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柳澤 華代; 松枝 誠; 岡 壽崇; 北辻 章浩
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 335(3), p.2091 - 2100, 2026/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)Conventional methods for determining neptunium-237 are labor-intensive and time-consuming, involving manual valence adjustments followed by chemical separation. These procedures are typically performed in open systems, which increases the risks of contamination, sample loss, and radiation exposure to workers. We developed a fully automated, semi-closed system that integrates flow electrolysis with solid-phase extraction and inductively coupled plasma-tandem mass spectrometry (ICP-MS/MS) to address these limitations. The system achieved a detection limit of 3.6 mBq/L (approximately 0.14 ng/L) with a 1 mL sample injection and a total analysis time of 25 min, enabling high-throughput analysis. Recovery tests using steel waste samples showed good agreement with the spiked values.
Sr at subfemtogram levels via online isotope dilution and laser ablation inductively coupled plasma tandem mass spectrometry柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*
Analytical Chemistry, 97(50), p.27980 - 27987, 2025/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)The quantitative mapping of radioisotopes in solids is crucial for understanding their microscale localization and migration. However, conventional radiometric and mass spectrometric techniques are only capable of bulk measurements without spatial resolution. Imaging plates provide spatial resolution, but they lack selectivity and cannot quantify radioisotopes that only emit beta radiation, such as
Sr. Here, the first system for isotope-specific quantitative mapping of a pure beta emitter is demonstrated that integrates online isotope dilution (ID) with laser ablation inductively coupled plasma tandem mass spectrometry (LA-ICP-MS/MS). In a case study, ultra-trace levels of
Sr were accurately quantified without requiring matrix-matched certified reference materials (CRMs) for calibration or chemical separation. Severe isobaric/polyatomic interference (e.g.,
Zr
,
Ge
O
,
Y
H
, and
Ni
O
) was efficiently suppressed by O
reaction in a dynamic reaction cell, which greatly improved the abundance sensitivity and allowed sub-femtogram amounts of
Sr to be quantitatively imaged. The background equivalent concentration (BEC) was 0.14 ng g
(7.0
10
Bq g
) per data point, and the measurement time was within 1 s. Validation with CRMs and
Sr samples confirmed accuracy of 88
116% relative to reference values. The proposed system is a versatile platform that can be applied to the practical mapping of radioactive solids, which has broad implications for nuclear waste disposal, environmental remediation, and radiation protection.
柳澤 華代
日本分析化学会関東支部ニュース, (34), p.16 - 17, 2025/00
