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香田 有哉; 松野 広樹; 松嶌 聡; 窪田 晋太郎; 戸田 圭哉; 中村 保之
JAEA-Review 2024-003, 38 Pages, 2024/06
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係る技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和5年度に開催した第41回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した「廃止措置の状況」、「蒸気ドラムの解体及び除染について」、「汚染機器解体における放射線管理の知見等」、「放射性廃棄物でない廃棄物(NR)に関する汚染部位の特定・分離の実績と考察」及び「原子炉解体に向けた技術開発計画について」について資料集としてまとめたものである。
松川 圭輔*; 里田 啓*; 西田 明美; Guo, Z. H.*
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 10 Pages, 2024/03
巨大地震に対する原子力プラント等の耐震安全評価に資するため、プラント構造物の地震時挙動を把握し現実的応答解析を可能とすることは重要な課題となっている。プラント構造の地震時挙動に大きな影響を与える部位のひとつに接合部が挙げられる。特に鉄骨造配管支持構造物(以下、パイプラックと称す)の部材接合部のモデル化は従来経験的手法に依存しており、ピンまたは剛とみなして保守的な評価がなされてきた。そこで本研究では、接合部の3次元詳細モデルを活用し、より現実的な挙動を再現するための接合部モデル化手法を開発することを最終目的とする。前報のその1及びその2では、これまでに開発した3次元詳細解析技術を活用し、プラント鉄骨構造物の接合部を対象として、弾性及び弾塑性領域における接合部の現実的な半剛接の剛性評価を実施し、接合部の簡易モデルを提案し、得られた結果について報告した。本論文では、前報までの接合部に着目したモデルではなく、パイプラック全体をモデル化し、パイプラックシステムとしての地震時挙動を把握することを目的に、地震応答解析による現実的応答解析・評価を実施する。3次元詳細解析による解析結果と、従来設計で用いられる梁要素によるパイプラックシステムの立体骨組構造の接合部に前報で提案した接合部の簡易モデルを適用した解析を実施し、双方の解析結果を比較し、得られた知見を整理する。これにより、梁要素を用いた実用レベルでの地震応答解析手法の高精度化を図ることが可能と考えられる。得られた成果を原子力施設の鉄骨構造物のモデル化に適用することで、プラント耐震安全性の合理的評価が期待される。
西田 明美; 村上 高宏*; 里田 啓*; 浅野 祐也*; Guo, Z. H.*; 大嶋 昌巳*; 松川 圭輔*; 中島 憲宏
Transactions of the 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 10 Pages, 2022/07
巨大地震に対する原子力プラント等の耐震安全評価に資するため、プラント構造の地震時挙動を把握し現実的応答解析を可能とすることは重要な課題となっている。プラント構造の地震時挙動に大きな影響を与える部位のひとつに接合部が挙げられる。特に部材接合部のモデル化は従来経験的手法に依存しており、ピンまたは剛とみなして保守的な評価がなされてきた。そこで本研究では、接合部の3次元詳細モデルを活用し、より現実的な挙動を再現するための接合部モデル化手法を開発することを最終目的とする。その1では、これまでに開発した3次元詳細解析技術を活用し、鉄骨部材からなるプラント構造の接合部を対象として、弾性領域における接合部の現実的な半剛接の剛性評価を実施し、得られた結果について報告した。本論文では、弾塑性載荷実験の結果と比較することで弾塑性領域における3次元詳細解析手法の妥当性を確認するとともに、その1と同じ接合部モデルを用いて数値実験を実施し、得られた知見を述べる。具体的には、プラント構造の設計に利用されるフレームモデルの回転ばね要素の非線形関数を定義するための重要なパラメータを、回転剛性,降伏点,塑性回転量などの観点で整理し、接合部の塑性変形を含む現実的な剛性評価のための見通しを得た。得られた成果を原子力施設の鉄骨構造接合部のモデル化に適用することで、プラント耐震安全性の合理的評価が期待される。
西田 明美; 村上 高宏*; 里田 啓*; 浅野 祐也*; Guo, Z.*; 松川 圭輔*; 大嶋 昌巳*; 中島 憲宏
Transactions of the 25th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-25) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2019/08
