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論文

ゲノムの構造と機能、およびエネルギー代謝に及ぼす放射線の長期影響

廣瀬 エリ; 横谷 明徳*; 野口 実穂*; Huart, L.*; 鈴木 啓司*

放射線生物研究, 59(2), p.134 - 156, 2024/06

細胞が放射線照射を受けた後、どのようなプロセスをたどって長期期間を経て現れる発がんなどの放射線影響につながるのか、放射線の長期影響をゲノムの構造・機能変化とエネルギー代謝の2つの視点から論じる。放射線によるゲノムへの長期影響の一つとして、ゲノム不安定性が子孫細胞に受け継がれることがわかってきた。X線照射によりX染色体上のHPRT1遺伝子座に欠失を有するヒト細胞のクローン株を樹立し、これらを用いて筆者らが子孫細胞に受け継がれた大規模なDNA欠失を調べたところ、欠失部位の両端にはっきりとした境目がなく、少なくともX染色体上の約130-137 Mbにわたって、DNA欠失部分と残存部分がパッチワーク状に混在していることが分かった。これはX線照射時における細胞核内でのDNAの収納のされ方に依存して、放射線エネルギー付与の空間密度を反映したDSBの分布を示していると考えられる。また、一般に考えられている1Gyあたり約40個/細胞に生じるDSBの頻度を考慮すると、非DSB型クラスターDNA損傷の塩基除去修復によって引き起こされる 二次的なDSBに起因する欠失も生じたと考えられる。さらに、複雑なDNA欠失パターンがゲノム全体の機能に及ぼす影響を、遺伝子発現を指標に調べたところ、遺伝子発現変動は大規模欠失領域の近傍だけでなくDNA欠失が位置するX染色体全域に及んでいた。これは、二次的なDSBに伴うCTCF結合サイトの欠失が要因であることを示唆している。他方、放射線照射後に細胞周期から離脱し細胞周期を不可逆的に停止した細胞(放射線誘発早期老化細胞)の場合、放射線の長期影響がエネルギー代謝に現れる。放射線誘発早期老化細胞は、細胞周期が回転しないため、DNA合成や細胞分裂に必要なエネルギーは不要で、このため、正常細胞と比較してエネルギー代謝活性は、一見、低いと予想されがちである。しかし、ミトコンドリアの膜電位差を通じて代謝活性を調べたところ、放射線誘発早期老化細胞では、代謝活性が上昇する様子が観察され、代謝活性化に伴うATP量の増加も合わせて報告された。ミトコンドリア活性の亢進に伴い生産された活性酸素種が近傍の細胞の損傷を誘発すると考えられることから、放射線誘発早期老化細胞は長期にわたって周囲の正常細胞にも影響を与えることが予想される。本稿ではこのような、長い時間が経っても残り続ける放射線の"爪痕"について論じる。

報告書

北朝鮮地下核実験対応のためのWSPEEDI-II自動計算システムの移管と運用

根本 美穂*; 海老根 典也; 岡本 明子; 保坂 泰久*; 都築 克紀; 寺田 宏明; 早川 剛; 外川 織彦

JAEA-Technology 2021-013, 41 Pages, 2021/08

JAEA-Technology-2021-013.pdf:2.52MB

北朝鮮が地下核実験を実施した際には、原子力緊急時支援・研修センター(支援・研修センター)は、原子力規制庁からの要請に基づき、国による対応への支援活動として、原子力基礎工学研究センター(基礎工センター)の協力を得て、WSPEEDI-IIを用いて放射性物質の大気拡散予測計算を実施し、予測結果を原子力規制庁に提出する。本報告書は、北朝鮮地下核実験対応に特化するために基礎工センターで開発され、平成25年(2013年)2月から平成29年(2017年)9月までに実施された3回の地下核実験対応に使用されたWSPEEDI-II自動計算システムの支援・研修センターへの移管と整備について記述する。また、移管・整備した自動計算システムに関するその後の保守と運用について説明するとともに、北朝鮮地下核実験対応における今後の課題について記述する。

報告書

もんじゅ模擬燃料集合体製造に係る技術報告

榊原 博; 青木 伸廣; 武藤 雅祐; 小田部 隼; 高橋 謙二*; 藤田 直幸*; 檜山 和彦*; 鈴木 宏和*; 鴨川 敏幸*; 横須賀 徹*; et al.

