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佐藤 久*; 高山 裕介; 鈴木 英明*; 佐藤 大介*
JAEA-Data/Code 2023-010, 47 Pages, 2023/09
高レベル放射性廃棄物の処分場を沿岸部に建設した場合、沿岸部の地下水は海水の影響を受けて塩濃度が高くなるため、海水系の地下水が緩衝材を含む人工バリアに与える影響を十分に考慮して評価する必要がある。本報告では、緩衝材が飽和に至るまでの過渡的な期間において、海水系の地下水が緩衝材中での水分や溶質の移行現象に与える影響を評価することを目的として、異なる乾燥密度の圧縮ベントナイト試料を対象に、浸潤水のNaCl濃度を変えた一次元の塩水浸潤試験を実施し、浸潤水のNaCl濃度と浸潤速度の関係や浸潤試験後の圧縮ベントナイト試料中の含水比分布データを取得した。また、浸潤試験後の試料中の塩化物イオンの濃度分布を分析することにより、不飽和な圧縮ベントナイト中での溶質の移行挙動の理解に資するデータを取得した。その結果、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い浸潤は速くなり、乾燥密度1.4Mg/mから1.8Mg/m、浸潤水のNaCl濃度が0(蒸留水)から4.0mol/dmまでの範囲において、浸潤時間と浸潤量の関係は浸潤水の拡散現象とみなして評価できることが確認された。また、浸潤水が蒸留水の場合、含水比は給水側から浸潤距離に応じてなだらかに低下する分布となるが、浸潤水がNaCl水溶液の場合、含水比は給水側から浸潤の先端近くまで比較的高い状態を保ちながら浸潤の先端で低下する分布となり、NaCl濃度が高くなるに従いその傾向が強くなることが確認された。浸潤試験後試料の塩化物イオン濃度の分析結果から、給水側よりも浸潤方向側の領域で給水側より塩化物イオンの濃度が部分的に高くなる現象(塩化物イオンの濃縮)が起きており、この傾向は供試体の乾燥密度が低くなるに従い強くなることや、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い強くなることが確認された。また、浸潤に伴い塩化物イオンが濃縮する現象は供試体の初期含水比に依存することが確認されており、浸潤に伴う塩化物イオンの濃縮が生じない条件を設定可能な見通しが得られた。
光安 優典*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 木野 康志*; 奥津 賢一*; 関根 勉*; 山下 琢磨*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 199(14), p.1620 - 1625, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)ESRを用いた線量計測を行う際は、ESRスペクトルを複数成分でカーブフィットし、炭酸ラジカル強度だけを抽出する必要がある。複数成分を同時にフィッティングする従来の方法では、うまく解析が収束しない例が見られ、その場合、当該個体の線量推定が不可能になってしまう。そこで、我々は複数成分のうち、主要な炭酸ラジカルと有機物ラジカルを最初にフィットし、そのあとに残りの成分をフィットする新しいアルゴリズムを開発して、より多くの個体のESRスペクトルを解析可能にすることを検討している。新しいアルゴリズムで福島県で捕獲した野生ニホンザルの歯を解析したところ、従来の方法では解析できなかった個体の炭酸ラジカル強度も抽出でき、線量推定可能になった。
鈴木 英明*; 高山 裕介; 佐藤 久*; 綿引 孝宜*; 佐藤 大介*
JAEA-Research 2022-013, 41 Pages, 2023/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分における過渡期のニアフィールド状態は、熱的作用(熱輸送、熱膨張)、水理的作用(地下水浸透、温度勾配による水分移動)、力学的作用(応力変形、膨潤圧の発生)および化学的作用(物質移行、間隙水の濃縮希釈、鉱物の溶解沈澱など)などが相互に影響を及ぼし合って変化する複合的な現象が生じると考えられている。このような過渡期における複雑なニアフィールド環境を把握することを始めとして、安全評価における核種移行の初期状態の設定や、オーバーパックの腐食寿命評価に必要となるニアフィールド環境条件に関する情報の提供を目的として、熱-水-応力-化学(THMC)連成解析コード(Couplys)の開発が進められてきている。