巨大地震に対する原子力プラント等の耐震安全評価に資するため、プラント構造の地震時挙動を把握し現実的応答評価を可能とすることは重要な課題となっている。プラント構造の地震時挙動に大きな影響を与える部位のひとつに接合部が挙げられる。特に部材接合部のモデル化は従来経験的手法に依存しており、ピンまたは剛とみなして保守的な評価がなされてきた。そこで本研究では、接合部の3次元詳細モデルを活用し、より現実的な挙動を再現するための接合部モデル化手法を開発することを最終目的とする。本論文では、その第一歩として、これまでに開発した3次元詳細解析技術を活用し、鉄骨部材からなるプラント構造の接合部を対象として、接合部の有する現実的な剛性等を把握することを目的とする。複雑に組み合わされた部材からなる接合部の3次元詳細モデルを作成し、パラメトリックスタディを行った結果、プラント構造の接合部仕様によっては半剛接合とみなせることを確認し、接合部の現実的な剛性評価のための見通しを得た。得られた成果を原子炉建屋の屋根トラスや排気塔等の鉄骨構造接合部のモデル化に適用することで、プラント耐震安全性の合理的評価が期待される。
山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*; Schnase, A.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 835, p.119 - 135, 2016/11
被引用回数:7 パーセンタイル:47.31(Instruments & Instrumentation)J-PARC RCSでは、金属磁性体を装荷した広帯域加速空胴でマルチハーモニックの電圧を発生させることができる。しかし、マルチハーモニックの下での真空管動作解析は、多変数の解析が必要となり非常に複雑である。過去の動作解析は、真空管の特性曲線から目視で読み取るか、シングルハーモニックで波形を仮定した解析しか行われていなかった。真空管動作を自動で解析するコードを開発し、マルチハーモニックの下でも真空管動作を解析することに初めて成功した。開発したコードは実際の大強度陽子ビーム加速試験において検証され、計算結果と測定結果がよく一致することを確認した。この解析手法の開発により、大強度陽子シンクロトロン加速器における真空管動作の正確な計算が行えるようになり、ビームの品質向上に寄与することが期待される。
山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*
Proceedings of 7th International Particle Accelerator Conference (IPAC '16) (Internet), p.3443 - 3445, 2016/06
J-PARC RCSでは、ハーモニック数2において2バンチを加速している。このため、ビーム電流の主なフーリエ成分は偶数次となる。しかし、奇数次成分は初期において非常に小さな成分しか持たないにも関わらず、ある条件下では増大することがある。粒子トラッキングシミュレーションが示唆するところでは、2つのバンチの離合及びバンチ幅の増大・減少が奇数次のウエイク電圧によって引き起こされ、それが奇数次込のポテンシャルとうまく同期することで、ビームが不安定になることが分かった。RCSにおける奇数次のビーム負荷効果について、粒子追跡シミュレーションの結果を示す。
森 勝伸*; 佐柄 克哉*; 新井 香織*; 中谷 暢丈*; 大平 慎一*; 戸田 敬*; 板橋 英之*; 小崎 大輔*; 須郷 由美; 渡辺 茂樹; et al.
Journal of Chromatography A, 1431, p.131 - 137, 2016/01
被引用回数:10 パーセンタイル:40.00(Biochemical Research Methods)Selective separation and sensitive detection of dissolved silicon and boron (DSi and DB) in aqueous solution was achieved by connecting an electrodialytic ion isolation device (EID), an ion-exclusion chromatography (IEC) column, and a corona charged aerosol detector (CCAD) in sequence. They were separated by IEC using pure water eluent. Detection of DSi and DB by the CCAD was effective for much greater sensitivity than by conductimetric detection. The EID removed salt from the sample prior to the IEC-CCAD. The combination of EID, IEC and CCAD successfully separated and determined DSi and DB in artificial seawater and hot-spring water samples by eluting pure water.
