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藤田 善貴; 新関 智丈*; 福光 延吉*; 有賀 克彦*; 山内 悠輔*; Malgras, V.*; Kaneti, Y. V.*; Liu, C.-H.*; 籏野 健太郎*; 末松 久幸*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 95(1), p.129 - 137, 2022/01
被引用回数:8 パーセンタイル:72.56(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、異なるpHの様々なモリブデン酸イオン種を含む溶液に浸したアルミナの各種表面分析(FTIR, XPS,ラマン分光法)により、アルミナへのモリブデン酸イオンの吸着メカニズムを考察した。得られた結果は、モリブデン酸イオンを含む酸性溶液にアルミナを浸すと、表面に存在するヒドロキシル基が除去されて正に帯電したサイトが生成され、モリブデン酸イオン(MoOまたはAlMoOH)が静電相互作用によって吸着されることを示した。アルミナは酸性溶液にわずかに溶解してAlMoOHを形成し、これはMoOよりも容易に脱離する。さらに、アルミナ表面を多くの-OH基で濃縮し、Mo溶液を最適化してアルミナへMoOとしてモリブデン酸イオンを吸着させることで、アルミナのMo吸着および脱離特性を向上できる可能性が示唆された。これらの発見は、医療用放射性同位体(Mo/Tc)ジェネレータ用の、より効率的で安定したアルミナベースのMo吸着剤の開発に貢献できる。
Benu, D. P.*; Earnshaw, J.*; Ashok, A.*; 土谷 邦彦; Saptiama, I.*; Yuliarto, B.*; Suendo, V.*; Mukti, R. R.*; 福光 延吉*; 有賀 克彦*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 94(2), p.502 - 507, 2021/02
被引用回数:11 パーセンタイル:64.63(Chemistry, Multidisciplinary)本研究は、TiO含有量を変化させたメソポーラスAlO-TiO複合材料の製造開発及び医療用放射性同位元素の製造のためのMo吸着剤の性能向上のために行った。TiOの含有量の増加は、元の形態を変えることなく、AlO表面へのより多くのTiOナノ粒子の形成を促進する。開発したAlO-2.5%Ti及びAlO-5%Tiのアルミナ試料はアモルファスであったが、AlO-10%Tiでは、TiOがAlO表面に被覆されていた。一方、TiOの添加により、比表面積はAlOの177m/gからAlO-5%Ti試料では982m/gまで大幅に増加した。これにより、Mo吸着量は、AlOで37.1mg/g、AlO-2.5%Tiで39.0mg/g、AlO-10%Tiで40.5mg/gであったが、AlO-5%Tiはよりも高い44.5mg/gを示した。これにより、従来のAlOの吸着能力と比較して、AlO-TiO複合材料の吸着能力の向上に見通しを得た。
Saptiama, I.*; Kaneti, Y. V.*; Yuliarto, B.*; 熊田 博明*; 土谷 邦彦; 藤田 善貴; Malgras, V.*; 福光 延吉*; 榮 武二*; 籏野 健太郎*; et al.
