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保科 宏行; 笠井 昇; 柴田 卓弥*; 明田川 康*; 高橋 牧克*; 吉井 明央*; 角田 安彦*; 瀬古 典明
Radiation Physics and Chemistry, 81(8), p.1033 - 1035, 2012/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.05(Chemistry, Physical)The zirconium (Zr(IV))-type adsorbent for As(V) removal was synthesized by radiation-induced graft polymerization with phosphoric monomer and the subsequent chemical modification with Zr(IV) by loading on phosphoric units. The Zr(IV)-type adsorbent can rapidly remove As(V) to low concentration. In order to apply for a large amount of water treatment, it is necessary to construct of synthesis method in pilot scale. Synthesis method of graft adsorbent in pilot scale was investigated by setting up the equipment which was composed of reaction tanks, washing tank and pump. The equipment can produce the adsorbent which is maximum 0.3 20 m size in one batch graft reaction. To evaluate the optimum condition in this equipment, it was required the optimization of several condition such absorbed dose, monomer concentration, reaction temperature and reaction time. A nonwoven cotton fabric as a trunk polymer was irradiated, then it was placed into the reaction tank with the deaerated monomer solution. The components of the monomer was phosphoric acid mono- (50%) and di- (50%) ethyl methacrylate ester. As a result, the degree of grafting of 150% was obtained at absorbed dose of 20 kGy with 5% monomer solution mixed by deionized water for 2 hours at 40 C. Finally after loaded of Zr(IV) on grafted nonwoven fabric, As(V) adsorbent was achieved in pilot scale.
遠藤 聖*; 柴田 靖*; 山本 哲哉*; 中井 啓*; 松村 明*; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 江夏 昌志; 大久保 猛; 山崎 明義; et al.
JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 86, 2012/01
Micro particle-induced X-ray emission (micro-PIXE) was applied to determine the inter- and intracellular distribution of boron-10 (B) in tumor cells. The peak B atom measurement was large on the measurement spectrum in comparison to the circumference background. It was possible to confirm that B atoms were measured. But, the intracellular micro-distribution of boron could not be clearly detected in this analysis. Improvements are therefore necessary in the technical methods of cell fixation, while the micro-PIXE and PIGE analyzing system also needs to be further upgraded.
澁田 靖*; 鵜浦 誠司*; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 倉田 正輝*; 鈴木 俊夫*
Journal of Nuclear Materials, 414(2), p.114 - 119, 2011/07
被引用回数:17 パーセンタイル:74.81(Materials Science, Multidisciplinary)乾式再処理プロセスの電解精製における溶融塩中からの陰極へのウランの電析について、フェイズフィールド法を用いたシミュレーション計算を行った。金属ウランはデンドライト状に析出するが、ジルコニウムが共存する環境下では樹状部があまり成長しないことが知られている。そこで、ウランの析出形態が変化するジルコニウム濃度のしきい値を電流密度の関数として評価し、そのしきい値は電流密度が低くなるほど大きくなることを明らかにした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:189 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:9 パーセンタイル:52.33(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; 廣木 章博; 笠井 昇; 吉井 文男; 玉田 正男; 瀧上 昭治*; 柴田 卓弥*; 明田川 康*; 尾崎 益雄*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 35(3), p.647 - 650, 2010/09
家畜尿汚水の二次処理水に含有する腐植様着色物質が含有する排水の処理方法及び処理システムを開発した。本技術は、ビニロン繊維にカチオン性モノマーであるN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを放射線グラフト重合させた繊維状の吸着材を設置した腐植様着色物質を吸着・除去させる排水処理方法であり、脱着による腐植様着色物質の回収並びに繊維状物の繰り返し利用を可能にしたシステムである。ビニロン繊維に線を60kGy照射し、窒素置換した20%のモノマー溶液中で2時間グラフト反応して、グラフト率が約100%から150%有する吸着材を作製した。グラフト率が100%以上有する吸着材は、腐植様着色物質を吸着し、二次処理水の色度を90%以上低下させた。本技術は、家畜汚水,河川,土壌廃水からの腐植酸用物質回収材料として、農業,工業,環境等の広範囲な分野への応用が期待される。
藤田 朝雄; 谷口 直樹; 松井 裕哉; 棚井 憲治; 西村 繭果; 小林 保之; 平本 正行; 前川 恵輔; 澤田 淳; 牧野 仁史; et al.