野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 797, p.196 - 200, 2015/10
被引用回数:1 パーセンタイル:9.26(Instruments & Instrumentation)J-PARCシンクロトロンでは高い加速電圧を発生させるために金属磁性体コアを用いた加速空胴を採用している。コアのシャントインピーダンスはビームパワーを高めるために重要なパラメータである。我々は磁場中熱処理を行うことにより、コアのシャントインピーダンスを約50%以上高めることに成功している。本論文では磁場中熱処理を行うことによりコアのシャントインピーダンスが高められるメカニズムについて議論を行っている。具体的には、まず磁場中熱処理により磁化過程が主に磁化回転となることにより、低周波数領域ではコアの損失が低減され、高周波数領域では磁気特性が向上していることを測定結果から示し、次にシャントインピーダンスと磁気特性を表す複素透磁率との関係から、コアのシャントインピーダンスが高められているのはこれらの磁気特性の改善が要因であることを述べている。
山本 昌亘; 絵面 栄二*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; Schnase, A.*; 島田 太平; 高木 昭*; 高田 耕治*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.012015_1 - 012015_6, 2015/09
J-PARC MRでは原子核実験ユーザーのために遅い取り出しによってコースティンングビームを供給している。その際、MRフラットトップでのマイクロウェーブ不安定性を抑えるため、縦方向エミッタンスを増大させておかなければならない。我々は、高い周波数の空洞を使って位相変調する方式についてエミッタンスがどのように増大するのかを調べた。適切な位相変調パラメーターを知るために、粒子トラッキングシミュレーションを行った。その結果エミッタンスがきれいに増大する領域では、変調周波数と空洞周波数の間に比例関係があることを発見した。また、エミッタンス増大に必要な時間は、変調をかける時間の平方根に反比例していることも発見した。これらの、位相変調を用いたエミッタンス増大法について、粒子トラッキングシミュレーションの結果を述べる。
田村 文彦; 發知 英明; Schnase, A.*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 大森 千広*; 野村 昌弘; 戸田 信*; 島田 太平; 長谷川 豪志*; et al.
Physical Review Special Topics; Accelerators and Beams, 18(9), p.091004_1 - 091004_8, 2015/09
被引用回数:4 パーセンタイル:29.82(Physics, Nuclear)J-PARC RCSは2バンチ加速するように設計されているが、MLFの中性子実験やMRビームを用いたミューオン実験において、RCSでの大強度シングルバンチ運転が必要とされるようになった。シングルバンチ運転においては、広帯域RF空胴に生じる奇数次のウェーク電圧成分によりバケツの歪みが生じ、縦方向のビームロスを生じるために、ビーム強度は制限されていた。このため、奇数次のウェーク電圧成分を補償するために、追加のフィードフォワードシステムをインストールした。追加されたシステムは、偶数次のフィードフォワードシステムと同様の構成である。この論文では、追加のフィードフォワードシステムの機能、調整手法、調整結果の詳細について報告する。フィードフォワードによる奇数次成分の補償により、縦方向のビームロスが消失した。また、シングルバンチ加速でのビーム品質は、フィードフォワードによる補償によって、2バンチ運転のものと同様に保たれていることを、縦方向および横方向のビーム測定により確かめた。2.310ppbという大強度のシングルバンチ運転が可能となった。
野村 昌弘; 山本 昌亘; 島田 太平; 田村 文彦; 大森 千広*; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 吉井 正人*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1096 - 1110, 2015/09
J-PARCの2つのシンクロトロン(RCS, MR)では高い加速電圧を発生させるために、加速空胴に金属磁性体コア(FINMET)を採用している。更に大強度の陽子ビームを加速するためには、この金属磁性体コアのシャントインピーダンスを高めることが重要である。Ring RFグループでは磁場中熱処理を行うことにより、高いシャントインピーダンスを持った加速器用の大型の金属磁性体コア(FT3L)の開発に成功している。磁場中熱処理を行うことにより磁化過程が主に磁化回転となることは知られており、FT3L金属磁性体コアのシャントインピーダンスは磁化過程が磁化回転となることにより高くなっている。本発表では理想的な磁化回転の場合のコアのシャントインピーダンスに対する考察を行う。具体的には、シャントインピーダンスで表されるコアの等価回路の損失と磁化回転の場合のコアの損失の計算を対応させることにより、シャントインピーダンスに対応する物理量を考察する。更にその結果から、シャントインピーダンスのコアを構成しているリボンの板厚及び透磁率依存性を示す。
