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広田 憲亮; 中野 寛子; 藤田 善貴; 武内 伴照; 土谷 邦彦; 出村 雅彦*; 小林 能直*
The IV International Scientific Forum "Nuclear Science and Technologies"; AIP Conference Proceedings 3020, p.030007_1 - 030007_6, 2024/01
沸騰水型原子炉を模擬した高温高圧水中環境下では、溶存酸素量(DO)の変化により動的ひずみ時効(DSA)と粒界型応力腐食割れ(粒界SCC)がそれぞれ発生する。これらの現象の違いを明確に理解するために、その発生メカニズムを整理した。その結果、SUS304ステンレス鋼では、DOが1ppb未満の低濃度では粒内割れによるDSAが発生し、DOが1008500ppbでは表面の酸化膜形成によりDSAは抑制されることがわかった。一方、DOが20000ppbまで上昇すると、皮膜が母材から剥離し、母材の結晶粒界に酸素元素が拡散し、粒界SCCが発生した。これらの結果から、DSAや粒界SCCによるクラック発生を抑制するためには、最適なDO濃度を調整する必要があることが示唆された。
藤田 善貴; Hu, X.*; 武内 伴照; 武田 遼真; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; 堀 順一*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*; 井手 広史
KURNS Progress Report 2022, P. 110, 2023/07
ウランを使用しないテクネチウム-99m(Tc)の国産化を目的に、(n,)法によるモリブデン-99(Mo)製造に関する研究を行っている。この方法で生成されるMo比放射能は低いことからMoの娘核種であるTcを濃縮するため、メチルエチルケトン(MEK)を用いた溶媒抽出法によってTcを抽出し、アルミナカラムによってTcを濃縮する技術に着目した。還元されたTcはMEKに抽出されないとの報告があることから、本試験では、モリブデン酸ナトリウム水溶液への水素バブリングによるTc還元を試み、Tc収率への影響を調査した。その結果、論文で報告されたMEKへのTc抽出に対する影響は確認されず、酸性カラムへのTc吸着を阻害する可能性が示された。また、Tcの化学形を把握するための基礎的データとして、回収したTc溶液のラマン分光分析を実施した結果、1050cmあたりにシャープな弱いピークが確認された。今後、Tcの還元を確認するため、Tcの化学形の違いによるラマンピークの違いなどを調査していく。
藤田 善貴; 関 美沙紀; Ngo, M. C.*; Do, T. M. D.*; Hu, X.*; Yang, Y.*; 武内 伴照; 中野 寛子; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; et al.
KURNS Progress Report 2021, P. 118, 2022/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)によるMo製造の研究開発が進められている。この方法をMo/Tcジェネレータに適応するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(AlO)の特性改善が不可欠である。これまで、開発したAlO試料から得られるTc溶液の品質を評価してきたが、溶液中へのMo脱離が課題だった。本研究では、市販のジェネレータを模した形状のカラムにAlO試料を充填し、Mo脱離低減のためのいくつかの措置を施してTc溶液の品質を評価した。以前実施した、AlO試料をMo溶液に浸漬させる静的吸着の条件と比較した結果、Mo溶液をAlOカラムに流す動的吸着の適用、Mo溶液の高濃度化、Mo添加量の低減によりMo脱離量が大幅に改善された。したがって、吸着方法および吸着条件の最適化による品質向上の可能性が示唆された。今後、本結果に基づきカラム形状およびMo吸着条件の最適化を図る。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
関 美沙紀; 藤田 善貴; 藤原 靖幸*; Zhang, J.*; 吉永 尚生*; 佐野 忠史*; 堀 順一*; 永田 寛; 大塚 薫; 大森 崇純; et al.