本発表では、日本分析化学会関東支部2024年度新世紀新人賞の受賞対象となった研究成果について概説する。誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)はppt
ppbレベルの高感度分析が可能であり、放射性核種の分析においては半減期が1000年を超える長半減期核種を中心に分析法開発が進んできたが、
Sr(半減期:28.8年)などの純
線放出核種は従来の放射線計測法では測定が難しいため、ICP-MSのさらなる高感度化や分析法の応用研究が求められている。本研究ではまず、ICP-MSの基礎検討としてAr-N
混合ガスによる増感効果に着目し、Ar-N
混合ガスによる63元素の検出感度などへの影響を網羅的に調査するとともに、増感効果のメカニズムを考察した。また、濃度既知の標準試料が不要な定量法として同位体希釈質量分析法(IDMS)に基づいた新規定量法を考案し、オンラインSPE-ICP-MSによる
Sr分析やレーザーアブレーション(LA)-ICP-MSによるマッピング分析に適用し、本法の応用可能性について検証した。
柳澤 華代; 横田 裕海*; 藤本 勝成*; 高貝 慶隆*
分析化学, 73(9), p.515 - 522, 2024/09
オンライン同位体希釈-レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインID-LA-ICP-MS)はレーザーによって掘削した地点ごとの定量とその元素の定量マッピングが可能である。このフローピークとして得られるデータ容量は、取得するm/z数、走査時間、測定位置数等に乗じた数となるので膨大なデータ量になり、その処理に必要な人的・時間的負荷が大きかった。バックグラウンドノイズ(BGN)とレーザー照射に伴う時間的な強度変化(応答)を弁別するため、罰則項付き非対称最小二乗法を用いるピーク検出法を開発し、データ処理の効率化を目的として、Pythonを用いる独自のソフトウェアを作製した。オンラインID-LA-ICP-MSによるアカネズミ奥歯の分析を行い、547,200次元の計測データを本法により処理した結果、手動による約20時間の処理を約30秒に短縮した。本研究はオンラインID-LA-ICP-MSのみならず、さまざまなフローインジェクション分析への応用が期待できる。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
Analyst, 148(18), p.4291 - 4299, 2023/09
被引用回数:3 パーセンタイル:21.47(Chemistry, Analytical)固体表面の定量マッピングが可能なオンライン同位体希釈レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインLA-ICP-IDMS)を開発した。LAで生成された試料エアロゾルは、独自開発したサイクロン式スプレーチャンバーを介して、同位体濃縮液のミストとオンラインで混合され、ICP-MSへと導入される。その後、同位体比の計算などを通じて各スポットにおける定量イメージング像を作成した。モデル元素としてFeとSrを選択し、オンライン同位体希釈に基づく定量によって認証標準物質を定量したところ、認証値と定量値の結果は良好であった。本法を生体硬組織に適用し、電子プローブマイクロアナライザーのデータと比較した結果、鉄とSrのような微量元素の定量に有効であることを確認した。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*
Analytical Sciences, 38(8), p.1105 - 1114, 2022/08
被引用回数:1 パーセンタイル:3.64(Chemistry, Analytical)本研究は超音波霧化と窒素混合ガス効果を組み合わせることで誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)の感度が向上することを実証したものである。本論文では市販のネブライザー(同軸ネブライザー、超音波ネブライザー)を用いて、ネブライザーガス中の窒素ガス濃度(0-5%)が63元素の感度に与える影響を示すとともに、各条件における検出限界を算出した。また、それぞれの感度、バックグラウンドノイズ強度、およびプラズマ内の3次元強度分布を比較することで、混合ガスプラズマと噴霧法の組み合わせによる感度向上効果への影響を明らかにした。
Sr using
Sr/
Sr isotope dilution method柳澤 華代*; 小田島 瑞樹*; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*
Talanta, 244, p.123442_1 - 123442_7, 2022/07
被引用回数:9 パーセンタイル:49.91(Chemistry, Analytical)オンライン固相抽出(SPE)-ICP-QMSとSr-88/Sr-86比を用いた同位体希釈(ID)法の組合せにより、低濃度のSr-90定量を達成した。本法は放射性標準物質や検量線が不要でデータ取得もワンショットで行うことができる。また、同重体のZr-90などの有意な干渉が存在しても、Sr-90を15分以内で定量する。Sr-90の検出下限値は10mL注入で5.6Bq/Lであり、注入量を増やすとさらに改善する。
SrのICP-MS測定法の高感度化小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基
KEK Proceedings 2021-2, p.140 - 145, 2021/12
従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が
Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる
Srの定量が試みられている。土壌や水以外の
Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の
Sr分析方法を開発し、開発した手法をウシ骨に対して適用した。検出下限値19Bq/kgでウシ骨中
Srを定量することが可能であり、実際の硬組織中の
Srも定量することができた。
Sr in cattle bone and tooth samples by inductively coupled plasma mass spectrometry小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 寺島 元基; 藤原 健壮; 木野 康志*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; et al.
Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 36(8), p.1678 - 1682, 2021/08
被引用回数:8 パーセンタイル:50.98(Chemistry, Analytical)ウシの硬組織用の
Sr分析法をICP-MS用いて開発した。0.1gの硬組織に対して、従来の放射能測定法より低い検出下限値で、11時間での分析を可能とした。そのため、ICP-MS法は微小な骨や歯試料を対象とした迅速かつ有効な分析手法となり得る。
松枝 誠; 柳澤 華代*; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信; 北村 哲浩; 高貝 慶隆*
ACS Omega (Internet), 6(29), p.19281 - 19290, 2021/07
被引用回数:8 パーセンタイル:33.07(Chemistry, Multidisciplinary)多段階分離を用いた干渉物質(
Ru及び
Mo)の除去を利用した完全自動のオンライン固相抽出ICP-MS分析法を開発した。
TcのICP-MS分析では試料中に大過剰に含まれるMo由来の同重体(MoH)が定量を阻害するが、本法は
Tc/Mo = 1.5
10
のアバンダンス比を得ており、ICP-MSの適用範囲を拡張した。検出下限値は50 mL導入で9.3pg/L、測定時間は24分であった。
SrのICP-MS測定に向けたSrレジンの適用性小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 北村 哲浩; 阿部 寛信
KEK Proceedings 2020-4, p.180 - 185, 2020/11
従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が
Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる
Srの定量が試みられている。土壌や水以外の
Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の
Sr分析への適用性を検討した。魚の骨試料を対象にカラムを用いて化学分離を行ったところ、カラムへの試料導入と2.6M硝酸での洗浄の段階で、安定Srは効率よく回収し、Ca, Feはほぼ全て除去できた。Mg, Baは完全に除去できなかったが、安定Srの濃度に比べ2桁以上低濃度であり、マトリックス効果は確認されなかった。もともと低濃度のZr, Ge, Seの除去の程度の見積もりが困難であったが、質量数90でのアバンダンス感度は確認されず、ICP-MSでの
Sr測定時の干渉がないことがわかった。本手法は安定Srを効率よく回収しながらICP-MS測定の干渉元素を除去できるため、今後、硬組織中の
SrをICP-MSで分析する際の化学分離法への適用が期待される。
Sr using automatic solid-phase extraction inductively coupled plasma mass spectrometry柳澤 華代*; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*
Analytical Sciences, 36(9), p.1131 - 1135, 2020/09
被引用回数:4 パーセンタイル:13.44(Chemistry, Analytical)固相抽出とO
酸化反応を組み合わせた誘導結合プラズマ質量分析(カスケードICP-MS)を用いたSr-90の迅速分析におけるオンライン水希釈システムを開発した。このシステムは分析時間を延ばすことなく、自動で最大3.3倍の高い希釈倍率を得ることができる(15分以内)。検出下限値は2.7Bq/kg生である。回収試験結果においては2種類の異なるスパイク濃度で実施した。
藤原 健壮; 柳澤 華代*; 飯島 和毅
Environmental Radiochemical Analysis VI, p.89 - 96, 2019/09
ストロンチウム90は核分裂生成物のうち収率と毒性が高いため、環境試料の測定では低濃度での測定が必要となる。特に事故時においては迅速な環境モニタリングと健康影響の評価が必要である。環境中の放射性核種の移行挙動の評価のためには、溶液のみならず、生物や土壌中の分析が必要である。溶液中におけるストロンチウム90のICP-MSによる迅速分析手法が近年確立されている。しかしながら本手法では、土壌や魚等の分析については、同位元素や対象外物質を多く含むため、重核が測定に影響を与えるなどの理由によりまだ確立されていない。よって本研究では、魚や土壌中に含まれるストロンチウム90の分析手法をっかうりつするため、ストロンチウムの同位体やカルシウムのような共存イオンの影響を評価した。
三枝 純; 柳澤 華代; 波澄 篤; 清水 武徳; 内田 芳昭*
Radiation Physics and Chemistry, 137, p.210 - 215, 2017/08
被引用回数:1 パーセンタイル:8.58(Chemistry, Physical)福島第一原子力発電所事故に伴い、県内各地で放射線モニタリングや環境修復活動が実施されている。現場の気温は夏期に40
C、冬期に-20
Cに達し、各種サーベイメータの想定使用温度の範囲外である。そこで福島で多く用いられている国産サーベイメータ4機種を対象として、恒温槽を用いた温度特性試験を実施し、指示値の温度依存性を調べた。