田村 文彦; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.639 - 642, 2015/09
J-PARC RCSでは、高い加速電圧を発生させ、また1台の空胴に基本波と2倍高調波を重畳した電圧を発生させるデュアルハーモニック運転を実現するために、広帯域の金属磁性体を装荷した加速空胴を採用している。AB級プッシュプル構成の真空管アンプにより空胴は駆動されており、2倍高調波を重畳した時に生じる各真空管の出力電圧振幅のアンバランスを改善させるために、MAコアを使用した高電圧、ハイパワーのバランのR&Dを行っている。バランはMAコアに高電圧ケーブルを巻いた高周波トランスとして構成されているが、RCSでは最大15kVの高周波電圧を線間に印加することになるために、高周波によるコロナ放電の抑制が課題となっている。本発表では、コロナ放電の抑制の手法について、また、コアおよびケーブルの冷却方法についてのR&Dの現状について報告する。
山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; 島田 太平; 田村 文彦; 戸田 信*; 吉井 正人*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1008 - 1012, 2015/09
J-PARC RCSはハーモニック数2のRFバケツに2バンチを入れて加速しているので、ビームの主なフーリエ成分は偶数次となる。しかし、粒子トラッキングの結果から、微小な奇数次成分がバンチ間の非対称性を促進し、ある条件ではそれが急速に増大することが分かった。非対称性が単調に増加した場合、大きなビーム損失を引き起こすことになる。また、奇数次成分が大きな振幅ではないものの、振幅変調しながら続く場合ビームハローを形成し、それが微小なビーム損失を招くことも分かった。本報告では、奇数次成分についての粒子トラッキングの結果について述べる。
野村 昌弘; 山本 昌亘; 島田 太平; 田村 文彦; 大森 千広*; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 吉井 正人*
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1037 - 1041, 2014/10
J-PARC RCS, MRの両シンクロトロンではRF空胴に金属磁性体コアを使用している。本稿では、MR用のカットコアについての議論を行う。まずはじめに現在MRで使用している金属磁性体カットコアについて簡単に説明を行い、次にカットコアの磁気特性、漏れ磁場の影響について述べた後に、アンカットコアとカットコアのRpの関係について議論を行なう。そして最後に、カットコアで高いRpを達成するためにはなにが重要であるかについて述べる。Rpは大強度陽子ビームを加速するための重要なパラメーターであり、更なる大強度の陽子ビームを加速するためにはより高いRpが必要である。本成果は、加速器を安定に運転する上で、重要な成果である
田村 文彦; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1122 - 1126, 2014/10
J-PARC RCSでは、金属磁性体(magnetic alloy: MA)を装荷した広帯域空胴により、高い加速電圧を実現するとともに、1台の空胴を基本波および2倍高調波を重畳した電圧で駆動するデュアルハーモニック運転を行っている。空胴はAB級プッシュプル構成の真空管アンプで駆動されるが、2倍高調波を重畳した場合、それぞれの真空管の出力電圧はアンバランスとなるため、片方の真空管のみのスクリーングリッド電流の増加や、コア発熱のアンバランスが生じてしまうことが問題となっていた。2本の真空管出力電圧をバランスさせることを目的とし、MAコアを用いた高電圧、ハイパワーのバランを開発している。本発表では、プロトタイプバランの製作、および実機アンプおよび空胴を用いた高電圧試験の現状、今後の開発の課題について報告する。
野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 高田 耕治*; 戸田 信*; 吉井 正人*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 749, p.84 - 89, 2014/06
被引用回数:2 パーセンタイル:18.54(Instruments & Instrumentation)高いシャントインピーダンスを持つ金属磁性体コアの開発を行っている。コアのシャントインピーダンスはビームパワーを高めるために重要なパラメータである。我々は2つの方向からこのシャントインピーダンスを高めようとしている。一つは磁場中熱処理により磁気特性を向上させる方法。もう一つはコアを構成しているリボンの板厚を薄くすることにより渦電流の効果を弱める方法である。この論文では後者の方法について述べている。