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(1), p.2 - 9, 2022/06
材料試験炉(JMTR)の炉心構造材はステンレス鋼の他、アルミニウム(Al)やベリリウム(Be)が多く使用されている。廃止措置に当たって、放射性雑固体廃棄物(廃棄体)を作製するが、その埋設基準はドラム缶内に健全性を損なう物質を含まないことおよび最大放射能を超えないことが要求されている。とくに、Alはコンクリート等のアルカリ物質と反応し水素を発生することから、固化体の強度低下、内圧上昇による破損等が課題となっている。本研究では、バイヤー法を応用したAlの安定化処理技術の確立を目的とし、コールド試験にて基本的な処理工程を確立した。また、京都大学研究用原子炉(KUR)にてAl試験片を中性子照射し、本処理工程によるAl中に含まれる添加元素や不純物元素で生成する放射性核種の除去特性を調査した。結果として、本処理工程によりAlをアルミナ(AlO)に変換可能であり、通常の放射性廃棄物の処理方法と同様にセメント系充填剤によって固化できる見通しが得られた。さらに、不溶解残渣物の除去により、廃棄物の放射能量を12桁減らすことができることが示唆された。
柴田 裕司; 中野 寛子; 鈴木 善貴; 大塚 紀彰; 西方 香緒里; 武内 伴照; 広田 憲亮; 土谷 邦彦
JAEA-Testing 2017-002, 138 Pages, 2017/12
JMTRの改修・再稼動後の利用性向上の一環として、照射試験開発棟において、炉外試験に使用する実験装置の整備を行った。当初、照射試験開発棟の設備整備にあたっては、照射キャプセルの組立て、照射前試料の材料試験や材料検査・分析などが行える装置の整備を行い、試験データの蓄積を進めていた。一方、東日本大震災以降、地震の影響による既存試験装置の改修や耐震対応を行った。さらに、経済産業省の資源エネルギー庁が進める原子力分野における基礎基盤研究の充実を図るため、軽水炉安全対策高度化に係る研究開発やつくば特区に係るMo/Tc製造技術開発を実施するための試験設備の整備を進めた。本報告書は、照射試験開発棟において平成23年度から平成28年度にかけて、基礎基盤整技術開発のために新たに整備した試験装置等について、装置の概要やその操作方法、並びに照射試験開発棟で安全に炉外試験が実施できるよう基本的な管理要領についてまとめたものである。
向井 洋一*; 西田 明美; 濱本 卓司*; 崎野 良比呂*; 井川 望*; 竹内 義高*; 千葉 文彦*; 堀 慶朗*
Proceedings of 12th International Conference on Shock and Impact Loads on Structures (SI 2017) (USB Flash Drive), p.329 - 338, 2017/06
偶発作用に対する日本建築学会(AIJ)のガイドラインは、「建築物の耐衝撃設計の考え方」として出版されている。これには、目的と範囲、設計荷重、部材設計、設計基準、非構造要素、漸進的崩壊および設計例が含まれる。AIJのガイドラインの目的は、偶発作用に対する建物の人的・物的被害を性能設計に基づいて最小限に抑えることである。設計対象の建物はオフィス、アパート、ホテル、病院、学校、公共施設である。建物の構造システムは、鉄筋コンクリート構造および鉄骨構造に限定されている。本論文では、上記AIJガイドラインの概要について紹介する。
松川 義孝*; 武内 伴照; 鹿窪 勇太*; 鈴土 知明; 渡辺 英雄*; 阿部 弘亨*; 外山 健*; 永井 康介*
Acta Materialia, 116, p.104 - 113, 2016/09
被引用回数:83 パーセンタイル:95.80(Materials Science, Multidisciplinary)673Kで等温時効したフェライト相中のG相(NiSiMn)析出に関し、溶質原子クラスタが母材と結晶学的に区別可能となる成長段階を見出すため、アトムプローブトモグラフィ(APT)と透過電子顕微鏡法(TEM)を組み合わせた解析を行った。その結果、G相の形成は、まず自発的に溶質原子が集まって直径2.6nm程度の臨界サイズとなった後に、組成が変化し閾値にまで達するという複数の成長段階を経ることを明らかにした。また、電子回折パターンの計算機シミュレーション結果から、しきい値の組成はNiSi(Fe,Cr)Mnと見積もられることが分かった。
棚瀬 正和*; 藤崎 三郎*; 太田 朗生*; 椎名 孝行*; 山林 尚道*; 竹内 宣博*; 土谷 邦彦; 木村 明博; 鈴木 善貴; 石田 卓也; et al.