JAEA-Technology 2020-020, 73 Pages, 2021/03

JAEA-Technology-2020-020.pdf:8.26MB

高速増殖原型炉もんじゅでは、現在、廃止措置が進められており、その第一段階として、炉心に装荷している燃料を取り出す工程がある。炉心の燃料集合体は、エントランスノズルが炉心支持板の連結管に挿入され自立しており、周辺の集合体によりパッド部を介して支え合い炉心体系を維持する構造となっている。そのため、燃料を取り出した場所に模擬燃料集合体を装荷し、燃料集合体を安定させる必要があった。このような背景を受け、もんじゅ炉心燃料集合体の製造経験のあるプルトニウム燃料技術開発センターへ、もんじゅ側から模擬燃料集合体の製造依頼があり、製造を行った。この報告書は、装荷する模擬燃料集合体の設計、製造、出荷について報告するものである。

論文

Behavior of radiocesium in sediments in Fukushima coastal waters; Verification of desorption potential through pore water

乙坂 重嘉*; 神林 翔太*; 福田 美保*; 鶴田 忠彦; 御園生 敏治; 鈴木 崇史; 青野 辰雄*

Environmental Science & Technology, 54(21), p.13778 - 13785, 2020/11

 被引用回数:15 パーセンタイル:54.61(Engineering, Environmental)

2015年から2018年にかけて、福島周辺の沿岸域から採取した海水,海底堆積物,間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度を調査し、福島第一原子力発電所事故によって海底に沈着した放射性セシウムの海水中への放出の効果を評価した。間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度は33から1934mBq L$$^{-1}$$で、海底直上水(海底から約30cmまでの間の海水)の10から40倍であった。多くの観測点で、海底直上水と間隙水との間には$$^{137}$$Cs濃度に正の相関がみられた。間隙水と堆積物間の見かけの分配係数は、0.9-14$$times$$10$$^{2}$$ L kg$$^{-1}$$であり、採取年による差は見られなかった。これらの結果は、間隙水と堆積物間での$$^{137}$$Csの平衡が比較的短期間で成立された後、間隙水中の$$^{137}$$Csが海底上に徐々に拡散することが示唆された。これらの観測結果に基づく海底付近での$$^{137}$$Csの収支計算から、堆積物中の$$^{137}$$Csの約6%が一年間に脱離・拡散すると推定された。

論文

Experimental validation of tensile properties measured with thick samples taken from MEGAPIE target

斎藤 滋; 鈴木 和博; 畠山 祐一; 鈴木 美穂; Dai, Y.*

Journal of Nuclear Materials, 534, p.152146_1 - 152146_16, 2020/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:9.76(Materials Science, Multidisciplinary)

流動鉛ビスマス共晶合金(LBE)中で照射されたMEGAPIE(MEGAwatt Pilot Experiment)ターゲットからT91引張試験片を採取し、照射後試験(PIE)を行った。これらの試験片は照射試験における標準的な試験片と比べて2倍以上の厚さがあり、そのゲージ部の厚さと幅の比(t/w)は標準的な照射用試験片とは大きく異なる。PIEの結果、これらは標準的な試験片と比較して1.5-2.0倍大きな全伸び(TE)を示し、これよりt/wとTEは強く相関していることが示唆された。そこで、未照射の試料を用いて、引張り特性に対するt/wの影響を調べた。その結果、強度と均一伸びにはt/w依存性が見られないが、TEはt/wの増加とともに大きくなることが分かった。さらに実験データに基づいて、TEを様々なt/wの試験片と相関させることで、標準試験片を含む適切なTE値を評価できることを示した。

報告書

3Dプリンタによる照射後試験治具の造形

宮井 博充; 鈴木 美穂; 金沢 浩之

JAEA-Technology 2016-041, 46 Pages, 2017/03

JAEA-Technology-2016-041.pdf:5.54MB

日本原子力研究開発機構の燃料試験施設では、原子力発電所で照射された燃料の健全性や安全性評価のための照射後試験を実施している。照射後試験の試料は小さく形も様々であることから、マニプレータによる試料の取扱いを容易にするため、試料形状に合わせて作られた様々な治具が用いられている。冶具は従来機械加工により作られている。今回、治具の寸法精度を向上させるとともに製作時間を短縮することを目的として、3Dプリンタを用いたPLA樹脂製の治具の造形を試みた。当該3Dプリンタの造形精度については、造形物寸法は設計寸法より凹部では小さく、凸部では大きくなる傾向のあることが分かった。このことから目的とする寸法の造形物を作る際は、この傾向を考慮した設計寸法にする必要がある。また、治具へのカーボン蒸着性は良好で、治具は走査型電子顕微鏡(SEM)観察にも適用できることが分かった。そして治具は研磨やエッチング工程に対しても問題はなく、金相試験用の治具としても用いることができることが分かった。

