrete features dominate the delivery of groundwater to the bentonite columns emplaced into the vertically drilled boreholes from TASO tunnel floor, resulting in heterogeneous bentonite wetting behavior. This assumption was implemented as a FracMan Discrete Fracture Network (DFN) model for groundwater flow. Due to the assumption, no permeable rock matrix was implemented. The variability and uncertainty of this stochastic "HydroDFN" model was constrained by conditioning the model to match measured fracture location and orientation, and specific capacity (transmissivity) data observed at five probe boreholes. Groundwater from the HydroDFN being delivered to the bentonite columns, was modeled using Thames code with implementing a specific feature at the interface between the fractured rock mass and the bentonite. This modeling approach and the assumption of fracture dominated bentonite wetting appears to be able to provide a reasonable approximation to the observed heterogeneous bentonite wetting behavior of BRIE. We would suggest that a systematic investigation at pilot holes, including both geological mapping of the fractures and also testing of the hydraulic properties, might be required to get more practical prediction of heterogeneous wetting behavior in bentonite, as observed in BRIE.
鐵 桂一*; 高山 裕介; 澤田 淳
JAEA-Research 2022-005, 84 Pages, 2022/08
高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全性の評価として、核種移行の評価が行われている。亀裂性岩盤を対象とした核種移行評価では、亀裂を平行平板で近似した解析モデルが主に使われている。しかし実際の岩盤中の亀裂は平行平板とは異なり、亀裂表面の粗さや亀裂内の充填物等の存在などの複雑な形状を呈している。このように不均質な形状を持つ亀裂を平行平板のモデルに近似するにあたり、透水量係数や亀裂開口幅などのパラメータ値をどのように設定するかが課題となっている。このような課題の解決策のひとつとして、実際の岩盤中の亀裂の幾何学的な特徴を調査することが挙げられる。本研究では、交差亀裂を含む亀裂の幾何学的な特徴の理解を目的とし、天然の交差亀裂を有する50cmスケールの花崗閃緑岩に対して平面研削する手法を用い、内部の亀裂形状を詳細に測定した。これより亀裂の亀裂幅(亀裂内の充填物を含む亀裂表面間の距離)、亀裂開口幅(亀裂内の充填物を含まない空隙のみの幅)、亀裂表面の形状(亀裂幅と亀裂幅の位置座標より算出した亀裂表面の位置座標)を取得した。また得られたデータより、亀裂幅の平均値や亀裂表面の粗さ、亀裂開口幅の分布などの特性を評価した。その結果、亀裂交差部近傍の亀裂の一つが、亀裂交差部を含む他の亀裂部に比べ亀裂幅、亀裂開口幅が特に大きいことが確認できた。これらのことから、本研究で用いた岩体試料では、最も透水性の高い透水経路は亀裂交差部そのものではなく、亀裂交差部近傍の亀裂開口幅が特に大きい特定の亀裂であると推測した。
Park, Y.-J.*; 澤田 淳; 小堤 健紀*; 田中 達也*; 橋本 秀爾*; 森田 豊*
Proceedings of 3rd International Conference on Discrete Fracture Network Engineering (DFNE 2022) (Internet), 8 Pages, 2022/00
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価には地層中の長期にわたる地下水流動と核種移行プロセスの把握が求められる。沿岸部地下環境において、地下水流動は海水起源の塩水と陸水起源の淡水の密度差による複雑な相互作用の影響を受ける。加えて、数百万年の長期においては、海進・海退に伴う海水準変動の影響を受ける。本研究では、そのような沿岸域における亀裂性の結晶質岩を対象とした処分場の地下水流動と核種移行を評価するため、塩分濃度と地下水流速などの地下水環境の長期的な変遷を評価するための広域スケールとブロックスケールを組み合わせた評価フレームを構築した。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:44 パーセンタイル:96.99(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
佐藤 久*; 澤田 淳; 高山 裕介
JAEA-Research 2020-012, 37 Pages, 2020/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価において、亀裂の透水や物質移行に関するパラメータを設定する際には、実際の亀裂の透水特性や物質移行特性を十分に理解していることが重要である。亀裂の透水特性や物質移行特性は亀裂の間隙構造の影響を受ける。そのため、亀裂を対象に水理試験を実施するだけではなく、亀裂の間隙構造に基づいた亀裂の透水や物質移行特性の評価を行う必要がある。しかし、亀裂の間隙構造が亀裂の水理特性に与える影響を評価した例は限られている。その要因として、水理試験を実施した際の亀裂の間隙構造を保持した、亀裂開口部の3次元形状データを取得することが困難であることが挙げられる。そこで本研究では、亀裂の表面形状データから亀裂の3次元的な間隙構造を取得する技術を開発するとともに、その技術を用いた亀裂の3次元的な間隙構造データと水理試験結果のデータセットを取得することを目的とする。具体的には、実際の亀裂を型として作製した透明な亀裂のレプリカ試料を対象に、座標を厳密に設定して測定した亀裂表面形状データから亀裂の3次元的な間隙構造データを取得する手法を構築し、その適用を試みた。また、同試料を対象に透水試験や筆者らがこれまでに整備してきた光学的な測定手法を用いたトレーサー試験を実施し、亀裂の透水特性や物質移行特性を示すデータを取得した。取得した亀裂の3次元的な間隙構造データの妥当性を評価するために、他の異なる方法で得た開口幅の平均値と比較した。その結果、亀裂の間隙構造データから得られた開口幅は、互いに異なる複数の方法で得られた開口幅の平均値とほぼ一致したことから、本試験で得られたデータの妥当性が確認できた。
Finsterle, S.*; Lanyon, B.*; kesson, M.*; Baxter, S.*; Bergstrm, M.*; Bockgrd, N.*; Dershowitz, W.*; Dessirier, B.*; Frampton, A.*; Fransson, .*; et al.
