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田中 万也; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 富田 純平; 小澤 麻由美*; 山崎 信哉*; 徳永 紘平; 福山 賢仁*; 小原 義之*; Maamoun, I.*; et al.
Chemosphere, 355, p.141837_1 - 141837_11, 2024/05
本研究では生物性マンガン酸化物を用いて人形峠坑水からのラジウム除去実験を行った。その結果、7.6mgの生物性マンガン酸化物を用いて3L坑水中から98%以上のRaを除去することが出来た。これは固液分配係数に換算すると10 mL/gという非常に高い値となり、生物性マンガン酸化物が実際の坑水処理に有効であることを示している。
冠城 雅晃; 島添 健次*; 寺阪 祐太; 富田 英生*; 吉橋 幸子*; 山崎 淳*; 瓜谷 章*; 高橋 浩之*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1046, p.167636_1 - 167636_8, 2023/01
被引用回数:6 パーセンタイル:94.84(Instruments & Instrumentation)波形分別手法を実施せず、強い線場において熱中性子検出器をするための無機シンチレーターの厚さと性質の制御に焦点を当てた。測定では、0.5mmならびに1.0mm厚のGS20(Liガラス)ならびにLiCaAlF結晶(LiCAF:Ce)を採用し、上記のシンチレーターを結合させた光電子増倍管からのパルス信号を1Gspsのデジタル信号処理に入力し、360ns間の波形面積を積分した。Coの線場において、0.5mm厚のGS20では0.919Gy/hまで中性子検出器が可能であった。一方で、0.5mm厚のLiCAF:Ceは、0.473Gy/hまで中性子検出が可能であったが、0.709Gy/hで中性子検出器が不可能であり、中性子/線分別において、GS20は、より良いエネルギー分解能と高中性子検出効率により、LiCAF:Ceよりも優れている結果であった。
馬籠 博克; 岡田 祐次; 冨田 健司; 飯田 一広; 安藤 均; 米川 昭久; 上田 晴康; 塙 博; 菅野 勝; 作田 善幸
JAEA-Technology 2015-025, 100 Pages, 2015/09
日本原子力研究開発機構では、軽水炉利用の高度化及び高経年化に対応するため、軽水炉燃料及び材料の照射試験を実施する準備を進めている。JMTRは第165運転サイクル後の2006年8月に停止し、再稼働に向けて照射施設の整備を進めており、燃料及び材料の中性子照射試験を行うための燃料異常過渡試験装置及び材料照射試験装置を2008年度から2012年度にかけて製作、設置した。材料照射試験装置は、IASCC(照射誘起応力腐食割れ: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)研究に供するものであり、主として3基の水環境調整設備で構成されている。本報告書は、水環境調整設備の性能確認を目的として、2013年度に実施した調整運転についてまとめたものである。
滝田 謙二; 飯村 光一; 冨田 健司; 遠藤 泰一; 菅野 勝
JAEA-Technology 2012-006, 41 Pages, 2012/03
原子力機構大洗研究開発センターでは、2012年度に材料試験炉を再稼働させる予定で改造計画が進められている。また、再稼働後におけるJMTRの有効利用の一環として、放射性医薬品として核医学の分野で最も多く用いられているテクネチウム-99m(Tc)の親核種であるモリブデン-99(Mo)の製造が計画されている。Moは、その供給のすべてを輸入に依存している状況にあることから、産業界との共同でMoの一部国産化を目指すものである。本報告書では、Moの製造に必要な照射装置である水力ラビット照射装置の選定、装置の構成検討について述べる。
滝田 謙二; 飯村 光一; 冨田 健司; 遠藤 泰一; 菅野 勝
UTNL-R-0480, p.7_4_1 - 7_4_6, 2012/03
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでは、2012年度に材料試験炉を再稼働させる予定で改造計画が進められている。今回整備を計画している水力ラビット照射設備は最先端研究基盤事業の一環としてMoの製造やラジオアイソトープの製造を効率的に行うために、炉内管への照射ラビットの挿入個数を従来の最大3本から最大5本に構造変更するとともに、炉外循環系についても照射個数変更に伴う改造を行う予定である。また、機器の製作設置に先立ち既設機器の撤去及び埋設配管等再利用機器の健全性を確認するために非破壊検査を実施するものである。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:189 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:9 パーセンタイル:52.33(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
