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論文

Late-Holocene salinity changes in Lake Ogawara, Pacific coast of northeast Japan, related to sea-level fall inferred from sedimentary geochemical signatures

奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 瀬戸 浩二*; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 592, p.110907_1 - 110907_11, 2022/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Geography, Physical)

小川原湖は、下北半島の太平洋沿岸に位置した汽水湖である。これまでの研究により、完新世の後期に海水準が低下したことで小川原湖が汽水化したと推測されているが、これまでに正確な年代は明らかにされていなかった。小川原湖が汽水化した年代を明らかにすることにより、過去の海水準変動の時期や規模に関する情報が得られると期待される。本研究では、小川原湖から採取した柱状堆積物(長さ約280m)中の、植物片と全有機炭素の放射性炭素年代測定、及びテフラの同定により堆積層の形成年代を決定した。また、堆積物中のハロゲン元素(臭素およびヨウ素)の鉛直分布を明らかにし、小川原湖の過去の塩分濃度変化を推定した。海水由来と考えられる堆積物中の臭素およびヨウ素濃度の増加時期から、約2200cal BPに小川原湖が汽水化したことが示唆された。

論文

Characteristics in trace elements compositions of tephras (B-Tm and To-a) for identification tools

奈良 郁子*; 横山 立憲; 山崎 慎一*; 南 雅代*; 淺原 良浩*; 渡邊 隆広; 山田 和芳*; 土屋 範芳*; 安田 喜憲*

Geochemical Journal, 55(3), p.117 - 133, 2021/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:58.66(Geochemistry & Geophysics)

白頭山噴火年代は西暦946年であることが広く認められている。噴火で分散した白頭山-苫小牧(B-Tm)テフラは、精確な年代を示す鍵層となる。従来は、このテフラを同定するため、火山ガラス片の屈折率と主成分元素組成が使われていた。しかし、希土類元素に着目した微量元素分析やテフラ層の全堆積物に対する微量元素分析はこれまでほとんど報告例がない。本論文では、東北地方の小河原湖の堆積物コアから採取したB-Tmテフラ及び十和田カルデラ(To-a)テフラについて、火山ガラス片と全堆積物の主要元素及び微量元素分析結果を示す。主要元素及び微量元素の深度プロファイルでは、B-Tmテフラ層においてK$$_{2}$$Oと微量元素の増加が確認されたが、To-aテフラ層においては、これらの元素の増加は確認されなかった。B-Tmテフラ層で検出された高濃度の微量元素は全堆積物だけではなく、ガラス片にも確認された。B-Tmテフラ層のガラス片にみられる元素(特に希土類元素)の組成パターンは、他の日本のテフラガラスとは明らかに異なる。ガラス片と全堆積物の微量元素組成は、B-Tmテフラと他の日本のテフラを区別する上で、有用な指標となると考えられる。

論文

Geochemical characteristics of paleotsunami deposits from the Shizuoka plain on the Pacific coast of middle Japan

渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 北村 晃寿*; 山崎 慎一*; 奈良 郁子*

Geochemical Journal, 55(6), p.325 - 340, 2021/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:22.73(Geochemistry & Geophysics)

過去の津波浸水域に関する情報は、今後の防災や減災計画の基礎データとして利用されることが期待されている。しかし、津波堆積物を用いて過去の津波浸水域を復元するにあたり、津波堆積物の供給源の推定、洪水や高潮堆積物との区別等が現状で解決すべき課題となっている。これらの問題を解決する一つの手段として、津波堆積物の地球化学判別手法が有効と考えられるが、国内では東北地方以外での適用例は限られている。特に中部地方太平洋沿岸でのデータはこれまでに得られていない。したがって、本研究では既に採取されている静岡平野の津波堆積物の化学分析を実施し、津波堆積物の判別手法の改良を試みた。分析の結果、ナトリウムとチタンとの相対比およびクラスター分析等の統計解析を用いることによって海由来の物質で形成された堆積層を検出できる可能性が高いことが示唆された。

論文

A Geochemical approach for identifying marine incursions; Implications for tsunami geology on the Pacific coast of northeast Japan

渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 山崎 慎一*; 澤井 祐紀*; 細田 憲弘*; 奈良 郁子*; 中村 俊夫*; 駒井 武*

