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木全 哲也*; 垣谷 健太*; 山本 春也*; 下山 巖; 松村 大樹; 岩瀬 彰宏*; Mao, W.*; 小林 知洋*; 八巻 徹也*; 寺井 隆幸*
Physical Review Materials (Internet), 6(3), p.035801_1 - 035801_7, 2022/03
被引用回数:7 パーセンタイル:56.17(Materials Science, Multidisciplinary)High activity is one of the primary requirements for the catalysts in proton exchange membrane fuel cell applications. Previous computational studies suggested that the catalytic activity of Pt nanoparticles could be enhanced by a Pt-carbon (C) support interaction. We have recently found that an enhanced electronic interaction occurs at the interface between an argon-ion (Ar)-irradiated glassy carbon (GC) surface and Pt nanoparticles. Here, we report a more than two-fold increase in specific activity (SA) for the Pt nanoparticles on the Ar-irradiated GC substrate compared to that on the non-irradiated GC substrate. The mechanism of this activity enhancement was investigated by local structure analysis of the interface. Ar irradiation of the carbon support led to the formation of the Pt-C bonding, thus protecting the deposited Pt nanoparticles from oxidation.
田中 伸幸; 八巻 徹也*; 浅野 雅春*; 寺井 隆幸*
Journal of Membrane Science, 587, p.117171_1 - 117171_9, 2019/10
被引用回数:10 パーセンタイル:37.53(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスでは、HI-I-HO (HIx)溶液のHI濃縮のため、イオン交換膜を用いた電解電気透析法(EED)が適用されている。本報では、濃縮に伴う溶液濃度の変化が膜のH透過性能に対して与える影響について、導電率()及び輸率()の2つの指標を用いて、Nafion212及び放射線グラフト膜に対して実験的及び理論的に評価した。EEDの数理モデルに基づく理論解析から、及びはH及びIイオンの膜に対する含有量及び膜中の拡散係数により決まることが示される。また、実験結果から、イオン含有量に対するHIx溶液濃度依存性は十分小さいことが示され、イオンの拡散係数に対する溶液濃度依存性が及びの濃度依存性に対する支配因子となることが明らかとなった。加えて、本報では膜中のH及びIの拡散機構について考察し、各イオンの拡散に対して、I及びHOが強く関与していることが示唆された。これは、膜に対するI及びHOの親和性を制御することで、H透過性能を制御可能であることを示すものである。
垣谷 健太*; 木全 哲也*; 八巻 徹也*; 山本 春也*; 松村 大樹; 田口 富嗣*; 寺井 隆幸*
Radiation Physics and Chemistry, 153, p.152 - 155, 2018/12
被引用回数:3 パーセンタイル:27.63(Chemistry, Physical)The chemical state and local structure of 2.6-nm-sized platinum (Pt) nanoparticles on an ion-irradiated glassy carbon (GC) substrate were investigated by X-ray absorption fine structure measurements. The partial oxidation of the Pt nanoparticles was confirmed by the peak intensity in the near-edge region of the absorption spectrum. The analysis of the extended region revealed a higher coordination number and shorter bond length of Pt-Pt compared to those of the Pt nanoparticles on the non-ion-irradiated GC. Thus, Pt nanoparticles on the ionirradiated GC substrate were found to hold a rigid metallic coordination during the oxidation.
若井 栄一; 渡辺 一慶*; 伊藤 譲*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 八木 重郎*; 近藤 浩夫; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 11, p.2405112_1 - 2405112_4, 2016/11
The lithium target facility of IFMIF (International Fusion Materials Irradiation Facility) consists of target assembly, lithium main loop, lithium purification loops, the diagnostic systems, and remote handling system. Major impurities in the lithium loop are proton, deuterium, tritium, 7-Be, activated corrosion products and the other species (C, N, O). It is very important to remove nitrogen content in lithium loop during operation, in order to avoid the corrosion/erosion of the nozzle of lithium target for the stable lithium flow on the target assembly. Nitrogen in the lithium can be removed by N hot trap using Fe-5at%Ti alloy at temperatures from 400 to 600C. In this study, the specification and the detailed design were evaluated, and the component of N hot trap system was fabricated.