大和田 謙二; 富田 裕介*
日本物理学会誌, 65(10), p.800 - 804, 2010/10
鉛ペロヴスカイトリラクサーPINにおけるBサイトランダムネスの効果について実験・理論両面からアプローチし、考察を行った。PINにおけるフォノン分散計測がX線非弾性散乱により可能になったことで、PINにはその状態にかかわらず本質的に強誘電不安定性が存在することが明らかとなった。一方、O-PINでは反強誘電相転移に関与する反強誘電不安定性が観測された。以上から、Bサイトランダムネスは反強誘電モードの不安定化を促進・抑制する機能を持っており、反強誘電状態,強誘電状態,リラクサー状態を「相対的」に安定化させるものと推測される。他方、双極子相互作用とBサイトの原子配置を反映する軸異方性の2つから構成される理論模型では、周期的な軸異方性の下では反強誘電状態が安定であることを示した。また、軸異方性の配置が乱れると本来安定であった強誘電状態が局所的に現れ、軸異方性(Bサイト)のランダムネスが反強誘電状態・強誘電状態の発現を支配していることを示した。
細川 甚作; 飯村 光一; 小川 光弘; 冨田 健司; 山浦 高幸
JAEA-Technology 2010-018, 269 Pages, 2010/08
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでは、2011年度に材料試験炉(以下、JMTRという。)を再稼働させる予定で改修計画が進められている。再稼働後におけるJMTRを活用した軽水炉燃料の中性子照射試験設備として、「異常過渡試験装置」を設置する計画である。異常過渡試験装置は、高燃焼度に達した軽水炉燃料の安全性評価技術,破損影響評価技術の開発に役立てることを目的に軽水炉燃料を照射試料とする出力急昇試験を行う照射施設である。本報告では、JMTRへ設置予定の異常過渡試験装置の詳細設計のうち、系統設計についてまとめたものである。
大和田 謙二; 富田 裕介*
Journal of the Physical Society of Japan, 79(1), p.011012_1 - 011012_10, 2010/01
被引用回数:27 パーセンタイル:76.06(Physics, Multidisciplinary)We have reviewed the effect of B-site randomness in PIN from the experimental and theoretical viewpoints. Lattice dynamics measured in ordered and disordered PINs represent the existence of ferroelectric (FE) instability regardless of B-site randomness. It shows the coexistence of FE and antiferroelectric (AFE) instabilities in PIN. B-site randomness controls the balance between FE and AFE instabilities. We constructed a minimal model that includes dipolar interaction and easy-axis anisotropy which depends on B-site randomness. The results from Monte Carlo simulations show that the model well reproduces the phase diagram and the dielectric constant of PIN qualitatively.
小沼 勇一; 冨田 健司; 岡田 祐次; 塙 博
JAEA-Technology 2009-034, 79 Pages, 2009/07
JMTR(Japan Materials Testing Reactor)では平成23年度の再稼働に向けて、軽水炉照射環境下におけるSCC研究を行うための材料照射試験装置製作の準備を進めている。このうち、照射キャプセルに軽水炉環境を模擬した冷却水を供給するための炉外試験装置(BWR用及び水化学用照射環境制御装置)を、平成20年から設置する計画である。照射環境制御装置は平成12年に設置した旧水環境制御装置をベースに製作するもので、旧装置で発生した事例に対する検討及び旧装置機器の一部再使用の検討も含めて、平成19年度に設計検討を実施した。本報告書は、これらの検討結果についてまとめたものである。
