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論文

Assessment model of radiation doses from external exposure to the public after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident

高原 省五; 飯島 正史*; 渡邊 正敏*

Health Physics, 118(6), p.664 - 677, 2020/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)

福島事故後の福島市内において、住民の個人線量及び自宅の屋内外における周辺線量当量率を実測した。また、住民の生活行動として自宅及び職場等での滞在時間を調査した。これらの結果と、福島事故後の最新知見を反映して外部被ばく線量の評価モデルを開発した。開発したモデルを用いて住民の被ばく線量評価を行ったところ、実測した個人線量の時間変化とよく一致した。また、福島市内の屋内作業者及び屋外作業者について、各集団内での線量分布を再現することができた。今回の評価及び実測の結果、福島市内においては、事故から8年目の時点において追加被ばくで年間1mSvを上回る個人はいなかった(評価については95%値を用いて判断)。

論文

Assessment of radiation doses from ingestion pathway to the public in Fukushima prefecture after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident

高原 省五; 渡邊 正敏*

Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2019 (ASRAM 2019) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2019/09

経口摂取による公衆の内部被ばくは、福島事故後の被ばく線量評価において最も関心の高い被ばく経路の一つである。本研究では、福島事故後の最新知見をもとに、食品中核種濃度の減衰速度や調理過程における濃度低減を考慮して被ばく線量の予測モデルを開発した。開発したモデルを用いて遡及的な評価を行ったところ、同経路からの被ばく線量は事故後1年目に数10$$mu$$Sv程度であり、その後は年間数$$mu$$Svを超えることなく単調に減衰していくことが分かった。また、これらの結果は、マーケットバスケット法,陰膳法及び汚泥中濃度に基づく逆推定法による先行研究と整合性のある結果となった。

論文

J-PARCにおける人的保護システムの現状

菊澤 信宏; 仁木 和昭*; 山本 昇*; 林 直樹; 足立 昌俊*; 渡邉 和彦*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.877 - 880, 2019/07

J-PARCのインターロックシステムは、人の安全のための人的保護システム(Personnel Protection System: PPS)および機器を保護するための機器保護システム(Machine Protection System: MPS)に大別される。J-PARCのPPSは2006年のLinacでの部分運用から始まり2009年のハドロン実験施設およびニュートリノ実験施設の稼働で完成した。その後の10年でビデオ監視システムの更新や新しいインターロックの新設などの改善や改良が行われてきた。本報告ではこれらを含めた最近の運用について述べるとともに、信頼性を維持・向上させるために実施している検査やメンテナンスについての現状を報告する。

論文

Cryogenic sample environments shared at the MLF, J-PARC

河村 聖子; 高橋 竜太*; 石角 元志*; 山内 康弘*; 中村 雅俊*; 大内 啓一*; 吉良 弘*; 神原 理*; 青山 和弘*; 坂口 佳史*; et al.

Journal of Neutron Research, 21(1-2), p.17 - 22, 2019/05

MLF試料環境チーム低温・マグネットグループは、J-PARC MLFにおいて、利用者の実験のための冷凍機やマグネットの運用を行っている。これまでトップローディング型$$^4$$He冷凍機、ボトムローディング型$$^3$$He冷凍機、希釈冷凍機インサート、超伝導マグネットを導入してきた。これらの機器の使用頻度は、ビーム出力、課題数の増加に伴い、ここ2年間で急激に高くなってきている。この状況に対応するために運用経験を加味しながら、これらの機器の性能向上作業を進めている。例えば、$$^3$$He冷凍機の制御ソフトには、自動の初期冷却および再凝縮のプログラムが備わっていたが、新たに、$$^3$$He potにヒーターを焚くことなくsorbの温度制御のみで$$^3$$He potを温調するプログラムも作成した。また2017年は、超伝導マグネット用に、揺動型ラジアルコリメーター付きのOVCテールを製作した。このラジアルコリメーターの導入によりデータの質は劇的に向上し、中性子非弾性散乱実験でも超伝導マグネットが使用できるようになった。

論文

Dose-reduction effects of vehicles against gamma radiation in the case of a nuclear accident

高原 省五; 渡邊 正敏*; 廣内 淳; 飯島 正史*; 宗像 雅広

Health Physics, 114(1), p.64 - 72, 2018/01

AA2017-0033.pdf:0.55MB

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.98(Environmental Sciences)