木全 哲也*; 加藤 翔*; 八巻 徹也; 山本 春也; 小林 知洋*; 寺井 隆幸*
Surface & Coatings Technology, 306(Part A), p.123 - 126, 2016/11
被引用回数:13 パーセンタイル:50.63(Materials Science, Coatings & Films)酸素還元反応(ORR)活性を有するPtナノ微粒子は、固体高分子形燃料電池の正極触媒として用いられており、その活性向上が求められている。本研究では、グラッシーカーボン(GC)基板に380keV Arイオンを照射した後、その上へPtナノ微粒子をスパッタ蒸着することによって、照射された担体表面がORR活性に及ぼす影響を調べた。フルエンス1。010 ions/cmで照射したGC基板上に作製したPtナノ微粒子は、未照射より約2。5倍高い活性化支配電流密度を示し、Arイオン照射によるORR活性の向上が初めて見出された。X線光電子分光スペクトルにおいて、担体GCとPtナノ微粒子との間に電荷移動を伴う相互作用が生じていることが明らかとなり、これが活性向上の起源であると考えられる。
石澤 明宏*; 井戸村 泰宏; 今寺 賢志*; 糟谷 直宏*; 菅野 龍太郎*; 佐竹 真介*; 龍野 智哉*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 前山 伸也*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.157 - 210, 2016/03
幅広いアプローチ協定に基づいて国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の計算機シミュレーションセンター(CSC)に設置された高性能計算機システムHeliosは、2012年1月に運用を開始し、日欧の磁気核融合シミュレーション研究に供用され、高い利用率の実績を示すとともに、炉心プラズマ物理から炉材料・炉工学にわたる広い分野で多くの研究成果に貢献している。本プロジェクトレビューの目的は、国内の大学や研究機関においてHeliosを利用して進められているシミュレーション研究プロジェクトとその成果を一望するとともに、今後予想される研究の進展を紹介することである。はじめにIFERC-CSCの概要を示した後、各研究プロジェクト毎にその目的、用いられる計算手法、これまでの研究成果、そして今後必要とされる計算を紹介する。
Mao, W.*; 藤田 将弥*; 近田 拓未*; 山口 憲司; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 松崎 浩之*
Surface & Coatings Technology, 283, p.241 - 246, 2015/12
被引用回数:3 パーセンタイル:13.35(Materials Science, Coatings & Films)イオンビームスパッタ蒸着法では初めて、成膜温度973K、成膜時の真空度10Pa未満という条件で、Si (100)基板上に単相のErO(110)薄膜を作製することに成功した。Erのシリサイドが反応時に生成するものの1023Kでの加熱アニールにより、EOの単相膜に変化し、エピタキシャル成長することを反射高速電子線回折法(RHEED)やX線回折法(XRD)などの手法によって確認した。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; et al.
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 40(4), p.359 - 362, 2015/12
ナノ構造制御したアニオン交換膜を作製するため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に塩化ビニルベンジルモノマーのイオン飛跡グラフト重合を行った。低フルエンスの照射の下でグラフト率をできる限り高めるため、グラフト重合における反応媒質の影響を検討した。反応媒質として純水(HO)とイソプロピルアルコール(PrOH)の混合液を用いた場合、560MeV Xeビームによるグラフト率は、HO/PrOH比の増大とともに高くなり、HOのみのとき最大となった。この結果は、いわゆるゲル効果に類似した現象を考えれば理解できる。すなわち、グラフト鎖は貧溶媒の存在下で反応媒質に不溶となって凝集し、他の鎖との再結合(言い換えれば停止反応)が抑制されることに起因すると考えられる。
臼井 貴宏*; 澤田 明彦; 天谷 政樹; 鈴木 晶大*; 近田 拓未*; 寺井 隆幸*
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1318 - 1322, 2015/10
被引用回数:49 パーセンタイル:96.90(Nuclear Science & Technology)SiCは高い耐酸化性と水素透過低減の効果があることから、酸化抑制と水素脆化の低減のための手段の一つとして考えられる。本研究ではスパッタを用いてSiCコーティングを施し、非照射の環境で水素透過試験と酸化試験を行った。SiCコーティング済SUS316を用いた水素透過試験の結果、1桁程度の水素透過の低減がみられた。酸化試験にはSiCコーティング済Zry-4及びSUS316を用いた。前者を用いた酸化試験では、SiCコーティングにより酸化による重量増加が1/5程度に減少した。後者を用いた酸化試験でも酸化による重量増加が減少する傾向がみられた。酸化試験後のいくつかの試料ではコーティングの剥離がみられた。これはコーティングと基板の膨張の差によるものと考えられる。コーティングが厚くなるほど酸化による重量増加が減少する傾向がみられた一方、コーティングが薄くなるほど剥離しにくくなる傾向がみられた。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 小貫 薫
Journal of Membrane Science, 456, p.31 - 41, 2014/04