飯村 光一; 小川 光弘; 冨田 健司; 飛田 正浩
JAEA-Technology 2009-021, 71 Pages, 2009/05
JMTRは、平成23年度から照射試験の再稼働に向け、燃料異常過渡試験の準備を進めている。燃料異常過渡試験は、シュラウド照射装置(OSF-1)及びヘリウム3出力制御型沸騰水キャプセル照射装置(キャプセル制御装置,ヘリウム3出力可変装置及び沸騰水キャプセルから構成)を使用して、BWR高燃焼度燃料でBWRの照射環境を模擬し、出力急昇時の燃料挙動を評価する試験である。燃料異常過渡試験で取り扱う燃料試料が、さらに高燃焼度燃料(50GWD/t-UOから110GWD/t-U)になることから、燃料試料破損時における安全評価のため、線量の再評価を行う必要がある。本報告書は、燃料異常過渡試験で燃料試料の破損に至った場合、核分裂生成物がキャプセル制御装置及び沸騰水キャプセルに流出したときの各機器の線量当量率の評価及び取扱う放射線業務従事者の被ばく評価をまとめたものである。
小川 光弘; 飯村 光一; 冨田 健司; 飛田 正浩
JAEA-Technology 2009-017, 254 Pages, 2009/05
JMTR(Japan Materials Testing Reactor)では、平成23年度の再稼働に向けて照射施設の整備を進めている。照射施設の整備に伴い使用する燃料の照射条件等の変更から、JMTRの核燃料物質使用施設からの直線ガンマ線及びスカイシャインガンマ線による周辺監視区域境界における外部被ばくによる実効線量の再評価を実施した。評価方法は、照射施設における核燃料物質の最大使用量から、核種生成崩壊計算コード「ORIGEN2」を用いて線源強度を求め、これに建屋等の体系をモデル化し、しゃへい計算コード「G33-GP2」及び「QAD-CGGP2」を用いて周辺監視区域境界上の線量当量率を算出した。評価の結果、当該施設からの直接ガンマ線及びスカイシャインガンマ線による周辺監視区域境界における年間の実効線量は十分に低いことが確認された。
冨田 健司; 井上 修一; 石田 卓也; 小沼 勇一; 土谷 邦彦
JAEA-Technology 2008-050, 41 Pages, 2008/07
材料試験炉(JMTR)を用いてチタン酸リチウム(LiTiO)微小球充填体を装荷した照射試験のための試験設備として、ブランケット照射試験設備を整備した。本試験設備は、微小球充填体から生成・放出されるトリチウムをオンラインで測定・回収するスイープガス装置及びトリチウム増殖材領域の温度制御と中性子束の測定を行うキャプセル制御盤から構成されている。スイープガス装置の5台のトリチウムモニタのうち、測定系トリチウムモニタ(TmIRA201)検出部が使用不能となり、そのTmIRA201検出部の交換が必要となった。本報告書は、トリチウムモニタ検出部の製作及びその交換作業についてまとめたものである。
冨田 健司; 細川 甚作; 松井 義典
JAEA-Technology 2008-043, 21 Pages, 2008/07
JMTRでは平成23年度再稼働に向けて、材料キャプセルの温度評価の高精度化を進めている。従来のサブプログラムでは矩形の試料形状により温度を評価していた。今回の開発では、特殊な形状であるCT試験片をモデル化して温度分布を解析できるようにした。また、この不均一な温度分布による熱応力分布も解析できるサブプログラムを開発した。さらに、再照射試験に有効と考えられる2分割熱媒体の構造をモデル化できるようサブプログラムの開発を行った。
冨田 健司; 土谷 邦彦; 小沼 勇一; 井上 修一; 渡邊 浩之; 斎藤 隆; 菊地 泰二; 林 君夫; 北島 敏雄
JAEA-Technology 2008-036, 61 Pages, 2008/06
材料試験炉(JMTR)を照射場として、トリチウム増殖材(LiTiO)微小球充填体を装荷した照射試験体を用いた第2期照射試験(ORIENT-II,JMTRキャプセル名:99M-54J)の終了に伴い、JMTR炉心からの照射試験体の取出方法の検討及び取出試験を行った。まず、照射試験体,スイープガス配管,接続箱・保護管等に残留するトリチウムの除去試験を行うとともに、微小球を充填した充填体の配管からのトリチウム漏洩を防止するための閉止栓の溶封試験を行った。次に、得られた試験結果に基づき、照射試験体の取出方案を策定し、試験体の取出試験を行った。本報告書は、LiTiO微小球充填体を装荷した照射試験体の取出しに備えて行った、トリチウム除去に関する特性試験及び閉止栓の溶封試験結果、並びに、照射試験体の取出し試験及びそこから得られた知見についてまとめたものである。
池島 義昭; 石田 卓也*; 土谷 邦彦; 冨田 健司; 海老沢 博幸; 馬籠 博克; 中道 勝*; 北島 敏雄; 河村 弘
JAERI-Tech 2005-005, 37 Pages, 2005/02