論文

Fabrication techniques of the sample supporting jigs for post irradiation examination with 3 dimension printer

宮井 博充; 鈴木 美穂; 金沢 浩之

Proceedings of 54th Annual Meeting of Hot Laboratories and Remote Handling (HOTLAB 2017) (Internet), 4 Pages, 2017/00

日本原子力研究開発機構の燃料試験施設では、原子力発電所で照射された燃料の健全性や安全性評価のための照射後試験を実施している。照射後試験の試料は小さく形も様々であることから、マニプレータによる試料の取扱いを容易にするため、試料形状に合わせて作られた様々な治具が用いられている。冶具は従来機械加工により作られている。今回、治具の寸法精度を向上させるとともに製作時間を短縮することを目的として、3Dプリンタを用いたPLA樹脂製の治具の造形を試みた。当該3Dプリンタの造形精度については、造形物寸法は設計寸法より凹部では小さく、凸部では大きくなる傾向のあることが分かった。このことから目的とする寸法の造形物を作る際は、この傾向を考慮した設計寸法にする必要がある。また、治具へのカーボン蒸着性は良好で、治具は走査型電子顕微鏡(SEM)観察にも適用できることが分かった。そして治具は研磨やエッチング工程に対しても問題はなく、金相試験用の治具としても用いることができることが分かった。

報告書

放射性試料対応型電子プローブマイクロアナライザの遮へい評価

松井 寛樹; 鈴木 美穂; 小畑 裕希; 金沢 浩之

JAEA-Technology 2014-017, 57 Pages, 2014/06

JAEA-Technology-2014-017.pdf:20.43MB

日本原子力研究開発機構の燃料試験施設では、発電炉で照射された燃料の健全性や安全性評価のための照射後試験を実施している。この照射後試験において、燃料ペレット内の核分裂生成物の分析や被覆管の内外面酸化膜の詳細観察等に電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)が利用されている。このEPMAは、放射性試料に対応できるよう、市販型の装置をベースに、その内部の検出器に試料から放出される$$gamma$$線が入射するのを防ぐ遮へい体を設ける改造を行ったものである。遮へい設計を適切に行うことは、分析精度を維持する上で重要であり、設計・評価を確実に実施する必要がある。本報では、現在燃料試験施設に設置されているEPMAの遮へい評価を粒子・重イオン輸送総合コードシステムPHITSにより再検討した結果、及び実際に放射性試料を用いて標準試料測定データへの$$gamma$$線の影響を調べた結果について報告する。

報告書

地質環境の熱履歴推定手法に関する調査

富山 眞吾*; 松尾 重明*; 松永 絹子*; 鈴木 美穂子*

JNC TJ7420 2005-054, 295 Pages, 2004/02

JNC-TJ7420-2005-054.pdf:17.76MB

地質環境の熱履歴を把握する手法構築するための基礎資料として、現在用いられている地質温度計に関する研究事例の収集・整理を行なった。

口頭

人工海水に浸漬した使用済被覆管の断面観察

本岡 隆文; 鈴木 美穂; 冨田 健; 木村 康彦; 上野 文義

no journal, , 

使用済燃料被覆管への海水成分の移行の有無を調査するため、80$$^{circ}$$Cの8倍希釈人工海水に300時間浸漬した使用済燃料被覆管の断面をEPMAで観察した。クラッド(鉄さび)層と酸化ジルコニウム層を有する使用済燃料被覆管は、クラッド層に海水成分(Mg, Cl)の付着はあったが、被覆管内部に海水成分は認められなかった。