柳澤 華代; 五十木 理子; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 深谷 洋行; 原賀 智子; 大竹 良徳; 丹保 雅喜; 稲田 有紗; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃炉作業を円滑に進めるため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、1Fサイト内に立地する大熊分析・研究センターにおいて、ガレキや伐採木、焼却灰などの放射性廃棄物の分析ならびに多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の第三者分析を行っている。しかし、廃炉作業は長期にわたることに加え、分析対象となる放射性核種は69核種にも及ぶことから、幅広い知識と経験を持つ分析技術者を中長期的に確保・育成する必要がある。この課題を解決するため、発表者らが所属するJAEA原子力科学研究所では、大熊分析・研究センターと連携し、JAEAの若手職員や大学、民間企業からの人材を受け入れ、管理区域内での作業や核種分析技術を実践的に習得してもらうための実習を行っており、今後も積極的に外部人材の受け入れを推進する予定である。本発表では、本事業における原子力科学研究所での人材育成の取り組みについて紹介し、さらに、今後の展望や人材受け入れに関する情報提供を行う。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
no journal, ,
LA-ICP-MS法はXRF, EPMA, SIMSといった従来法よりも高感度に元素分析と同位体マッピングが可能である。しかし、Sr-90の場合はスペクトルの干渉や隣接する同位体のテーリングなどにより困難であった。特に、燃料被覆管や土壌中に存在するZr-90による同位体干渉が問題となっていた。本研究では、Zr-90を含む干渉の寄与を低減するために、ICP-タンデム質量分析計とダイナミックリアクションセルの組合せを採用した。本法により、分析領域(100
100
mm四方)から得られた検出限界は0.64mBqであった。m/z90uの測定バックグラウンド強度(1.6
2.2cps)は、種々の妨害元素(Ni:
2,084mg/kg, Ge:
21mg/kg, Y:
23,004mg/kg, Zr:
175mg/kg)が存在しても大きく変化しなかった。また、Sr-88からSr-90への寄与は
2.6e-9であった。本法はSr-90を含む微量元素の高感度マッピング分析を実現するものである。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
no journal, ,
Sr-90はCaと類似した化学的性質を持ち、体内へ取り込まれた後は骨や歯へ局所的に沈着するため、福島第一原子力発電所(1F)事故以降、その環境移行や体内代謝に関する研究に関心が集まっている。レーザーアブレーション(LA)-ICP-MSは、優れた感度と空間分解能を持つ固体直接分析法のため、分析対象物表層の元素分布を画像として取得するイメージング分析に有用だが、Sr-90と近い質量電荷数比(m/z)を持つ同重体イオンや多原子イオンによるスペクトル干渉のため、微量のSr-90を正確に検出することは困難だった。本法では、ダイナミックリアクションセル(DRC)を備えたLA-ICP-MS/MSを用いることで干渉元素共存下でも試料表面のSr-90分布状況を把握できることを示した。
Sr迅速分析法の環境試料への適用萩原 大樹; 柳澤 華代*; 桑田 遥*; 田辺 務; 植頭 康裕
no journal, ,
本研究の目的は、従来の放射能測定法に比べ、迅速性・簡便性に優れるオンライン固相抽出/ICP-MSによる
Sr迅速分析法を、緊急時等における環境試料のスクリーニング分析法として確立することである。
Srは骨に対して高い親和性を有するため、環境試料として骨や殻ごと食べる魚介類に着目し、主成分元素が
Sr測定に与える影響の把握と解決に取り組んだ。この結果、比較的塩濃度の高い環境試料に対し、標準添加法を用いて添加回収試験を行ったところ、誤差の範囲内で一致した。したがって、より主成分元素濃度の高い環境試料に対しても本法を適用できる見通しを得た。
Sr測定のためのICP-MSの測定条件最適化小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 北村 哲浩; 阿部 寛信
no journal, ,
従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が
Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる
Srの定量が試みられている。土壌や水以外の
Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の
Sr分析への適用性を検討した。検出下限値19Bq/kgで硬組織中
Srを定量することが可能であり、実際の硬組織中の
Srも定量することができた。
Srの分布測定のための少量試料中
Srの測定小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 木野 康志*; 岡 壽崇; 奥津 賢一*; 山下 琢磨*; et al.
no journal, ,
硬組織(歯や骨)は動物の生息環境中の
Srの分布の指標とされている。硬組織は代謝の遅い生体組織であるため、組織内に生体の
Sr取り込みの履歴を残す可能性がある。硬組織内での
Srの分布を明らかにするためには、硬組織を分割し微細な試料の測定が求められる。本発表では、少量試料に有利なICP-MS法の妥当性を明らかにするために、放射能測定法との比較を行った。放射能測定法およびICP-MS法ともに0.10g中の硬組織中
Srの定量に成功した。LODを比較すると、1.0g試料の放射能測定が最も低く、続いて0.10g試料のICP-MS測定、0.10gの放射能測定が最も大きいという結果であった。またICP-MS法の分析時間は8時間と、放射能測定法より短時間での分析である。硬組織の微細な破片を測定する場合、ICP-MS法は放射能測定法同様に、
Sr分析法として適用可能であると考えられる。今後、定量値のばらつきや検出感度を改善することで、より実用的な生体の
Sr取り込み履歴の調査に応用できると考えられる。