Applied Geochemistry, 118, p.104644_1 - 104644_11, 2020/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:65.99(Geochemistry & Geophysics)

地層中の津波堆積物の分布から、過去の津波浸水域を推定することが可能である。津波浸水域に関する情報は、今後の防災や減災計画の基礎データとして利用することが期待されている。しかし、津波堆積物を用いて過去の津波浸水域を復元するにあたり、形成年代の決定、津波堆積物の供給源の特定、洪水や高潮堆積物との区別、及び目視で判別困難な泥質津波堆積物の検出等が現状で解決すべき課題となっている。本研究では上記の問題を解決する一つの手段として、津波堆積物の地球化学判別手法を提案した。仙台平野において採取された堆積物の化学分析を実施し、津波堆積物の判別手法の改良を試みた。分析の結果、カルシウム等の単成分による津波層検出は、後背地の特徴や貝殻の有無などの影響を強く受けることから必ずしも有効ではなく、ケイ素とアルミニウムとの相対比についても、砂層の検出には有効であるが、その供給源に関する情報は乏しいことが示された。一方、ナトリウムとチタンとの相対比を用いることによって海由来の物質で形成された堆積層を検出できる可能性が高いことが示唆された。

論文

FEMAXI-7 prediction of the behavior of BWR-type accident tolerant fuel rod with FeCrAl-ODS steel cladding in normal condition

山路 哲史*; 山崎 大輝*; 岡田 知也*; 坂本 寛*; 山下 真一郎

Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09

現行のBWR9$$times$$9型燃料においてジルカロイ被覆管をFeCrAl-ODS鋼被覆管(経済産業省の研究開発プロジェクトで開発中の一種の酸化物分散強化型鋼)に置き換えた時の事故耐性燃料性能の特徴について、燃料ふるまい解析コードFEMAXI-7を用いて評価した。特に、燃料温度、核分裂ガス放出、ペレット-被覆管機械的相互作用(PCMI)に及ぼす、クリープひずみ速度やODS被覆管の肉厚の影響について調査した。

論文

Impurity effects in the microscopic elastic properties of polycrystalline Mg-Zn-Y alloys with a synchronised long-period stacking ordered phase

細川 伸也*; 木村 耕治*; 山崎 倫昭*; 河村 能人*; 吉田 亨次*; 乾 雅祝*; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 川北 至信; 伊藤 晋一*

Journal of Alloys and Compounds, 695, p.426 - 432, 2017/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.87(Chemistry, Physical)

Inelastic X-ray scattering (IXS) was performed on polycrystalline Mg$$_{97}$$Zn$$_1$$Y$$_2$$ and Mg$$_{85}$$Zn$$_6$$Y$$_9$$ alloys with synchronized long-period stacking ordered (LPSO) phase for investigating the impurity effects in the microscopic elastic properties. Inelastic neutron scattering (INS) was also carried out on the former alloy. LA modes were clearly observed in the IXS spectra of both the LPSO alloys, while TA modes can mainly be detected in the second Brillouin zone. Broader inelastic signals and larger quasielastic peaks are characteristic due to the phonon scattering by the Zn/Y impurities. Only the TA excitation energies increase by adding the impurities, which indicates a harder stiffness of the bond angles relating to the L1$$_2$$-type clusters in the LPSO alloys. New dispersion-less excitation modes are observed at about 10 meV by adding the Zn/Y impurities. By comparing with the INS data, the contributions of the impurities to these excitations are discussed using differences in the scattering cross-sections between neutrons and X-rays.

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成22年度)

安江 健一; 浅森 浩一; 谷川 晋一; 山田 国見; 山崎 誠子; 國分 陽子; 丹羽 正和; 道家 涼介; 草野 友宏; 花室 孝広; et al.

JAEA-Research 2011-023, 113 Pages, 2011/10

JAEA-Research-2011-023.pdf:10.9MB

本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第2期中期計画期間(平成22年度$$sim$$平成26年度)の初年度である平成22年度に実施した研究開発にかかわる成果を取りまとめたものである。第2期中期計画期間においても第1期中期計画に引き続き、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めている。本報では、それぞれの研究分野にかかわる科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題などについて述べる。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(平成23年度)

安江 健一; 浅森 浩一; 草野 友宏; 國分 陽子; 谷川 晋一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 山崎 誠子; 山田 国見; 石丸 恒存; et al.