口頭

Autophagy activated by Auger effect induced by soft X-ray microbeam

野口 実穂; 横谷 明徳; 神長 輝一; 藤井 健太郎; 鈴木 啓司*; 宇佐美 徳子*

no journal, , 

In this study, to clarify activation of autophagy on energy deposition in the cell nucleus or cytoplasm by the photoelectric effect, we investigated change of autophagic activity in human fibroblast cells irradiated with soft X-ray microbeam (5.35keV).Using a synchrotron X-ray microbeam, we irradiated 25 to 61 cells by targeting nuclei with square X-ray microbeam (10 $$mu$$m $$times$$ 10 $$mu$$m). For irradiating cytoplasm, 60 $$mu$$m $$times$$ 60 $$mu$$m square X-ray microbeam was used with a metal mask of 10$$mu$$m $$times$$ 10 $$mu$$m central area not to irradiate the cell nucleus. Induction of autophagy was measured using the fluorescent probe, Cyto-ID Green, which stains specifically autophagic vacuoles. Irradiated cells were treated with the dye 15 min before observation. The cells observed by a fluorescent microscope were quantified as mean values of the fluorescent intensity per cell. We observed autophagic fluorescence in nucleus- or cytoplasm-irradiated cells at 1 day to 4 days after irradiation. Some of these cells showed highly localized strong fluorescence. Such localized fluorescence was rarely observed when irradiated with a wide beam from a conventional higher energy X-ray machine (150 kVp). A lot of nucleic irradiated cells, rather than cytoplasm-irradiated cell, showed cell death especially at 4 days after irradiation. When irradiated with the wide beam X-rays, on the other hand, the cells sustained irreversible growth arrest, and maintained their viability. These results indicate that the soft X-ray microbeam exposure is a powerful probe to provide us an aspect of autophagic activation by photoelectric (Auger) effect in a particular part of cells.

口頭

Exposure to X-rays enhances autophagy in human fibroblast cells

野口 実穂; 横谷 明徳; 鈴木 啓司*; 藤井 健太郎

no journal, , 

The exposure to ionizing radiation causes damage to not only DNA but also proteins or organelles in cytoplasm of cells. Recent studies report that, for most of normal human fibroblasts and some of solid carcinoma cells, cells exposed to ionizing radiation sustain irreversible growth arrest, but still maintain their viability with showing senescence character even though they might have severe DNA damage. These suggests that, in irradiated fibroblasts, intracellular degradation system "autophagy" eliminates accumulated damaged proteins or dysfunctional organelles to avoid induction of apoptosis. In this study, to clarify the role of autophagy on cell survival, we investigated change of autophagic activity in irradiated fibroblast cells in terms of escape from apoptosis. Induction of autophagy in normal human fibroblast BJ1-hTERT cells irradiated with 20 Gy X-rays were measured using the fluorescent probe, Cyto-ID Green, which stains specifically autophagic vacuoles. Irradiated cells were treated with Cyto-ID Green 15 min before observation. The cells observed by a fluorescent microscope were quantified as mean values of the fluorescent intensity per cell. Irradiated cells showed about 3 times higher induction of autophagic activity than non-irradiated cells at 24 h after irradiation. The activation of autophagy persisted for at least 5 days (120 h) after irradiation. These results strongly suggest that highly induced autophagy is involved in the elimination of damaged proteins and organelles to keep their physiological functions, and avoid apoptosis. Frequency of apoptosis is expected to increase if the autophagic pathway is blocked. Results will also be presented for the treatments with pharmacological agent inhibiting the autophagic process.

口頭

Live cell imaging study on biological effects induced by X-ray microbeam irradiation

神長 輝一; 嘉成 由紀子*; 坂本 由佳*; 野口 実穂; 成田 あゆみ*; 藤井 健太郎; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*; 鈴木 啓司*; 横谷 明徳

no journal, , 

We performed selective exposure to HeLa-Fucci cells of a specific cell cycle using synchrotron X-ray microbeam. The results suggested that, not only the irradiated, but also non-irradiated cells surrounding the exposed cells also undergo cell cycle arrest as a consequence of a novel "bystander" effect. When irradiated to spheroids of the HeLa-Fucci cells as a model of 3D cellular tissues, we have succeeded to track the cell cycle modulations in the spheroid using a confocal microscopy. Further we performed sub-cellular irradiation to target a cell nucleus or cytoplasm to look at the effect on mitochondria in human fibroblast cells stained with a specific chemical. Even when the nucleus was irradiated, the potential of mitochondria was enhanced for 12 h. It is inferred that not only DNA damage repair but also certain responses to cellular damage might need excess production of ATP. These clearly show that the live cell imaging appears to be a promising method for single cell tracking.