本研究では、海水系地下水環境下におけるニアフィールドの再冠水挙動の評価を適切に行うため、海水系地下水を想定した溶液を緩衝材材料に浸潤させた室内試験結果に基づき、不飽和浸透流解析と物質移行解析および地球化学解析を連成させる手法により、緩衝材の透水性が間隙水中の塩濃度に依存して変化するとした水理モデルを設定した。また、廃棄体の発熱によってオーバーパック近傍で緩衝材の水分が低下し乾燥する現象について、気液二相流解析コード(TOUGH2)を用いて、廃棄体の発熱を想定した人工バリア体系での気相の流れと水蒸気量の勾配によって生じる水蒸気移動を含む緩衝材の浸潤挙動評価を実施した。そして、得られた浸潤プロファイルに基づき、温度および間隙水飽和度の依存性を考慮した温度勾配による水分移動モデルの設定を行った。さらに、これら設定したモデルをCouplysに適用し、幌延深地層研究計画に基づき実施された人工バリア性能確認試験を対象とした解析評価を実施した。そして、原位置で計測された緩衝材の浸潤挙動に関するデータとの比較を通じてモデルの適切性を確認した。
酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; Zhu, J.-X.*; Ronning, F.*; Thompson, J. D.*; 小手川 恒*; 藤 秀樹*; 鈴木 康平*; 大島 佳樹*; et al.
Physical Review B, 106(23), p.235152_1 - 235152_8, 2022/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.22(Materials Science, Multidisciplinary)Ni置換系CeCoNiInについて、核四重極共鳴と核磁気共鳴(NQR/NMR)を用いて調べた。=2.3Kの超伝導転移gは、Ni置換によって徐々に下がってゆき、=0.25の時にゼロとなる。超格子を用いた密度関数計算によってNQRスペクトルの帰属を行い、スピン格子緩和率が一様に抑えられ、反強磁性スピン揺らぎがNi置換によって弱められることを明らかにした。=0.25のとき、が、=2Kで極大を示すことがわかった。このことは、遍歴電子の反強磁性スピン揺らぎがネスティングによって打ち消し合っているとして理解できる。
光安 優典*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 木野 康志*; 奥津 賢一*; 関根 勉*; 山下 琢磨*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; et al.
KEK Proceedings 2022-2, p.120 - 125, 2022/11
ESR線量計測法による低線量被ばくの評価においては、生体試料由来の試料の不均一さや低S/N比試料によるESR測定の不確実さなどのために炭酸ラジカル強度のばらつきが大きいことが問題となっており、これらの原因によってESR線量計測法の検出下限値の改善が困難であった。そこで本研究では、ESR測定時の石英管や試料の磁場中での設置方向など、あるいはS/N比向上のための繰り返し測定の回数などが、得られたESRスペクトルの多成分解析にどのように影響を及ぼすかを調べ、再現性の高い測定・評価方法を検討した。
石川 諒椰*; 鈴木 正敏*; 木野 康志*; 遠藤 暁*; 中島 裕夫*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 清水 良央*; 鈴木 敏彦*; 篠田 壽*; et al.
KEK Proceedings 2022-2, p.61 - 66, 2022/11
福島県の野生ニホンザルの肝臓・膀胱・大腿筋を用いて、低線量放射線による生物影響の要因と考えられる酸化ストレスとその防御機構である抗酸化活性のバランスを調べた。その結果、福島第一原子力発電所事故に起因する非常に低い線量率の放射線被ばくによって、事故から7年から10年が経過しても放射線に対する生物の応答反応が外部被ばく・内部被ばくに共通して持続すること、その変動傾向は臓器によって異なるものの、いずれも酸化ストレスと抗酸化機構が関連して変動する可能性が示唆された。
岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; 小坂 健*; 佐々木 啓一*; et al.