The aim of this paper is to evaluate the dose-reduction effects of vehicles. To achieve this aim, a model for calculating the dose reduction factor (DRF) was developed based on the actual shape and weight of Japanese vehicles. This factor is defined as the ratio of dose rate inside a vehicle to that outside. In addition to model calculation, we evaluated the DRFs by actual measurements in the areas contaminated by the Fukushima accident. A comparison between the simulated and the measured results revealed that the DRFs obtained using the developed models were in good agreement with the results of actual measurements. Using this model, we also evaluated the DRFs for cloudshine and groundshine in the case of a nuclear accident. The evaluations were performed for four vehicle models whose weights were 800-1930 kg. The DRF for cloudshine with photon energy of 0.4-1.5 MeV was 0.66-0.88, and that for groundshine from $$^{137}$$Cs was 0.64-0.73.

論文

A Significant role of non-thermal equilibrated electrons in the formation of deleterious complex DNA damage

甲斐 健師; 横谷 明徳*; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎*; 樋川 智洋; 渡邊 立子*

Physical Chemistry Chemical Physics, 20(4), p.2838 - 2844, 2018/01

 被引用回数:11 パーセンタイル:69.76(Chemistry, Physical)

放射線生物影響を誘発する複雑DNA損傷はエネルギー付与率の高い放射線トラックエンドで生成されやすいと考えられている。そのDNA損傷を推定するために、電子線トラックエンドにおける水の放射線分解最初期過程について、計算シミュレーションに基づいた理論的研究を実施した結果から、1次電子線照射によりDNA鎖切断を含む複数の塩基損傷が1nm以内に密に生成され得ることが示された。この複雑DNA損傷は損傷除去修復が困難である。更に、その複雑損傷部位から数nm離れた位置に2次電子により塩基損傷が誘発されることが示された。この孤立塩基損傷部位は損傷除去修復が可能であり、結果として鎖切断に変換されるため、1次電子線により生成された鎖切断と合わせ、最終的にDNAの2本鎖切断が生成され得る。この2本鎖切断末端は塩基損傷を含むために修復効率が低下し、未修復・誤修復により染色体異常のような生物影響が誘発されることが推測された。

論文

Factors affecting the effectiveness of sheltering in reducing internal exposure

廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*; 渡邊 正敏*; 宗像 雅広

Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2017 (ASRAM 2017) (USB Flash Drive), 11 Pages, 2017/11

屋内退避による内部被ばくの低減効果は多くの因子に影響される。これら因子が低減効果にどの程度の影響を与えるかを把握することは、屋内退避の実効性を効率的に向上させるために特に注目すべき変動因子を明らかにする上で重要である。本研究では、屋内外の放射性物質の交換を模擬したコンパートメントモデルと文献調査によって得られた変動因子の変動幅を用いて低減効果の感度解析を行った。その結果、粒子状物質に対しては浸透率が、ガス状物質に対しては屋内退避時間と自然換気率が大きな感度を持つことが示された。

論文

Identification of penetration path and deposition distribution of radionuclides in houses by experiments and numerical model

廣内 淳; 高原 省五; 飯島 正史; 渡邊 正敏; 宗像 雅広

Radiation Physics and Chemistry, 140, p.127 - 131, 2017/11

BB2016-0282.pdf:0.39MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:28.88(Chemistry, Physical)

The dose assessment for people living in preparation zones for the lifting of the evacuation order is needed with the return of the residents. However, it is difficult to assess exactly indoor external dose rate because the indoor distribution and infiltration pathways of radionuclides are unclear. This paper describes indoor and outdoor dose rates measured in eight houses in the difficult-to-return zone in Fukushima prefecture to examine the distribution of radionuclides in a house and the main infiltration pathway of radionuclides. In addition, it describes also dose rates calculated with a Monte Carlo photon transport code to understand thoroughly the measurements. These measurements and calculations provide that radionuclides can infiltrate mainly through ventilations, windows, and doors, and then deposit near the gaps, while those infiltrate hardly through sockets and air conditioning outlets.