JAEA-Review 2011-023, 43 Pages, 2011/07

JAEA-Review-2011-023.pdf:1.84MB

本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年度$$sim$$平成26年度)における平成23年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画に基づき、第1期中期計画期間(平成17年度$$sim$$平成21年度)における研究成果、平成22年度の研究成果、関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮しつつ策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。

報告書

「地質環境の長期安定性に関する研究」第1期中期計画期間(平成17年度$$sim$$平成21年度)報告書(H22レポート)

草野 友宏; 浅森 浩一; 黒澤 英樹; 國分 陽子; 谷川 晋一; 根木 健之; 花室 孝広; 安江 健一; 山崎 誠子; 山田 国見; et al.

JAEA-Research 2010-044, 153 Pages, 2011/01

JAEA-Research-2010-044.pdf:12.53MB

本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第1期中期計画期間の5か年(2005年度$$sim$$2009年度)に実施した研究開発にかかわる成果を取りまとめたものである。第1期中期計画では、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めてきた。本報では、それぞれの研究分野にかかわる科学的・技術的背景を解説するとともに、設定した研究課題に対してこれまでに実施してきた内容,主な研究成果及び今後の課題などについて述べる。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(平成22年度)

安江 健一; 浅森 浩一; 山田 国見; 國分 陽子; 山崎 誠子; 黒澤 英樹; 谷川 晋一; 根木 健之; 草野 友宏; 花室 孝広; et al.

JAEA-Review 2010-034, 42 Pages, 2010/09

JAEA-Review-2010-034.pdf:1.15MB

本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年4月$$sim$$平成27年3月)の初年度である平成22年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画をベースに、第1期中期計画期間(平成17年4月$$sim$$平成22年3月)における研究成果,関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究,実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮したうえで策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果をタイムリーに反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化,(2)長期予測・影響評価モデルの開発,(3)年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。

報告書

土壌性状に関する調査研究(3)-日本の土壌中の微量及び超微量元素のバックグラウンド値-

山崎 慎一*

JNC TJ8430 2000-005, 159 Pages, 2000/03

JNC-TJ8430-2000-005.pdf:3.95MB

日本の各地100箇所余りから採取した500点以上の土壌の微量及び超微量元素の分析を主としてICP-質量分析法を用いて行った。土壌の採取地点はわが国に見られる主要な土壌を網羅するように設定された。従来の分析法によって求めた多量元素のデータを加えることによって、日本の土壌の60種類以上の元素のバックグラウンド値(天然存在量)を明らかにすることができた。得られた結果の概略は以下の通りである。1)各元素の濃度範囲は極めて広く、多くの元素で3桁以上の幅を示した。この様な幅広い濃度範囲を持つにも係わらず、以下の一般的な傾向が認められた。第一遷移元素の濃度は高く、原子番号が小さく、あるいは大きくなるに従ってその値は低下した。しかし、鉛、トリウムおよびウランは例外的に高い値となった。原子番号が偶数の元素は一般にその両側にある奇数番号の元素よりも濃度が高かった。2)頻度分布はほとんどの元素で低いほうへ強い片寄りを示し、算術平均値はバックグラウンド値として適切でないことが明らかであった。3)周期律表上で同一族、あるいは亜族に属する元素間ではかなりの組み合わせで高い相関(r$$>$$0.9)が認められた。4)クラスター分析で元素のグループ分けを行ったところ、土壌中での各元素の分布は土壌の性質よりも元素の物理化学的性質によって強く支配されていることが判明した。5)地球化学的標準物質として用いられている火山岩の推奨値を用いてクラスター分析で得られた樹形図は土壌のそれに酷似していた。この結果より、土壌中の各種元素の全含量はその出発物質である母岩の影響を未だに色濃く受けていると結論された。土壌生成過程の影響を検討するには、より溶解性の高い画分をも対象にデータの蓄積を行うことが必要と考えられた。

口頭

The Millennium scale monsoon cycles recorded in a sediment core from alpine Tibetan lake