被引用回数:2 パーセンタイル:8.54(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの水素製造熱効率向上にはプロセス流体であるヨウ化水素酸の濃縮操作が肝要であり、ヨウ化水素濃縮を行う電解電気透析器に用いるイオン交換膜の性能が所要濃縮エネルギーを左右する。イオン交換膜を最適設計する上で重要な、膜のヨウ化水素-ヨウ素-水(HIx)溶液への浸漬時における各成分の膜内含有量を実験的に測定した。選択性や導電率の異なる開発中の放射線グラフト膜および市販膜を用いて、各成分の親和性を評価しHIx溶液各成分の吸収機構を調べた。その結果、イオン交換膜とヨウ素の親和性の差異がその他の成分含有量に影響し、ヨウ素との親和性が強いほど、ヨウ化水素や水の含有量が増加することが示唆された。このことから、イオン交換膜とヨウ素の親和性を調整することにより、イオン交換膜性能を最適化できる可能性を示した。
Mao, W.*; 近田 拓未*; 志村 憲一郎*; 鈴木 晶大*; 山口 憲司; 寺井 隆幸*
Journal of Nuclear Materials, 443(1-3), p.555 - 561, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.90(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、密度汎関数理論に基づき、ErO(001)表面やその上に水素が吸着した状態を対象に、その構造的ならびに電子的特性に関する計算を実施した。計算の結果、非常に安定な吸着サイトがいくつか存在することが分かった。ErO(001)面上でエネルギー的に最も安定なサイトでは、水素の吸着エネルギーは295.68kJ mol (被覆率1/8ML)となり、この値は被覆率とともに減少する傾向にあった。さらに計算の結果、解離に伴う水素原子の吸着が、水素分子のそれと比べて、少なくとも吸着エネルギーが152.64kJ mol大きいことも分かった。これらの結果をもとに、核融合炉におけるトリチウム透過障壁中での水素同位体の透過挙動について考察した。
加藤 翔; 八巻 徹也; 山本 春也; 箱田 照幸; 川口 和弘; 小林 知洋*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 314, p.149 - 152, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:26.05(Instruments & Instrumentation)本研究では、イオン注入と電気化学エッチングを組合せて、グラッシーカーボン基板上に炭化タングステン(WC)のナノ微粒子を作製した。実験では、100keV Wをグラッシーカーボン基板に照射して注入試料を作製した後、水酸化ナトリウム水溶液中で注入試料の表面をアノード酸化によりエッチングした。試料の分析にはX線光電子分光(XPS), ラザフォード後方散乱分析(RBS), 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた。XPS, RBSの結果から、試料中でWCが形成されていたことと、電気化学エッチングによってその高濃度導入面が表面に露出したことが確認できた。断面TEMによって直径約10nmのナノ微粒子が表層に存在している様子が観察された。
喜多村 茜; 小林 知洋*; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; 神谷 富裕; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 307, p.614 - 617, 2013/07
被引用回数:7 パーセンタイル:47.83(Instruments & Instrumentation)A Teflon surface was covered with micro-protorusions after keV ion beam irradiation. The dense protrusions were formed by etching and subsequent self-organizing. Their formation depended on the ion energy because beam heating and the amount of the molecule scissions gave a significant effect on the density of protrusions. The ion energy had the specific range to create a surface covered with protrusions. In the low energy below 60 keV, the fluence required for get protrusions was very high. The surface was almost smooth with few protrusions while in the energies higher than 350 keV. When the ion energy was between 60 and 350 keV, the density of the protrusions became lower with increasing the energy.
加藤 翔; 八巻 徹也; 山本 春也; 箱田 照幸; 川口 和弘; 小林 知洋*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 38(1), p.81 - 84, 2013/03
本研究では、タングステンイオンを未研磨のグラッシーカーボン基板に注入することによって、ナノ微粒子を作製した。注入イオンのエネルギーは100keV、フルエンスはからions/cmの範囲であった。試料の分析にはX線光電子分光,ラザフォード後方散乱分析,回転ディスク電極法による対流ボルタンメトリー,電界放出型電子顕微鏡を用いた。顕著なスパッタリング効果によって、注入イオン分布が変化するとともに、基板内へ導入可能なタングステン量は約ions/cmが上限であった。形成された微粒子はタングステンカーバイドであり、その直径は10nm程度で面内に一様に分布していた。
Mao, W.*; 近田 拓未*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 山口 憲司
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.10, p.27 - 32, 2013/02