論文

Oxygen potentials, oxygen diffusion coefficients and defect equilibria of nonstoichiometric (U,Pu)O$$_{2pm x}$$

加藤 正人; 渡部 雅; 松本 卓; 廣岡 瞬; 赤司 雅俊

Journal of Nuclear Materials, 487, p.424 - 432, 2017/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:58.67(Materials Science, Multidisciplinary)

(U,Pu)O$$_{2pm x}$$の酸素ポテンシャルについて、最新の実験データベースを用い、欠陥化学に基づいて評価した。酸素分圧と定比組成からのずれxを解析し、点欠陥の生成エネルギを評価した。得られた欠陥反応の平衡定数を用いて、欠陥濃度、酸素ポテンシャル及び拡散係数の間の関係を記述した。

報告書

島根県内における原子力災害時の避難施設に関する調査(受託研究)

高原 省五; 渡邊 正敏; 小栗 朋美; 木村 仁宣; 廣内 淳; 宗像 雅広; 本間 俊充

JAEA-Data/Code 2016-016, 65 Pages, 2017/02

JAEA-Data-Code-2016-016.pdf:2.32MB

本調査では島根県からの委託を受けて、原子力事故時の避難施設の被ばく低減効果の評価に資するため、島根県松江市において、避難施設の構造と材質に関するデータを調査した。調査の対象となった施設は合計22施設(290部屋)であり、教育施設(12施設、235部屋(付属の体育館等を含む))、公共施設(7施設、42部屋)と体育館(3施設、13部屋)が含まれている。各施設の構造や規模、用途を考慮して、教育施設の一般教室、教育施設のその他の特別教室(一般教室以外)、公共施設(公民館、福祉センターなど)、体育館の運動場、体育館の運動場以外という施設分類を設定し、構造と材質の調査結果を整理した。また、材質については密度も調査し、重量厚さを算出して整理した。先行研究と比較すると、本調査での調査結果は過去の日本国内及び欧米のコンクリート建物に対する調査データと整合性のある結果となった。ただし、体育館運動場の屋根についてはコンクリートではなく薄い金属板が使われている場合がほとんどであり、コンクリート施設や瓦を使った木造家屋よりも屋根の重量厚さは小さくなる傾向が見られた。

論文

Deceleration processes of secondary electrons produced by a high-energy Auger electron in a biological context

甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏; 藤井 健太郎; 渡辺 立子

International Journal of Radiation Biology, 92(11), p.654 - 659, 2016/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:61.4(Biology)

We performed a fundamental study of deceleration of low-energy electron ejected from water to predict clustered DNA damage formation involved in the decelerating electrons in water using a dynamic Monte Carlo code included Coulombic force between ejected electron and its parent cation. The decelerating electron in water was recaptured by the Coulombic force within hundreds of femtosecond. We suggested that the return electron contribute to modification of DNA damage because the electron will recombine to electric excited states of the parent cation, or will be prehydrated in water layer near the parent cation in DNA. Thus effect of the Coulombic force plays a significant role in evaluation of DNA damage involved in the electron deceleration in water.

論文

Dynamic behavior of secondary electrons in liquid water at the earliest stage upon irradiation; Implications for DNA damage localization mechanism

甲斐 健師; 横谷 明徳*; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*

Journal of Physical Chemistry A, 120(42), p.8228 - 8233, 2016/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:50.53(Chemistry, Physical)

放射線照射により細胞中で生成された低エネルギー2次電子は、生物影響を誘発する複雑なDNA損傷生成に関与すると考えられている。本研究では、DNA損傷の推定を行うために、水中における低エネルギー2次電子の動力学的挙動の数値計算による理論的研究を実施した。計算結果から、水中で減速した電子は、親イオンのクーロン場に徐々に引きつけられ、数百fs程度になると親イオンから半径2nm以内の領域に12.6%の電子が分布することが示された。更に、親イオンから半径1nm以内において、電離と電子的励起が主に誘発され、その衝突数は全体の約40%となる。これらの解析結果から、もしDNA内部から低エネルギー2次電子が放出されると、複雑なDNA損傷が、電離や電子的励起に加え、解離性電子移行により生成され得ることを提案した。このような複雑なDNA損傷は、最終的に細胞死や染色体異常のような生物影響の誘発に関与する可能性がある。

論文

国際核融合エネルギー研究センターの高性能計算機システムHeliosを利用した国内シミュレーション研究プロジェクトの進展

石澤 明宏*; 井戸村 泰宏; 今寺 賢志*; 糟谷 直宏*; 菅野 龍太郎*; 佐竹 真介*; 龍野 智哉*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 前山 伸也*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.157 - 210, 2016/03