Radioisotopes, 65(5), p.237 - 245, 2016/05
Mo()Mo反応で生成するMoから高放射能濃度のTc溶液を得る方法として、Mo/Tcのアルカリ溶液からのTcのMEKによる溶媒抽出、塩基性アルミナカラムによる精製、酸性アルミナカラムによる吸着、溶離によりTc溶液を製品とする方法を提案した。本研究では、その基礎的検討として、Tcの放射能として2.536.7TBqに相当する量の非放射性Reを代替元素として用い、Reの酸性アルミナカラムへの吸着およびその溶離特性について調べた。その結果、本試験条件のRe量において、短時間の操作時間で高い回収率を示し、JMTRで生成する15TBq規模での高濃度Tcの製造でも、酸性アルミナカラムは十分適用可能であることが明らかになった。
西田 明美; 大橋 泰裕*; 小尾 博俊*; 竹内 義高*; 加納 俊哉*; 龍崎 響*; 大田 敏郎*; 岸 徳光*; 小室 雅人*; 中村 尚弘*
建築物の耐衝撃設計の考え方, p.161 - 202, 2015/01
一般建築物において、耐震,耐風設計については設計ガイドラインが整備されているが、耐衝突、耐爆発等に対する耐衝撃設計ガイドラインは未整備である。今後さまざまな外的事象を想定する必要があることから、耐衝撃設計ガイドラインの策定が急務とされている。本稿は、耐衝撃設計ガイドライン策定に向けた書籍「建築物の耐衝撃設計の考え方」の第8章設計事例である。耐震設計された想定建物(鉄骨構造および鉄筋コンクリート構造)に対して、建物柱への車両衝突、内部爆発(マンションの都市ガス爆発)、外部爆発(建物外部の水素ステーションの爆発)事象に対して本書記載の耐衝撃設計の考え方を適用した事例を示している。本書で示されている考え方は原子力施設にも応用できるものである。
西田 明美; 大橋 泰裕*; 小尾 博俊*; 竹内 義高*; 濱本 卓司*
第63回理論応用力学講演会講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2014/09
一般建築物において、耐震,耐風設計については設計ガイドラインが整備されているが、耐衝突、耐爆発等に対する耐衝撃設計ガイドラインは未整備である。今後は想定外のさまざまな外力を想定する必要があることから、耐衝撃設計ガイドラインの策定が必要とされている。本稿では、建築物の耐衝撃設計の考え方をまとめるにあたり、耐震設計された想定建物に対して適用した耐衝撃設計事例の一部を示す。具体的には、RC造の建物に対し、内部爆発荷重、外部爆発荷重に対する検討を行った結果を示す。
武内 伴照; 鹿窪 勇太*; 松川 義孝*; 野沢 康子*; 外山 健*; 永井 康介*; 西山 裕孝; 勝山 仁哉; 山口 義仁; 鬼沢 邦雄; et al.