口頭

Post irradiation examination of the MEGAPIE samples at JAEA, 2

斎藤 滋; 菊地 賢司*; 鈴木 和博; 畠山 祐一; 遠藤 慎也; 鈴木 美穂; 大久保 成彰; 近藤 啓悦

no journal, , 

世界初のメガワット級鉛ビスマス核破砕ターゲットであるMEGAPIE(MEGAwatt Pilot Experiment)ターゲットは運転終了後、解体され照射後試験用の試料が作製された。原子力機構の試料はビーム窓(T91)及びフローガイドチューブ(SS316L)から切り出された。照射条件は、陽子エネルギーが580MeV、照射温度は251-341$$^{circ}$$C、はじき出し損傷は0.16-1.57dpaであった。SP(small punch)及び3点曲げ試験は室温、大気中で実施された。直径2.4mmの鋼球を用いたSP試験では8mm角で厚さ0.5mmの試験片を用いた。T91試料はビーム窓部から、SS316L試料はフローガイド管からそれぞれ採取した。3点曲げ試験の試料はSS316Lのみで、ノッチ無し試験片を用いた。SP試験の結果より、照射によるSP破壊エネルギーや推定破壊靱性値の変化が明らかになった。また、3点曲げ試験の結果より照射の影響は、引っ張り試験よりも顕著には表れないことが分かった。表面観察で見られたピットの断面観察の結果、亀裂などは見られなかった。TEMによる微細組織観察の結果も併せて報告する。

口頭

X線マイクロビーム照射細胞のライブイメージング追跡

横谷 明徳; 成田 あゆみ; 神長 輝一; 嘉成 由紀子; 坂本 由佳; 野口 実穂; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*; 藤井 健太郎; 鈴木 啓司*

no journal, , 

放射線照射後の細胞をライブイメージング法により追跡して調べることで、これまで細胞集団の平均値としてしか得られなかった放射線影響を個々の細胞の運命として解析するこが可能になった。このような時間軸に対する一連の細胞のダイナミクス(動的)データは、将来のシステムズバイオロジーへの展開・拡張に必須である。本講演では照射による細胞周期の遅延やミトコンドリアの動態を指標として、KEK-PFにおける軟X線マイクロビーム照射した幾つかのFucci細胞に対するライブイメージングにより得た結果を紹介する。さらに、通常の培養ディッシュの単層培養細胞に比べより生体に近い細胞間相互作用を維持していると期待される3次元培養したHeLa-Fucci細胞のスフェロイドを作製し、これに対してマイクロビームを部分照射することでより生体組織に近い環境におけるバイスタンダー効果の観察も試みている。熱力学的には"非平衡状態"にある相互にフィードバックをかけ合う多数のストレス応答の集合として細胞集団システムを捉え、放射線に対する頑強性(ロバストネス)の予測やこれを支える遺伝子スイッチングのメカニズムについての知見が得られると期待される。

口頭

Revisiting the TMI-2 core melt specimens to verify the simulated corium for Fukushima Daiichi NPS

高野 公秀; 小野澤 淳; 鈴木 美穂; 小畑 裕希

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故で生じたコリウム(燃料デブリ)取り出しに向けて、その性状を予測するために種々の手法・条件で模擬コリウムを実験室規模で作製して生成相、組織、機械特性等のデータ取得と整理を進めている。一方で原子力科学研究所の燃料試験施設には、米国TMI-2事故で生じた炉心溶融物の試料が保管されており、これを再度観察、分析することで模擬コリウムの模擬性を検証するために用いた。急冷及び徐冷条件で作製した模擬コリウムと、TMI-2の上部クラスト部(急冷)及び熔融プール部(徐冷)をそれぞれ比較した結果、急冷条件では緻密な立方晶単相組織ができやすいのに対し、徐冷条件では高ウラン濃度の立方晶と低ウラン濃度の正方晶がミクロンサイズに分離した組織ができやすいという共通の傾向を確認した。