渡邊 隆広; 奈良 郁子*; 松中 哲也*; 箕浦 幸治*; 掛川 武*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 中村 俊夫*; Junbo, W.*; Liping, Z.*

no journal, , 

湖沼堆積物や石筍試料を用いた高時間解像度(百年から千年スケール)での古環境変動に関する成果がこれまでに報告されている。特に、将来の表層環境や水循環の変動を推測するために、化学組成や同位体組成などの地球化学的手法を用いた過去のモンスーン活動の変遷に関する研究が進められている。過去のモンスーン活動、およびその変動メカニズムの把握に必要な研究対象地域として、日本を含む東アジアなどに加えて、チベット高原が注目されている。しかし、チベット高原における高時間解像度での環境変動解析例は極めて少ない。したがって、本研究ではチベット高原の湖沼堆積物の平均粒径および無機化学組成から推定された過去のモンスーン変動について周期解析を実施し、他地域から得られている解析結果と比較した。本研究では完新世のモンスーン変動におおよそ1000年から1500年の周期が見られ、これまでに報告されている東アジアおよび西アジアの石筍の酸素同位体比から推定されている気候変動の特徴とよく一致した。

口頭

Rb/Sr ratio in Lake Baikal sediment core; The New geochemical proxy for East Asian winter monsoon strength during cool climate period

奈良 郁子*; 山崎 慎一*; 渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 宮原 ひろ子*; 加藤 丈典*; 箕浦 幸治*; 掛川 武*

no journal, , 

地質試料や湖沼堆積物試料を用いて過去の環境変動を推定するためには、物質の循環と供給源を把握する必要がある。本研究ではロシアのバイカル湖から採取した堆積物の無機化学分析を実施した。特に、ルビジウム、ストロンチウムおよびカリウムの相対量から、バイカル湖の集水域での冬季東アジアモンスーンによる水循環変動、化学風化、物質循環、および物質の供給源の推定を試みた。本研究で得られたバイカル湖のルビジウム/ストロンチウム比の変動は、既報である中国のレス堆積物から推定されている冬季東アジアモンスーンの変動とよく一致した。したがって、湖沼堆積物中のルビジウム/ストロンチウム比は過去の冬季東アジアモンスーン変動の指標となることが示唆された。

口頭

高精度年代測定に基づく小川原湖の汽水化時期の推定

奈良 郁子*; 松中 哲也*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 渡邊 隆広; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

no journal, , 

小川原湖は、縄文後期の海水準低下により、太平洋の内海であった古小川原湖が後退したことで形成された汽水湖である。小川原湖の汽水化時期を明らかにすることは、縄文後期における東北地域の気候環境変動や汽水化が与える湖内生態系への影響を推測するために重要である。本研究では、小川原湖から採取した柱状堆積物(長さ280m)を用いて、植物片と全有機炭素の放射性炭素年代測定、テフラの同定、鉛-210、およびセシウム-137年代測定により、高精度な年代モデルを構築し、かつ堆積物中の微量元素分析結果を併せることにより、小川原湖の汽水化時期を推定した。堆積物から発見された二つのテフラ層は、屈折率および鉱物組成結果からB-TmテフラおよびTo-aテフラと同定された。植物片の放射性炭素年代測定結果は、B-Tmテフラが示す白頭山噴火年代(946年)と整合的であった。上記の年代測定結果および臭素等の微量元素濃度の変動から、小川原湖は約2000cal BPに汽水化したことが示唆された。

口頭

小川原湖堆積物の微量元素分布から推定される後期完新世における海水準変動

奈良 郁子*; 山崎 慎一*; 渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

no journal, , 

小川原湖は、下北半島の太平洋側に位置する汽水湖である。小川原湖は、縄文時代後期ごろ(約4,500-3,300年前)までは太平洋の内湾であった。現在の小川原湖への変遷は、当時の海水準変動と深く関わっていると考えられるが、その変遷時期については、これまでに詳細な議論は行われていない。本研究では、小川原湖の堆積物試料中の元素分布(Br, Uなど)に加え、放射性炭素年代測定、およびテフラ同定による堆積物の年代測定を実施し、過去の湖水塩分の変化、およびその変遷時期の推定を試みた。小川原湖堆積物試料中のBrおよびUの濃度は、堆積深度約160cm付近(堆積年代約2,200cal BP)から上部にかけて減少傾向を示した。本結果から、当時、海水準が低下し、現在の小川原湖付近への海水流入量が減少した可能性が考えられる。

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