幅広いアプローチ協定に基づいて国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の計算機シミュレーションセンター(CSC)に設置された高性能計算機システムHeliosは、2012年1月に運用を開始し、日欧の磁気核融合シミュレーション研究に供用され、高い利用率の実績を示すとともに、炉心プラズマ物理から炉材料・炉工学にわたる広い分野で多くの研究成果に貢献している。本プロジェクトレビューの目的は、国内の大学や研究機関においてHeliosを利用して進められているシミュレーション研究プロジェクトとその成果を一望するとともに、今後予想される研究の進展を紹介することである。はじめにIFERC-CSCの概要を示した後、各研究プロジェクト毎にその目的、用いられる計算手法、これまでの研究成果、そして今後必要とされる計算を紹介する。

論文

The Influences of Pu and Zr on the melting temperatures of the UO$$_{2}$$-PuO$$_{2}$$-ZrO$$_{2}$$ pseudo-ternary system

森本 恭一; 廣岡 瞬; 赤司 雅俊; 渡部 雅; 菅田 博正*

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1247 - 1252, 2015/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:22.25(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所の事故に対する廃炉計画の一環として、損傷炉心からのデブリの取出しやその後の保管の検討が進められている。これらの検討にはデブリの熱特性や機械特性を評価し理論的な根拠に基づいた事故シナリオにおける燃料の溶融過程の予測が必要である。本研究では模擬デブリ試料としてU, Pu, Zrの混合酸化物を作製し、燃料の溶融過程を検討する上で重要な熱特性の一つである融点についてサーマルアレスト法によって測定した。得られた結果から模擬デブリ試料の融点に対するPu及びZrの影響について評価した。

論文

Thermal equilibrium and prehydration processes of electrons injected into liquid water calculated by dynamic Monte Carlo method

甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎; 渡辺 立子

Radiation Physics and Chemistry, 115, p.1 - 5, 2015/10

 被引用回数:16 パーセンタイル:86.9(Chemistry, Physical)

放射線によるDNA損傷において、電子衝突電離により発生した2次電子は難修復性DNA損傷の生成に深く関与すると考えられているが、電子の熱化過程が解明されていないことから、その放射線作用は未だ十分には解明されていない。本研究では、電子の熱化過程の全貌解明のために、水中に照射された電子の熱化距離を、液相の回転・フォノン励起断面積を新たに考慮して計算した。この結果、低エネルギー領域、高エネルギー領域ともに、実験値とよく一致した。しかしながら、熱化時間については従来予測より1桁程度長くなることが分かった。このことから、従来予測に反し、電子の熱平衡化と水和前過程は同時に起こり得ることが推測された。水和前電子は解離性電子移行によりDNA損傷を誘発することから、本研究により推測された水和前過程の生成メカニズムは、2次電子によるDNA損傷の高密度化を推測するために役立つことが期待される。

論文

Cross-scale interactions between electron and ion scale turbulence in a tokamak plasma

前山 伸也*; 井戸村 泰宏; 渡邉 智彦*; 仲田 資季*; 矢木 雅敏; 宮戸 直亮; 石澤 明宏*; 沼波 政倫*

Physical Review Letters, 114(25), p.255002_1 - 255002_5, 2015/06

 被引用回数:68 パーセンタイル:95.12(Physics, Multidisciplinary)

実イオン・電子質量比かつ実$$beta$$値のマルチスケールジャイロ運動論的乱流シミュレーションをはじめて実現した。ここで、$$beta$$値はプラズマ圧力と磁気圧の比によって与えられ、微視的不安定性に対する電磁効果を特徴付ける。電子・イオンスケールのスケール間相互作用を明らかにするために両スケールにおける数値解析を行った。実質量比のスケール分離があっても、イオンスケール乱流が電子スケールストリーマを消去し、イオンだけでなく電子の熱輸送も支配する。また、イオンスケールモードが有限$$beta$$効果によって安定化される場合には乱流輸送への電子スケールダイナミクスの寄与は無視できなくなり、イオンスケール乱流輸送を増大させることがわかった。

論文

Cross sections, stopping powers, and energy loss rates for rotational and phonon excitation processes in liquid water by electron impact

甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏*; 渡辺 立子

Radiation Physics and Chemistry, 108, p.13 - 17, 2015/03

 被引用回数:13 パーセンタイル:81.43(Chemistry, Physical)