Journal of Nuclear Materials, 452(1-3), p.235 - 240, 2014/09
被引用回数:43 パーセンタイル:95.01(Materials Science, Multidisciplinary)400Cにおいて100時間から10,000時間まで熱時効した原子炉圧力容器ステンレスオーバーレイクラッド鋼の微細組織と固さについて、アトムプローブ及びナノインデンテーション法を用いて調べた。フェライト相において、スピノーダル分解によるCrの濃度変調は100時間時効までに急速に進展する一方、NiSiMnクラスタは2,000時間時効で数密度が増加し10,000時間時効においては粗大化した。フェライト相の硬さは時効初期において急速に上昇し、NiSiMnクラスタの形成ではなくCr濃度変調の程度と良い相関にあった。これらの結果から、フェライト相の硬化の主因がスピノーダル分解によるCr濃度変調であることが示唆された。
武内 伴照; 鹿窪 勇太*; 松川 義孝*; 野沢 康子*; 外山 健*; 永井 康介*; 西山 裕孝; 勝山 仁哉; 山口 義仁; 鬼沢 邦雄
Journal of Nuclear Materials, 449(1-3), p.273 - 276, 2014/06
被引用回数:20 パーセンタイル:81.43(Materials Science, Multidisciplinary)照射量7.210cm(E1MeV)、照射速度1.110cms、照射温度290Cで中性子照射した原子炉圧力容器ステンレスオーバーレイクラッドの微細組織変化と硬さを、アトムプローブ法及びナノインデンテーション法により測定し、硬化に対する微細組織の影響を調べた。照射材は、-フェライト相においてCrの濃度変調が増大するとともに、300Cで照射時間と同じ時間の熱処理をした時効材では見られないようなSiの濃度変調の増大も観察された。一方で、硬さは照射材と時効材の両者とも増加したが、前者においてはCr濃度変調から予測されるよりもさらに大きく増加していた。この結果から、クラッド照射材の-相における硬化は、Crの濃度変調のみならずSi濃度変調や照射欠陥に由来することが示唆された。
武内 伴照; 鹿窪 勇太*; 松川 義孝*; 野沢 康子*; 永井 康介*; 西山 裕孝; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
Journal of Nuclear Materials, 443(1-3), p.266 - 273, 2013/11
被引用回数:17 パーセンタイル:75.23(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、約90%のオーステナイトと10%のフェライトの相分率である原子炉圧力容器オーバーレイクラッドについて、溶接後熱処理の後にJMTRにおいて290Cで7.2 10n/cmまで中性子照射をして、3次元アトムプローブ法でミクロ組織変化を観察し、元素濃度分布や析出状態を評価した。その結果、フェライト相では、照射によってCr及びSiの濃度揺らぎが上昇しており、新たにNi及びMnの濃度揺らぎが生じていた。オーステナイト相では、'(NiSi)様のクラスターが形成していた。一方、われわれが過去に行った400C10,000h時効材では、フェライト相でCrの濃度揺らぎが大きく上昇するとともにG相(Ni-Si-Mn)が形成していたが、オーステナイト相ではミクロ組織変化は観察されなかった。
西田 明美; 大橋 泰裕*; 小尾 博俊*; 竹内 義高*; 濱本 卓司*
Proceedings of 9th International Conference on Shock & Impact Loads on Structures (CD-ROM), 10 Pages, 2011/11
本論文では、日本建築学会において検討中の建築物の耐衝撃設計ガイドライン(案)の適用性を示すために、幾つかの設計事例を示す。対象建築物は鉄骨構造とRC構造の2種類のオフィスビルを選定し、それぞれの建築物は交差点の角に配置されているものと想定した。最終的には3つの事故シナリオを想定するが、本論文中では、そのうち2つの事故シナリオに関する事例を示す。ひとつは車両(自動車とダンプカー)による衝突、もうひとつは建築物内部のガス爆発に起因する破壊である。前者は構造材である柱の衝撃応答及び損傷を、後者は非構造材であるガラスの破壊及び飛散について記述する。これらの結果は事故を未然に防ぐための情報として活用される。本事例解析を通して、福島第一原子力発電所事故以降さまざまなシナリオ下での安全性が問われている原子力施設の外的事象、特に偶発的に作用する荷重として扱われる衝撃荷重等に対する影響評価に資する。
飛田 健次; 谷 啓二; 草間 義紀; 西谷 健夫; 池田 佳隆; 閨谷 譲; S.V.Konovalov*; 菊池 満; 小出 芳彦; 濱松 清隆; et al.