Chemistry; A European Journal, 25(18), p.4843 - 4855, 2019/03
被引用回数:15 パーセンタイル:54.20(Chemistry, Multidisciplinary)ユニークな階層的多層構造を持つメソポーラスベーマイト(-AlOOH)およびガンマ-アルミナ(-AlO)ナノシート合成のために様々な生体分子の効果的な利用が実証されている。生体分子の性質と濃度は、得られる-AlOOHおよび-AlOナノシートの結晶度,形態および組織特性に強く影響し、容易に調整可能である。生体分子を用いて合成された階層型-AlOOHおよび-AlO多層ナノシートは、生体分子なしで合成したものと比較して、結晶度の向上、粒子分離の改善および明確な多層構造を示した。さらに、これらの-AlOOHおよび-AlOナノシートは、メソポーラス構造と階層的な多層構造により、それぞれ425, 371m/gの高い比表面積を有していた。医療用ラジオアイソトープ製造のためのモリブデン吸着材に適用した結果、階層型-AlO多層ナノシートは33.140.8mg-Mo/gのMo吸着容量を有した。このMo吸着性能は、結晶度,比表面積および細孔容積の相乗的な組合せによる影響を受ける。提案された生体分子支援合成方法は、将来、他の3Dメソポーラス酸化物の合成に発展する可能性がある。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
Isotope News, (760), p.15 - 18, 2018/12
核医学検査薬として最も多く使用されているTcの原料となるMoは我が国ではすべて輸入に頼っており、安定供給のためMo/Tcの国産化が望まれている。天然Moを中性子照射してMoを生成することは技術的には可能であるが、比放射能が低いことから、現在Mo/TcジェネレータのMo吸着剤として用いられているアルミナの吸着性能向上が期待される。そこで、本研究ではメソポーラス技術を適用して表面積を増加させた新規アルミナの開発を進めている。アルミナは2通りの方法で合成し、一方はアルミナ-シリカ複合体でアルミナ/シリカ分子比及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法、一方がエタノール処理で焼成時間及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法である。本解説は、これらのメソポーラス加工を応用した新規アルミナの研究成果についてまとめたものである。
Saptiama, I.*; Kaneti, Y. V.*; 鈴木 善貴; 土谷 邦彦; 福光 延吉*; 榮 武二*; Kim, J.*; Kang, Y.-M.*; 有賀 克彦*; 山内 悠輔*
Small, 14(21), p.1800474_1 - 1800474_14, 2018/05
被引用回数:52 パーセンタイル:89.27(Chemistry, Multidisciplinary)放射化法で製造したMoは比放射能が低いことから、医療用Mo/Tcジェネレータに用いるには高いMo吸着性能を有するMo吸着材の開発が必要である。本研究では、Mo吸着材として、新たに開発した合成後、"水・エタノール"処理と高温焼結を組み合わせる手法によって、アルミニウムグリセレートナノ粒子から分子鋳型を用いずにメソポーラスAlOナノ粒子を合成した。これとほぼ同一の手法で得られたメソポーラスAlOナノ粒子は、無処理のAlOナノ粒子および市販のAlOと比較して、24倍高い表面積、より小さい細孔径分布のメソポーラス、200C低い結晶化温度、数倍高いMo吸着性能を示した。これにより、新たに提案した合成後処理法の酸化物材料への機能性向上の有効性が示唆された。
Saptiama, I.*; Kaneti, Y. V.*; Oveisi, H.*; 鈴木 善貴; 土谷 邦彦; 高井 公子*; 榮 武二*; Pradhan, S.*; Hossain, M. S. A.*; 福光 延吉*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 91(2), p.195 - 200, 2018/02
被引用回数:44 パーセンタイル:81.62(Chemistry, Multidisciplinary)放射化法で製造したMoは比放射能が低いことから、医療用Mo吸着材として高いMo吸着性能を有する材料の開発が必要である。このため、メソポーラス構造を持つシリカの表面にアルミナを含浸させた構造を持つ材料(Al-MPS)を開発した。本研究では、Al-MPSのAl/Si比及び焼結温度の違いによるモリブデンの吸着特性への影響を調べた。この結果、750Cで焼結した時、Al/Si比の増加とともにAl-MPSの比表面積は低下傾向にあったが、空孔間の距離、空孔径等はほぼ同じであった。Al-MPSのMo吸着量は、Al/Si比の増加とともに増加することが分った。さらに、Mo吸着量は、使用するMo溶液のpHに影響することも分った。