JMTRを照射場として、トリチウム増殖材(LiTiO)微小球充填体を装荷した照射試験体を用いた第1期照射試験(ORIENT-I,JMTRキャプセル名:96M-37J)の終了に伴い、JMTR炉心からの照射済試験体の取出方法の検討及び取出試験を行った。本報告書は、LiTiO微小球充填体を装荷した照射済試験体の取出しに備えて行った、トリチウム除去及びトリチウム脱離に関する特性試験及び作業者の内部被ばくに関する試験前評価の結果、並びに、照射済試験体の取出し実績及びそこから得られた知見についてまとめたものである。
大嶋 淳; 芦田 貴志; 礒崎 和則; 住野 公造; 山口 明; 坂場 秀男; 小澤 健二; 冨田 直樹
JNC TN9410 2004-011, 279 Pages, 2004/04
高速実験炉「常陽」の照射能力の高度化を目的としたMK-III計画では、炉心の高速中性子束を高めることで熱出力がMK-IIの100MWtから140MWtに増大した。冷却系の改造は、除熱能力の向上を目的として大型ナトリウム機器を交換するものであり、1次冷却系では、主中間熱交換器(IHX)及びIHX接続配管の交換を行った。本改造は、既設プラントの冷却系バウンダリを維持した状態で放射性ナトリウムが付着した大型機器を交換する我が国初めての工事であり、さらに限られた作業エリア、高放射線環境下での作業等、多くの制約条件があった。このため、従来の「常陽」における運転・保守に関する経験、知見、ナトリウム取扱技術に関する研究開発成果等を参考にしつつ、工事準備段階で綿密な検討を行い、改造工事を実施した。MK-III冷却系改造のうち、1次冷却系機械設備(主中間熱交換器)の改造工事で得られた成果は以下のとおりである。(1)モックアップ試験による基本工法の確認、最適な作業と作業条件の選定、トレーニングによる作業習熟等を図り、的確な工事方法と作業時間短縮により、作業員の被ばく線量を低減することができた。(2)ナトリウムバウンダリを開放する作業(配管切断、ナトリウム除去・洗浄、配管溶接)時のシールバッグによる雰囲気隔離方法の有効性を実証した。(3)冷却材バウンダリ開放時間を低減する適切な切断順序の策定、各切断部位に応じた適切な切断工法(バイト切断+押切り等)の選定により、内外管を含む計44箇所の配管切断時における異物混入を防止できた。(4)配管切断開口部に取付けた線用の仮閉止治具(閉止キャップ、固定治具、ヘキサプラグ)により、工事期間中、冷却材バウンダリを確実に維持することができた。(5)配管切断部に残留したナトリウムの掻きだし及び内面付着ナトリウムの拭き取り方法の有効性を実証すると共に、効率的な作業方法を見出した。(6)配管溶接時の差圧管理(バックシールガスとシールバッグ内圧)と配管表面温度の監視によるシールバッグ内溶接作業の施工方法を確立した。1次冷却系機械設備(主中間熱交換器)の改造工事は、2000年10月30日に開始し、大きなトラブルもなしにほぼ計画通り2001年9月21日に完了した。これらの成果は、今後同様な工事を実施する場合に十分反映できるものと考えられる。
新宮 和喜*; 阿達 一宏*; 堀之口 賢治*; 富田 輝男*
JNC TJ7400 2005-006, 358 Pages, 1993/03
本調査は,断層周辺の応力状態を調査することにより断層活動が地質環境に与える力学的な影響の範囲と程度が,地表のみならず地下深部でどのように変化しているかを調査し,地層科学研究の重要な課題である地質環境の長期安定性を明らかにすることを目的としている。本調査は,茂住祐延断層近傍に開削された長棟地域構造坑道内の試錐孔で調査を実施した。
土田 秀次*; 中嶋 薫*; 横江 潤也*; 杉山 元彦*; 太田 優史*; 間嶋 拓也*; 柴田 裕実*; 冨田 成夫*; 笹 公和*; 平田 浩一*; et al.
no journal, ,
高速分子イオンを数十nmの孔径を持つナノキャピラリーを透過させて、出射する分子イオンの分子軸をキャピラリー内壁との相互作用により揃えるビーム配向制御に関する研究を行っている。分子軸配向の駆動力としては、キャピラリー内で解離した入射イオンのうち、先行するイオンの電荷でキャピラリー内壁表面に誘起された電子の動的遮蔽によって、その後方にできる電子粗密波に後続イオンが捕捉される効果(ウェイク効果)が有力と考えられる。そこで本研究ではウェイクによる解離イオンの捕捉効果を調べるため、1.0MeV HeHイオンをアルミナ製の平均孔径67nm、アスペクト比約750のキャピラリーに入射させ、出射する解離イオン(HおよびHe)の運動エネルギーを高分解能磁場型分析器により測定した。この結果の一例として、ゼロ度方向に出射したHイオンのエネルギースペクトルでは、Heイオンの前方と後方に位置してクーロン爆発したHに相当するピークが204keVと196keV付近にそれぞれ観測された。各ピークの収量比からHeイオンの後方に捕捉されたHの成分は約75%であることが分かった。発表では、他の出射イオンの出射角依存性等についても言及する。