Geological Society, London, Special Publications, No.482, p.261 - 283, 2019/00
被引用回数:9 パーセンタイル:69.73(Geology)放射性廃棄物地層処分の信頼性は廃棄体パッケージとその周辺のベントナイトからなる緩衝材で構成される人工バリアと母岩の多重バリアに依存している。スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)はベントナイトと岩盤の相互作用の理解促進のためのモデリングタスクフォースを実施した。すなわち、異なる概念化とモデリングツールを採用した11のモデリングチームを活用して、エスポ硬岩研究所で実施された原位置試験の分析のためのモデルエクササイズを実施した。このエクササイズにより、人工バリアと天然バリアの相対的な重要度や、より信頼のあるベントナイト飽和予測に向けた現象理解に必要な視点、などの異なる評価結果を導く概念的な不確実性を抽出した。
澤田 淳; 坂本 和彦
JAEA-Research 2015-020, 21 Pages, 2016/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価する技術開発の一環として、岩盤と緩衝材の境界における核種移行概念に着目し、その境界のモデル化上の取扱いが核種移行解析結果に与える影響について事例的に検討した。具体的には、H12レポートの設定を参考に構築した3次元亀裂ネットワークモデルの中央に処分坑道を模擬した任意の長さの線オブジェクトを設定し、線オブジェクトの長さをH12レポートと同じ100mから、50m, 10m, 5m, 3m, 1mと変えて、線オブジェクトから下流側境界へ至る移行経路での地下水移行時間の分布がどのように変化するかについて粒子追跡解析により検討した。また、粒子追跡解析によって得られた地下水移行時間や移行距離などの移行経路情報を用いた核種移行解析により、Cs-135を事例に、線オブジェクト長さの変化が核種移行の遅延効果の評価結果に与える影響を評価した。その結果、線オブジェクト長さの減少が核種移行率の減少に大きく寄与することがわかった。それに加えて、長さ1m-10m程度の空間分解能で透水量係数を測定して、透水量係数が高い区間には廃棄体を設置しないなどの対策を組み合わせることにより、さらに核種移行率が減少することがわかった。
澤田 淳; 三枝 博光; 竹内 真司*; 坂本 和彦*; Dershowitz, W. S.*
SKB P-13-46, 82 Pages, 2015/12
This report summarises the progresses of groundwater flow and transport modelling studies, called Task7 defined by Aspo Task Force on modelling of groundwater flow and transport of solutes. Task7 concerns the uncertainties of hydrogeological model developed by using Olikiluoto site characterization data set, and aims to provide a bridge between the information derived from site characterisation and performance assessment (PA). Task 7 has a specific object: how information from POSIVA Flow Log (PFL) can be used to maximum benefit, to reduce key uncertainties for modelling hydrogeological structure, and PA relevant groundwater flow behaviour. The overall strategy of Task 7 is to progress from the large scale, Olkiluoto island scale, to the much smaller scale that of the tunnel scale of the host rock. This task was very useful for advancing the ability of hydraulic data to improve and condition to key hydrostructural structure at each modelling scale, by using a series of the PFL data.