Saptiama, I.*; Kaneti, Y. V.*; 鈴木 祐未*; 鈴木 善貴; 土谷 邦彦; 榮 武二*; 高井 公子*; 福光 延吉*; Alothman, Z. A.*; Hossain, M. S. A.*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 90(10), p.1174 - 1179, 2017/10
被引用回数:44 パーセンタイル:79.34(Chemistry, Multidisciplinary)放射化法におけるMoは比放射能が低いことから、医療用Mo吸着材として高いMo吸着性能を有する材料が求められている。このため、メソポーラス構造を持つアルミナの開発を進めている。本研究では、メソポーラスアルミナ(MA)を開発し、比表面積や結晶構造の違いによるMo吸着性能の評価を行った。この結果、焼結温度の違いによるMAの気孔径や比表面積の違いを明らかにするとともに、Mo溶液の違いによるMo吸着性能を明らかにした。
福光 延吉*; 土谷 邦彦; 有賀 克彦*; 山内 悠輔*
Isotope News, (742), p.20 - 24, 2016/02
医療診断用アイソトープであるTcの親核種である(n,)法(放射化法)を用いたMo/Tc国産化が検討されている。日本はこのMoを全量海外からの輸入に依存しているため、産学官の共同で放射化法によるMo/Tc国産化のための研究開発が行われている。その中で、(n,)法によるMo/Tc製造はウランを用いて製造する核分裂法と比較して、Moの放射能濃度が低いという技術的な課題があり、Mo/Tcジェネレータで使用される高性能Mo吸着剤の開発が必要である。本解説は、高性能Mo吸着材の開発に係る現状とアルミナ系Mo吸着剤の高性能化についてまとめたものである。
宮元 展義*; 島崎 浩太朗*; 山本 浩亮*; 新立 盛生*; 蒲池 雄一郎*; Bastakoti, B. P.*; 鈴木 孝宗*; 元川 竜平; 山内 悠輔*
Chemistry; A European Journal, 20(46), p.14955 - 14958, 2014/11
被引用回数:18 パーセンタイル:49.25(Chemistry, Multidisciplinary)It is demonstrated that mesoporous silicas (MPSs) can be used as effective "topological cross-linkers" for poly(-isopropylacrylamide) (PNIPA) hydrogels to improve the mechanical property. Three-dimensional bicontinuous mesporous silica is found to effectively reinforce the PNIPA hydrogels, as compared to nonporous silica and two-dimensional hexagonally ordered mesoporous silica.
田口 康二郎*; 酒井 英明*; 奥山 大輔*; 石渡 晋太郎*; 藤岡 淳*; 福田 竜生; 橋爪 大輔*; 賀川 史敬*; 高橋 陽太郎*; 島野 亮*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 407(11), p.1685 - 1688, 2012/06
被引用回数:5 パーセンタイル:23.80(Physics, Condensed Matter)Perovskite-type manganites exhibit various interesting phenomena arising from complex interplay among spin, charge, orbital, and lattice degrees of freedom. As the respective examples, perovskite-type YMnO and SrBaMnO are discussed. In the YMnO, the ferroelectric lattice distortion associated with the -type spin order is observed for the first time. Displacement-type ferroelectricity with off-center magnetic ions is discovered for SrBaMnO, which shows both large polarization value and strong coupling between ferroelectricity and magnetism.