野村 昌弘; 山本 昌亘; 島田 太平; 田村 文彦; 大森 千広*; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 吉井 正人*; Schnase, A.*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.217 - 220, 2014/06
J-PARCシンクロトンでは高周波加速空胴に金属磁性体コアを採用している。高いシャントインピーダンスを得るために、コアの占積率,リボン板厚,磁化過程を変えてシャントインピーダンスの測定を行った。コア巻きテンションを強くして占積率を高めた場合は、強いコア巻きテンションンの影響で磁気特性が劣化し、逆にシャントインピーダンスは低くなった。薄いリボンや磁化過程が回転磁化のコアは加速周波数領域まで高い透磁率が保たれ、高いシャントインピーダンスを得ることができた。本成果は、加速器を安定に運転するうえで、重要な成果である。
田村 文彦; 山本 昌亘; Schnase, A.; 吉井 正人*; 大森 千広*; 野村 昌弘; 戸田 信*; 島田 太平; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*
Proceedings of 1st International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2012) (Internet), p.63 - 65, 2013/06
J-PARC RCS及びMRにはRFシステム調整のためのウォールカレントモニター(WCM)がインストールされている。WCM信号はビームローディング補償システムの入力として使用されるほか、RFパラメータの調整のために使用されるビーム周波数は数メガヘルツの範囲であるため、直接オシロスコープで測定でき、信号はLLRF制御システムで生成される周回周波数クロックとともに捕捉される。マウンテンプロットの生成やバンチングファクターの計算等を行いビーム調整に役立てられている。また、ビーム信号のハーモニック成分を計算することにより、ビームローディングの計算にも使用される。本発表ではこれらの測定及び解析を用いた加速器の安定運転及び運転維持の現状について報告する。
田村 文彦; 大森 千広*; 山本 昌亘; 吉井 正人*; Schnase, A.*; 野村 昌弘; 戸田 信*; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*
Proceedings of 4th International Particle Accelerator Conference (IPAC '13) (Internet), p.2540 - 2542, 2013/06
ビームローディング補償はJ-PARC MRにおいて大強度ビームを加速するのに不可欠である。MA空胴は単一ハーモニック(h=9)で駆動されるが、空胴の帯域には隣のハーモニクス(h=8,10)も含まれるため、ウェーク電圧はこれらのハーモニクスの重畳となる。これら3つのハーモニクスのビームローディング補償として、われわれはrfフィードフォワード法を採用している。フルデジタルのフィードフォワードシステムを開発した。8つの空胴すべてについて、1.010pppの大強度ビームを用いて調整を行った。調整結果について報告する。ビームの見るインピーダンスを下げ、縦方向振動を減少させることに成功した。200kWのビームパワーでの運転に成功した。
島田 太平; 野村 昌弘; 田村 文彦; 山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*; Schnase, A.*; et al.
Proceedings of 4th International Particle Accelerator Conference (IPAC '13) (Internet), p.2750 - 2752, 2013/06
J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、必要な加速電圧を得るために11台の高周波加速空胴が設置されており、合計198枚の金属磁性体コア(MAコア)が使用されている。コアの寸法は、外直径850mm、内直径375mm、厚さ35mmである。2007年10月の加速器の運転開始以降、幾つかのコアの内面で座屈が発生し、ビーム運転に支障が生じた。この座屈の原因調査の一環として、コアの内面形状を約2年の間をおいて測定した。その結果、座屈の発生、内径の真円からのずれ及び内径の経年変化がコアの製作過程における樹脂の含浸方法とかかわっていることが見いだされた。現在、座屈が発生しにくいよう製造方法を採用したコアと順次交換している。本発表では、コアの樹脂含浸方法と内面形状の関係及びその経年変化を報告する。