JAEA-Research 2007-045, 140 Pages, 2007/03
本報告書では、堆積岩で塩水系地下水を対象とした幌延深地層研究計画において段階的に得られる地質環境条件を一つの適用例として、第1段階である地上からの調査で得られた情報をもとに処分場の設計技術や性能評価技術それぞれの適用性について論じるとともに、必要に応じて実施した技術の改良や代替技術の開発状況を取りまとめた。処分技術の信頼性向上では、最新の知見を踏まえ第2次取りまとめにおいて示された処分場全体設計フローの更新や人工バリアなどの設計手法の詳細化、並びに設計における地質環境条件の一般的な留意点や設計入力データ項目について整理を行った。また、これらを踏まえ、幌延の地質環境条件を一例とした場合の施設設計,人工バリア設計及び閉鎖設計を通じて第2次取りまとめで採用された設計手法が適用可能であることがわかった。安全評価手法の高度化については、第2次取りまとめにおいて示された安全評価手法を実際の地質環境に適用するために必要な具体的な作業をフローとして構築した。これに基づき、幌延の地質環境条件を一例として物質移行解析を行い、これらの検討を通じて第2次取りまとめの手法を堆積岩地域に適用した場合の調査から解析・評価に至る一連の方法論及び、その過程で得られるノウハウや知見,調査や解析上の留意点を整理した。
吉川 英樹; 柴田 雅博; 笹本 広; 飯島 和毅; 佐藤 治夫; 北村 暁; 石寺 孝充; 藤原 健壮; 黒澤 進; 夏 暁彬; et al.
放射性廃棄物安全研究年次計画(平成13年度平成17年度)研究成果報告集, p.153 - 170, 2006/03
地層処分の安全評価に用いるデータの信頼性向上に資するため、地層処分の安全評価に必要となる深部地下環境下での熱力学的基礎データ,核種挙動評価データ等の取得を行うとともに、国際的な最新情報の調査・評価を実施し、情報をデータベース化した。
笹本 広; 吉田 泰*; 磯貝 武司*; 陶山 忠宏*; 神徳 敬*; 柴田 雅博; 油井 三和
サイクル機構技報, (28), p.27 - 33, 2005/09
サイクル機構では,高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価に必要となる核種移行データベースを開発し,わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性を示す第2次取りまとめに反映した。本データベースの技術レベルや有用性は国内だけでなく,海外からも高く評価された。そこで,サイクル機構が開発した核種移行データベースを国内外に幅広く普及し,その利用促進を図るため,1)地球化学コードPHREEQEからPHREEQC,GWBおよびEQ3/6用にデータベースフォーマットを変換させるためのツール開発,2)核種移行データベースに関わる外部公開ホームページ(http://migrationdb.jnc.go.jp)の作成・運用を行った。これにより,核種移行データベースの利用者層が拡大され,国内外の幅広い方々に利用して頂く環境が整備されると共に,ユーザーからの有益なコメントを適宜反映できる体制も整った。
Arthur, R. C,*; 笹本 広; 小田 治恵; 本田 明; 柴田 雅博; 吉田 泰*; 油井 三和
JNC TN8400 2005-010, 234 Pages, 2005/07
本報告書では,超ウラン(TRU)元素を含む廃棄物や他の放射性廃棄物の地層処分におけるベントナイトとセメントとの反応に関連する鉱物,ガス,水溶液化学種についての3種類の熱力学データベースについて報告する。これらデータベースは,地球化学コードであるSUPCRT, PHREEQCおよびGWBで用いることができる。各データベースの名称は,SPRONS.TRU(SUPCRT),JNC-TDB.TRU(PHREEQC)およびTHERMO_JNCTRU(GWB)である。これらデータベースの信頼性については,高アルカリ-粘土系における現状の知見の限界を踏まえ検討する。高アルカリ-粘土系で重要な鉱物は複雑で,非常に多様な組成を持つ準安定固相の傾向がある。このような準安定固相は,実験的にも熱力学的にも明確にされていない。また高アルカリ-粘土系において重要な水溶液化学種についても,現状では関連する実験データが不足しており,データの不確実性が大きい。このように利用できるデータが限られているという現状を考慮すると,本研究で開発したデータベースは,高アルカリ-粘土系で重要あるいは代表的であると認識されている鉱物を含んでおり,また計算値と実験値の比較が行われているデータについては概ね妥当であることが示されている点で信頼できるものと言える。今回開発したデータベースは,理想的な内部整合性のとれたものではない。むしろ,内部整合性よりもデータの精度や完全性を重視し,開発されたデータベースである。本報告書の中で報告したデータベースの将来的な改良・改訂に向けて推薦するアプローチとしては,信頼性のある実験データが不足している場合,熱力学的特性を慣例的に評価できる一貫した経験的手法を開発することである。またこのような手法開発にあたっては,ベントナイト-セメント間での長期挙動モデルにおける概念やパラメータの不確実性の重要度を評価する不確実性解析と連携して行なうことが必要である。
吉田 泰*; 柴田 雅博
JNC TN8400 2004-025, 23 Pages, 2005/03
OECD/NEAのNEA TDB (Thermodynamic Data Base)プロジェクトでは、放射性廃棄物の地層処分における性能評価上重要なアクチニドおよび核分裂性生成物の熱力学データベースの開発が行われている。今回、これらのデータベースのうち、2003年に公開されたU、 Am、Tc、Np、Puおよびauxiliaryの熱力学データを地球化学計算コードで利用可能なデータベースファイルとして整備した。整備されたデータベースファイルは、主要な地球化学コードである、PHREEQE、PHREEQC、EQ3/6およびGeochemist's Workbenchで利用可能である。また、すでに核燃料サイクル開発機構より公開を行った熱力学データベースファイルについて、内容の修正を行った。変更内容およびデータファイルを別添に示す。
柴田 靖*; 山本 和喜; 松村 明*; 山本 哲哉*; 堀 直彦; 岸 敏明; 熊田 博明; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 中井 啓*; et al.