永井 佑紀*; 加藤 雄介*; 林 伸彦; 山内 邦彦*; 播磨 尚朝*
Physical Review B, 76(21), p.214514_1 - 214514_8, 2007/12
被引用回数:18 パーセンタイル:60.58(Materials Science, Multidisciplinary)ボロンカーバイド超伝導体YNiBCの超伝導ギャップ構造を同定するために、孤立渦糸まわりの局所状態密度を、バンド計算より得られた現実的なフェルミ面上で計算した。さまざまなギャップノード位置を仮定し、それらに対して得られた局所状態密度の中から、走査型トンネル顕微鏡の実験結果とコンシステントなものを見いだした。また、そこで見いだされたギャップ構造のもとで、比熱の磁場方向依存性を計算し、対応する実験結果と一致することを確認した。こうしてわれわれは、バンド計算と渦糸まわりの状態密度計算という二つの計算を組合せる新しい解析手法により、複数の実験結果とコンシステントな特定の超伝導ギャップ構造をYNiBCに対して初めて提示することに成功した。
Alowasheeir, A.*; 江口 美陽*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦; 若林 隆太郎*; 木村 辰雄*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 福光 延吉*; 山内 悠輔*
no journal, ,
診断用医薬品として広く使用されているTcの原料であるMoの放射化法による製造を目指している。本方法は、高濃縮ウランを使用しないため放射性廃棄物の発生量が少ないが、生成されるMoの比放射能が低いことから、MoからTcを効率的に分離・濃縮するための技術開発が必要である。本研究では、噴霧乾燥法で合成したメソポーラスアルミナをMo吸着材として用いた。メソポーラスアルミナは、アルミニウムアルコキシドと非イオン性界面活性剤P123を含む前駆体溶液を噴霧乾燥させて合成した。乾燥後、有機溶媒を用いた抽出法によりP123を除去した。また、比較のため400Cと850Cの異なる温度で3時間焼結を行う方法でP123を除去した。これらのMo吸着/Tc溶離特性を調べた結果、抽出したアルミナは市販のアルミナよりも優れた特性を有していた。両者のFTIRスペクトルのAl-OH基に由来するピーク強度の比較から、市販のアルミナよりも抽出したアルミナはより多くのAl-OH基を有していることを明らかにした。これは、プロトン化されたアルミナ表面と酸性溶液中で負に帯電するMoイオンとの強い相互作用がMo吸着を向上させることを示唆する。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
no journal, ,
放射化法で生成されるMoは比放射能が低いことから、医療用Mo吸着剤として高いMo吸着性能を有する材料が求められている。このため、メソポーラス技術を用いて表面積を増加させたアルミナの開発を進めている。本研究では、アルミナを2通りの方法で合成した。一方は、アルミナ-シリカ複合体でアルミナ/シリカ分子比及び焼成温度を段階的に変化させて合成した。もう一方は、エタノール処理で焼成時間及び焼成温度を段階的に変化させて合成した。その結果、アルミナ-シリカ複合体ではアルミナ/シリカ分子比0.6、焼成温度750Cで最もMo吸着能が高く、エタノール処理では焼成時間24時間、焼成温度700Cで最もMo吸着能が高いことが明らかとなった。いずれの方法でも現行の医療用アルミナのMo吸着能よりも高い値を示した。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Kaneti, Y. V.*; Benu, D. P.*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
no journal, ,
放射化法を利用したTc国産化では、生成されるMo量が少ないため放射化Mo溶液から十分な量のTcを抽出するには、多量のMoを吸着することが必要である。本研究の目的は、より高い吸着能を持つMo吸着材を開発することである。抽出液の安全性を担保するためには既存の吸着材アルミナの性質を変えないことが望ましく、Mo吸着能を高めるためアルミナ粒子の比表面積を増やす方法を検討した。その方法としてメソポーラス加工に着目し、シリカアルミナ複合体、ソルボサーマル法によるアルミナ粉末のエタノール処理、TiOを混入させたAlO-TiOの3通りの方法でメソポーラスアルミナを作製した。Mo吸着能は、シリカアルミナ複合体で16.8mg/g、ソルボサーマル法で56.2mg/g、AlO-TiOで44.5mg/gといずれの方法でも従来法の約10mg/gより高く、特にソルボサーマル法で最も優れたMo吸着能を示した。この結果からメソポーラス加工を応用することで、吸着材の性質に大きな変化を加えることなくMo吸着能を高められることが明らかとなった。またいずれの方法においても、Mo吸着能はアルミナの焼成温度およびMo溶液のpHに依存した。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Kaneti, Y. V.*; Benu, D. P.*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
no journal, ,
Tcは放射性医薬品として最も多く使用されるが、その親核種であるMoを日本では100%輸入に依存している。そこで、Mo/Tcの国産化を目的に、放射化法を用いたMo製造に関する研究を進めている。放射化法で生成されるMo比放射能は極めて低いため、Mo/Tcジェネレータへの適用にはMo吸着容量の多い吸着材が必要である。放射性医薬品基準においてMo吸着材はアルミナと定義されていることから、高い吸着容量を持つアルミナの開発としてメソポーラス加工に着目した。本研究では、シリカアルミナ複合体、ソルボサーマル法によるアルミナ粉末のエタノール処理、TiOを混入させたAlO-TiOの3通りの方法でメソポーラスアルミナを作製した。その結果、いずれの方法でも従来のアルミナよりも高いMo吸着容量を示した。
鈴木 善貴; 新関 智丈*; 北河 友也*; 西方 香緒里; 松倉 実*; 長谷川 良雄*; 棚瀬 正和*; 福光 延吉*; 山内 悠輔*; 有賀 克彦*; et al.