石川 智優*; 安原 英明*; 澤田 淳; 岸田 潔*
第50回地盤工学研究発表会論文集, p.515 - 516, 2015/06
本研究では、き裂を有する花崗岩供試体をフォーカスX線CTにより撮影し、二相化することで不連続面の抽出を行った。そこで得られた情報とレーザ変位計により得られた情報を比較し、フォーカスCTの岩石への適用について考察した。結果として、小さな供試体を用いて二相化することで、より正確なき裂面情報が得られることが分かった。
岸田 潔*; 石川 智優*; 肥後 陽介*; 澤田 淳; 安原 英明*
Proceedings of 49th US Rock Mechanics/Geomechanics Symposium (CD-ROM), 6 Pages, 2015/06
長期にわたる様々な拘束条件と熱条件下における亀裂開口幅の変化を推定するために、マイクロフォーカスX線CTを用いて亀裂開口幅の測定を行った。画像データ処理から、亀裂表面高さと接触点を評価するとともに、亀裂の接触面積率、JRC値、開口幅分布を推定した。一方で、レーザー走査による断面形状センサーによる亀裂面形状測定も行い、幾つかのパラメータ値を推定した。両測定結果の比較から、X線CTデータとそのデータ解析の妥当性について議論する。さらに、マイクロフォーカスX線CTにより得られた亀裂面の高さと開口幅のデータを用いた亀裂内の流体流動解析を行う。
柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 北村 暁; 吉川 英樹; 小田 治恵; 石寺 孝充; et al.
JAEA-Research 2014-030, 457 Pages, 2015/03
原子力機構(JAEA)がこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、原子力発電環境整備機構(NUMO)が今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくための具体的な考え方と進め方を策定すること等を目的として、2011年度よりJAEAとNUMOは以下の3つのテーマについて共同研究を進めている。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討: 水理地質構造モデル構築手法の事例調査に基づいて、得られた知見を評価ツリーとして整理し、モデルの不確実性やそれらの評価項目への影響等についての検討を行った。(2)シナリオの構築方法に関する検討: 状態設定手順を実務的な観点から、さらに見直すとともに、セメント影響とガラス溶解挙動について、知見の体系的な整理と不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定方法に関する検討: 母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。
中嶌 誠門*; 瀬尾 昭治*; 尾上 博則; 石橋 正祐紀; 三枝 博光; 澤田 淳
第42回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM), p.107 - 112, 2014/01
日本原子力研究開発機構は、岐阜県瑞浪市において地層処分技術に関する研究開発の一環として、超深地層研究所計画を進めており、結晶質岩における深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備を目的の一つとして調査研究を実施している。本研究では、結晶質岩中の物質移動特性評価を行ううえで重要となるパラメータの抽出を目的として、原位置調査データに基づく研究坑道周辺領域(100mスケール)の水理地質構造モデルの構築、地下水流動解析、及び粒子追跡解析を実施している。本稿では、地下坑道周辺で取得したデータに基づく水理地質構造モデルの構築方法について示す。特に水理地質構造モデルの構築に必要な水理特性パラメータの設定方法について検討を行った。
石橋 正祐紀; 尾上 博則; 澤田 淳; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 細谷 真一*
第42回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM), p.101 - 106, 2014/01
日本原子力研究開発機構は、岐阜県瑞浪市において地層処分技術に関する研究開発の一環として、超深地層研究所計画を進めており、結晶質岩における深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備を目的の一つとして調査研究を実施している。本研究では、結晶質岩中の物質移動特性評価を行ううえで重要となるパラメータの抽出を目的として、原位置調査データに基づく研究坑道周辺領域(100mスケール)の水理地質構造モデルの構築、地下水流動解析、および粒子追跡解析を実施している。本稿では、地下坑道から取得したデータに基づき亀裂ネットワークモデルを構築した。さらに、調査データの解釈の違いが亀裂ネットワークモデル構築のためのパラメータに与える影響について検討を行った。
柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 早野 明; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 小田 治恵; 北村 暁; 大澤 英昭; et al.