JAERI-Research 2005-009, 41 Pages, 2005/03
ホウ素中性子捕捉療法において腫瘍及び正常組織への照射線量を正確に評価するためには照射中性子束と血液中ホウ素濃度の測定が必須であるが、中性子照射中に患者からの直接の採血をすることは困難である。したがって、初回手術時に少量のホウ素化合物BSHを投与し、経時的に血液中ホウ素濃度を測定する低量投与試験を行い、照射当日の濃度予測を行った。また、低量投与試験が行えない場合、照射当日のホウ素濃度測定のみで照射中のホウ素濃度が精度よく予測できる方法についても、Two compartment Modelを用いた方法を検討した。BSH末梢静脈内点滴投与後の血液中ホウ素濃度が予測の95%信頼区間に入っていれば、照射中の予測値と実測値の誤差は6%程度であった。投与後6または9時間後の血液中ホウ素濃度が予測の95%信頼区間に入っていない場合は、比率補正することにより誤差を12%程度に抑えることができた。また、Two compartment Modelを用いた予測方法では、最適な評価値に対して4.9%(標準偏差)の予測誤差で推定可能であった。これらの方法により、照射中の血液中ホウ素濃度は合理的に正確に予測可能であり、安全で効果的な治療を行うことができる。
山本 哲也*; 松村 明*; 中井 啓*; 柴田 靖*; 遠藤 聖*; 桜井 文雄; 岸 敏明; 熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也
Applied Radiation and Isotopes, 61(5), p.1089 - 1093, 2004/11
被引用回数:56 パーセンタイル:94.57(Chemistry, Inorganic & Nuclear)高位のグリオーマの患者9症例に対して、原研JRR-4を使って混合熱-熱外中性子ビームを用いた術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)を実施した。最大熱中性子束は、1.992.77e+9(n/cm/s)であった。この研究における暫定的なサバイバルデータでは、生存期間の中央値は、悪性神経膠腫に対しては23.2か月、悪性星状細胞腫に対しては25.9か月という結果であり、これは他の放射線治療(追加の放射線治療を施す場合/施さない場合のそれぞれ)の結果と一致している。この結果をもとに熱外中性子ビームによるBSHを用いたIOBNCTの新たなプロトコールを計画することが可能となった。
遠藤 聖*; 柴田 靖*; 吉田 文代*; 中井 啓*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 石井 慶造*; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 及川 将一*; et al.