放射線によるDNA損傷において、電子衝突電離により発生した2次電子は難修復性DNA損傷の生成に深く関与すると考えられているが、2次電子の放射線作用は未だ十分には解明されていない。その原因の一つとして、電子の熱化過程で主に寄与する液体水の回転・フォノン励起過程の断面積の不備が挙げられる。本研究において、それらの断面積、阻止能及びエネルギー損失率の理論計算を行った結果、液相の回転励起断面積は気相の断面積に比べ3桁以上減少し、フォノン励起断面積は固相の断面積に近い値を示すことが分かった。今日まで1eV以下のエネルギー損失率は電子のエネルギーに強く依存しないと仮定し、電子の熱化過程は評価されてきた。しかしながら、本計算結果から、エネルギー損失率は1eV以下のエネルギーに対して強く依存することが分かった。その結果、電子の熱化時間は従来予測よりも長くなり、後続の水和過程及び化学過程に強く関与する可能性が予測された。本研究成果である回転・フォノン励起断面積は、熱化過程を研究する上で不可欠なデータであり、DNA損傷に対する2次電子の役割を解明するための研究に利用されることが期待される。

論文

Dynamics of low-energy electrons in liquid water with consideration of Coulomb interaction with positively charged water molecules induced by electron collision

甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎; 樋口 真理子; 渡辺 立子

Radiation Physics and Chemistry, 102, p.16 - 22, 2014/09

 被引用回数:14 パーセンタイル:79.88(Chemistry, Physical)

本研究では水中に入射及び生成された電子のエネルギー緩和過程の詳細に明らかにするために、電子の衝突イベント数及び軌道追跡の時間発展を計算により求めた。本シミュレーション法では電子の軌道を追跡する計算を行うために、分子過程として電子衝突による水分子の電離過程、電子的励起過程、解離性付着過程、振動励起過程、回転励起過程及び弾性散乱過程を考慮し、さらに低エネルギー電子の詳細軌道を計算するために荷電粒子間のクーロン相互作用を考慮した。水中に500eVの電子を入射した際の各分子過程の衝突イベント数を見積もった結果、振動及び回転励起過程をより多発させながらエネルギーを損失することがわかった。また、生成された2次電子は100フェムト秒間で電離した位置から平均3nm程度の位置まで拡散することがわかった。

論文

Development of science-based fuel technologies for Japan's Sodium-Cooled Fast Reactors

加藤 正人; 廣岡 瞬; 生澤 佳久; 武内 健太郎; 赤司 雅俊; 前田 宏治; 渡部 雅; 米野 憲; 森本 恭一

Proceedings of 19th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2014) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2014/08

ウラン-プルトニウム混合酸化物(MOX)はナトリウム冷却高速炉の燃料として開発が進められている。MOXペレットの焼結挙動や照射挙動を解析するために、サイエンスベース燃料技術の開発を進めてきた。この技術は、適切な燃料製造条件や照射挙動解析結果について、機構論的なモデルを用いて計算し、供給することができる。

論文

Comparison between kinetic-ballooning-mode-driven turbulence and ion-temperature-gradient-driven turbulence

前山 伸也; 石澤 明宏*; 渡邉 智彦*; 仲田 資季; 宮戸 直亮; 矢木 雅敏; 井戸村 泰宏

Physics of Plasmas, 21(5), p.052301_1 - 052301_12, 2014/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:56.05(Physics, Fluids & Plasmas)

Electromagnetic turbulence driven by kinetic ballooning modes (KBMs) in high-beta plasma is investigated based on the local gyrokinetic model. Analysis of turbulent fluxes, norms and phases of fluctuations shows that KBM turbulence gives narrower spectra and smaller phase factors than those in ion-temperature-gradient (ITG)-driven turbulence. This leads to the smaller transport fluxes in KBM turbulence than those in ITG turbulence even when they have similar linear growth rates. From the analysis of the entropy balance relation, it is found that the entropy transfer from ions to electrons through the field-particle interactions mainly drives electron perturbations, which creates radially twisted modes by rapid parallel motions of electrons in a sheared magnetic geometry. The nonlinear coupling between the dominant unstable mode and its twisted modes is important for the saturation of KBM turbulence, in contrast to the importance of zonal flow shearing in ITG turbulence.

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