Nuclear Fusion, 35(12), p.1585 - 1591, 1995/00
被引用回数:68 パーセンタイル:88.00(Physics, Fluids & Plasmas)高速イオンのリップル輸送のモデルを検証するための実験をJT-60Uで行ってきた。リップルによって引き起こされる高速イオンの損失を中性子発生量の時間変化及び、第一壁への熱負荷から評価した。全リップル損失量、リップル捕捉・バナナドリフトによる部分損失量について実験と計測予測を比較した結果、いずれの損失量に対しても両者は一致した。この結果はリップル損失を支配する輸送が既存理論の枠内で良く説明されることを意味する。高速イオンの損失によってもたらされるプラズマ回転等の副次的効果についても述べる。
近藤 貴; 井手 俊介; 今井 剛; 牛草 健吉; 池田 佳隆; 関 正美; 竹内 浩
Proc. of the 1992 Int. Conf. on Plasma Physics,Vol. 16C Part 2, p.II969 - II972, 1992/00
低域混成波(LHW)の入射パワーを変調し、硬X線信号の応答と空間分布を測定し、高速電子の減速過程と拡散過程を評価し、LHWの吸収分布を求めた。プラズマ電流1.2MA、電子密度n=810cm、トロイダル磁場4Tのプラズマに、周波数2GHz、パワー600kWの高周波を正弦波で変調して入射し、この時の高速電子から輻射される硬X線の時間応答を測定した。その結果、硬X線強度の入射パワーに対する位相の遅れは、高速電子の減速時間から計算される位相と一致しており、拡散過程は減速過程と比べて、小さい事が明らかになった。硬X線の空間分布から、プラズマ中に励起された波の屈折率が1.44および2.24の時の波の吸収分布を求めた。屈折率が2.24の時は周辺部で吸収し、1.44の時は中心部で吸収しており、この時の電流駆動効率が大きい。
関 正美; 池田 佳隆; 今井 剛; 牛草 健吉; 内藤 磨; 井手 俊介; 近藤 貴; 根本 正博; 竹内 浩; 菅沼 和明; et al.
Proc. of the 19th European Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, p.985 - 988, 1992/00
低域混成波による電流駆動方式は、非誘電方式の中では、最も効率的な方式である。しかしながら、アンテナとしては、遅波を励起するため、アンテナ前面にカットオフ以上のプラズマ密度を必要とする。このため、従来、主プラズマとアンテナとの距離を近づけて、結合特性を最適化していた。このことは、定常運転を行う際、アンテナ前面の熱設計を厳しいものとしている。一方、今回、JT-60Uの実験において、主プラズマとアンテナが10cm以上離しても、良好な結合特性(反射率10%以下)が観測された。アンテナ前面に取付けられた静電プローブより、RF入射時に、カットオフ以上の密度のプラズマが、RFにより生成され、結合特性が改善されていることが明らかとなった。
根本 正博; 牛草 健吉; 今井 剛; 池田 佳隆; 内藤 磨; 草間 義紀; 飛田 健次; 竹内 浩; JT-60チーム
Physical Review Letters, 67(1), p.70 - 73, 1991/07
被引用回数:14 パーセンタイル:70.02(Physics, Multidisciplinary)次期核融合装置での粒子とLH波の相互作用を予見するため、JT-60において、NBとLH波の同時入射時のビームイオン加速について調べた。実験はI=1.5MA、B=4.5Tのリミター配位の水素プラズマを用いて行なった。LH波は、LHパワー約0.8MW、屈折率のピーク値2.2として、LH周波数を1.74GHzから2.23GHzまでスキャンした。LH波の吸収が電子からイオンへ移行する境界のプラズマ密度を境界密度とすると、それはLH周波数と共に上昇することが観測された。LH波の電子及びビームイオンに対する吸収指標を導入し、静電近似の冷たいプラズマ中でLH波が満足する分散式に代入することで、境界密度を表わす式が得られた。この式から求められた境界密度は実験データと一致する。更に、ビームエネルギー依存性と屈折率依存性についても実験データと計算式による予測値が一致することが明らかとなった。
広田 憲亮; 藤田 善貴; 武内 伴照; 井手 広史
岩本 正春*; 鶴岡 秀志*; 弘中 元直*
【課題】強度及び柔軟性に優れた、放射線遮蔽材料としても使用しうる複合糸を提供することを課題とする。 【解決手段】カーボンナノチューブヤーンと、前記カーボンナノチューブヤーンの表面を被覆する銅めっき層と、を備える複合糸であって、前記複合糸の引張強度が700MPA以上であり、引張伸びが1.5%以上であり、且つ電気伝導度が10.0×106S/M以上である、複合糸により、課題を解決する。