核融合炉ブランケット部では、燃料となるトリチウムの維持や環境漏洩防止の観点から、トリチウム透過の障壁となる被膜が必要である。しかし、被膜を介してのトリチウムの詳細な透過機構は、その結晶構造が複雑であることから決して十分に解明されたとは言えない。近年、計算技術の進歩によりかなり詳細に材料中の水素の拡散を取り扱えるようになってきた。本研究では、透過障壁被膜の候補とされるErOを対象に透過機構の解明を試みた。実験では構造がnmレベルで制御されたエピタキシャル薄膜の作製を試みる一方、計算では、単結晶や、欠陥を伴った結晶構造を仮定して、幾つかの温度で拡散係数を導出した。
若井 栄一; 近藤 浩夫; 杉本 昌義; 深田 智*; 八木 重郎*; 井田 瑞穂; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; 渡辺 一慶; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 88(12), p.691 - 705, 2012/12
核融合エネルギーの早期実現を目指す幅広いアプローチ活動のもと、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動(EVEDA)を2007年より実施している。この活動の中で実機のリチウムターゲットを実証する目的で世界最大流量率(3000リットル/分)を有し、幅100mmで厚さ25mmの形状で最速20メートル/秒までの範囲で安定したリチウム流を実証試験を行うために液体リチウム流動試験装置を原子力機構大洗研究開発センターに建設し、その実証試験を開始したところである。本試験装置の各種機器の機能性試験及びそれに続く、ターゲット部でリチウム自由表面を持つ15m/sの流動試験までに関する第一段階確証試験を成功させた所である。また、これ関係する工学実証試験及び工学設計の活動状況を示すとともに、その成果内容について併せて解説したものである。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 小貫 薫
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
高温ガス炉の熱利用法の一つである熱化学水素製造法ISプロセスでは、ヨウ化水素(HI-I-HO溶液)環境においてイオン交換膜を用いた電解電気透析法によるヨウ化水素濃縮を行う。エネルギー効率向上を目指した運転条件の最適化のため、ヨウ化水素濃縮時におけるイオン交換膜の膜性能である輸率及び導電率のヨウ素濃度依存性について検討した。放射線グラフト膜を用いた実験結果からヨウ素濃度増加とともに、輸率は増加し、導電率は減少することがわかった。また、Nernst-Planck理論をもとにしたEEDモデルから、これらの傾向は膜中のIイオンの拡散係数の変化により説明できることが明らかとなった。
田中 伸幸; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 寺井 隆幸*; 小貫 薫
Journal of Membrane Science, 411-412, p.99 - 108, 2012/09
被引用回数:14 パーセンタイル:42.69(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスのエネルギー効率向上のため、イオン交換膜を用いた電解電気透析法によるヨウ化水素濃縮において、イオン交換膜性能の温度依存性について検討した。膜中のイオン輸送に関する理論等を考慮することで、膜性能を表す輸率,セル電圧,水の透過量の温度依存性を定式化した。また、放射線グラフト膜及び市販膜を用いた実験結果をよく再現できることから、その妥当性を確認した。
近藤 浩夫; 古川 智弘; 平川 康; 中村 和幸; 井田 瑞穂; 渡辺 一慶; 金村 卓治; 若井 栄一; 堀池 寛*; 山岡 信夫*; et al.
Nuclear Fusion, 51(12), p.123008_1 - 123008_12, 2011/12
被引用回数:39 パーセンタイル:82.00(Physics, Fluids & Plasmas)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、加速器駆動型DLi中性子源によって核融合炉候補材料の照射試験を目的とした施設であり、加速器,リチウムターゲット及びテストセルの3つの施設から構成される。現在、幅広いアプローチ(BA)活動の中で日欧国際協力の下、IFMIFの工学実証・工学設計活動(EVEDA)が実施されている。本論文はリチウムターゲット施設の実証試験を行うIFMIF/EVEDAリチウム試験ループ(IFMIF/EVEDA Li Test Loop)の設計についてのものである。現在、リチウム試験ループは設計及び各機器の製作、さらには据え付け工事までが終了し、2011年2月末の完成のスケジュールに合わせて電気計装設備の据付け等に移っている段階である。本論文では特に、当リチウムループの主要機器であるターゲットアッセンブリの設計と製作技術について報告する。
中村 和幸; 古川 智弘; 平川 康; 金村 卓治; 近藤 浩夫; 井田 瑞穂; 新妻 重人; 大高 雅彦; 渡辺 一慶; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2491 - 2494, 2011/10
被引用回数:10 パーセンタイル:59.68(Nuclear Science & Technology)IFMIF/EVEDAリチウムターゲット系は、5つの実証タスク(LF1-5)と1つの設計タスク(LF6)から構成されている。LF1の目的は、EVEDA液体リチウム試験ループを建設し運転することであり、日本が主たる責任を負っている。LF2は、EVEDA液体リチウム試験ループとIFMIF実機の設計に対する計測系の開発を行うものであり、現在、基礎研究が終了し、試験ループ用装置の設計を実施している。LF4は、リチウム中に含まれる窒素及び水素の除去技術を開発するものであり、LF2同様、現在、基礎研究が終了し、試験ループ用装置の設計を実施している。LF5は、ターゲットアッセンブリーの遠隔操作技術を開発するものであり、原子力機構は、フランジのリップ部分をレーザーによって切断,溶接を行うアイデアの実証を目指している。切断,溶接実験は2011年の実施予定である。LF6は、LF1-5の実証試験結果をもとにIFMIF実機の設計を行うものである。