口頭

イオンビーム照射により高水和DNAフィルム中に誘発されるDNA鎖切断,塩基損傷及びクラスター損傷収率のLET依存性

横谷 明徳; 牛込 剛史*; 田内 広*; 鈴木 雅雄*; 鶴岡 千鶴*; 野口 実穂; 藤井 健太郎; 鹿園 直哉; 渡辺 立子

no journal, , 

本研究では、放射線のトラック構造とDNA損傷の関連を明らかにするため、加速器施設から得られるHe, C及びNeイオンを試料DNAに照射し、誘発されたDNA損傷の線エネルギー付与(LET)依存性を調べた。特に水ラジカルを解さない直接効果に注目するため、高水和状態のプラスミドDNAをモデル照射試料分子として用いた。1本鎖切断はLETに大きくは依存しなかったのに対しグリコシレースで鎖切断に変換される塩基損傷は、LETの増加とともに激減した。これは高LET域では修復酵素の活性を妨げるような難修復性の損傷が生じることを示唆する。また同じLETであってもイオン種の違いにより損傷収率は異なった。一方2本鎖切断収率は、Heイオンでは20keV/$$mu$$mに極小値を持つがこれより高LET側では急激に収率が増大しCイオンでもその傾向があった。これに対しNeイオンでは調べた300-900keV/$$mu$$mの領域でほとんど変化はなかった。以上から難修復性DNA損傷の生成は、単純にLETのみに依存するではなく放射線のトラックの空間構造に深く関連していることが示唆された。

口頭

X線照射によるミトコンドリアの動態変化と膜電位の関係

嘉成 由紀子; 野口 実穂; 神長 輝一; 坂本 由佳; 横谷 明徳; 鈴木 啓司*

no journal, , 

低線量の放射線環境下では、細胞を通過する少数の放射線トラックは必ずしもDNAが存在する細胞核を貫通するとは限らない。むしろ細胞核以外の細胞質がヒットを受ける確率が高い。我々は細胞質中に広く存在するミトコンドリアに着目し、放射線照射によるミトコンドリアの形態や動態、膜電位の変化を明らかにすることを目的とした。KEK・PFのBL-27Bを利用し、専用のディッシュに培養したヒト繊維芽細胞(BJ1 hTERT Fucci)へ6Gy相当のX線マイクロビームを照射した後、ミトコンドリア動態のタイムラプス観察を行った。ミトコンドリアの膜電位変化は、膜電位依存性の蛍光試薬であるJC-1を用いて可視化した。タイムラプス動画像を元にして、ミトコンドリア活性部位(膜電位が高い部位)を追跡し、部位が位置を変える移動速度を数値化し動態変化として解析を行った。その結果、活性部位は照射後24時間から48時間にかけて空間位置を大きく変えるという、新しい現象を見出した。この位置変化の理由はまだ明らかではないが、放射線によるダメージからの回復に必要とされるATPを要求性の生理活性の上昇と関連があるのではないかと推測される。

口頭

Sample preparation techniques for post irradiation examinations in the Reactor Fuel Examination Facility

鈴木 美穂; 木村 康彦; 高野 公秀; 三田 尚亮

no journal, , 

Reactor Fuel Examination Facility (RFEF) is one of the largest hot laboratories in Japan. In RFEF, several kinds of PIEs are performed to evaluate the safety and reliability of spent nuclear fuels, and the data from PIEs is provided to the customers such as nuclear researchers and fuel vendors. In these years, the requirements from our customers become more complicated and more accurate, so that the sample preparations such as cutting, holding or defueling prior to PIE itself must be improved to meet their requirements. In this report, several sample preparation techniques for PIEs are described.

口頭

高燃焼度改良型燃料の反応度事故(RIA)及び冷却材喪失事故(LOCA)条件下における挙動,2; 高燃焼度改良型燃料のRIA時挙動

宇田川 豊; 村尾 裕之; 鈴木 美穂; 天谷 政樹

no journal, , 

原子力機構安全研究センターが規制庁受託事業として取り組んでいる高燃焼度改良型燃料の事故時挙動研究の内、改良合金被覆管を採用した燃料を対象に原子炉安全性研究炉NSRRで実施した反応度事故模擬実験及び燃料試験施設で実施した照射後試験の成果について報告する。本事業で実施した実験は、M-MDA(応力除去焼鈍材), M5, 低スズZIRLO等改良合金被覆管について現行のペレット被覆管機械的相互作用(PCMI)破損しきい値が適用可能であること、また被覆管水素濃度や燃料初期温度の影響等、PCMI破損限界に関する従来の理解とこれに基づく評価手法の妥当性を示した。本報では、上述の成果に基づき原子力機構が検討を進めているRIA基準案とその考え方についても併せて紹介する。

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