Proceedings of 11th World Congress on Neutron Capture Therapy (ISNCT-11) (CD-ROM), 2 Pages, 2004/10
原研の高崎研究所にあるシングルエンド加速器(Micro PIXE)を用いて細胞内でのホウ素及びガドリニウムの定量を試みた。Micro PIXEは直径1m以下のマイクロビームを用いて元素分布の分析を可能にするものである。実験の結果、P, S, Gd等の分布を分析することが可能であることがわかった。しかし、K及びGdが細胞周辺に分布していることから、細胞壁の破壊や細胞内への取り込み不全が考えられた。今後、これらの問題に対処するとともに、細胞内のホウ素分布を求め、BNCTの有効活用に資する予定である。
神徳 敬; 柴田 雅博; 吉田 泰*; 陶山 忠宏*
JNC TN8400 2003-048, 40 Pages, 2004/03
鉱物に対する核種の収着試験結果に対しモデルを作成し,既知の収着試験結果に当てはめ,モデルの適用性を確認するというOECD/NEAの収着モデル化プロジェクトに参画した。サイクル機構は, Ni,Npにおけるスメクタイトの収着挙動,Uにおける風化した片岩(針鉄鉱と仮定)の収着挙動を選択し,これらに対して,表面錯体反応および/もしくはイオン交換反応を用いモデル化作業を実施した。モデル化作業では,計算コードPHREEQCを用い,試験結果に対し解析結果をフィッティングさせ,実験値をもっとも良く反映する結果から平衡定数を決定した。モデルの適用性確認作業において,分配係数の実測値との誤差がほぼ一桁以内となるよい一致を示した。今後はパラメータおよび採用したモデルの妥当性を検証する必要がある。
神徳 敬; 柴田 雅博; 吉田 泰*; 陶山 忠宏*
サイクル機構技報, (21), p.65 - 77, 2003/12
本論は、2003年12月号に掲載されるサイクル機構技報にて発表予定の原稿である。高レベル放射性廃棄物処分における「天然バリア」および「人工バリアのうち緩衝材」の核種の移行遅延機能である収着機構について、収着モデルを用い実験結果を解析し、その適用性を検討した結果をまとめたものである。本検討はOECD/NEAの収着モデル化プロジェクトの一環であり、ベントナイトへのNi,Npの収着のモデル化、片岩へのUの収着のモデル化を、イオン交換反応・表面錯体反応を用いて実施し、実験結果と比較し、その適用性および問題点が確認できた。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Radiation Research, 160(1), p.70 - 76, 2003/07
被引用回数:17 パーセンタイル:45.18(Biology)ホウ素中性子捕捉治療(BNCT)において生成される線量成分に対する生存率曲線及びRBEは、JRR-4の中性子ビームに対して別々に決定された。10Bを添加又は添加しないV79細胞の生存率は、熱外中性子ビーム(ENB),熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)及び熱中性子ビーム(TNB-2)を利用して得られた。10Bの有無で中性子ビームの殺細胞効果は、使用する中性子ビームに高く依存し、ビーム中の熱外中性子及び高速中性子に依存している。ENB,TNB-1及びTNB-2に対してホウ素捕獲反応のRBEはそれぞれ4.07,2.98及び1.42であり、水素の反跳及び窒素の捕獲反応に基づく、高LET線量成分のRBEはそれぞれ、2.50,2.34及び2.17であった。RBEの実験的決定のアプローチは、中性子ビームの各線量成分に対するRBE-荷重線量を与え、BNCT臨床試験を実施中及び計画している異なる設備間の正確な中性子ビームの相互比較に寄与するものである。
松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 中井 敬*; Zhang, T.*; 松下 明*; 高野 晋吾*; 遠藤 聖*; 阿久津 博義*; 山本 和喜; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1073 - 1078, 2002/09
原研のJRR-4の中性子ビーム設備を使って、1999年から2002にかけて9例の患者に対して熱-熱外混合ビームによる術中ホウ素中性子捕捉療法(IO-BNCT)を実施した。グリオブラストーマの生存中央値は、9.8カ月であり星細胞腫は、16.8カ月であった。熱-熱外混合ビームによる術中BNCTは、従来の治療法に比べ初期の放射線効果は良好であった。これらのフェーズI/IIの臨床試験は局所の腫瘍コントロールで有効でした。今後、IO-BNCTの有効性を証明するするため、革新的な手法を伴った臨床試験を継続して実施していくものである。これまで実施した臨床試験の結果を紹介するとともに、今後の展望について記述する。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也; 遠藤 聖*; 松下 明*; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.415 - 418, 2002/09
術中ホウ素中性子捕捉療法での患者脳内の線量の測定値を原研で開発している線量評価システム(JCDS)による計算結果との比較を行った。測定値での脳表面の最大熱中性子束は、平均2.330.3710(cms)であり、血中ホウ素線量は平均11.41.2(Gy)であった。これに対してJCDSの計算結果は、それぞれ2.210.3310(cms),5.7(3.5-7.8)(Gy)であった。これらの検証結果を踏まえ、IO-BNCTでの線量評価に対して、術後の体積線量をコントロールするためにJCDSを試験的に適用することが望まれる。BNCTから得られた測定結果との比較によるJCDSの検証について報告を行う。
中井 敬*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; Zhang, T.*; 阿久津 博義*; 松田 真秀*; 松下 明*; 安田 貢*; 高野 晋吾*; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1135 - 1138, 2002/09
原研JRR-4を使って、悪性グリオーマの患者15例に対してホウ素中性子捕捉療法が行われた。このうち2002年4月までに筑波大学が実施した7例の患者について事後の経過を観察し、その結果を報告する。MRIを使った検証では、1例の術野内の再発がみられ、2例の術野外での再発がみられた。また、1例において照射によるネクローシスがみられた。