Journal of Radiation Research (Internet), 63(4), p.609 - 614, 2022/07
被引用回数:2 パーセンタイル:32.67(Biology)日本人小児の乳歯のESR線量計測法の検出可能線量を調べたところ115mGyと見積もられた。また、エナメル質と象牙質の比重の違いを用いた重液分離法によるエナメル質抽出を実施したところ、従来のドリルで削り出す方法とほぼ同等の純度のエナメル質が得られただけでなく、従来法が適用できなかった動物の歯のエナメル質抽出にも有効な抽出法であることがわかった。
光安 優典*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 奥津 賢一*; 関根 勉*; 山下 琢磨*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
KEK Proceedings 2021-2, p.91 - 96, 2021/12
歯のエナメル質中に放射線によって生成した炭酸ラジカルを指標にして、原爆の被ばく者やチェルノブイリ原子力発電所事故の被ばく者の線量推定に使用されてきたESR線量推定法を、野生ニホンザルに適用することを試みている。ニホンザルのエナメル質のESRを可能にするための分析前処理法を検討し、福島県で捕獲した野生ニホンザルの線量推定を行うとともに、ESR信号の解析方法などについて議論した。
小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 寺島 元基; 藤原 健壮; 木野 康志*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; et al.
Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 36(8), p.1678 - 1682, 2021/08
被引用回数:7 パーセンタイル:59.92(Chemistry, Analytical)ウシの硬組織用のSr分析法をICP-MS用いて開発した。0.1gの硬組織に対して、従来の放射能測定法より低い検出下限値で、11時間での分析を可能とした。そのため、ICP-MS法は微小な骨や歯試料を対象とした迅速かつ有効な分析手法となり得る。
高橋 温*; 千葉 美麗*; 棚原 朗*; 相田 潤*; 清水 良央*; 鈴木 敏彦*; 村上 忍*; 小荒井 一真; 小野 拓実*; 岡 壽崇; et al.
Scientific Reports (Internet), 11(1), p.10355_1 - 10355_11, 2021/05
被引用回数:9 パーセンタイル:47.19(Multidisciplinary Sciences)The Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant (FNPP) accident released substantial amounts of radionuclides into the environment. We collected 4,957 deciduous teeth, from children living in Fukushima and reference prefectures. Radioactivity was detected in most of the teeth examined and was attributed to the presence of natural radionuclides, including K and daughter nuclides in U and Th series. Additionally, artificial radionuclides, Sr and Cs, were detected in the teeth obtained from children from Fukushima and the reference prefectures. However, these radionuclides were not believed to have originated from the FNPP accident. Because the teeth examined in the present study were formed before the FNPP accident occurred, the aforementioned findings may serve as important control data for future studies regarding the radioactivity of teeth formed after the FNPP accident.
小松 一樹*; 岩崎 亜美*; 村田 康輔*; 山城 秀昭*; Goh, V. S. T.*; 中山 亮*; 藤嶋 洋平*; 小野 拓実*; 木野 康志*; 清水 良央*; et al.
Reproduction in Domestic Animals, 56(3), p.484 - 497, 2021/03
被引用回数:10 パーセンタイル:83.43(Agriculture, Dairy & Animal Science)福島第一原子力発電所事故後、野生アライグマは長期的な低線量率被ばくを受けた。捕獲したオスの野生アライグマの精巣の形態的特徴と、凍結保存精子の体外受精能力を調べたところ、長期的・低線量率被ばくはアライグマの生殖特性および機能に悪影響を及ぼしていないことがわかった。
岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 光安 優典*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; 小坂 健*; et al.