JAEA-Research 2013-037, 455 Pages, 2013/12
原子力機構(JAEA)及び原子力発電環境整備機構(NUMO)は、平成24年度に引き続き、JAEAがこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、NUMOが今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に直接適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくことを目的として、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマについて検討した。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討については、平成24年度に引き続き、結晶質岩を対象とした地下水移行時間の評価ツリーを拡充するとともに、新たに堆積岩を対象とした評価ツリーを作成した。(2)シナリオの構築に関する検討については、平成24年度の状態設定手順を実務的な観点から見直し、緩衝材を対象として試行した。また、安全機能への不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定に関する検討については、母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の条件変換手法を含む設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。さらに、溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。
澤田 真一; 薮内 敦*; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 前川 康成
Radiation Physics and Chemistry, 87, p.46 - 52, 2013/06
被引用回数:7 パーセンタイル:48.84(Chemistry, Physical)固体高分子型燃料電池用の電解質膜はナノメートルスケールの自由空孔を有しており、この空孔構造が膜の燃料ガス透過性に影響を及ぼすと考えられる。そこで本研究では、陽電子消滅寿命(PAL)測定法により、架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を基材とするグラフト電解質膜の自由空孔構造を調べた。その結果、電解質膜内には0.11と0.38nmという異なる体積の自由空孔が存在することがわかった。架橋PTFE膜及びスチレングラフト膜のPAL測定結果と比較することで、小さな空孔はPTFE結晶及びグラフト鎖領域に位置し、大きな空孔はPTFEの非晶領域に位置することから、ガス透過性の抑制には非晶領域の空隙率低下が重要であるとの知見を得た。
早野 明; 澤田 淳
JAEA-Research 2012-038, 32 Pages, 2013/02
地層処分事業におけるニアフィールド岩盤を対象とした核種移行遅延性能の評価手法は、調査段階ごとに構築及び更新される地質環境モデルとその不確実性や、評価結果の反映先を考慮して設定されると考えられる。そのため、それらに対して柔軟に対応できるように、複数の評価手法をオプションとして準備しておくことが肝要であると考える。上記のことを踏まえ本研究では、調査の進展に応じて構築される地質環境モデルとその不確実性に柔軟に対応できる評価手法の整備に資することを目的として、ニアフィールド岩盤を対象とした核種移行遅延性能を簡略的かつ定量的に評価する手法を検討した。次に、検討した評価手法の適用例を示すために、超深地層研究所計画の地表からの調査段階において取得された調査データを活用した核種移行解析を試行した。そして、地質環境モデルの不確実性が評価結果に与える影響を考察するとともに、地質環境調査へのフィードバックを示した。
岸田 潔*; 澤田 淳; 安原 英明*; 細田 尚*
Soils and Foundations, 53(1), p.105 - 116, 2013/02
被引用回数:22 パーセンタイル:62.79(Engineering, Geological)放射性廃棄物などのエネルギー生産に伴い発生する廃棄物の長期隔離の安全性評価において、重要なパラメータとして岩石の間隙中もしくは亀裂中の地下水流速がある。本研究では、三乗則を適用可能な条件で実施された亀裂内の透水試験について慣性項を考慮した亀裂内の二次元モデルを用いた浸透流れ解析を実施した。二次元モデルによる解析結果は試験結果によく一致し、局所三乗則に比べて正確な結果を示した。二次元モデルによる解析結果から不均質な構造を有する亀裂内の流れについて局所レイノルズ数や、亀裂の形状に起因した抵抗などを考慮した分析を行った。その結果、レイノルズ数が1.0より小さい場合には慣性項が亀裂内の流れに与える影響は小さく、亀裂の壁面抵抗が影響を受けることが示された。
竹内 真司*; 澤田 淳; 竹内 竜史; 大丸 修二*; 戸谷 成寿*
第13回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(CD-ROM), p.143 - 148, 2013/01
ボーリング孔を利用する水理試験から得られる圧力データを透水量係数相当値に変換し、その時間変化から異なる複数の水みちの連結性や連続性を推定する方法を、岐阜県東濃地域やフィンランドのオンカロサイトなどの亀裂性岩盤に適用しその有効性を検討した。その結果、当該手法により数十メートルの幅を持つ割れ目帯内部の水みちの連結性や主要な水みちの連続性が推定可能であることを示した。本手法により対象領域の地下水流動や物質移行のモデル解析に有用な情報が提供できることが期待される。
佐藤 久; 澤田 淳
第13回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(CD-ROM), p.501 - 506, 2013/01
筆者らは、透水試験と同じ条件で空間的に高解像度で亀裂開口幅を測定可能な光学的測定手法を応用して、亀裂表面形状を同時に測定する手法を開発した。本手法を花崗岩亀裂試料から作製した透明レプリカ試験体に適用して、レーザー変位計を用いた計測と比較した。両者の結果はほぼ同様の値を示したが、本手法では局所的なバラツキや、試料の縁部に沿って帯状にバラツキが大きい傾向があり、今後手法の改良を進める。亀裂表面形状データは、局所的に三乗則が成り立つこと(LCL)を仮定した開口幅からの透水量係数の推定誤差の補正に用いることができる。亀裂表面の傾きが開口幅や移行距離に与える影響を考慮した補正の結果、LCLに基づく透水量係数が透水試験から求められる透水量係数に近づく結果が得られた。