no journal, ,
高濃縮ウランの使用制限、核セキュリティ及び核分裂生成物の廃棄の観点から、中性子放射化法((n,)法)によるMo/Tcの製造技術開発を進めている。(n,)法により生成されたMoの比放射能は核分裂法((n,f)法)によって生成されたMoの比放射能に比べて極めて低い。一方、Mo/Tcジェネレータでは、Mo吸着剤としてアルミナ(AlO)が広く使用されている。このため、(n,)法に適用するには、高いMo吸着能を有するAlOの開発が必要不可欠である。本研究では、AlOの特性改善のため、EPMA、赤外分光法、XPS等の表面分析により、AlO表面におけるMo吸着挙動を調べた。この結果、赤外分光法とXPSの測定結果により、Moの吸着サイトはAlO表面のOH基にMoOとして、吸着していることが分った。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
no journal, ,
放射化法で生成されるMoは比放射能が低いことから、医療用Mo吸着剤として高いMo吸着性能を有する材料が求められている。このため、メソポーラス技術を用いて表面積を増加させたアルミナの開発を進めている。本研究では、アルミナを2通りの方法で合成した。一方は、アルミナ-シリカ複合体でアルミナ/シリカ分子比及び焼成温度を段階的に変化させて合成した。もう一方は、エタノール処理で焼成時間及び焼成温度を段階的に変化させて合成した。その結果、アルミナ-シリカ複合体ではアルミナ/シリカ分子比0.6、焼成温度750Cで最も高いMo吸着能(16.8mgMo/g)が得られ、エタノール処理では焼成時間48時間、焼成温度700Cで最も高いMo吸着能(56.2mgMo/g)が得られることを明らかにした。いずれの方法でも現行の医療用アルミナのMo吸着能よりも高い値を示した。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Kaneti, Y. V.*; Benu, D. P.*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
no journal, ,
核医学検査薬として最も多く使用されるテクネチウム-99m(Tc)は、モリブデン-99(Mo)の娘核種である。核不拡散等の観点よりウランを用いる核分裂法の代わりに、Moに中性子照射する放射化法によるMoの国産化を目指している。放射化法で生成されるMoは比放射能が極めて低いことから、医療用Mo吸着剤として高いMo吸着容量を有する材料が望まれる。そこで、メソポーラス技術を用いて表面積を増加させたアルミナの開発を進めている。本研究では、メソポーラスアルミナに少量のチタンを添加することによりMo吸着容量の大きいアルミナの合成を試みた。まず、メソポーラス状のアルミナをオルトチタン酸テトライソプロピルを添加したエタノールに含浸した後、乾燥させアルミナ表面にチタン処理を施した。その結果、5%のTi添加により比表面積及び細孔径が最大となり、既存のアルミナを上回るMo吸着容量が得られることを明らかにした。