Radiation Measurements, 134, p.106315_1 - 106315_4, 2020/06
被引用回数:6 パーセンタイル:54.78(Nuclear Science & Technology)ニホンザルのエナメル質中に誘起された炭酸ラジカルと吸収線量の関係(検量線)を電子スピン共鳴(ESR)法で調べた。ニホンザルのエナメル質のESR測定で検出できる線量の下限(検出限界)は33.5mGyであり、ヒトのエナメル質の検出限界と同等であった。作成した検量線を用いて、福島県で捕獲した7頭の野生ニホンザルの線量を評価したところ、45mGyから300mGyの被ばくをしていることがわかった。
丸藤 崇人; 佐藤 匠; 伊東 秀明; 鈴木 尚; 藤島 雅継; 中野 朋之
JAEA-Technology 2019-006, 22 Pages, 2019/05
2017年6月6日に日本原子力研究開発機構大洗研究所燃料研究棟において発生した核燃料物質による汚染事故では、点検のためにフード内で核燃料物質を収納したプルトニウム・濃縮ウラン貯蔵容器の蓋を開封した際に、内部の樹脂製の袋(PVCバッグ)が破裂して核燃料物質の一部が実験室内に飛散した。事故の主原因は、核燃料物質と混在していたエポキシ樹脂の放射線分解によってガスが発生したことによる貯蔵容器の内圧上昇であった。燃料研究棟には他にも核燃料物質を収納している貯蔵容器が約70個存在するため、今後これらの貯蔵容器を開封点検し、内容物の状態確認及び有機物を含む試料等の安定化処理を実施する計画である。グローブボックス内において内圧の上昇した貯蔵容器の開封点検を安全・確実に実施するためには、気密環境下で貯蔵容器の蓋を開放して内部を点検できる耐圧チャンバー(開封チャンバー)の開発が必要となる。本報告書は、この開封チャンバーの設計に関する課題、その対策及び設計結果についてまとめたものである。
濱本 真平; 澤畑 洋明; 鈴木 尚; 石井 俊晃; 柳田 佳徳
JAEA-Technology 2017-012, 20 Pages, 2017/06
高温工学試験研究炉(HTTR)の制御棒が原子炉運転中に到達する最高温度を測定するため、制御棒先端に融点の異なる合金ワイヤを設置し、原子炉出力100%の状態から原子炉スクラムを経験した後、ワイヤを制御棒から取出し、ワイヤの溶融状態を確認する体系を構築することとした。本研究で溶融ワイヤを取出すための取出し装置を作製した。取出し装置は、想定どおりに機能し、マニュピレータを用いた遠隔での溶融ワイヤを安全、かつ確実に実施することができ、かつ溶融ワイヤの外観観察も明瞭に実施できたことから、制御棒温度計測技術の開発に成功した。ワイヤの外観を観察した結果、融点が505C以下の融解線が融解し、融点が651C以上の融解線が融解していないことが確認された。したがって、制御棒先端の最高到達温度は、505Cから651Cの範囲にあること、すなわち制御棒は、反応炉スクラム時であっても、制御棒被覆材のAlloy 800Hの使用温度基準(900C)の範囲内で使用できていることが分かった。
島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 鈴木 尚; 篠原 正憲; 本多 友貴; 勝山 幸三; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(4), p.041008_1 - 041008_5, 2016/10
HTTRを用いたメンテナンス技術の開発は、将来HTGRsの定期点検の期間を短縮し、稼働率90%を達成することを目標の一つとして実施されている。HTTRの広領域中性子検出器(WRM)は原子炉内に設置されていること等により、内部状態を詳細に検査することは困難であることから、断線による故障を予知し、その状態を基にした交換を計画することが重要である。HTTRでは、TDR法による特性インピーダンス波形観察及び静電容量測定法等の電気的検査法により、炉内に設置した状態で異常の有無(状態観察)及び断線箇所の特定をする方法が提案され、この方法の有効性を非破壊及び破壊検査により確認した。HTTRでは原子炉起動前などに上記電気的検査法による測定を実施してデータの蓄積をしていく。これらのデータは、WRMの断線予知などの将来HTGRsのメンテナンス技術の高度化に寄与することが期待される。
島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 鈴木 尚; 篠原 正憲; 本多 友貴; 勝山 幸三; 高田 昌二; 沢 和弘
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05
HTTRを用いたメンテナンス技術の開発は、将来HTGRsの定期点検の期間を短縮し、稼働率90%を達成することを目標の一つとして実施されている。HTTRの広領域中性子検出器(WRM)は原子炉内に設置されていること等により、内部状態を詳細に検査することは困難であることから、断線による故障を予知し、その状態を基にした交換を計画することが重要である。HTTRでは、TDR法による特性インピーダンス波形観察及び静電容量測定法等の電気的検査法により、炉内に設置した状態で異常の有無(状態観察)及び断線箇所の特定をする方法が提案され、この方法の有効性を非破壊及び破壊検査により確認した。HTTRでは原子炉起動前などに上記電気的検査法による測定を実施してデータの蓄積をしていく。これらのデータは、WRMの断線予知などの将来HTGRsのメンテナンス技術の高度化に寄与することが期待される。
乙坂 重嘉; 中西 貴宏; 鈴木 崇史; 佐藤 雄飛; 成田 尚史*
Environmental Science & Technology, 48(21), p.12595 - 12602, 2014/11
被引用回数:27 パーセンタイル:58.26(Engineering, Environmental)福島第一原子力発電所から約100km東方の沖合に、2011年8月から約2年間にわたってセジメントトラップを設置し、事故由来の放射性セシウムの海底への輸送フラックスを見積もるとともに、鉛同位体濃度等を指標として沈降粒子の輸送過程を解析した。Cs粒子束は観測期間の初期に高く、季節的に変動しながら全体として減少傾向を示した。この放射性セシウムの粒子束は、主に2つのモードで制御されていた。一つ目は表層水中で放射性セシウムを取り込んだ粒子の急速な鉛直輸送(鉛直モード)であった。このモードは、特に事故後の早い段階で支配的であり、観測点付近の海底における放射性セシウムの分布を形成したと推測された。二つ目のモードは、海底付近に運ばれた粒子状放射性セシウムの再移動であった(水平モード)。福島周辺の広域で採取した海底堆積物中のCs/Pb比を沈降粒子と比較することにより、水平モード時に堆積物が移動する範囲は数十km程度であると推定された。
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 中島 基樹; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 林 巧; 山西 敏彦; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1131 - 1136, 2014/10
被引用回数:21 パーセンタイル:82.76(Nuclear Science & Technology)我が国の原型炉ブランケット開発の最重要ステップとして、水冷却固体増殖テストブランケット・モジュール(TBM)の開発が進められている。TBM試験と原型炉ブランケット開発のために、モジュール製作技術開発、増殖増倍材ペブル製作技術、トリチウム生成率評価試験と構造設計が行われている。実機構造材F82Hを用いた製作技術開発は、F82Hの工学物性値の評価結果に基づいて実施され、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の接合、厚さ90mmの後壁の実規模モックアップの製作に成功した。モジュール筐体モックアップの製作を検討している。また、トリチウム生産のために必要な技術として、高温での耐久性に優れた先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発を進めた。また、核融合中性子研究施設(FNS)を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
若井 栄一; 近藤 浩夫; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; 渡辺 一慶; 井田 瑞穂*; 伊藤 譲; 新妻 重人; 枝尾 祐希; et al.
Fusion Science and Technology, 66(1), p.46 - 56, 2014/07
被引用回数:4 パーセンタイル:29.67(Nuclear Science & Technology)EVEDA Lithium Test Loop (ELTL) has been designed and constructed, has operated a liquid lithium flow test facility with the world's highest flow rate and has succeeded in generating a 100-mm-wide and 25-mm-thick free-surface lithium flow along a concave back plate steadily at a high speed of 20 m/s at 300C for the first time in the world. This result will greatly advance the development of an accelerator-based neutron source to high energy and high density, one of the key objectives of the fusion reactor materials development under the BA (Broader Approach) Activities. Recent related engineering validation and engineering design of the lithium facility has been evaluated.
岡野 文範; 市毛 尚志; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; 西山 友和; 柳生 純一; 石毛 洋一; 鈴木 宏章; 小室 健一; et al.
JAEA-Technology 2014-003, 125 Pages, 2014/03
臨界プラズマ試験装置(JT-60)のトカマク本体及び周辺設備の解体(総重量として約5,400トン)は、平成21年度から着手し平成24年度(平成24年10月)に完遂した。JT-60は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した唯一のものである。解体にあたり、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割は、工程的,技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見出して作業を進め、平成24年10月に3年にわたる解体を無事故・無災害で完遂することができた。本報告書は、JT-60本体装置及び本体付帯設備の解体について詳細をまとめたものである。